通訳案内士には、全国通訳案内士と地域通訳案内士があります。
今回は全国通訳案内士を取り上げたいと思います。
全国通訳案内士は語学関連の唯一の国家資格であります。
通訳に必要なのは語学だけでなく、日本の歴史、文化、地理の知識も必要になります。
Contents
適用する仕事
全国通訳案内士とは、通訳案内士法において「報酬を得て、通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすること)を業とする」とされています。
全国通訳案内士は国家試験に合格した方であって、高度な外国語能力や日本全国の歴史・地理・文化等の観光に関する質の高い知識を有する者であり、「全国通訳案内士」として都道府県の登録を受けた方々になります。
仕事はスケジュール管理やホテルの予約、滞在中のトラブル対応といった業務を担うケースもあります。
ちなみに、地域通訳案内士とは、特定の地域内において、「報酬を得て、通訳案内(外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をすること)を業とする」とされています。
地域通訳案内士は、特定の地域において、その固有の歴史・地理・文化等の現地情報に精通した者であり、各自治体が行う研修受講を通じて「地域通訳案内士」として登録を受けた方々になります。
全国通訳案内士は国家資格で、地域通訳案内士は地域独自で行っている資格という違いがあります。
地域通訳案内士の難易度の方が取得に際して求められる語学力、知識共に国家試験より基準は低く設定されています。
おおよその年収とキャリアパス
通訳案内士の平均年収は382万円です。
これは、日本の平均年収461万円より下です。
稼げないのはなぜでしょうか?
調べた結果、6割の通訳案内士は年収200万以下であることがわかりました。
稼げない理由として、通訳において英語の学習者は多いのですが、逆にアジアの言語学習者が少ないからだといえます。
旅行者は年々伸びています。
2017年の統計では、実に全体の85%をアジアからのお客さんが占めています。
外国人の連休が続くときには通訳の仕事がありますが、連休が終われば帰ってしまいます。
これでは一年を通して安定したお給料は稼げません。
通訳といっても英語だけではなく、中国語やロシア語やスペイン語、その他の言語も出来ると良いですが、現実は厳しいですよね。
現在では、稼げる言語は中国語だと言われています。
中国語での通訳案内士の平均年収は650万円以上だそうです。
認可団体
独立行政法人 国際観光振興機構
Japan National Tourism Organization (JNTO)
通称:日本政府観光局(JNTO)
受験条件
筆記試験では、年齢、性別、学歴、国籍等に関係なく、だれでも受験できます。
口述試験では、筆記試験に合格した方(筆記試験を免除される方を含む)が受験できます。
合格率
2021年の合格率 | |||
国/言語 | 受験者数(人) | 最終合格者数(人) | 合格率(%) |
英語 | 2,955 | 251 | 8.5 |
フランス語 | 134 | 25 | 18.7 |
スペイン語 | 117 | 13 | 11.1 |
ドイツ語 | 34 | 6 | 17.6 |
中国語 | 343 | 25 | 7.3 |
イタリア語 | 56 | 5 | 8.9 |
ポルトガル語 | 25 | 3 | 12.0 |
ロシア語 | 56 | 3 | 5.4 |
韓国語 | 103 | 15 | 14.6 |
タイ語 | 11 | 1 | 9.1 |
計 | 3,834 | 347 | 9.1 |
1年当たりの試験実施回数
筆記試験・口述試験ともに年一回です。
試験科目
筆記試験と口述試験があります。
筆記試験では、外国語(英語・中国語・韓国語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・タイ語)、日本地理、日本歴史、産業、経済・政治及び文化に関する一般常識と通訳案内の実務
口述試験では、通訳案内の実務(通訳案内の現場で必要とされるコミュニケーションを図るための実践的な能力について、選択した外国語により判定)
※選択外国語は、筆記試験と同一とします。
●外国語 着席時間10:45~11:00 試験時間11:00~12:30(90分)
●日本地理 着席時間13:30~13:40 試験時間13:40~14:10(30分)
●日本歴史 着席時間14:30~14:40 試験時間14:40~15:10(30分)
●一般常識 着席時間15:30~15:40 試験時間15:40~16:00(20分)
●通訳案内の実務 着席時間16:20~16:30 試験時間16:30~16:50(20分)
採点方式と合格基準
試験の方法は、多肢選択式(マークシート方式)です。
外国語についての筆記試験は、各語学ごとに、原則として70点を合格基準点として行います。
日本地理、日本歴史は、原則として各科目70点を合格基準点として行います。
一般常識・通訳案内の実務は、原則として30点を合格基準点として行います。(各科目50点満点)
取得に必要な勉強などの費用
おすすめテキストをご紹介します。
全国通訳案内士試験「地理・歴史・実務」直前対策問題集
出版社名:語研
商品名:全国通訳案内士試験「地理・歴史・実務」直前対策問題集
価格:¥2,640(税込)
全国通訳案内士試験「英語一次」直前対策問題集
出版社名:語研
商品名:全国通訳案内士試験「英語一次」直前対策問題集
価格:¥2,420(税込)
受験料
一カ国語受験は11,700円です。二カ国語受験は23,400円です。
別途事務手続手数料がかかります。 ※日本円のみ受け付けます
クレジットカード支払いでは
VISA、MASTER、JCB、AMEX、DINERS、DISCOVERが使用できます。
- 一カ国語受験・・・12,091円(受験手数料 11,700円+事務手続手数料 391円)
- 二カ国語受験・・・24,178円(受験手数料 23,400円+事務手続手数料 778円)
コンビニエンスストアでの支払いでは
日本国内のセブンイレンブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、デイリーヤマザキ、セイコーマートの店舗で支払いができます。
- 一カ国語受験・・・12,007円(受験手数料 11,700円+事務手続手数料 307円)
- 二カ国語受験・・・23,863円(受験手数料 23,400円+事務手続手数料 463円)
※支払い期限内にお支払いください。期限が過ぎた場合は事務局までご連絡ください。
受験申込方法
インターネットによる電子申請のみの受付となります。
印刷物による願書等の配布は行なっておりません。
電子申請の際に準備するもの
1.顔写真
ファイルサイズ10MB(メガバイト)以下、縦320ピクセル×横240ピクセルのJPEG(ジェイペグ)形式のデジタル写真。(縦・横サイズはアップロード時に自動調整する)
画像サイズが大きいとデータがアップロードできません。
- 申請日より6ヶ月以内に撮影したもの。
- 写真は、カラーまたは白黒で無背景のもの。(白地または背景の色が強くないもの)
- 帽子、マスク、サングラス等を着用していないもの。
- 本人のみが写っているもの。(ほかの人物及び特定できる文字や建物が映っていないもの)
- 正面を向いて本人の肩から上、頭頂部まで顔や輪郭がはっきりと判別できるもの。
- 受験時に眼鏡を使用する場合、眼鏡をかけて撮影したもの。
2.筆記試験科目の一部または全部の免除申請をする場合
電子申請システムより免除を申請することができます。
免除申請の種類と対象者、免除科目、添付書類等の詳細を施行要領でご確認の上、電子申請システムより申請してください。
申請時には、必要な添付書類を画像データ(PDF、JPG等)でアップロードして頂きますので、事前に用意してください。
大学入試センターより発行される「開封無効」の書類のみ、郵送で受け付けます。
開封しないで、電子申請後2日以内に「簡易書留」または「レターパックプラス」で送付してください。
手順
- JNTOサイトにてメールアドレス登録
- 受験者情報入力・免除申請・写真登録
- 受験料支払い
- 免除申請書類郵送
まとめ
バイリンガルの方は持っているスキルを活かして、全国通訳案内士を目指すのも良いですね。
全国通訳案内士の資格を所有していると、日本全国の歴史・地理・文化に関する高い知識を有する証明になります。
フリーランスになっても信用が違いますよ。
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