土木施工管理技士について

土木施工管理技士について

施工管理技士の国家資格である、土木施工管理技士についてまとめさせていただきました。
この資格は、1級と2級にわかれています。

適用する仕事

土木施工管理技士の仕事内容は、主に下記のとおりになります。

工事全体の進捗やスケジュール管理

工事全体の進み具合やスケジュールの管理をします。
工期に合わせて、作業内容を考えなければなりません。

現場作業員の監督や管理

土木施工管理技士は現場代理人や工事主任であることが多いです。
作業自体はしないで、現場の作業員の監督や管理業務が中心です。
工事で事故が起きないように、管理をします。

下請け金額の見積や確認

大きい工事になると、請負業者だけでなく工事を部分的に外注します。そのことを下請けするといいます。
下請けとの契約や、見積金額の設定も現場代理人である土木施工管理技士が行うことが多いです。

下請け業者の管理や監督

下請け業者に工事を請け負ってもらっている部分があるなら、安全管理を指導します。
下請け業者は小さな会社が多く、安全の監理がしっかりしていない部分がある場合が多いです。

工事内容の設計や積算の確認

工事内容の設計や積算をするのも、土木施工管理技士の仕事です。
設計と工事現場を照らし合わせたときに問題ないかどうかや、工事内容に変更が出た時に積算や見積を行います。

発注者との協議や内容確認

トラブルや変更があったときは、工事を発注した会社との協議をします。

工事における材料計算や図面などの資料作成

工事で使われる材料の計算や、図面などの作成もします。
CADは使える必要があります。

工事の成果品作成(発注者への提出物)

工事が完成したら、発注者へ成果品を納品します。
納品するものは、図面や数量計算、使った材料表や打合せ簿など様々です。

おおよその年収とキャリアパス

500万円ある札束1級土木施工管理技士の資格がある人の平均年収は、500万円から700万円です。
2級土木施工管理技士の資格がある人の平均年収は、400万円から600万円です。
資格なしで土木施工管理技士の仕事をしている人の平均年収は、300万円から500万円です。

1級は、全ての土木工事で主任技術者と監理技術者の両方に選任されることが出来ます。
監理技術者は、現場の全体を指揮する立場です。

2級は、試験内容が「土木」と「鋼構造物塗装」と「薬液注入」の3種類にわかれます。
合格した分野の主任技術者として、施工管理を行うことが出来ます。

認可団体

自動車整備士 ロゴ土木施工管理技士は、国土交通省の管轄の資格です。

受験条件

受験に必要な条件は次のいずれかを満たすことです。

2級

第一次検定

試験の年度内に年齢が17歳以上の者

第二次検定

2級土木施工管理技術検定・第一次検定の合格者で、次のいずれかに該当する者

学歴 土木施工に関する実務経験年数
指定学科 指定学科以外
大学卒業者
専門学校卒業者(ただし高度専門士限定)
卒業後1年以上 卒業後1年6ヶ月以上
短期大学卒業者
高等専門学校卒業者
専門学校卒業者(ただし専門士限定)
卒業後2年以上 卒業後3年以上
高等学校卒業者
中等教育学校卒業者
専修学校の専門課程卒業者
卒業後3年以上 卒業後4年6ヶ月以上
その他の者 8年以上

1級

第一次検定

条件には、さまざまな区分があります。

[その1]

学歴または資格 土木施工に関する実務経験年数
指定学科 指定学科以外
大学卒業者
専門学校卒業者(ただし高度専門士限定)
卒業後3年以上 卒業後4年6ヶ月以上
短期大学卒業者
高等専門学校卒業者
専門学校卒業者(ただし専門士限定)
卒業後5年以上 卒業後7年6ヶ月以上
高等学校・中等教育学校卒業者
専修学校の専門課程卒業者
卒業後10年以上 卒業後11年6ヶ月以上
その他の者 15年以上

[その2]
高等学校、中等教育学校、専修学校の専門課程のいずれかを卒業した者は、卒業後8年以上の実務経験が必要。
ただし、その実務経験に指導監督的実務経験を含み、かつ、5年以上の実務経験の後に専任の監理技術者による指導を受けた実務経験を2年以上含むこと。

[その3]
こちらは、専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者が対象の受験条件です。

その中で高等学校卒業者、中等教育学校卒業者、専修学校の専門課程卒業者は、指定学科なら卒業後8年以上、指定学科でないなら卒業後9年6ヶ月以上の土木に関する実務経験が必要です。
上記にあてはまらないその他の者は13年以上、実務経験が必要です。

[その4]
2級合格者

第二次検定

1級土木施工管理技術検定、第一次検定の合格者
ただし、1次試験の受験条件として2級合格者のみを満たした者を除く。

1次試験の受験条件として2級合格者のみを満たした者のうち、次のいずれかに該当する者。

・2級土木施工管理技術検定合格者で、合格後に3年以上経過していて、合格後1年以上の指導的監督実務経験及び専任の監理技術者による指導を受けた実務経験2年以上を含む3年以上の土木施工に関する実務経験の者

・2級土木施工管理技術検定合格者で、合格後に5年以上経過していて、土木施工に関する実務経験が5年以上の者

・2級土木施工管理技術検定合格者で、合格後に5年未満な者で、高等学校の指定学科を卒業した者は土木施工に関する実務経験が9年以上必要

・2級土木施工管理技術検定合格者で、合格後に5年未満な者で、高校の指定学科以外を卒業した者は土木施工に関する実務経験が10年6ヶ月以上必要

・2級土木施工管理技術検定合格者で、合格後に5年未満な者で、学歴に該当しない方は土木施工に関する実務経験が14年以上必要

専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者の場合

・2級土木施工管理技術検定合格者で、合格後に3年以上経過している者は、合格後に1年以上の専任の主任技術者経験を含む土木施工に関する実務経験3年以上必要

・2級土木施工管理技術検定合格者で、合格後に3年経過していない者で、短期大学、高等専門学校の指定学科以外を卒業している者は、土木施工に関する実務経験が7年以上必要

・上記以外の者は、15年以上の土木施工に関する実務経験が必要

合格率

合格祈願半ば途中のだるま近年の公表されている合格率は次の通りです。

1級

・第一次検定
令和4年度:54.6%
令和3年度:60.6%
令和2年度:60.1%

・第二次検定
令和4年度:28.7%
令和3年度:36.6%
令和2年度:31.0%

2級

・第一次検定
令和4年度:62.1%
令和3年度:60.6%
令和2年度:60.1%

・第二次検定
令和4年度:-
令和3年度:73.6%
令和2年度:72.6%

1年当たりの試験実施回数

年に1回実施されています。
ただし、2級は実施内容によって、2回の日程を設けています。

試験場所は、札幌、釧路、青森、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、岡山、広島、高松、福岡、那覇の13ヶ所で開催されます。

試験科目

青空と街並みを背景に開かれている本2級と1級は共に、第一次検定第二次検定があります。
試験時間は第一次検定が2時間10分で、第二次検定が2時間です。

1級

第一次検定が土木工学、施工管理法、法規です。
第二次検定は施工管理法が出題されます。

2級

2級の試験では、受験する種別ごとに試験科目が違います。
土木、鋼構造物塗装、薬液注入の試験がありますが、それぞれ試験科目は次の通りです。

土木

第1次検定(択一式)
・土木工学など
・施工管理法
・法規

第2次検定(記述式)
施工管理法

鋼構造物塗装

第1次検定(択一式)
・土木工学など
・鋼構造物塗装施工管理法
・法規

第2次検定(記述式)
鋼構造物塗装施工管理法

薬液注入

第1次検定(択一式)
・土木工学など
・薬液注入施工管理法
・法規

第2次検定(記述式)
薬液注入施工管理法

採点方式と合格基準

第1次検定はマークシート方式で、第2次検定は記述式です。
記述式では、減点に気を付けなければなりません。
漢字間違いや、根拠が背景までしっかりと記載されていないことなども減点対象です。

合格基準
・1級試験
第1次検定は65点満点ですが、そのうちの65%を得点できれば合格になります。
つまり、38点が学科試験の合格基準です。
第2次検定の配点や採点方式、合格基準は公表されていません。

・2級試験
第1次、第2次共に合格基準は60%以上の得点です。

ここでの合格基準は、試験の実施状況によって変更の可能性があります。

取得に必要な勉強などの費用

講座を受ける場合は、費用は様々です。
受講する場所によって、18,000円ほどのところから、462,000円ほどあるところまで幅があります。
参考書を買って勉強される場合、よく購入されている参考書が掲載します。

1級土木施工管理技士 試験学習セット 令和5年度1次&2次試験対応版(スタディトライ1年分付き)

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発行元:サザンソフト
商品名:1級土木施工管理技士 試験学習セット 令和5年度1次&2次試験対応版(スタディトライ1年分付き)
価格:¥8,800(税込)

試験問題と解説が収録されています。
2022年度を最新として、過去10年分の1次試験と2次試験の問題と解答試案が収録されています。

土木施工管理技術テキスト(2冊函入) 改訂第3版

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発行元:地域開発研究所
商品名:土木施工管理技術テキスト(2冊函入) 改訂第3版
価格:¥7,920

試験出題内容が収録されていて、受験参考書として利用されることを重視したテキストです。

受験料

第一次検定の受験料が10,500円です。
第二次検定の受験料も10,500円です。

受験申込方法

受験の申込みには、インターネット申込と書面申込があります。
しかし、再受験申込者はインターネット申込ができますが、新規受験申込者は書面申込しかできません。

書面申込には申込用紙を購入します。
申込用紙には、「第一次・第二次検定」、「第一次検定のみ」、「第二次検定のみ」の3種類があります。
1部600円です。

インターネット申込では、申込用紙の購入は必要ありません。

まとめ

ショベルローダーの前でガッツポーズをやっている土木施工管理技士国土交通省管轄の国家資格である、土木施工管理技士についてでした。
工事全体の管理や現場作業員の確認などを行います。

この資格の取得には、実務経験がなければなりません。
学歴によっても必要な実務経験は異なります。
試験は年に1回実施されています。

 

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