皆さんはご当地検定をご存じですか?
ご当地検定とは検定元の地域に関する文化や歴史など、その地域の魅力の理解度を測る検定で、今では各都道府県に一つは存在するほど知名度が高いです。
今回ご紹介するご当地検定は、難しいと評判の宮城マスター検定です。
比較的合格しやすいと言われるご当地検定ですが、この検定は違います。
単純に他のご当地検定と比較はできないものの、全国で随一の難しさであることは確かです。
そのような情報を聞くと、一体どのような試験なのか気になります。
そこで、出題内容や合格した際の就職についてなど、試験に関する情報を集めてみました。
Contents
適用する仕事
まず、この検定と最も関連が多い職種は観光業ではないかと思います。
一般的に観光に力を入れている地域ほど、ホテルや土産物店、観光案内所などの観光施設が点在しています。
ホテルや観光案内所などでお客様にいろいろな話題を提供できることから、観光客はもちろん、働いているスタッフ本人も楽しい時間が過ごせます。
採用担当者からすると、従業員の中に資格保有者がいることで、豊富な知識によって他の従業員のモチベーションも上がるという面で期待できます。
そのため、優先して採用したいと思うこともあるでしょう。
余談ですが、仙台放送の西ノ入菜月アナウンサーが令和4(2022)年度の検定を受験し、合格までの道のりを動画にしていました。
ご本人曰わく、「夕方の県内ニュースを担当しており、宮城県のことをもっと知っておきたい」そのような気持ちが応募の理由だそうです、なるほど。
残念ながら令和4(2022)年度は不合格となってしまったそうですが、再チャレンジを希望されているようなので、合格目指して頑張ってほしいです。
このように、アイディアによってはどのような職種においてもメリットが生じることがわかりました。
おおよその年収とキャリアパス
ここでは一例として、観光タクシードライバーについて簡単に取り上げます。
観光タクシードライバーの年収は、都道府県や経験などで異なりますが、正社員で平均390万円です。
観光客の送迎だけでなく案内も行うので、運転手兼ツアーガイドといったところでしょうか。
キャリアパスについてですが、企業によっては観光勉強会や語学研修制度を設けているそうです。
観光客とのコミュニケーションが大事になるので、研修制度があると心強いですね。
認可団体
主催は「宮城県経済商工観光部 富県宮城推進室」です。
住所:〒980-8570 仙台市青葉区本町三丁目8番1号
電話番号:022-211-2791/FAX:022-211-2719
不明な点はこちらにお問い合わせください。
受験条件
受験資格はありません。
事前の申し込みにより、どなたでも受験が可能です。
合格率
冒頭でも触れた通り、屈指の難易度です。
平均合格率はおよそ例年2~3%で、合格率が5%を超えた回は一度もありません。
一番高かった年で平成22(2010)年度の3.9%、
反対に、平成29(2017)、令和2(2020)、令和4(2022)年度は合格者がゼロでした。
いずれの回も受験者は、令和2(2020)年度を除き150名以上の受験者がいたにも関わらず、合格者はほんの一握りなのです。
この検定は級ごとに受験する制度ではなく、試験は一種類のみです。
とはいえ、平成29(2017)年度より正答率6割以上の方を対象に、準1級として合格となっています。
ただし、準1級に合格しても1級合格者特典を受けることはできません。
また、以前は2級・3級もありましたが、平成22(2010)年をもって廃止されました。
1年当たりの試験実施回数
毎年11月に開催されます。
令和4(2022)年度は、11月13日(日)午後1時30分~2時30分でした。
試験科目
出題範囲は主に以下に関する事項です。
- 宮城県の産業や観光、食材、歴史・文化について
- 2011年に起きた震災と復興について
採点方式と合格基準
出題形式は、四肢択一及び記述式50問(四肢択一35問、記述式15問)です。
50問中40問以上の正解で合格となります。
結果は1~2か月後にウェブサイトで公表し、受験者全員に試験結果を郵送という方式です。
取得に必要な勉強などの費用
費用はほぼ無料といってもよいでしょう。
というのも、公式テキストはなく、過去問や県が発行しているパンフレットから出題されます。
過去問や資料の手に入れ方
過去問は宮城県のウェブサイトから入手可能です。
(ウェブサイトには、廃止になった2級・3級も掲載されています。)
一方、パンフレットについては以下の参考資料を県庁舎および、県政情報センターで配布しています。
この情報から、これらの資料が出題範囲に含まれるため、過去問と並び非常に重要だということがわかります。
試験範囲の一部にも関わらず、いずれも無料であることに驚きます。
模擬テスト
宮城マスター検定ウェブシステムというサイトから、模擬テストを受けることができます。
これにより自分の現在の実力を知ることに加え、試験の本番に近い状態を経験できるという観点からもおすすめです。
試しに実際模擬試験や過去問を少し解いてみました。
ウェブサイトで調べながら行ったのですが、検索すると答えが載っているため、問題自体はそこまで難関ではない印象です。
では、なぜここまで合格者が少ないのでしょうか。
おそらく公式テキストがないため、出題範囲のポイントを絞り込みづらいのではないかと私は推測します。
受験料
受験料は無料です。
受験資格を問わないことも相まって、合格することにこだわらなければ気軽に受けることができます。
また、例え不合格になってしまっても再度チャレンジしやすいという点も見逃せません。
他にも受験料無料の試験は多少あるものの、数少ないため珍しい検定だと言えます。
受験申込方法
申込期間はおよそ3~2か月前です。
申込方法の詳細は記載されていませんでした。
そのため、申込期間内に主催者(経済商工観光部 富県宮城推進室)に問い合わせて、応募するという形をとるのが良いでしょう。
期間に余裕をもって、申し込まれることをおすすめします。
まとめ
1級に合格すると、合格者カードが付与されます。
合格者はカードの提示により、ホテルや旅館、観光施設などで割引を受けることができます。
(ただし特典には適用期間があるのでご注意ください)。
達成感から合格者カードを受け取った後、SNSで共有する方も多いです。
一通り情報を集めた結果、この検定が難関であること・受験料が無料であることの背景として、主催者側に以下のような切なる想いがあるのかもしれないと感じました。
- 屈指の難関検定にして話題性をもって、
「多くの人に検定のことを知ってもらいたい」 - 受験料無料でも構わないので、
「より多くの人々にチャレンジまたは再チャレンジしてもらいたい」 - 震災と復興について試験内容に含まれているのも、
「メディアでは伝えられていないことを知ってほしい」
「震災のことを忘れないでほしい」
皆さんはどう思いますか?
いずれにせよ、今後もこの検定が他のご当地検定と共に、より一層盛り上がりを見せてくれるといいですね。
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