日商PC検定試験について

日商PC検定試験について

こちらは日本商工会議所が主催となっている公的資格のパソコン検定です。
具体的には、企業実務においてIT(情報通信技術)を利活用する実践的な知識やスキルの修得を目的とし、ネット社会に対応した新たなビジネススキルの育成を図るための試験です。
MOSと比較すると知名度は高くありませんが、実務で活用することができる資格の1つです。
パソコンの検定ってたくさんありますよね。
こちらの資格はどのような特徴があるのか、みていきましょう。

適用する仕事

日商PC検定試験はパソコンやITに関する知識、ネット社会に対応したビジネススキルの育成を図ることを目的とした資格です。
公的資格といえども、数あるPC関連の資格の中でも各企業や教育機関の間で高い評価を得ています。

この検定を勉強するにあたり、近年の企業実務で求められるパソコンスキルを身に付けることができます。

身に付けられるパソコンスキル

この検定に合格すると、事務、営業、企画などさまざまな業種でスキルが役立ちます。
検定試験では「文書作成」「データ活用」「表計算」など、実務に直接的につながるスキルを取得できるからです。

それらのスキルを実務において活かすことができれば、総合的に仕事力をアップさせることができ、より生産的、効率的に業務をこなすことができるでしょう。

さらには、デジタル仕事術を身につけることができるのもメリットの1つです。
デジタル仕事術とは従来、紙媒体で行われていた文書や書類作成、社内通知、メールなどを全てデジタル上(パソコン、タブレット、スマホなどの端末上)で処理する仕事術のことです。

これからますますIT技術の発展やモノとインターネットを繋げる「IoT」の技術が発展しますから、上記の仕事術も日商PC検定を学習することによって、身に付けることができるでしょう。

つまり、IT企業や関連企業、また事務職への就職・転職を考えている方にとっては、ぜひ取得していただきたい資格なのです。

おおよその年収とキャリアパス

日商PC検定試験はビジネスシーンにおける基本的な文書作成やデータ活用、IT関連の知識を問う試験なので、取得者の職業が幅広いです。
ですので、一概にどの程度の給料が得られるとはいえません。

ちなみに、一般事務の年収は300~400万円台です。
この資格での手当が出る企業は多くないですが、出るとしたら2級以上で月1,000~2,000円が相場です。

参考までですが、営業職の年収は391万円、企画職は450~500万円です。
IT企業に就くと、約893万円の年収になります。
これは日本国内で上場しているIT企業がメインとなっています。

日商PC検定試験は一般事務からキャリアアップする際に、1つの武器になります。
一般事務からキャリアアップするには、専門の資格を取得するのが良いとされています。
日商PCでは2級取得が推奨されています。
それ以外の就活や転職活動の際にも、2級まで取得していればアピール材料となるのでぜひ2級以上の合格を目指しましょう。

認可団体

日本商工会議所

日商PC検定試験の認可団体は「日本商工会議所」です。

沿革

日本は最初、商法会議所として1878年に東京、大阪、神戸で設立されました。
その後、全国の主要都市に相次いで商法会議所が設立されたため、1892年に15の商業会議所がその連合体として「商業会議所連合会」を結成しました。

そして、1922年(大正11年)6月に「商業会議所連合会」を改編し、常設の機構・事務局を持つ「日本商工会議所」が誕生しました。
2022年4月時点では、全国に515の商工会議所があります。

事業内容

  • 政策提言活動
  • 中小企業振興
  • 検定試験(簿記や日商プログラミング、販売士など)
  • 商工会議所会員向け事業
  • 地域振興
  • 産業振興(調査や研究)
  • 国際交流
  • 情報化推進(IT情報)
  • 広報

受験条件

特になく、どなたでも受験ができます。

合格率

日商PC検定試験には、Basic、3級、2級、1級と4つのレベルがあります。

Basic

2021年:88.1%
2020年:91.2%

3級

2021年:82.1%
2020年:82.4%

2級

2021年:70.2%
2020年:67.6%

1級

2021年:31.3%
2020年:36.4%

1年当たりの試験実施回数

数字の2

1級は年2回(2月・10月)実施されます。
その他の級は各試験会場ごとに異なります。
基本的に毎月第3金曜日が統一の試験日となっています。

詳細日時や試験場所は、日商PC検定試験を開催している全国の商工会議所パソコン教室一覧でご確認ください。

試験科目

日商PC検定試験は文書作成、データ活用、プレゼン資料作成3分野が用意されています。
どの分野も「企業実務における文書作成や表計算などのアプリケーションソフトの利活用能力」や「ネットワーク環境下におけるITの利活用に資する知識・スキル」が求められます。

出題内容

  • 企業実務に必要とされるハード、ソフトなどのIT関連の知識
  • 企業実務におけるパソコンなどのIT機器、ネットワーク利活用について
  • ネット社会における新たなビジネススタイル、ビジネススキル
  • ビジネス文書や業務データについて、その作成のみならず、保存、管理、検索、活用、流通、再利用などライフサイクル全般
  • ITを利活用した実践的なコミュニケーション能力
  • ネットワーク上でのビジネス文書や業務データの取り扱いについて

知識科目の免除制度

電子メール活用能力検定、EC実践能力検定、および一般財団法人職業教育・キャリア教育財団主催の情報検定(J検)の情報活用試験の各合格者は、日商PC検定(2級・3級)の「知識科目」の受験を免除する制度があります。
詳しくは、公式サイトを参照してください。

採点方式と合格基準

試験方法はインターネットを介して試験の実施から採点、合否判定までを行う「ネット試験」で実施します。
2級、3級、Basicは、試験後即時に採点・合否判定を行います。
1級は答案を日本商工会議所に送信して、中央採点で合否を判定します。

試験時間と解答方式

知識科目 実技科目
1級 30分(論術式) 60分
2級 15分(択一式) 40分
3級 15分(択一式) 30分
Basic なし 30分

合格基準

1級、2級、3級は、知識・実技の2科目とも70点以上(100点満点)で合格です。
Basicは実技科目を70点以上(100点満点)で合格です。

取得に必要な勉強などの費用

勉強には公式テキストで独学にて学習する方法と、通信講座を活用する方法とがあります。

公式テキスト

FOM出版では、日本商工会議所編集による唯一の公式教材が販売されています。
3級や2級を受験する方は、こちらをお使いください。

よくわかるマスター 日商PC検定試験 文書作成3級 公式テキスト&問題集 Word2019/2016対応

よくわかるマスター 日商PC検定試験 文書作成3級 公式テキスト&問題集 Word2019/2016対応
created by Rinker

出版社名:FOM出版
商品名:よくわかるマスター 日商PC検定試験 文書作成3級 公式テキスト&問題集 Word2019/2016対応
価格:¥3,080(税込)

他にも2級のものや、データ活用やプレゼン資料作成の分野もあります。

よくわかるマスター 改訂版日商PC検定試験 文書作成・データ活用・プレゼン資料作成3級 知識科目公式問題集

よくわかるマスター 改訂版日商PC検定試験 文書作成・データ活用・プレゼン資料作成3級 知識科目公式問題集
created by Rinker

出版社名:FOM出版
商品名:よくわかるマスター 改訂版日商PC検定試験 文書作成・データ活用・プレゼン資料作成3級 知識科目公式問題集
価格:¥1,320(税込)

こちらは知識科目の対策に向けた問題集です。
2級のテキストもあります。

通信講座

ユーキャンとミライフの講座をご紹介します。

ユーキャン 日商PC検定3級資格取得講座

一括払い:35,000円
分割払い:2,980円×12回(12ヶ月)⇒総計35,760円(税込・送料当社負担)

ただし、3級のコースしかありません。

ミライフ通信講座

日商PC検定Basic:文書作成 対策講座:価格:5,000円(税込)
日商PC検定Basic:データ活用 対策講座:価格:5,000円(税込)

日商PC検定3級:文書作成 対策講座:価格:14,000円(税込)
日商PC検定3級:データ活用 対策講座:価格:14,000円(税込)
日商PC検定3級:プレゼン資料作成 対策講座:価格:14,000円(税込)

日商PC検定2級:文書作成 対策講座:価格:20,000円(税込)
日商PC検定2級:データ活用 対策講座:価格:20,000円(税込)

しかし、1級の講座はありません。

受験料

お金

Basic:4,200円
3級:5,240円
2級:7,330円
1級:10,480円

受験申込方法

受験申込は、お近くのネット試験会場にお問い合わせのうえ、試験開催予定の会場でお申し込みください。
もし、お近くのネット試験会場が見つからない場合は、紹介フォームをご利用ください。
この2点は、日商PC検定試験の公式サイトにて掲載してあります。

まとめ

今回は公的資格である「日商PC検定試験」というパソコン系資格を取り上げました。
企業実務に携わる人材を対象としたIT利活用技能の検定試験です。

Wordこの検定では、文書作成・データ活用・プレゼン資料作成の3分野に分かれています。
オフィスワークの能力(PCスキル)を証明できる資格です。
ビジネス文書や資料に触れることで、基本的なビジネスマナー(ビジネスの知識、国語力)も身に付けられます。

もし、就活や転職時にアピールしたいなら2級を取得することをおすすめします。
公式テキストが販売されていますので、そちらを使って学習してみてくださいね。

 

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