RCCMは「Registered Civil Engineering Consulting Manager」の略のことです。
あまり耳慣れない語だと思いますが、建設コンサルタントを行う上ではなくてはならないものなんです。
今回、このRCCMがどういう仕事を指すのか見ていきましょう。
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適用する仕事
冒頭でもお伝えしたように、RCCMは建設業界で通用する資格で、日本ではシビルコンサルティングマネージャーが正式名称のようです。
建設業界で通用する資格なだけに、働く現場もそうした分野の企業に属するのが適しています。
建設コンサルタント会社
RCCMの資格というのは、建設コンサルタントを行うには必要不可欠のため、やはり建設コンサルタント会社で発揮するのが良いでしょう。
RCCMは土木建造物の施工に携わる者の専門技術者として、橋や道路、鉄道、ダムやトンネル、河川や空港、上下水道など点検や診断などの専門技術の提供や診断を行って、全般的な安全管理や健康管理、福祉に対しての責任を担う仕事内容です。
だからこうした会社に属するのが喜ばれるでしょう。
建設会社(ゼネコン・サブコン・マリコン)
RCCMが建設コンサルタント会社で役立つのは言うまでもありませんが、その知識は受注側である建設会社においても役立ちます。
もし建設会社で勤めたいのなら、土木部門に強い建設会社を選びましょう。
おおよその年収とキャリアパス
建設コンサルタントの年収の平均は500万~600万だと思われます。
建設コンサルタントは学ぶことや覚えることが多いうえ、要求される技術も専門的です。
やはり良い人材を確保するためにも、良い待遇を用意しているのかもしれません。
そのキャリアパスですが、実務経験を長く積む必要があります。
キャリアアップ期は7~8年必要です。
その後技術師の資格を取得したり、管理技術者としてプロポーザル(企画や提案)に従事します。
やがて、シニアコンサルタントして活躍したり、独立してフリーランスとして働く生き方もあります。
近年は国内で培った知識を生かして、海外へと活躍の場を広げていく方もいますね。
認可団体
RCCM(シビルコンサルティングマネージャー)という資格を主催している団体は「一般社団法人 建設コンサルタンツ協会」というところです。
昭和38年3月4日に建設大臣の許可を受けて設立された公益法人として活動してきて、公益法人制度改革に伴い平成24年4月1日に「一般社団法人」に移りました。
こちらのビジョンは
- 魅力のある(Attractive)
- 技術を競う(Technologically Spirited)
- 独立した(Independent)
このような知的産業を目指して活動しています。
受験条件
受験条件は受験者の業務経歴において建設事業の計画、調査、立案、助言および建設工事の設計、管理の業務(以下、建設コンサルタントなど業務)に従事またはこれを管理した期間の合計年数が次のいずれかに該当する人
- 学校教育法による大学院修了者(修士課程/博士課程前期)にあり、建設コンサルタントなど業務について5年以上の実務経験を有する者
なお、博士課程後期の在学期間は実務経験とみなす - 同学校教育法による大学卒業者の場合、建設コンサルタントなど業務について7年以上の実務経験を有する者
- 同学校教育法による短期大学もしくは高等専門学校卒業者の場合、建設コンサルタントなど業務について9年以上の実務経験を有する者
- 同学校教育法による高等学校卒業者の場合、建設コンサルタントなど業務について11年以上の実務経験を有する者
- 同学校教育法による中学校卒業者の場合、建設コンサルタントなど業務について14年以上の実務経験を有する者
実務経験が大事なのですね。
合格率
- 2017年 41.5%
- 2018年 38.1%
- 2019年 41.9%
なお、令和2年度のRCCM資格試験は中止となっています。
1年当たりの試験実施回数
試験は1年に1回、11月上旬頃に開催されます。
試験科目
あらかじめ下記に記してある「専門技術部門」から選択した1つの部門について聞かれます。
- 受験する専門技術部門における自己の業務経験
- 業務関連法制度、技術者倫理およびその他建設一般
- 業務遂行のための業務管理技術力
- 土木関連共通基礎技術知識
- 受験する専門技術部門の専門技術知識
- 河川、砂防および海岸・海洋
- 港湾および空港
- 電力土木
- 道路
- 鉄道
- 上水道および工業用水道
- 下水道
- 農業土木
- 森林土木
- 造園
- 都市計画および地方計画
- 地質
- 土質および基礎
- 鉄構造およびコンクリート
- トンネル
- 施工計画、施工設備および積算
- 建設環境
- 機械
- 水産土木
- 電気電子
- 廃棄物
- 建設情報
採点方式と合格基準
試験は記述式で、多肢択一式です。
それぞれの問題のいずれについても配点の50%以上を得点し、かつ総合点で60%以上で合格となります。
取得に必要な勉強などの費用
RCCMを受験するのに、おすすめなテキストがあります。
RCCM合格スマートナビ これ1冊で完全マスター
- 出版社名:トリフォリオ
- 書籍名:RCCM合格スマートナビ これ1冊で完全マスター
- 価格:¥3,362(税込)
このテキストでは論文の書き方を重点的に記載しています。
最近の問題傾向が時代を背景とした建設コンサルタント業界が抱える課題の変化を反映する問題となってきているため、論文の丸暗記は有効ではありません。
その点を踏まえて、いかに試験準備を行うかを説明している書籍です。
なお、この論文形式が多いため、苦手な人は文の書き方から学び上達のために繰り返し書いて、第三者に評価してもらうことが重要になるでしょう。
講習会の勧め
さらに、要点把握のためには開催していれば、日本建設情報総合センター主催の「RCCM資格試験受験対策講習会」を受講してください。
強固な対策となるでしょう。
合格した人の話によると、講座の中で講座テキストと問題集の計2冊の本が配布されるそうです。
講座の料金 | |
Web講座 | 一般10,800円(税込) |
講座テキストのみ | 一般8,640円(税込) |
受験料
¥17,320(税込)
受験申込方法
該当時期になると受験申込書の販売がされます。
本部RCCM資格制度事務局および各支部の窓口販売と、Web申込みによる郵送販売となります。
(為替による郵送販売申込は受け付けておりません)
Web申込による郵送販売を希望する場合は、必ずPCを利用して「建設コンサルタント協会ホームページ」の「RCCMとCPD」欄の「RCCM Web申請システム」をクリックして「受験申込書購入申請」から申し込んでください。
購入代金お支払いはクレジットカードとコンビニエンスストア決済から選ぶことができます。
コンビニエンスストア決済の場合、決済手数料300(税込)がかかります。
まとめ
以上RCCMの試験内容でした。
RCCMは日本では「シビルコンサルティングマネージャー」という職業名で、建設コンサルタントにおいて重要な仕事を担うことになります。
それもそのはずで、受験資格では実務経験が必要になるからです。
それほど専門職だからでしょう。
土木や建築の現場で極めたい方は、早い段階からその世界に入らないとこの資格はなかなか手に入ることができないかと思います。
ぜひお若い方や、今建設現場で実務経験を積んでいる方には、早くこの資格の魅力に気付いてほしいなと思っています。
ここまでお読みいただきありがとうございました。