誰しもゴミを捨てます。
今回はそのごみを処理する施設に配置される人材に必要な資格について、ご紹介します。
廃棄物処理施設技術管理者は公の施設だけでなく、民間においても必要とされ、堅実な資格と言えるでしょう。
Contents
適用する仕事
廃棄物処理施設技術管理者とは、廃棄物処理法に基づいて一般廃棄物や産業廃棄物などの処理施設に配置が義務付けられた技術管理者のことです。
職場は、一般廃棄物処理施設や産業廃棄物処理施設になります。
これら施設においては、必要資格を有する技術士または同等の知識と技能を有する者が選ばれ、法令を遵守しながら施設の適正な維持管理に努めます。
具体的な業務内容には、施設の運転や監視、保守点検、維持管理要領の立案、意見具申、他の職員の監督などがあります。
もし、施設の設置者が技術管理者になる場合は、別途、技術管理者を配置する必要はありません。
廃棄物処理施設技術管理者の配置義務があるのは、一般廃棄物処理施設と産業廃棄物処理施設であり、この配置を怠った場合には罰則が科せられることもあります。
工業、建設業、製造業、サービス業などの事業活動に伴って生じる廃棄物。
燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、ゴムくず、金属くず、ガラス及び陶磁器くず、鉱さい、動植物性残さ、動物のふん尿、ばいじん(ダスト)類、がれき類等で、固形状のものと液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く)など
おおよその年収とキャリアパス
賃金構造基本統計調査によると、平均年収は500万強となっており、全国の平均年収よりも高めになっています。
そして、キャリアアップ(出世)は一般的にその処理施設内で職位が上がることです。
しかし、視点を広げてみると、違った道も見えてきます。
例えば、どの様な動機でこの資格を習得したり、廃棄業界に就職されているのか見てみましょう。
- 景気に左右されない
- 社会に役立つ仕事がしたい
- 安定している
- 環境問題に関心がある
- 専門技術を習得したい
などです。
このように、景気に左右されないとか安定とか以外にも、廃棄という仕事に社会的アイデンティティを感じる場合もあります。
次に、どの様な仕事で廃棄物処理施設技術管理者が歓迎されるのか具体的求人を見てみましょう。
【求人例(応募条件)】
プラント(製造設備、発電設備、焼却設備)の運転管理の経験、設備保守管理の経験(歓迎)
- 廃棄物処理プラントでの実務の経験
- 官公庁向け業務経験
- 廃棄物処理施設技術管理者
- 監理技術者
- エネルギー管理士
プラントに該当する仕事も広いですが、身近な所では、工場などにおいても当資格が求められます。
このように、プラントに廃棄は付きもので、処理施設以外でも当資格のニーズがあります。
また、違ったキャリアの展開が考えられます。
認可団体
環境省
受験条件
【】内は実務経験の年数です。
- 技術士(化学部門、水道部門又は衛生工学部門) 【実務経験は不要】
- 技術士(上記部門以外) 【1年以上】
- 2年以上環境衛生指導員の職にあった者 【実務経験は不要】
- 大学において理学、薬学、工学、農学の課程で衛生工学、もしくは化学工学に関する科目を修めて卒業した者 【2年以上】
- 大学において理学、薬学、工学、農学もしくはこれらに相当する課程で衛生工学、もしくは化学工学に関する科目以外の科目を修めて卒業した者 【3年以上】
- 短期大学もしくは高等専門学校において理学、薬学、工学、農学、もしくはこれらに相当する課程で衛生工学もしくは化学工学に関する科目を修めて卒業した者 【4年以上】
- 短期大学もしくは高等専門学校において理学、薬学、工学、農学、もしくはこれらに相当する課程で衛生工学もしくは化学工学に関する科目以外の科目を修めて卒業した者 【5年以上】
- 高等学校において土木科、化学科、もしくはこれらに相当する学科を修めて卒業した者 【6年以上】
- 高等学校において理学、工学、農学、もしくはこれらに相当する科目を修めて卒業した者 【7年以上】
- 10年以上、廃棄物の処理に関する技術上の実務に従事した者
- 上記と同等以上の知識及び技能を有する者 (一般的には、技術管理者講習会修了者が該当する)
1から10の例えば、技術士法に基づく化学部門・上下水道部門・衛生工学部門の技術士であれば、技術管理者の資格を有していることになります。
それ以外は、廃棄物処理施設技術管理者講習の受講が必要です。
講習は特に実務経験が必要ない「基礎・管理課程講習」と、学歴や実務経験によって受講日数が短縮される「管理課程」があります。
合格率
非公開
1年当たりの試験実施回数
年に複数回
受講受付:2週間前まで
試験科目
こちらは講習科目です。基礎・管理課程と管理課程のみがあります。
基礎・管理課程
- ごみ処理施設コース(基礎・管理課程)
- し尿・汚泥再生処理施設コース(基礎・管理課程)
- 破砕・リサイクル施設コース(基礎・管理課程)
- 産業廃棄物中間処理施設コース(基礎・管理課程)
- 産業廃棄物焼却施設コース(基礎・管理課程)
- 最終処分場コース(基礎・管理課程)
管理課程のみ
- ごみ処理施設コース(管理課程)
- し尿・汚泥再生処理施設コース(管理課程)
- 破砕・リサイクル施設コース(管理課程)
- 産業廃棄物中間処理施設コース(管理課程)
- 産業廃棄物焼却施設コース(管理課程)
- 最終処分場コース(管理課程)
採点方式と合格基準
満点中、80%以上の得点率で合格となります。
取得に必要な勉強などの費用
講習費用に能力認定試験費用が含まれます。
受験料
こちらは受講料です。受講料は税込みの金額です。
・基礎・管理課程・・・121,000円(e-ラーニング:111,320円)
[破砕・リサイクル施設、有機性産業廃棄物資源化施設コースは103,400円(e-ラーニング:95,128円)]
・管理課程・・・66,000円(e-ラーニング:60,720円)
・再試験・・・5,500円
(再試験を受験することができる期間は、最初に受験した日から6ヶ月間)
受験申込方法
原則としてインターネット上の申し込みフォームからの受付となります。
会場受講のお申込みは下記[会場受講のお申込み]よりお願いします。
お申込みには、メールアドレスが必要です。
「Web申込の手順」、「申し込みフォームへの入力内容と注意点」をダウンロードし、参照の上、お申し込みください。
申込み完了後、申込時に指定したメールアドレス宛にメールが自動送信されます。
迷惑メール防止機能の設定によっては、当センターからのメールが迷惑メールと間違えられ、受信箱画面に表示されない場合があります。
お申込み前に【gikan_info@jesc.or.jp】からのメールを受信できるように、設定してください。
まとめ
廃棄物処理施設技術管理者は、一般廃棄物や産業廃棄物の処理施設に設置される技術管理者であり、施設の運転や監視、保守点検、維持管理要領の立案、意見具申、他の職員の監督などを担当します。
配置が義務付けられており、もし施設設置者が技術管理者になる場合は、別途技術管理者をおく必要はありません。
一般廃棄物処理施設と産業廃棄物処理施設で配置が義務付けられておりますので、これを怠った場合には罰則が科せられることもあります。
廃棄物処理施設技術管理者の平均年収は500万円強です。
キャリアアップでは一般的に施設内で職位が上がることが多いですが、廃棄業界以外でのキャリアもあります。
廃棄業界に就職する理由としては、景気に左右されない、社会に役立つ仕事がしたい、安定している、環境問題に関心がある、専門技術を習得したいなどがあります。
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