不動産に関係する資格検定はいろいろありますよね。
今回は不動産の保有、活用、取引に関する知識を問う「不動産知識検定試験」という民間資格をご紹介します。
不動産というのは土地や建物を指しますが、大きな財産であるがゆえに、法律や税務、行政上の規制も絡んできます。
このため、相続の問題や不動産の保有・活用において、大小さまざまなトラブルが起きてしまうこともあります。
そうした問題に適切に対処するため、不動産に関する正しい知識をつけることを目的にしたのが今回ご紹介する「不動産知識検定」です。
どんな検定なのかみていきましょう。
Contents
適用する仕事
端的にいうと、この資格だけでは就職は難しいです。
宅地建物取引士などの建築に関わる国家資格に比べると、こちらの検定は民間資格で、しかも知名度の低い資格ですので、就活で武器にはなりません。
この検定の本質は、あくまで不動産取引の際に起こりうるさまざまなトラブルに巻き込まれることなく、スムーズな不動産活用や取引を行えるように身に付けておくための検定です。
仕事というより、日常生活のなかで役立つ検定でしょう。
つまり、こちらは不動産に関する基本的な知識は一通り取得したいという方向けの検定です。
しかし、不動産知識検定は不動産に関する知識や理解度を測る資格試験であるため、これから不動産取引の職場に就職される方や、入社1年目の新入社員には向いているでしょう。
不動産会社の営業員
不動産営業の仕事内容とは、簡単にいうと、マンションや家などの不動産を個人や法人に販売したり、賃貸契約の提案をしたりすることです。
しかし、その具体的な仕事内容や働き方は異なります。
具体的な仕事内容例 | |
販売 | 主に自社やグループ会社で所有する戸建て住宅や分譲マンションを、個人の顧客に販売する仕事で、主に住宅展示場やモデルルームに来場した顧客に対応する。 |
賃貸仲介 | 戸建てやマンションなどの住宅、店舗、オフィスなどを借りたい人に対し、賃貸契約を提案する仕事。店舗に来店した顧客に対し、希望に沿った物件を提案するのが主な業務。 |
売買仲介 | 物件を買いたい人と売りたい人をマッチングする仕事。希望条件のヒアリングから始まり、物件の提案、内見、クロージングまでを行う。 |
不動産知識検定は国家資格でも有名な資格でもないですが、もし取得していると、ある程度の知識は得られるので信頼性の高い営業活動につなげることができるでしょう。
不動産投資家
不動産知識検定は不動産投資をしたいという方にも最適です。
不動産投資家とは、自己資金や不動産投資ローンを使って、ワンルームマンションや一棟マンション・アパート、一戸建てなどの収益用不動産を取得して、所有する不動産から収益を得ている人のことです。
この場合、所有している物件数は関係ありません。
ただ、不動産投資家の方たちの多くは本業を持っていますので、所有物件の客付けや草むしりの清掃、修繕対応などはすべて管理会社に任せているのが特徴です。
不動産投資家として失敗しないためには、初期費用(購入費用や不動産仲介手数料、ローン事務手数料、火災保険料、印紙代、不動産取得税、固定資産税などの自己資金)を準備したり、投資計画を立てたりしなければなりません。
また、不動産投資家になるための資格は不要でも、不動産投資に関する一定の知識(不動産に関連する法律や税金、物件についてやキャッシュフローを重視した経営に関する知識など)は必要です。
このような理由から不動産知識検定を勉強しておくと、不動産投資家として成功するための役に立つことでしょう。
宅地建物取引士
不動産知識検定の試験はそんなに難しくないので、宅地建物取引士を受験するためのステップアップとしても活用できます。
宅地建物取引士とは、不動産会社が公正な不動産取引をおこなうため、宅地建物取引業法により定められた国家資格です。
かつ、こちらは業務独占資格でもあります。
不動産取引における重要事項の説明や、重要事項説明書への記名・押印、契約書への記名・押印ができるのが宅地建物取引士の特権であり、仕事内容です。
もし、宅地建物取引士の資格を目指すうえで、そのベースである不動産知識検定の内容を勉強しておくと目標の資格取得への助けとなるでしょう。
他にも、不動産知識検定は、宅地建物取引士だけでなく、弁護士、税理士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、司法書士、建築士が扱う法務や実務に関する問題も含まれていますので、広く浅い知識は得られますよ。
おおよその年収とキャリアパス
不動産知識検定は、あくまで一般の人向けに不動産の知識を浅く広く学べる検定試験です。
前項目でも述べたように、この検定は知名度の低い検定で就活の武器にはなりえないので、それと同様に年収やキャリアパスにも影響しないでしょう。
ちなみに、前項目で挙げた不動産会社の営業職の年収は、400~550万円です。
この金額は営業担当者に歩合が支払われるインセンティブ制を導入しているため、若干高めとなっています。
しかし、不動産関係の資格をお仕事に活かしたいなら、弁護士、税理士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、司法書士、建築士などの国家資格や難関の資格に挑戦してみましょう。
認可団体
不動産知識検定を運営している団体は「不動産知識普及協議会」というところです。
2019年1月17日より、不動産知識検定試験の運営を開始しています。
東京都中央区京橋2-9-12 7階ライフステージ内
受験条件
受験条件はありませんが、郵送の都合上、国内に在住している方に限定しています。
合格率
非公開
1年当たりの試験実施回数
試験日程は随時です。
しかし、同一人物同一年度の受験は1回までとなっています。
受験地は自宅です。試験問題用紙が代引きで送付されます。
問題到着後に、2週間以内に「解答受付フォーム」から解答するシステムです。
試験科目
不動産の保有、活用、取引に関連する法令および実務の知識
採点方式と合格基準
解答は「解答受付フォーム」から行います。
郵送での採点はしていません。
4肢択一による筆記試験で、50問出題されます。
1問2点で、100点満点中70点で合格です。
現在「級」の設定はありません。
受験申込者が単独で解答してください。
共同での解答が疑われるものは、採点しないことがあります。
試験結果についてですが、解答受付後におおむね1ヶ月程度で、試験結果をメールにて通知します。
しかし、検定試験問題の内容や採点内容、採点基準や方法、点数については質問に一切、回答しません。
答案の公開や返却にも一切応じられません。
取得に必要な勉強などの費用
この検定はテキストや問題集などを販売しておりません。
Twitterで練習問題を公開しているのみです。
本試験問題も同レベルとなっています。
受験料
受験料は5,500円です。
試験問題用紙を代引きにて郵送するため、受験料は配達員に支払います。
すなわち、代引き伝票が領収書となります。
領収書は、個別には発行していませんので注意してください。
ちなみに、試験問題用紙を受け取る日付は指定はできません。
もし、再配送をお願いした場合は、再送手数料として別途1,100円がかかります。
受験申込方法
申込方法はインターネットのみからです。
公式サイトに「お申し込み方法フォーム」が設定されていますから、そちらから記入していって申し込みましょう。
まとめ
今回は「不動産知識検定」という民間資格について紹介しました。
この検定は、以前は3~1級までのレベルがあったようですが、現在は「級」の設定はなく、システムも簡易的に変わりました。
残念ながら、認可団体の電話番号までは調べられませんでした。
ご興味のある方は、よく公式サイトを確認して受験してくださいね。
この検定が皆さんの日々の生活や、ご職業に活かされるよう願っております。
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