「JAFカート・ドライバー」とは日本自動車連盟(JAF)公認のカート・ドライバーライセンスのことです。
つまり、このライセンスを取得しないとカートの競技会に出場することができないんです。
選手の人や試合に出たい人には、重要な資格ですよね。
今回はこの資格について知識を深めていきましょう。
Contents
適用する仕事
この「JAFカート・ドライバー」の資格を取得して、生かせる職業としてはやはり「レーサー」でしょう。
資格がなければカート競技会に出場できないからです。
ちなみに、F1レーサーにはカートドライバー出身が多いです。
カートドライバーが操縦するレーシングカートですが、もともとは1950年代半ばに始まった遊園地のゴーカートがレース用に改造されたものです。
しかし、その内容というのは遊園地のそれとはまったく異なった性格のものです。
モータースポーツの入門用カテゴリーとして、人気上昇中のレーシングカートともいえます。
カートレーサーはレーシングカートに乗ってレースに参加し、その賞金などによって生計を立てる仕事です。
レースにも多くの種類があるので、レーサーとしての仕事内容も収入もそれぞれ違います。
いくら入門用と位置付けられたレーシングカートですが、日常生活で運転する車とは違って、ものすごいスピードで勝敗を競いますから危険が伴う仕事です。
もちろんレースに参加して優勝するのがレーサーの仕事です。
それには常に変化し続けるタイヤや路面の状況、マシンの状態などを把握しなければなりません。
走行中はドライバー1人で対処しなければならないため、高い技術と知識が求められます。
レーサーという職業は女性もなることができ、数は少ないですがいることはいます。
おおよその年収とキャリアパス
レーサーの収入は人によってそれぞれ稼ぎ方が違います。
チーム単位で活動するレースでは、収入もチームや企業から支払われ、契約によって収入を得ます。
契約で収入が約束されている分メリットはあるみたいですが、逆に言うと契約が解除されれば次年度から活動できなくなります。
あるいは、チームではなく他のスポーツ選手みたいにレーサー本人に出資するケースもあります。
スポンサーを多く獲得しているレーサーもいて、そちらの場合でしたら多くの収入を得ることができます。
しかし、こちらの記事はF1ドライバーではなく、カート・ドライバーですから年収が100万円未満の方も少なくないです。
特にアマチュア系だと収入は少なめになってしまいます。
アマチュアでは小さな大会の優勝賞金でも、10万円前後と微々たるものになります。
場合によっては、例えば「レーシングカート」に向けた本を出版するなど、レース以外での仕事も考えた方が良いでしょう。
認可団体
JAFカート・ドライバーという資格は、資格名にもなっている「一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)」という団体が運営しています。
この団体は1963年(昭和38年)2月に設立し、4月に業務をスタートさせました。
このJAFの基本理念は「自動車ユーザーに対して、安全と安心の支えとなるサービスを提供するとともに、交通の安全と環境のための事業活動を積極的に推進し、健全なクルマ社会の発展に貢献すること」です。
また、こちらの団体は以下の社会的課題にも取り組んでいます。
- 自動車ユーザー負担軽減要望活動
- ユーザー実体調査
- 全身安全技術の普及啓発活動
- 実技型講習会開催
- 地域振興活動
- 外国運転免許証翻訳・自動車カルネ発行など
受験条件
受験条件はライセンスのコースによって、年齢制限だったり条件がかけられます。
国際Aライセンス
カートの最高峰ライセンス。CIK-FIA選手権にはこれが必要。
カート国際B所持者で、申請前24ヶ月以内の選手権または競技会において、以下の何らかの成績を収めていることが条件。
国際Bライセンス
カートの国際格式レースに出るために必要なライセンス。
カート国際C所持者で、カート国際B講習会を受講し合格した人
国際Cライセンス
国際Cはカート国内A所持者で、カート国際C講習会を受講し合格した人が受験資格となります。
国際Cには次のような種類のライセンスがあります。
- 国際Cセニアライセンス(世界に進出するための第一歩になるライセンス)
- 国際Cリストリクティッド(セニアカテゴリーの国際レースに出られる)
- 国際Cジュニア(ジュニアの国際レースに出られる)
国内では
- 国内A→国内競技のほとんどに参加が可能なライセンス(15歳~)
- ジュニアA→12歳から14歳まで取れるライセンス。
- 国内B→15歳から取れるライセンス。カートの入門ライセンス
- ジュニアB→小学生から取れるライセンス(10歳~14歳)
合格率
合格率は非公開となっています。
1年当たりの試験実施回数
試験日程は年数回となっています。
受験地も全国各地で行われます。
試験科目
ライセンス取得には、まず講習会を受講して取得する方法が一般的です。
これは「カート国内B」「カートジュニア国内B」での例になりますが、講習会のカリキュラムは前半が規則の説明、ルールとマナーを含むカート走行の実践、さらに旗信号についての説明などが行われます。
後半では実技走行が行われます。
そこでフラッグやマナーに従った走行を取得します。
講習会では通常サーキットにあるカートを使用するので、カートを持っていなくても大丈夫です。
ヘルメットも基本的にサーキットに用意されていますが、自分用があれば持参すると良いでしょう。
念のため講習会の主催者に連絡を取って確認しておくのがベストですが、服装は長袖・長ズボン、そして運動靴と手袋があればOKかと思われます。
採点方式と合格基準
まず前半で講義終了後に筆記テストが行われます。
講師の説明をきちんと聞いていれば、問題なく解答できるものばかりです。
3分野で10問ずつの計30問が出題され、1分野で3問以上不正解だと不合格になります。
ただ教材を見ながらの受験が可能なので、落ちることはまずないだろうと思います。
そして、教官によってラップタイムの発表が行われます。
ここで受講者全員の合否発表も行われます。
取得に必要な勉強などの費用
次の項目に記載されている「講習会受講料」に教材費も含まれていますので、勉強のために新たに出費することはありません。
筆記試験も受講で使用されるテキストの中から出されます。
受験料
講習会受講料(1名あたり) | |
カート国際Bドライバーライセンス講習会 | 19,100円以内 |
カート国際Cドライバーライセンス講習会 | 17,100円以内 |
カート国内Bドライバーライセンス講習会 | 21,200円以内 |
そして、ライセンスが交付されたときには申請手続きとして、許可証料が必要になります。
許可証料 | |
国際A | 10,500円 |
国際B | 9,500円 |
国際Cセニア | 8,400円 |
国際Cリストリクティッド | 6,400円 |
国際Cジュニア | 6,400円 |
国内A | 3,600円 |
国内B | 3,100円 |
ジュニアA | 2,100円 |
ジュニアB | 1,500円 |
受験申込方法
JAFのホームページに、全国のカート・ドライバーに向けての講習会の開催地が載っていますので、ご自分の受講しやすいところへ連絡してみてください。
そこで予約が取れます。
まとめ
今回はモータースポーツの中でもカート・ドライバーについて見てきました。
カート・ドライバーはレーサーの入門編といわれるモータースポーツです。
地道なテスト走行をこなせる忍耐力やチームで戦うためのコミュニケーション力が必要になります。
それにスキルとして、高速で走行するための動体視力や人並外れた集中力を持っていた方がいいです。
しかし、収入が安定している職業ではないので、他の仕事を掛け持ちしたり、アマチュアや趣味の範囲でレースに出場してみたいという方には魅力的な資格だと思います。
こちらの資格は高速走行という危険が伴いますので、事故やケガに気をつけて資格取得してくださいね。
ですが、国内でレースに出場できるようになって、プロレーサーとしてやっていけるようになるのは一握りだけです。
レーサーは意外と支出も多いからです。海外でのレースに出場するには、国内とは別に「国際ライセンス」を取得しなければなりません。
国際ライセンスにもランクがありますから、そうした努力は必要になります。