ITサービスマネージャー試験について

ITサービスマネージャー試験について

ITサービスマネージャーとは、顧客ニーズを踏まえて日々の継続的改善を通じて高品質なITサービスを最適なコストで安定的に提供しIT投資効果を最大化する役割を担う職種のことです。
今回はこの職種についての試験の情報をお届けします。
ご興味持ってくれたら嬉しいです。

適用する仕事

ITサービスマネージャー試験 マネージャーITサービスマネージャの資格が役立つ職種としては、システム運用や保守を担当するシステムエンジニアやシステムの開発や管理部門に携わるシステムエンジニアが挙げられます。

また、顧客の要望を聞いてシステムエンジニアに橋渡しをするポジションにあたるITコンサルタントプロジェクトマネージャなども、この資格を活用できます。

ITマネージャには2つのスキルが必要になります。

幅広い技術に関する知識

このITサービスマネージャはシステム全体の統括を担当するため、一人でシステム全体のことが分かるレベルの技術が求められます。

適切にサービスを運用・改善して、ときには運用チームスタッフとの指示や連携体制を構築していく経験・知識・スキルが求められます。

マネジメント力
もう一つがマネジメント能力です。
プロジェクトを遂行するにあたり、各メンバーを取りまとめて計画通りに進めるための能力です。
これはコミュニケーション力とも言えるでしょう。

おおよその年収とキャリアパス

ITサービスマネージャの平均年収は、450万~800万円ほどと言われています。

実際の求人の年収例として

  • 30歳のシステムエンジニアで年収500万円
  • 33歳のマネージャーで年収600万円
  • 34歳の上位マネージャーで年収800万円

このように役職が上がるにつれて、年収もアップしていきます。

そのキャリアパスですが、ITサービスマネージャの働き方は大きく3つに分類できます。

専任ITサービスマネージャ

この働き方はクライアントごと、もしくはプロジェクトごとの専任担当として配置されるITサービスマネージャです。

戦略策定を含むITサービス運用設計の初期段階から参加するのが一般的であり、サービスマネジメントのライフサイクルを通じた改善活動の中核を担います。

クライアントのビジネスや企業文化にも精通した、きめ細かいサービスを提供しなければいけません。

共通ITサービスマネージャ

これは複数のクライアント・プロジェクトのITサービス運用管理を同時に担当するITサービスマネージャのことです。

この担当するクライアント・プロジェクトは、金融、製造などの特定業界に絞られているのが一般的です。
担当する業界事情に「精通してなくてはいけない」ITサービスマネージャと言えます。

統括ITサービスマネージャ
この職種は複数のITサービスマネージャをまとめて、全体を統括するITサービスマネージャのことです。
ITサービスが複数の国や地域にまたがったり、大規模ITサービスで分野ごとのマネージャが必要などのケースで配置されます。

認可団体

ITサービスマネージャー試験 ロゴ「ITサービスマネージャ試験」を運営しているところは「IPA(情報処理推進機構)」という協会です。
IPAは独立行政法人です。

こちらではこのような事業を行なっています。

  • 時流に沿ったサービスの提供
  • 指針の策定やガイドラインの公開、IT利活用のための基盤構築
  • IT社会や先端技術の動向に関する情報収集や調査や分析

受験条件

年齢、学歴などに制限なく誰でも受験できます

合格率

  • 2017年 13.6%
  • 2018年 14.3%
  • 2019年 14.7%

合格するためには、実務経験と専門知識の両面から対策をしなければなりません。

1年当たりの試験実施回数

試験回数は4月とか春期の年1回になっています。ITサービスマネージャー試験 ポイント

試験科目

試験科目の出題数に関しては、だいたい次のとおりです。

午前I試験 出題数 30問/解答数30問
午前II試験 出題数 25問/解答数25問
午後I試験 出題数 4問/解答数2問
午後II試験 出題数 3問/解答数1問

午前I試験

こちらの試験は、以下に記述するテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の全分野となって、問題が構成されています。

テクノロジ系
1.基礎理論
2.アルゴリズムとプログラミング
3.コンピュータ構成要素
4.システム構成要素
5.ソフトウェア
6.ハードウェア
7.ヒューマンインターフェア
8.マルチメディア
9.データベース
10.ネットワーク
11.セキュリティ
12.システム開発技術
13.ソフトウェア開発管理技術
マネジメント系
14.プロジェクトマネジメント
15.サービスマネジメント
16.システム監査
ストラテジ系
17.システム戦略
18.システム企画
19.経営戦略マネジメント
20.技術戦略マネジメント
21.ビジネスインダストリ
22.企業活動
23.法務

ただし、次のいずれかの条件を満たした場合、その後2年間までは受験申込時に申請すると、この午前Ⅰを免除することができます。

  • 応用情報技術者試験(AP)に合格
  • 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験のいずれかに合格
  • 情報処理技術者試験の高度試験、情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績を取った場合

午前Ⅱ試験

午前Ⅰで出題された範囲のうち、以下の9分野から出題されます。

  • コンピュータ構成要素
  • システム構成要素
  • データベース
  • ネットワーク
  • セキュリティ
  • プロジェクトマネジメント
  • サービスマネジメント
  • システム監査
  • 法務

重なるとはいえ、問われる内容は高度となります。

午後Ⅰ・Ⅱ試験

受験者の能力が当該試験区分における期待する技術水準に、達しているかどうかを判定します。

午後Ⅰ、Ⅱ出題範囲
1.サービスマネジメントに関すること
2.サービスの設計・移行に関すること
3.サービスマネジメントプロセスに関すること
4.サービスの運用に関すること
5.情報セキュリティの運用・管理に関すること
6.ファシリティマネジメントに関すること

採点方式と合格基準

問題別配点割合
午前I  1問 各3.4点 多肢選択式(四肢択一)※共通問題
午前II 1問 各4点 多肢選択式(四肢択一)
午後I  問1-4(2問解答)各50点 記述式
午後II 問1-3(1問解答)※評価ランクで評価するので、配点割合はない。 論述式

配点/基準点は午前・午後試験
各100点満点中、各60点
午後Ⅱ試験ではランクAが合格点

取得に必要な勉強などの費用

先ほど問題形式のところでもお伝えしたように、ITサービスマネージャ試験には論述式もあります。
となると、論文の対策もしなければなりません。

いくつかおすすめの参考書をご紹介します。

ITサービスマネージャ 合格論文の書き方・事例集

ITサービスマネージャ 合格論文の書き方・事例集
created by Rinker
  • 出版社名:アイテック
  • 商品名:ITサービスマネージャ 合格論文の書き方・事例集
  • 価格:¥3,300(税込)

「午後Ⅱ試験の論文はどんな対策をすればいいの?」と不安に思っている方や「午後Ⅱ試験の論文を突破して、今度こそ合格したい!」と意気込んでいる方に、おすすめな1冊です。

合格論文の絶対条件である、問題文の趣旨に沿うような論文をどのように構成し、時間内に仕上げれば良いかを詳しく説明された本です。
専門家による論文が35本も収録されています。

ITサービスマネージャ試験 午前 厳選問題集

ITサービスマネージャ試験 午前 厳選問題集
created by Rinker
  • 出版社名:東京電機大学出版局
  • 商品名:ITサービスマネージャ試験 午前 厳選問題集
  • 価格:¥3,740(税込)

こちらの書籍は、ITサービスマネージャ試験の午前試験に対応した試験問題集です。
出題傾向にマッチした問題を選定して収録しています。
過去に出題された問題の中から、厳選した400問を掲載しています。

ITサービスマネージャ「専門知識+午後問題」の重点対策 2020

ITサービスマネージャ「専門知識+午後問題」の重点対策 2020
created by Rinker
  • 出版社名:アイテック
  • 商品名:ITサービスマネージャ「専門知識+午後問題」の重点対策 2020
  • 価格:¥4,070(税込)

合格に必要な知識やノウハウ、受験テクニックを凝縮した1冊です。
こちらは2019年秋に実施された最新の本試験傾向に対応しています。

午前Ⅱ試験では、試験に必要な基礎知識についてポイントを絞って解説!
午後Ⅰ試験では、問題文をパーツに分解して詳細に解説しています。
さらに、合格復元論文の添削内容までをも掲載した心強い内容となっています。

文章を書くのが苦手な方は、文章の書き方から学びましょう。
そして、出題形式を把握しておきましょう。ITサービスマネージャー試験 論文

受験料

5,700円

受験申込方法

詳しくは「独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)」まで問い合わせてみてください。

TEL 03-5978-7600(代表)

まとめ

今回は「ITサービスマネージャ試験」についての記事でした。
この資格名であるITサービスマネージャは、幅広い技術に関する知識と高いマネジメント力が必須スキルのようです。

その高度な技術が要求されるため、合格率も低めなのでしょう。
もしこの資格を取りたいという方が居ましたら、論術式も視野に入れた受験対策をするようにしましょう。

IT分野を極めたい方は勉強されてみてはいかがでしょうか。