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作品概要
その着せ替え人形は恋をする(そのビスクドールはこいをする)は原作が『ヤングガンガン』(スクウェア・エニックス)にて、2018年3号から連載中の福田晋一による青年漫画です。
略称「着せ恋」(きせこい)と呼ばれています。2023年4月時点で累計発行部数が850万部を突破している大人気漫画です。
自信のない主人公がヒロインとのコスプレ衣装制作を通し様々な出会いや経験をして、世界が変化していく様子の描かれている、笑いあり涙ありの青春ラブコメとなっています。
本サイトでご紹介するアニメ版は2022年1月に放送され、2022年9月のイベントにて続編制作が発表されました。
主人公の実家のモデルとなった人形店は埼玉県さいたま市岩槻区にあり、作中にもその街並みが描写されています。そのため、さいたま市とのコラボレーションにベントも開催され、かなり注目度の高い作品となっています。
ここでは二期が始まる前に一期の内容をおさらいしていきます。
なお、主に文章にて紹介していますが、このアニメは作画がとてもいいので、アニメ未視聴で気になった方はぜひ作品をご覧いただきたいです。
1話『自分とは真逆の世界で生きている人』
「わぁ~きれい!世界で一番きれい!」
物語は雛人形に見惚れる少年(主人公五条新菜の幼少期)と、その人形を作った祖父のシーンから始まります。
人形の美しさに魅入られ、その少年は幼いながらに人形を作るという夢を抱いたのでした。
ですが、そのことをとある女の子に気持ち悪い!!!と否定されてしまいます。
なんで男の子なのに女の子の人形が好きなのか、と。
大嫌いとまで言われてしまい、主人公のなかにしっかりとトラウマを刻み込みました。
そのトラウマを悪夢で見た若菜はアラームで飛び起きます。
準備を済ませ、祖父と朝食をとっていると、高校に上がって友達ができたのかと唐突に質問されます。
あからさまに動揺する新菜ですが、咄嗟の嘘でなんとか誤魔化します。
そう、友達がいないのです。雛人形に夢中すぎるあまり、同世代の流行についていけず、周りと馴染めるわけがないと思っているようです。
過去のトラウマのことがそうさせているのでしょうか。
教室に着き、隅で暗いことを考えていると、
「わ、ちょ!?」
新菜の目の前に金髪の女の子が飛んできます。
友達とふざけていて飛ばされてしまったようです。
その女の子こそ、この作品のヒロイン、喜多川海夢なのです。
海夢は「ごめんね、えっとー、五条くん。」と謝ります。
その上、腕についた墨を心配し、撫でてくる海夢に新菜は混乱し、よくわからない返しをしてしまいます。
これが二人の最初の会話となります。
「喜多川さんは明るくて、友達多くていつも中心にいて、俺とは住む世界の違う人」
そう思いながら海夢のことを眺めるのでした。
放課後。
新菜はお決まりのように掃除当番を押し付けられ、一人でやろうとしたその時、教室に海夢が入ってきます。
掃除を始める海夢に思わず何をしているのか聞いてしまい、その流れで押し付けられるのは頼りにされているのではなく、ぱしられているだけ、嫌なら言いなよと言われます。
「自分の気持ちは自分のために言わなきゃダメだよ。」
と新菜の目をみて海夢は言うのでした。
何日かたった後も、その言葉が頭から離れないでいます。
いつでも自分の気持ちを押し殺してきた新菜にとって海夢のひとことは図星だったのです。
ある日の放課後。
いつもは自室で古いミシンを使って人形づくりをしているのですが、故障してしまったため被服準備室のミシンを借りることになりました。人形を見てニヤつきながら話しかけていると、なんとまた海夢が現れます。
驚いた弾みで人形の頭落としてしまい、しかも、人形に「ごめん、痛くなかった!?」と聞いてしまい、それを見られてしまします。てっきりドン引きされ、罵倒されると思った新菜でしたが、海夢は「すっごーい!五条くん、ミシンできる人なの!?」と聞いてきます。
予想外の質問に拍子抜けする新菜、おずおずと実家が人形店であることを教えます。
さらに「人形を見せて」と言われ恐る恐る見せると、「うわぁ、めっちゃきれいじゃんっ♡」と海夢。
自分の好きなものを初めて褒めてもらえた新菜は嬉しさを噛み締めます。
その後の会話で服を作れる事を話すと、異様に海夢が食いついてきます。
すると急に制服を脱ぎ出します。目線を逸らし、動揺していると、海夢が着替え終わったようです。
振り返り、海夢の方を見ると、服のような黒いぬのを纏っているのでした。
「どうかな?」と聞かれ、参考画像と比較しながら思わず「狙ってもここまで下手にできない」と言ってしまいます。
熱く饒舌に語る新菜、ふと我に返って自分のしでかしていることを自覚します。
土下座で謝りますが、怒ってないから顔を上げてと言われます。
この服は海夢がコスプレをしたくて本人なりに真面目に作ったものだそう。
今度はコスプレに対する思いを熱く饒舌に語ります。
そして意を決したような顔で、新菜に駆け寄って手をとり、コスプレの衣装を作って欲しいとお願いします。
これまでの海夢の発言を思いだし、新菜は承諾します。
目を輝かせ、跳び上がり、全力で喜ぶ海夢。
思いもよらなかった約束に期待に胸を膨らませる新菜。
そこで1話は終わります。
みどころ
掃除を押しつけられてしまう新菜にたいして、強気の一言を放つ海夢の表情は、新菜にも強い印象を与え、いつもなら趣味に没頭できるのにぼーっとしてしまうほど考えさせます。
海夢の、クラスの中心人物でありながら新菜に対して特別態度を変えたりすることなく、分け隔てなく接する姿勢は、多くの視聴者の心を鷲掴みしました。
また、約束を交わしたあとの海夢の喜ぶ表情はこの作品に対する制作陣の熱量を感じますし、最後の作品名を聞いた時の新菜の「なんですって」の表情はとても面白く、くすっと笑えます。
1話の主な登場人物紹介
五条新菜(ごじょう わかな)
本作品の主人公。自分の趣味は周りの人には理解してもらえないと感じていて友達ができず、ますます趣味である雛人形にのめり込む日々を送っています。両親と祖母はすでに亡くなっていて、祖父と二人暮らしをしているようです。
服作りにはこだわりのある新菜ですが、自身を着飾ることはなく、どちらかといえば地味です。しかし高身長なので素材は悪くありません。学校では制服を着ていて、家や外出時は作務衣を着ています。洋服はめったに着ないようです。
人のことを必ずさん付けで呼び、敬語を使います。自己肯定感が低く、ネガティブなうえ、責任感が強いため、自分を追い込んでしまいがちです。
喜多川海夢(きたがわ まりん)
本作品のヒロイン。読者モデルやサロンモデルをするほど美少女ではあるものの見た目も性格も立ち居振る舞いもザ・ギャル。明るくて友達が多く、しかも輪の中心にいるような新菜とは真逆のタイプ。
しかし、放課後友達と遊ぶことは珍しいようで、実はアニメやゲーム、マンガを愛するオタクという二面性があります。その趣味を隠す素振りはなく、好きなキャラのグッズを身に着けていたり、友達にも話したりします。まわりも否定したりはせず受け入れているようで、新菜はその、ありのままの自分を受け止めてもらえている海夢のことを羨ましいと感じます。
五条薫(ごじょう かおる)
新菜の祖父。五条人形店の代表取締役。豪快に笑う明るさと、新菜に友達がいないのか心配したり、新菜がけがした時には飛んできて看病する優しさを併せ持つ人物です。
菅谷 乃羽(すがや のわ)
海夢達のクラスメートの女子。黒髪ベースに赤のインナーツートンのヘアカラーでツインテールにまとめています。
大空(だいあ)
海夢達のクラスメートの女子。セミロングの外ハネヘア。
瑠音(るね)
海夢達のクラスメートの女子。ロングヘアのセンター分けで目がおっとりタレ目が特徴。よく語尾を伸ばす特徴的な話し方をします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事を読んで、着せ恋のアニメを見たり、見返したり、原作を読むきっかけになればうれしいです。