こちらは日本語に対しての話しことばやコミュニケーションについての検定です。
日本語は普段しゃべっているし、問題ないよと思うかもしれません。
しかし、仕事の場では、会社の人とやりとりをしたり、スピーチをしたり、プレゼンテーションをしたりと「話し上手」や「聞き上手」が求められます。
初対面の人にどのように好印象を持ってもらうか、相手に自分の思いをどのように伝えるかなど、日常的なコミュニケーションは大切です。
こちらは「話す」「聞く」 のに必要な知識と能力を評価する検定です。
“話すのが苦手”という人は一定数います。
この検定で実力と自信をつけてみてはいかがでしょうか。
Contents
適用する仕事
この検定に合格したからといって、何かになれるというものではありません。
しかし、話し上手・聞き上手のスキルは、どこの企業へ入るのにも有利となります。
この検定は企業が求める「コミュニケーション能力」を客観的に評価します。
仕事をしていると「ことば」の力が試されるときがたくさんあります。
同僚とのやり取りをはじめ、業務報告やプレゼンテーションをするときなどが挙げられます。
どんなにIT技術が進歩しても、ビジネスシーンにおいては人と人との「話す」や「聞く」は基本になります。
話し下手や聞き下手の特徴をまとめてみました。
話し下手の特徴
- 結論までダラダラと話してします
- 自分の話ばかりする
- 急な質問に返しができない
- 沈黙が続きやすい
- 話の内容が抽象的
- 早口になりやすい
- 相手の話の腰を折ってしまう
- 相手の意見を聞き入れない
聞き下手の特徴
- 相手のセリフに被るようにして話す
- 相手の話を先読みする
- 思い込みで動く
- 都合よく解釈する
- 他人に興味がない
上記のような会話をしている人はいませんか。
相手にわかりやすく説明する、自分の考えを正しく伝える、相手が話していることを正しく聞くことは、仕事もしやすくなりますし、その人の印象も良くなります。
他部署の人や取引先、クライアントやお客様などと接するときに、わかりやすい説明や丁寧な言葉遣いができれば好印象を与えられるでしょう。
また、福祉やカウンセラー、コールセンターなど会話をなりわいとする職業では、なおさら仕事に活かすことができるでしょう。
おおよその年収とキャリアパス
この検定に合格すると、活かされるのはまず就職活動のときです。
話すのが苦手という人にとって、面接は緊張の場です。
ですので、この検定を学べば、就職の際の面接などでの印象が良くなり、就職が有利になる可能性があります。
取得する級によっては、時事問題に関するスピーキングなどもありますので、面接時にそれを交えて話せば、自己アピールにも役立てることもできます。
それに、会社に入れば、チームで仕事に取り組むこともあります。
そうしたときに、こちらの要望を伝えたり、相手の意見を聞いて上手にすりあわせたりして、円滑に作業を進められるコミュニケーション能力があれば、良い結果につながります。
すると、相手に「こことは仕事がやりやすい」と好印象を与えることもできます。
こうして、仕事への信頼にもつながって、評価や昇給まで持っていくことも可能でしょう。
この検定に合格すれば○万円稼げたり、ポストが用意されていたりするわけではありませんが、コミュニケーション能力を高めることで仕事を円滑に進められれば高評価へとつながるでしょう。
認可団体
「話しことばとコミュニケーション検定」を主催しているのは「一般社団法人 日本話しことば協会」です。
こちらの協会は1997年に設立されました。
2002年には、内閣府から特定非営利活動法人(NPO)の許可が下りました。
そして、2021年3月には、「NPO法人日本話しことば協会」の事業を「一般社団法人日本話しことば協会」へ移管することとなりました。
・東京本部:〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目16-7-5
TEL:03-4360-8674
・大阪支部:〒532-0004 大阪市淀川区西宮原2丁目6-16-631
TEL:06-6868-9777
E-mail:info@hanashikotoba.com
受験条件
検定は3級・2級・1級があります。
3級と2級は条件がありません。どなたでも受験できます。
1級では「話しことばとコミュニケーション検定2級」、「アナウンス検定2級」のいずれかを取得済みの方が条件です。
合格率
合格率や難易度は下記のとおりです。
3級:80%~90%
2級:45%~55%
1級:15%~25%
1年当たりの試験実施回数
試験は各級とも年1回ずつ実施されます。
試験科目
試験はZoom、またはGoogle Formsを用いたオンライン形式で行われます。
各級とも筆記試験とスピーキング試験があります。
筆記試験の内容は、各級とも「話しことばの基本と実践、 語彙・敬語・その他 、 音声言語の知識と表現技術」です。
スピーキング試験は、予め設定されたテーマに沿ってスピーチをします。
スピーチ時間は、1級が約3分 、2級が約1分 、3級が約1分です。
採点方式と合格基準
筆記試験とスピーキング試験、それぞれ設定されています。
筆記試験の場合
3級:正誤を判断する二者択一式
2級:正解を選ぶ多肢択一式
1級:記述式が中心
合格基準は100点満点のうち、各級とも80点以上です。
スピーキング試験の場合
スピーキング試験は一人ずつ行われます。
試験時間は3級が約10分、2級が約15分、1級が約20分です。
複数の審査員が採点します。
そして、その後は面接方式で試験官と対話をします。
「発声・発音・表現・内容・時間・態度・聞く・話す・読む・対話する力・伝える力」が審査基準として見られます。
判定はA、B、C、D、Eの5評価で、B以上が合格です。
そして、筆記試験とスピーキング試験の総合点から、審査員の合議により合否を判断します。
取得に必要な勉強などの費用
公式サイトには、協会が販売しているテキストや書籍があります。
テキスト
発行元:一般社団法人 日本話しことば協会
商品名:話しことばとコミュニケーション
価格:¥2,860(税込)
書籍
出版社名:ナツメ社
商品名:相手に伝わる!仕事の話し方大全
価格:¥1,430(税込)
ビジネスシーンの会話で使えるフレーズを、テーマとシーンごとに多数紹介している書籍です。
受験料
3級:7,700円(税込)
2級:12,100円(税込)
1級:19,800円(税込)
受験申込方法
公式サイトの「検定申込フォーム」から申し込みます。
申込が受け付けられたら、協会から受験料振込の案内のメールが送られてきます。
まとめ
今回は日本語の話し方やコミュニケーション技術が学べる「話しことばとコミュニケーション検定」を取り上げました。
正しい言葉の力を身に着けるのは大切なことです。
この検定は仕事のときはもちろん、家族や友人間でも活かせます。
検定の中で、基本的な挨拶や受け答え、ビジネスシーンでの話し方、聞き方のスキルなどを試されます。
話し方や聞き方が上手ということは、社会の中でより良い人間関係を築くことができます。
コミュニケーションに自信をつけたい人は、こちらを受験してみたらいかがでしょうか。
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