赤十字水上安全法救助員資格とは、日本赤十字社が催す認定資格です。
この資格を通して、安全に水と親しむための事故防止や泳ぎの基本と自己保全、救助や手当の方法などを習得できます。
講習の内容や、どのような仕事に活かせるかなどを調べてみました。
このページは、特に以下の中で該当する方に読んでいただければと思います。
- 水泳関係の仕事に興味がある、またはすでに仕事をしている
- 社会貢献できる資格がほしい
- 万が一の水の事故にも冷静に対応できる訓練講習を受けたい
Contents
適用する仕事
主に以下の場所で活躍ができます。
- スイミングスクール
- スポーツクラブ
- 夏季のビーチやプール
- リゾート施設(主に沖縄エリア)
資格を取得すれば履歴書にも記載できます。
資格不問の企業もありますが、取得すれば採用の際に優遇される可能性は十分にあります。
救急救命士など救助を業務とする職業を目指している方が、その手前の段階として取得しておくのも良いでしょう。
あるいは、すでに上記でお伝えした施設等で働いている方が、こちらの資格を取得することも多いです。
水上安全法を身につけておくと、自信につながります。
スタッフが救助員の資格を持っていることが認知されれば、施設を利用する方々も安心して楽しむことができます。
おおよその年収とキャリアパス
次は、年収とキャリアパスを見てみましょう。
年収
スイミングスクールやスポーツクラブで契約社員または正社員として働いた場合、年収はボーナス含めて約250万円からのスタートです。
キャリアパス
こちらも、スイミングスクールやスポーツジムで働いた場合を例に挙げます。
例1.店長へのコース
現場でコツコツと経験を積み、昇進を目指すプランです。
たいていの企業で研修制度を設けています。
内容は様々ですが、接客や指導法といった基礎的なものから始め、最新の知識や技術、利用者一人ひとりに合わせた目標設定の方法など、専門研修へと進みます。
その後は労務管理や営業戦略といった、店舗運営の知識を身につけていくというものです。
例2.本社へのコース
現場で経験を積んだのち、本社で後方支援を行うというプランです。
救助員で得た能力と現場で培った経験を、本社で営業企画や広報などに活かすことができます。
この他にも道筋はたくさんあります。
認可団体
主催団体は日本赤十字社です。
電話番号:03-3438-1311
尚、問い合わせは、各都道府県支部の連絡先へご連絡ください。
受験条件
こちらの資格は、各都道府県の日本赤十字社支部が実施する養成講習を受け、修了試験に合格すると認定されるという型式です。
赤十字水上安全法救助員養成講習にはⅠとⅡがあります。(以下それぞれ救助員Ⅰ、救助員Ⅱと略称名で記します)
救助員Ⅰ
- 満15歳以上
- 救急法基礎講習を修了した方
(救急基礎講習とは、手当の基本や人工呼吸、心臓マッサージの方法、AEDを用いた電気ショックなどを習う講習のこと) - 一定の泳力がある方
※一定の泳力とは具体的に以下のレベルです。
- クロールおよび平泳ぎで各100メートル以上泳げる
- クロールまたは平泳ぎで500メートル以上泳げる
- 横泳ぎで25メートル以上泳げる
- 立泳ぎが3分以上できる
- 潜行で15メートル以上できる
- 飛び込み1メートル以上の高さが可能
救助員Ⅱ
救助員Iの資格を有する方
合格率
各都道府県における修了試験の合格率は公表されていません。
とはいえ、講習および最終日の修了試験の難易度は決して高くありません。
最後まできちんと講習を受けていれば、合格率はほぼ100%です。
1年当たりの試験実施回数
都道府県により回数が異なります。
頻度においても毎年、隔年、3年毎、不定期など様々です。
特に、救助員Ⅱ養成講習は会場が海や湖という事情から、開催が休止されることもあります。
同様に実施日についても、1年のうちで、主に6~9月の夏季に実施されますが、正確な日時は全国一律ではありません。
その年の開催状況は、お住まいまたは近隣の各都道府県の「日本赤十字社ウェブサイト」で確認すると良いでしょう。
試験科目
養成講習の内容は以下の通りです。
救助員Ⅰ養成講習
- 水の事故防止
- 泳ぎの基本と自己保全
- 要救助者の救助および応急手当
救助員Ⅱ養成講習
- 海や河川、および湖沼池での事故防止
- 泳ぎの基本と自己保全
- 要救助者の救助および応急手当
採点方式と合格基準
採点方式は公表されていません。
合格基準は試験官の判断に委ねられます。
少なくとも、講習に全日程参加することは合格基準に含まれています。
各講習時間は以下の通りです。
救助員Ⅱ養成講習:12時間
ⅠおよびⅡ、全課程修了した方にそれぞれ受講証が交付されます。
また、合格すると「赤十字水上安全法救助員Ⅰ認定証」および「赤十字水上安全法救助員Ⅱ認定証」がそれぞれ交付されます。
尚、どちらの認定証も有効期間は発行日から5年間です。
資格を継続するには、再度講習を受ける必要があります。
具体的には
- 救助員Ⅰの資格の保持:救急法基礎講習を受講・修了し、救助員Ⅰ養成講習を受講、修了試験に合格すること
- 救助員Ⅱの資格の保持:救助員Ⅰの認定後、救助員Ⅱ養成講習を受講、修了試験に合格すること
取得に必要な勉強などの費用
事前の勉強は特に必要ありません。
ですが、ある程度の泳力は最低限の条件となりますので、【受験条件】で紹介した程度は身につけておく必要があります。
また、日本赤十字社が制作しているWEB CROSSでは、動画やポイント解説を提供しています。
救急法や水上安全法などに関する項目も含まれているので、事前に見ておくと予習ができます。
受験料
救助員Ⅱ:300円(保険料などの実費として)
※救助員Ⅰ講習の中に救助基礎講習が含まれている場合や、諸費用を必要とする講習があります。
そのため、受講料の合計は都道府県により異なります。
例:東京都の救助員Ⅰの講習は、2,200円または2,500円
受験申込方法
受講申込期間内に、日本赤十字社都道府県の各サイトから申込みます。
まとめ
残念なことに、夏のレジャーにおける水難事故のニュースは毎年伝えられています。
こうした悲しい出来事を未然に防ぐためにも、一人ひとりが気を付けながら水に親しむことは重要です。
とはいえ、事故はいつ何時起きるかわからないので、救助員は不可欠です。
赤十字水上安全法救助員試験は、冒頭でお伝えしたように「社会貢献できる資格がほしい」、「万が一の水の事故にも冷静に対応できる訓練講習を受けたい」などの方が受験に向いています。
興味がある方は、訓練講習を受けてみてはいかがでしょうか。
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