こちらは、木材等の接着を行う技術者の技能向上を目的に創設された資格です。
木材や他材料等と接着して製品化する業務に従事する方を示します。
そんな木材接着士について紹介していきます。
Contents
適用する仕事
「適用する仕事」は工場や工務店等での勤務が中心です。
主な業務内容は、乾燥させた木材の組み立てで、合板やパーティクルボード等の製造に関わります。
おおよその年収とキャリアパス
木材接着士資格のみでの明確な年収は不明です。
木材接着士の資格単独での金銭的メリットは、各社の雇用条件に寄るところです。
また、この資格による独立なども難しいです。
しかし、履歴書に書くことで雇用のきっかけになったり、もうすでに雇われていればこの資格によって賃金が上がることなどが考えられます。
例として、建設や建築業界の年収を挙げますと、約300~400万円です。
年収を上げたい方は、下記の表に記載されている資格と併せて取得することをおすすめします。
木材乾燥士 | 木材乾燥に必要な方法について学びます。 単板に接着剤を塗布し熱圧乾燥させ、表面処理を行う業務も含まれます。 |
木材切削士 | 木材の切削加工方法が身に付きます。 接着済みの木材の裁断・表面処理をを行います。 |
構造用集成材管理士 | 集成材の製品計画や製造に従事する能力を評価するための資格です。 集成材とは、小さく切断した木材を接着剤で組み立てたものです。 木材乾燥士と木材接着士、木材切削士の資格と併せて取得することをおすすめします。 |
また、この3つの資格と木材接着士の資格の有効期限は6年です。
更新を希望される方は、日本木材加工技術協会の講習を受ける必要があります。
さらに、もう1つおすすめの資格をご紹介します。
安定した年収を気にする方は、木造建築専門の建設会社に就職するのがおすすめです。
ハウスメーカーや建築設計事務所と比べて、給料や福利厚生の手厚さがあります。
他には、ゼネコンや管理業務の役職に任命されれば高収入の実現も可能です。
認可団体
日本木材加工技術協会
受験条件
受験条件は8つあります。
下記の条件に1つでも一致していれば、受験可能です。
- 大学を卒業、木材接着についての実務経験1年以上
- 短大を卒業、木材接着についての実務経験2年以上
- 高校を卒業、木材接着についての実務経験3年以上
- 大学基準の学校を卒業、木材接着についての実務経験1年以上
- 短大基準の学校を卒業、木材接着についての実務経験2年以上
- 高校基準の学校を卒業、木材接着についての実務経験3年以上
- 木材接着にについての実務経験7年以上
- 委員会が認定した人
合格率
合格率は約90%です。
1年当たりの試験実施回数
毎年、8月頃に1回実施しています。
試験科目
試験科目の内容についても記載しておきますので、ご確認ください。
接着についての基礎知識
接着に関しての仕組みや等について細かく見ておきましょう。
接着剤を付ける木材の表面の平面性や粗さも、確認しておきましょう。
接着剤についての基礎的知識
接着剤の種類や性質等について覚えておきましょう。
その木材に適した接着剤についても、確認しておきましょう。
木材や木質材料、木製品についての一般的知識
木質材料とは、原料の木材を大小に分解し、再構成した材料のことを示します。
木質材料を使用した木製品の接着箇所を細かく見ておきましょう。
接着に関する技術
クランプ等の固定器具を使用して、圧着方法について覚えておきましょう。
接着剤によっては、木材に汚れが残る場合があります。
その汚れが目立つ箇所をやすり等で削る方法も、覚えておきましょう。
採点方式と合格基準
採点方式と合格基準は不明です。
取得に必要な勉強などの費用
勉強に必要な本や講習会等の費用をご紹介します。
木材接着の科学
発行元:海青社
商品名:木材接着の科学
価格:2,640円(税込)
木材と接着剤の種類や、木材接着のメカニズムについて記載されています。
専門家の解説もあって知識を深められます。
ユーザー目線で役立つ 接着の材料選定と構造・プロセス設計
発行元:日刊工業新聞社
商品名:ユーザー目線で役立つ 接着の材料選定と構造・プロセス設計
価格:2,530円(税込)
接着剤の選び方や接着設計法について、記載されています。
木材接着講習会
日本木材加工技術協会公認の「木材乾燥士」資格検定試験に向けての講習会です。
会員か非会員によって、受講料が違いますので注意してください。
非会員受講料:38,000円(税込み)
会員受講料 :28,000円(税込み)
※2023年度の講習会の申し込みは終了しています。
受験料
受験料:20,000円(税込み)
試験合格後、登録手数料40,000円(会員30,000円)別途必要
また、日本木材加工技術協会への会員登録というものがあります。
日本木材加工技術協会は公益社団法人で、この協会は地球環境の保全に大きく貢献し、学術の振興と技術の向上及び普及を図るために活動しています。
この協会の会員になることで、様々な特典を受けることができます。
会員の階級は4種類あり、費用によって階級や特典が違います。
下記に会員の種類と会費、特典内容について記載しておきます。
- 賛助会員 :45,000円以上
- 団体会員 :20,000円
- 正会員 :10,000円
- 正会員(学生):7,000円
賛助会員か団体会員の特典 | 会誌「木材工業」(2部)の配布 会誌への広告料が割引 講習会等の受講料が会員料金に変更可能 |
正会員か学生会員の特典 | 会誌「木材工業」(1部)の配布 支部・部会の活動に参加 会誌の研究論文及び資料への投稿 年次大会の研究発表 講習会等の受講料の割引 図書や資料の頒価が割引 会員名簿の配布 |
上記の料金と受験料込みで、合計金額が資格修得だけで安く見積もっても57,000円(交通費等別途)掛かります。
さらには、その他受験のための講習を受けたり、会員登録したりした場合は約130,000円ぐらいまで掛かってしまいます。
木材乾燥士や木材切削士の資格取得も考えている方は、メリットの多い会員登録をおすすめします。
しかし、会員登録後の特典分の受験料等の差し引きは、不明で記載されていません。
受験申込方法
日本木材加工技術協会のトップページからお申し込みください。
番号を付けて説明しますので、参考程度にご確認ください。
- 申し込み日時になると、試験・講習会情報の覧に『第59回木材接着士資格検定試験のご案内』があります。
- そちらをクリックすると、申し込み方法についてのページに移動します。
- ページ移動後、2ページ目に『様式1』と記載している申込み書をコピーして印刷してください。
- 申込み書に必要事項を記入して、顔写真を貼ってください。
- 資格検定試験手数料のお支払いと合わせて、所定の宛先に発送してください。
- 発送後、協会側が受験条件に該当しているか確認されます。
- 受験条件に該当している場合は、電話連絡が来て審査に合格したことが分かります。
- 後日、受験票が配送されます。
まとめ
木材接着士について説明しました。
ここまで、試験概要を細かくお伝えできたかと思います。
もしさらに詳細について知りたければ、日本木材加工技術協会のホームページ情報を見て確認してくださいね。
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建築士の資格を細かく見ていくと3種類あります。それが1級建築士と2級建築士、木造建築士です。
その中の木造建築士について説明していきます。
木造建築士は、一般的な木造建築物の工事や管理をします。
また、古い家屋や神社等の歴史的建築物の工事も行うことが可能です。
木造建築士の年収は見習いからの場合、約250万円~350万円ぐらいです。
ですが、1級及び2級建築士と比べて年収は少ないです。
それは仕事幅が限られているのと、1級及び2級建築士と比べて技能が少ないからです。