萩検定について

萩検定について

「ご当地検定」というものをご存じですか。

ご当地検定は、地域の歴史や文化などの情報を問題とした検定です。

2003年の博多っ子検定をきっかけに、東京シティガイド検定、京都・観光文化検定試験が開始されると、全国的なブームとなりました。

今回ご紹介する「萩検定」も、そんなご当地検定の一つです。

古い町並みや焼き物、吉田松陰の「松下村塾(しょうかそんじゅく)」で有名な山口県萩市。

萩市の歴史や自然を学び、検定に合格することであなたも萩市の魅力を発見・発信してみませんか。

適用する仕事

萩出身の英傑

検定は初級・中級・上級とがあり、それぞれに4科目が設定してあります(詳しくは後述)。

4科目すべての上級に合格した場合、「萩まちじゅう博物館 まちかど解説員」に任命されます。
また、検定合格者の有志によって「ものしり博士の会」が結成されています。
会員はまちじゅう博物館を推進するための研修事業・検定運営事業などを、行っています。

検定は資格とは違い、仕事に直結するものではありません。
あくまでも趣味の範疇です。

ですが、検定で得た知識をもとに、地域のためにガイドや研修等で活躍することは楽しそうですね。
町の魅力を深く知るだけでなく、たくさんの観光客とのふれあいによって自分の心も豊かになれそうです。

おおよその年収とキャリアパス

前項目で挙げた、まちかど解説員や「ものしり博士の会」の活動はボランティアです。

認可団体

まちじゅう博物館推進課
NPO

萩市まちじゅう博物館推進課と、NPO萩まちじゅう博物館が中心となっています。

受験条件

どなたでも受けられます。

合格率

萩検定の公式サイトに、4科目別の詳しい受験データが載っています。

以下に4科目合計のデータのみ抜粋して載せますので、参考にしてみてください。

受験者数 合格率
初級 R1 863人 71.6%
R2 469人 44.6%
R3 643人 38.3%
中級 R1 169人 82.8%
R2 77人 61.0%
R3 61人 70.5%
上級 R1 データなし データなし
R2 80人 37.5%
R3 48人 33.3%

合格率は初級が約40%~70%と幅広く、中級はやや高め、上級は低めとなっています。

初級はネット上でいつでも受けられるため、気軽に何度も受ける人が多いのかもしれませんね。
合格率のバラつきから、勉強しないで受ける人もいるのかもしれません。

中級からは年一回、受験料を払っての受験となる(詳しくは後述)ので、しっかりと勉強する人が多い印象です。
上級は記述問題が増えるので、難易度も一気に上がるのでしょう。

また、初級以外は受験者数の減少が気になりますね。
受験者数の減少は、全国のご当地検定に当てはまることです。
一方、萩検定は前身の「萩ものしり博士検定」が2005年に開催され、今年で18年目です。

ご当地検定としては息の長い部類に入るのではないでしょうか。
それだけ萩市の魅力・住民愛・主催者の熱意が強いということが、うかがえますね。

1年当たりの試験実施回数

初級:通年実施
中級:1回
上級:1回

試験科目

歴史
試験科目は下記の4科目です。

  • 歴史
  • 幕末維新
  • 自然
  • 文化

それぞれに初級・中級・上級が設定されています。
1科目のみの受験もOKです。

歴史、幕末維新

「歴史」と「幕末維新」が分かれているのが萩市ならではですね。

萩市の歴史は古く、平安時代初期に成立した「国造本紀(こくぞうほんき)」には、阿武国造(あむのくにのみやつこ)が阿武国(現・山口県萩市・阿武郡周辺)を支配したと記されています。

戦国時代には毛利元就が中国地方を制覇、その孫・輝元が1604年に居城を広島から萩に移し、萩城を築城しました。
そして、三角州に城下町を建設して以来260年余り、毛利36万石の城下町として発展しました。

幕末の1830年には、吉田松陰がこの萩市で誕生します。

松陰は11歳のときに藩主・ 毛利敬親(もうりたかちか)に兵学講義をするほど秀才でした。
敬親は松陰に全国遊学を許可します。

やがて黒船が来航し、衝撃を受けた松陰はアメリカに渡りたいと願います。
アメリカの軍艦に乗り込んで直接懇願しますが失敗し、幕府によって投獄されてしまいます。

松陰は孟子の教えである「国家にとって最も大切なのは民である」という言葉を自身の「志」としていました。

しかしその志とは正反対に、幕府を批判する人を取り締まる政策に松陰は大いに悲しみ、やがて尊王攘夷思想に傾倒していきました。

獄を出て萩に戻ってからも幽閉の身だった松陰は、実家で松下村塾を開きました。

そこでは身分や階級に関わらず、昼夜もとわず自由な雰囲気で授業や議論が交わされました。

高杉晋作、伊藤博文、山県有朋、山田顕義、品川弥二郎などがここで学び、のちに明治維新の原動力となったのでした。

萩の自然

自然

萩市の「自然」に目をむけてみましょう。

萩は日本海に面し、三方が山に囲まれています。

萩市街地は、松本川と橋本川に挟まれた三角州の上に発達した水の都とも言える町です。

日本有数のデルタ地帯としても知られています。

山と海に囲まれた萩では農業漁業がさかんで、地元ブランドの農産物や水産物も豊富にあります。

文化

「文化」としては萩焼が有名です。

古くから「一楽、二萩、三唐津」と呼ばれ、400年以上続くわが国屈指の焼き物です。
比較的低温でゆっくり焼いた萩焼は、焼き締め(焼いたときの縮み)が弱くやわらかい風合いが特徴です。

そして長年使い込むうちに、表面の細かなヒビ(=貫入)を通してお茶などが器に染み込み、色合いが変化していきます。
これを「萩の七化け(ななばけ)」といいます。

使うほどに侘(わび)、寂(さび)を増していく萩焼を楽しんでみたいものですね。

また、萩は今もなお城下町のたたずまいが残る「江戸時代の地図がそのまま使える町」です。
城跡や武家屋敷、町家、維新の志士の旧宅、寺院等が多く残されています。
これらに対する知識が深ければ深いほど、町歩きが楽しめそうです。

採点方式と合格基準

初級:択一式で50問中45問以上の正解で合格

中級:択一式(30問)と記述式(20問)。50問中45問以上の正解で合格

上級:択一式(10問)と記述式(40問)。50問中45問以上の正解で合格

取得に必要な勉強などの費用

公式テキストが販売されています。

萩検定公式テキストブック

発行元:萩まちじゅう博物館
商品名:萩検定公式テキストブック
価格:¥2037(税込)

問題はすべてこのテキストから出題されます。各科目200問、全800問が掲載されています。
このテキストを何度かやりこめば、合格が見込めるでしょう。

テキスト以外では、ホームぺージに過去問があります。(中・上級コースのみ)

受験料

初級:無料
中級:1科目につき¥1,000、高校生以下¥500
上級:1科目につき¥1,000、高校生以下¥500

受験申込方法

初級:不要。インターネットからいつでも受けられます。郵送希望もいつでも受け付けています。

中級:申込用紙をホームぺージからダウンロードし、記入の上郵送またはFAXで申込。

上級:申込用紙をホームぺージからダウンロードし、記入の上郵送またはFAXで申込。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

あなたがもし萩市の住民なら、萩検定を受験してみることで町の魅力を再発見することになるでしょう。

今まで見過ごしてきた、または興味さえ抱かなかった建物や特産物、地形について知ることは単純に楽しいことだと個人的には思います。

そして、その知識を家族や友人に話したり、ガイドとして活躍したりすることで充実感を得ることもできるのではないでしょうか。

もしかしたら思わぬ反応が返ってきたりして、よりコミュニケーションや町の面白さを深めることができるかもしれません。

もし萩市から離れた場所に住んでいたとしても、地方の魅力を知ることは旅行や買い物などの楽しみが増えることにもつながります。
移住を考えたり、考えるきっかけになったりするかもしれませんね。

歴史に興味があるなら言うまでもなく、萩検定の勉強は楽しいものになるでしょう。

萩検定であなたの世界を広げてみませんか。

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