中学校の先生になるための免許について、取り上げさせて頂きました。
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適用する仕事
小学校教諭の教える科目は、基本的には全科目ですが、中学校の場合、教えることが出来る科目は専門教科です。
科目は次の通りです。
中学校教諭は、体力がないと難しいです。
まず、体を壊してしまうと生徒達への指導に影響してしまうので、体調管理はしっかりしないといけません。
先生によっては、授業だけではなくて部活などに時間や体力を使います。
休日を上手く使って、体調をコントロールすることも必要です。
中学校教諭には、正規雇用でなく非正規雇用で働かれている人も居られます。
非正規雇用は大きくわけて、臨時採用教員と非常勤講師の2種類です。
臨時採用教員は正規雇用の教員と同じ待遇で働くことが出来ますが、任期は1年以内です。
非常勤講師はアルバイトと同じ時給制です。
担任や部活動を持つことはありません。
正規雇用で採用されなかった場合などに、非常勤講師として働きながら経験を積んで、再び教員採用試験の合格を目指される方もいまう。
また、公立学校の教師には異動がつきものです。
目的は、各学校で平等な教育をするためです。
仮に、教師をしていて気に入った学校があっても、定年までそこでずっと働くことはできません。
一定の期間が過ぎると、別の中学校へ異動になります。
特に中学校では、部活の顧問などをすることもあるので、異動で気がかりなことは多いと思います。
おおよその年収とキャリアパス
中学校教諭の平均年収は、746万円です。
ただし、サービス残業となってしまう時間も多い仕事です。
初任給はあまり高くはないので、就任したばかりの頃は大変なようです。
東京都の教員の初任給は、25万円くらいです。
認可団体
中学校教諭普通免許状の資格を管理しているのは、文部科学省です。
免許を交付するのは、各都道府県知事になります。国家資格ではありません。
受験条件
1種免許状、2種免許状、専修免許状の受験資格としては、それぞれ次の事項が必要です。
1種免許状 | 35歳未満で4年制大学などで所定の教科を21単位以上、教職を31単位以上、教科または教職8単位以上の専門科目を修得して、学士の学位を取得した者。他。 |
2種免許状 | 35歳未満で短期大学などで所定の教科を10単位以上、教職を21単位以上、教科または教職4単位以上の専門科目を修得して卒業した者。 |
専修免許状 | 4年制大学等で1種免許状有資格者。所要資格を得て大学院で修士の学位を取得して、教科または教職科目32単位以上の専門科目を修得した者。他。 |
合格率
都道府県によって違いますが、中学校教諭普通免許状の合格率は、平均して55%前後です。
試験に合格してからの中学校からの採用の年齢には、自治体によって上限がある場合があります。
年齢制限がない自治体は、全体の50%です。
36歳から40歳が上限としている自治体は12%。41歳から50歳が上限としている自治体は37%。51歳から58歳が上限としている自治体は1%です。
1年当たりの試験実施回数
年に1回です。
県ごとに行われていますので、試験日が異なれば複数の県を併願することができます。
詳細は、各都道府県への問い合わせが必要です。
試験科目
都道府県によって異なります。各都道府県のホームページで確認する必要があります。
例として、東京都の効率教員採用試験は次のようになっています。
一次試験:筆記
- 一般教職教養問題
- 専門教養問題
- 論文作成:教育に関する内容について2題出題。1つを選択して論文作成。
二次試験
- 面接:個人面接、集団活動。
- 実技:音楽、美術、保健体育、英語の教科受験者のみ。
採点方式と合格基準
採点方式と合格基準は、各自治体によります。
取得に必要な勉強などの費用
【適用する仕事】の項目で、教えることができる科目を挙げましたが、科目別に、大学で教員免許を取得するために選択するのに良い学部はそれぞれ次の通りです。
中学校の先生を目指すことのできる学部は他にも様々ありますが、一部紹介させて頂きます。
国語 | 教育学部、文学部、外国語学部、学芸学部、人文社会科学部、メディアコミュニケーション学部 |
社会 | 教育学部、商学部、経済学部、経営学部、文学部、人文学部、法学部、社会学部、社会福祉学部 |
数学 | 教育学部、理学部、理工学部、工学部、教養学部、コンピューター理工学部、産業技術学部、基幹工学部 |
理科 | 教育学部、工学部、薬学部、理学部、理工学部、農学部、生命環境学部 |
英語 | 教育学部、文学部、外国語学部、国際学部、国際教養学部、コミュニケーション学部、グローバルコミュニケーション学部 |
美術 | 教育学部、芸術学部、美術学部、デザイン工学部、文学部、家政学部、造形学部 |
保健体育 | 教育学部、スポーツ人間学部、スポーツ健康科学部、健康医療学部、経営学部、体育学部、保健科学部 ※経営学部というと、資格ならば公認会計士や税理士などのイメージがあるかと思いますが、スポーツ専攻の経営学部も、全国に数は少ないですが存在します。 |
技術 | 教育学部、理工学部、工学部、建築学部 |
家庭 | 教育学部、人間生活学部、生活科学部、家政学部、人間社会学部、人間文化学部、健康栄養学部、生活環境学部 |
全部の科目にあてはまっている学部は教育学部です。
教育学部のある大学に通うときの費用は、おおよそ次のようになっています。
国立大学(4年間) | 242万円~285万円 (1校を除いて、全て242万円です。夜間5年で148万円もある。) |
公立大学(4年間) | 244万円~261万円 |
私立大学(4年間) | 406万円~721万円 |
私立短大(2年間) | 215万円~419万円 |
専門学校(2年間) | 280万円~338万円 |
比較的学費の安い短期大学でも、私立の音楽科は高いです。
音楽大学や、教育系の大学の音楽教育専攻でも音楽の先生になることが出来ます。
中学校の音楽の授業は、高校と比べると実技重視です。
生徒への指導を的確に行って、歌唱や演奏をさせます。教える側の教師にもテクニックが必要です。
ちなみに、夜間大学では学費は安くなります。国立、公立、私立いずれも、全日制よりも50%~60%ほどの学費になります。
受験料
受験料も都道府県ごとに違います。
各都道府県教育委員会ホームページで確認するか、実施しているところにお問い合わせが必要です。
ちなみに、東京都は無料です。
受験申込方法
小学校の教員を目指す場合は、教員資格認定試験に合格する方法もあるのですが、中学校の教員には認定試験はありません。
中学校教員になるためには、教育課程を履修するしかありません。
そのためには、教育課程がある大学や短大を卒業する必要があります。
短大
短期大学に入学するには、総合型選抜と推薦入試と一般入試があります。AO入試はなくなりました。
総合型選抜
以前にAO入試というものがありましたが、2021年度入試から総合型選抜というものに変わりました。
大学や短大、専門学校が定める「求める学生像」にあてはまる人物を採用する方式です。
受験する大学で学びたいという強い意欲や、入学してからの目標が重視される特徴です。
学校長などの推薦は必要ありません。
書類審査や面接だけでなくて、知識や思考力、表現力など、多面的に評価する選抜方式が増えてます。
推薦入試
近年では、私大での推薦合格者が5割を超えています。
国公立大学でも1割を超えている状況です。
現在では、学力入試以外の選択肢が目立っています。
一般入試
最後に一般入試ですが、1月から3月に行われている学力試験を中心とした通常の入試です。
試験の科目数は学校によって違いますが、国語と英語を中心に、志願する学科に合った内容となっています。
「大学入学共通テスト」を利用している短期大学もあります。
大学
大学に入学するには、次のような方法があります。
国立大学の場合
国立大学の場合は、下記の3つの方法です。
- 一般入試
- 学校推薦型選抜
- 総合型選抜
一般入試の場合は、大学共通テストと二次試験の合計点で決まります。
学校推薦型選抜は、私立大学に比べて募集人数が少ないです。成績基準も厳しくなっています。
総合型選抜は以前のAO入試です。
出願者の人物像を、大学が求める人物像と照らし合わせて合否を決めるものです。
学業での成績と、部活動やボランティア活動、その他の個人的な活動実績を見られます。
私立大学の場合
私立大学の場合は、下記の4つも方法があります。
- 一般選抜
- 学校推薦型選抜
- 総合型選抜
- 大学入学共通テスト利用入試
私立大学の一般選抜は、3教科行うのが一般的です。
理系の学部では英語・数学・理科、文系の学部では英語・国語に加えて、地歴や公民、または数学から1科目選択する場合が多いです。
学校推薦型選抜は、受験生の個性や意欲を評価しようとするものです。学力試験はありません。
書類審査と小論文、面接で合否が決まるのが一般的です。
総合型選抜は、以前はAO入試といわれていたものです。
受ける大学で学ぶことに対する意欲や、目的意識の高さが選抜で重視されます。
書類審査や小論文、面接が中心ですが、プレゼンテーションやディスカッションを課す学校もあります。
最後の大学共通テスト利用入試は、共通テストの成績で合否が決まります。
そこから個別試験を行われないことが多いですが、行う大学もあります。
教員免許を取得している人も、原則として有効期間満了日の2年2ヶ月前から、2ヶ月前までの2年間で「免許状更新講習」を受講・修了する必要があります。
まとめ
中学校教諭普通免許状についてでした。
中学校での授業の先生は、科目ごとに違います。
それぞれ資格も科目ごとに別のものになっています。
中学校教諭にも、正規雇用と非正規雇用があります。
働き方によって、仕事の内容も給与の体系も変わってきます。
中学校教諭というと国家資格だと思われる方も居られると思いますが、免許交付は各都道府県知事です。
国家資格ではありません。
学歴としては、短大卒以上が必要です。
試験科目も都道府県によって違います。各都道府県のホームページで確認しましょう。
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