木材加工用機械作業主任者について

木材加工用機械作業主任者について

労働安全衛生法で定められた規則があります。
木材加工機械等で5台以上有する事業場で機械を使用しての作業を行う場合は、木材加工用機械作業主任者技能講習を修了者の中から選任しないといけません。
選任者は、作業の指揮や定められた事項を従業員に伝えて守らないといけません。
そのための木材加工用機械作業主任者について説明していきます。

適用する仕事

適用する仕事は工場等の勤務が大半です。
機械を使用して、建築の際に使用する木材の加工業務に取り組みます。
木材加工機械の取り扱いの指揮、機械に付いている安全装置の点検をします。
その他にも機械に異常が起きた場合、工具等で修理する業務も含まれます。

おおよその年収とキャリアパス

工場等の従業員の年収は、約200~400万円です。
実務経験を積みながら、勤続年数や資格取得して役職に就いていけば年収は上がります。

キャリアアップ、給料アップキャリアパスとしては、工場勤務で従業員から段階を踏んでいき、工場長に選任されるのが良いかもしれません。
一般的な工場での役職について下記に記載しました。
役職に合った年収も記載しましたので、参考程度にご確認ください。

班長

班長は役職の第一歩です。
班長以外にグループリーダーの名称もあります。

今まで指示される側だったのが、指示する側へと回ります。
主に従業員が安全に作業できるように様々な管理をします。
管理の部分では、特に機械設備に不備や問題があった場合、率先して問題対応をします。
班長の年収は、約300~400万円程で従業員と比べて100万円程の差があります。

工場長

業務内容は主に工場中心で業務業績の評価や管理、人材開発、目標設定、課題解決等で多岐にわたります。
特に、商品の安全性と品質の確保に努めることに集中します。

従業員が安心して業務が遂行できる環境を整える必要があります。
そのためには、現場の安全を定めたルールの遵守が求められます。

それには、機械設備に問題が発生したときのルールを明確にしておく必要があります。
いざというときに従業員の安全を守れるように、周知徹底を図ることが工場長の役目でもあります。
お客様と滞りなく取引で、納期を守りながら品質の高い製品を提供する必要があります。
機械の設備の精度を調整することや、従業員の作業効率を徹底的に品質向上等の取り組みの方針を決めていきます。

工場長の年収は、500~700万円です。
後に紹介する主任との年収は差は100万円程です。
企業によっては、主任と同じ年収の場合もあります。

主任

主任は、現場のまとめ役を担う役職です。
企業によっては、主任はチーフやシニアスタッフとも呼ばれます。

現場で働く従業員の管理や指導の管理業務に取り組みます。
現場寄りの役職で、製造に関わる部署の業務の状況確認等を行います。
主任の段階では、管理職に分類されない立ち位置でもあります。
管理職の業務としては、係長から学びながら業務に取り組むことが多いです。

主任の年収は、約500~700万円程です。
先ほど紹介した工場長と同じ年収の場合もあります。

係長

現場業務寄りの社員が初めて、管理職に昇格したときに就く役職です。
主任と比べて、経営管理の業務が大まかです。
主任よりも、組織の経営理念に基づいた収益に結び付ける方法を考える必要があります。
現場業務に携わっていたときの経験を活かして、従業員の業務や環境の見直しが必要です。

係長の年収は、約600~800万円程です。
主任のときの業務を引き継いで取り組むことが多く、年収の差はあまり変わらない場合もあります。

部長

部長は自社の経営側に属しており、複数の部署を総括する役職です。
また、経営の視点を持つことも役割に含まれます。
トップマネジメントの視点から、外部対応にあたることもあります。
その人材に合った業務に、どれほどお金を回すのか部署の進むべき方向性や戦略を考えるのも部長の役割です。

部長は部署の責任者であるため、明確な意思決定力や実行力が求められます。
会社の規模にもよりますが、現場で部下と直接仕事をするのは課長の役割になるため、一般社員と直接関わる機会は少なくなります。

部長の年収は約900~1000万円以上です。
係長の年収と比べて、約100~200万円程の差があります。

しかし、上記の年収が正しいとは限りません。
企業の規模等で年収は下がる場合もあります。

役職の昇進について
中小企業の場合は、20代後半か30代前半に最初の昇進が来ることが多いです。
企業の規模が小さいほど昇進のスピードは早めです。
入社数年で役職に就くこともあります。

一方、大企業の場合は、中小企業と比べて昇進のスピードは遅い傾向になっています。
30代後半から40代前半に昇進することが多いです。

認可団体

各都道府県の労働局安全課
労働基準監督署
労働基準協会

受験条件

こちらは講習を受けて取得する仕組みですが、その受講条件は3つあります。
3つのうち、どれか1つに該当していれば受講が可能です。

  1. 木材加工用機械を使用した業務に3年以上の実務経験者
  2. 専門学校の木材加工科の卒業者で、木材加工の実務経験が2年以上有する方
  3. その他で厚生労働大臣が定める者

※その他で厚生労働大臣が定める者については、木材加工用機械作業主任者技能講習規程をご確認ください。

合格率

合格率は約95~100%です。

1年当たりの試験実施回数

1年に1回、各都道府県の指定教習機関等で夏頃から秋頃に実施しています。

試験科目

四角いブロック状になっている木材試験科目は4つあり、その後に修了試験があります。
科目名と特徴について説明していきます。
参考程度にご確認ください。

木材加工用機械、その安全装置等の種類、構造及び機能に関する知識

丸のこ盤、かんな盤等の機械の種類や操作方法について覚えておきましょう。
機械に付いている安全装置の特徴について確認しておきましょう。

木材加工用機械、その安全装置等の保守点検に関する知識

機械の状態や設定を調べておきましょう。
安全装置の状態や元の状態に戻す方法を覚えておきましょう。

木材加工用機械作業の方法に関する知識

機械の動かし方、止め方について覚えておきましょう。
また、機械が故障したときの対象方法も確認しておきましょう。

関係法令

法律用語と合わせての問題が出題されます。
参考書等を購入して読んでおくことをおすすめします。
講習の際に、講師が出題傾向が多い問題を教えてくれます。

採点方式と合格基準

修了試験の合格基準は下記のとおりとなっています。
講座科目の各科目で正答率40%以上、総合点で正答率60%以上で合格です。

取得に必要な勉強などの費用

勉強に役立つものの費用を下記に記載しておきます。
参考程度にご確認ください。

講習会用のテキスト

木材加工用機械作業の安全 木材加工用機械作業主任者技能講習用テキスト発行元:林業・木材製造業労働災害防止協会
商品名:木材加工用機械作業の安全 木材加工用機械作業主任者技能講習用テキスト
価格:2,200円(税込み)

事前にお支払いを済ませている方は、試験当日に渡されます。

携帯用丸のこ盤の安全作業

携帯用丸のこ盤の安全作業発行元:林業・木材製造業労働災害防止協会
商品名:携帯用丸のこ盤の安全作業
価格:900円(税込み)

携帯用丸のこ盤の安全な作業方法等について、解説されています。

〔改訂2版〕伐木等作業者用チェーンソー作業の安全ナビ

〔改訂2版〕伐木等作業者用チェーンソー作業の安全ナビ発行元:林業・木材製造業労働災害防止協会
商品名:〔改訂2版〕伐木等作業者用チェーンソー作業の安全ナビ
価格:2,970円(税込み)

伐木等の作業や振動障害の予防等に関する知識が記載されています。
作業映像を見られるQRコード付きの一冊です。

受験料

受講料:約9,000~15,000円(税込み)
実施場所によって、受講料が異なる場合もあります。
また、これも実施場所によりますが、職業訓練校を通して受講した場合に受講料が免除されるところもあります。

受験申込方法

受講を申し込む方法は、最寄りの自治体の労働基準協会等のホームページからご確認ください。

まとめ

木材加工用機械作業主任者についてまとめてみました。
この資格は丸のこ盤、かんな盤、帯のこなどといった、木材加工業で特定の機械を5台以上備えている事業所にて需要があります。

しっかりした木材を切ろうとしている丸のこ受講条件を挙げておきましたので、木材加工用機械を使用した業務に3年以上携わった人は、ぜひこの資格を取得してみてくださいね。

 

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