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2話のあらすじ
「美影がまた人を殺した」
刑事の穿池のメッセージを受け、駆け付ける倒理と氷雨。
現場はホテルにあるような会場だった。被害者は、元衆議院議員で三年前に不正献金の疑惑がかけられた南雲弘伸。事件は、次の選挙で返り咲くためのパーティで起こった。
スピーチの直前にシャンパンを手に取り、その最中に苦しみだして病院に緊急搬送されたものの六時間後に死亡した。
現場には落語の死神の一部が書かれた紙とシャンパンから検出された毒と同じものが付着した小瓶が残されていた。
しかし、会場のほかの食べものからは一切毒が検出されず、どうやって被害者の受け取ったシャンパンのみに毒を入れたのかが今回の謎となった。
犯罪コンサルタントであり、大学時代の同期である美影のトリックに大興奮の倒理。推理に移るも、「これは不可能担当の俺の事件だ。美影の事件だからって無理するな。」と氷雨を突き放す。
倒理は、シャンパンを手に取った後被害者自ら毒を混入させたと考えを話す。
一度事務所に戻った倒理、氷雨、穿池の三人。後から帰宅した家政婦の薬子と共に、倒理の作ったオムライスを食べる。
大学時代もこうして3人に料理をふるまっていたと言う倒理に、薬子が「3人?あとの1人は?」と問う。
代わりに穿池が美影の名前を出す。6年前の事件の後失踪して犯罪者になったと。
氷雨が「もしもう一度美影に会ったら?」と尋ねると「殺す。」と即答する。
調査を再開し、被害者の南雲の事務所を訪ねる倒理と氷雨。
倒理は秘書の浦和敬人を犯人と疑い、かまわず挑発したため追い出されるように事務所を後にする。
相変わらず一人で謎を解こうとする倒理に、氷雨は「無理しているのは君の方だ。」と反論する。
しかし、10万で証拠をみせると倒理は行ってしまう。
その後、落語の寄席で美影と氷雨は密会する。この関係は倒理と穿池には内緒だ。
その会話で、穿池は美影を殺したがっている、また、氷雨は倒理に殺されたがっていると4人の関係が少し明らかになる。
美影は今回のトリックはチープトリックであるとあかし、その場を去る。
その後、夜の南雲の事務所に氷雨が駆け付けると、そこには秘書の浦和、そして、頭から血を流し床に倒れている倒理を発見する。6年前と似た状況に氷雨はパニックになり、その場に倒れこんでしまう。
2話はそこで終了する。
感想
6年前の事件
倒理、氷雨、穿池、美影の四人にとって、6年前の事件が大きく影響していることは間違いない。
今明かされているのは、ある部屋の中で倒れている倒理、それを見る氷雨、穿池、美影の3人の光景。
その部屋は密室であり、美影は未だにそのトリックの虜であること。その後、犯罪をつくる側になったこと。
倒理が頑なに隠している首の傷はその時のものであると考えられることである。
6年前の事件とは何なのか、今後も注目していきたい。
倒理の料理のシーン
1話でも2話でも、事務所で倒理が料理をし、出来上がったものをみんなで囲むシーンがあった。
足りない食材を他の食材で代用したり、その包丁さばきは見事なもので、見ている側もたべたくなってしまう。
ミステリーはどうしてもシリアスになりがちな分、恒例の癒しシーンがあるのは視聴者を安心させる。
シリアスとギャグのメリハリ
2話は倒理と氷雨が車を選んでいるシーンから入る。正反対の二人がタイプのまったく異なる車を選び、喧嘩しているシーンはコントみたいである。
基本的にシリアスだが、個性的なキャラクターの掛け合いなどがおもしろかったりして、見ていて飽きない。
大学時代の穿池と美影
もう一度美影に会ったら殺す。と、美影に強い殺意を抱いている穿池。
しかし、大学時代、美影は自身に心がなく、ドキドキしたことがないということを、初めて穿池に打ち明ける。
その時の穿池の表情は同情しているようにも見え、最初からそうではなかったことが伺える。
好きと嫌いは紙一重なのか、なんにせよ、穿池は美影に強い感情を抱いている。
前回の氷雨が倒理の首に触れようとしたシーンと、穿池が美影に触れようとシーンが似ているような気がした。
3話ののあらすじ
前回、南雲の事務所に忍び込んで頭を怪我した倒理。
軽傷で済んだようで、早々に病院から事務所に向かう。
穿池から電話があり、被害者が、スピーチの直前に毒を入れたという推理が、証言が一つもないことから推理が間違っていたと知らされ、推理はふりだしに戻る。
事務所に着き、頭を悩ませていると、事務所のドアを何者かがノックする。
いろいろな叩き方で倒理の不安を煽った人物は、恩師の天川考四郎だった。
「お見舞い」と言って甘味の差し入れをし、倒理にアドバイスをする。
それは、二人の推理を足し算ではなく掛け算、つまり、うまくかけ合わせれば、うまくいくというものだった。
その後、氷雨、穿池、薬子の三人が事務所に集まり、恒例の食事シーンとなる。今回は海老天。
南雲が飲んでいた薬が、事件の直前に変わっていないか、3年前のクレーン転倒事故と今回の事件の関連性などが話題になった。
病院の公共事業がらみで、南雲が関わっていたという。
納期に間に合わせるため、風が強いのにクレーンを運転したため転倒し、何人か犠牲になった事故の、当日の支持をしたのが南雲である可能性が高いというのだ。
後日、倒理、穿池らは事件当日の様子を再現する。
そこで、シャンパンには毒が入っておらず、会場入りする前に、薬を飲むためのペットボトルに毒が入っていた可能性が浮上する。
また、氷雨は不可解を解明するため、別にクレーン転倒事故について調査を進める。
わかったことは、事故発生時クレーンを運転していて亡くなった作業員、佐野良介の妻が、なんども南雲に詰め寄っていたことだ。
事務所に戻り、お互い報告を終える二人。
氷雨が「僕のターンまで待つよ」というと、倒理の目が光る。
再度、現場に二人が向かい、関係者(南雲の事務所の)を呼んだが、現れたのは秘書の浦和のみだった。
そして、今回の毒はやはり会場に入る前、ペットボトルに毒を入れたもので、シャンパンには入っておらず、毒は床に塗られていたとトリックを明かす。
犯人は、南雲の事務所で一年前から働いていて、運転手を務める堀田だった。
堀田は、クレーン転倒事故の際、クレーンを運転する可能性のあった人物で、面接の際も真実を訪ねたが、浦和は南雲をかばった。
なぜなら、納期が間に合うよう、無理やり作業をする指示をするよう仕向けたのが浦和自身だったからだ。
倒理のトリック推理、氷雨の動機推理が終わると、浦和はその場に頽れる。
事件解決後、氷雨と美影は寄席で密会する。
「今の仕事を辞めたら」と提案する氷雨に「気に入ってるんだ」と返す美影。
まったく意見も好みもかみ合わないと思われた二人が気に入る車が見つかり、早速運転する。
すると女子高生が飛び出してきて、探偵事務所を探しているという彼女の依頼を引き受けることになる。
ここで3話は終了する。
感想
天川教授のシーン
調査が一度膠着したときに、天川が現れて、甘味とともに激励をするというのは1話でもあった。
倒理の料理シーンと同様恒例となるかもしれない。
倒理と天川教授の会話は無駄がなさすぎる上に高度で、凡人には理解できないが、そこが面白い。
一話の事件との共通点
まず、犯人となり捕まる人物がいるが、1話では自分の手は汚さず完全犯罪を遂げる者、2・3話では贖罪の連鎖で、すべての元凶が犯人と違う人物であるという結末だった。
本当に捕まるべき人物が捕まらないというやるせない感情は新鮮である。
また、事件解決後、次の事件への移り変わりが自然である。
完結物でありながら、スムーズに話が進んでいくことで、次回への期待が高まる。
これらのある程度おきまりの流れがあることで、難しくなりがちなミステリーでも気軽に楽しむことができる。
新たな登場人物
糸切美影(いとぎり みかげ)【早乙女太一】
倒理、氷雨、穿池とは春望大学の同級生で、同じ天川ゼミを履修していた。
当時から優秀であったが、6年前の事件をきっかけに犯罪コンサルタントになることを選択し、倒理らと対立することとなった。
心がないと本人も自覚しており、表情を変えることもほとんどない。