総合旅行業務取扱管理者試験について

総合旅行業務取扱管理者試験について

旅行業務取扱管理者は、旅行業者や旅行業者代理業者の中で旅行の取引条件の説明をしたり、業務の管理や監督を行なったりする人のことです。
国内旅行業務取扱管理者が取り扱うことができるのは、国内旅行だけですが、総合旅行業務取扱管理者は国内旅行と海外旅行のどちらも取り扱えます。

適用する仕事

法律により、旅行会社は各営業所に1人以上は旅行業務取扱者を配置しなければなりません。
旅行会社には、この資格を持つ人が必要です。

仕事内容は、営業から添乗業務まで様々です。
営業所でお客様へ旅行を提案する営業の仕事もそうです。
この営業とは、接客のような個人営業だけでなく、法人への旅行の提案といった法人営業も含まれます。

あるいは添乗員として、お客様に同行して旅行の案内やスケジュール管理などをするのも、旅行業務取扱管理者の仕事です。

また、企画の仕事もあります。旅行の計画だったり、パンフレットやホームページの作成だったりなどの仕事です。
その他に、事務作業であったり、営業所の責任者としての管理や教育重要な書類の管理やマネジメント業務なども仕事となっています。

プログラミングの先生旅行がお好きな人には、やりがいがある仕事と思います。
接客業ですから、お客様のクレーム対応といった仕事もあります。
責任感のある仕事を任せられるのは、接客業などを経てからの場合が多いです。

おおよその年収とキャリアパス

新卒の場合は、年収は平均して200万円から240万円ほどです。ただし、資格手当が支給される場合もあります。
中堅以上になると、おおよそ400万円から500万円、もしくは、それ以上となる場合もあります。
役職次第では、500万円以上となる場合もあります。

旅行会社で働かれている人は、総合旅行業務取扱管理者の資格が活きます。
資格を持っていると、会社内で扱える業務の範囲がかなり広がります。
そうなると、様々な仕事を任されるようになって、スキルアップになります。

前述したように、この資格を所持している人は各営業所に必ず1人以上は配置しなければならないので、基本的に責任者になるのであれば取得しておかなければならない資格といえます。

現在、旅行業界は、社員旅行や団体ツアーの減少であったり、インターネットで予約できるサービスが増えたりとの理由で競争が激化しています。

認可団体

一般社団法人 日本旅行業協会のロゴマークお問い合わせ先
一般社団法人 日本旅行業協会 研修・試験部(試験係)
電話番号:03-3592-1277

受験条件

どなたでも受験することができます。年齢や国籍などは問われません。
ただし、旅行業務取扱管理者試験の受験を停止された者や、合格を無効とされた者は、受験停止期間が過ぎるまでは受験することはできません。

合格率

令和4年度の合格率は31.6%でした。男性が29.0%で、女性が34.2%でした。
令和3年度の合格率は25.0%でした。
令和2年度の合格率は40.7%でした。

1年当たりの試験実施回数

試験は1年に1回行われています。例年10月です。

10月のカレンダーの周りに置かれている紅葉や木の実

試験科目

試験科目は以下の4科目です。

旅行業法及びこれに基づく命令

出題される題目は例年、旅行業の定義、登録制度、営業保証金、旅行業務取扱管理者、標識、取引条件の説明です。

旅行業約款、運送約款及び宿泊約款

旅行業をするうえで知っておくべき約款についての正しい知識が問われます。選択肢も長文が多いです。
出題は、キーワードのすり替えがあるだけのパターンが多いです。過去問が有効です。

出題の割合としては、旅行業約款が8割程度で、その他の約款が2割程度となります。
旅行業約款からの出題のほとんどは、「募集型企画旅行」や「受注型企画旅行」に関する契約の部からです。
その他の約款からの出題は、国内航空、国際航空、宿泊に関する約款が各1問出題される傾向です。

国内旅行実務

大きくわけると「観光地理」と「JR・バス・フェリーの運賃料金計算」です。
こちらは、科目合格の制度があります。この科目に合格していると、翌年だけ免除となります。

海外旅行実務

出題内容の中で、国際航空運賃は他の科目の出題と比べると、難易度がはるかに高いです。
難しいですが、過去問をみても傾向が大きく変わらないです。

採点方式と合格基準

採点方式ですが、問題が選択問題なので正誤判定されます。

合格点は、各受験科目で満点の60%以上です。
令和4年度の合格基準は次の通りでした。

試験科目 科目の満点/合格点
旅行業法令 100点/60点以上
約款 100点/60点以上
国内旅行実務 100点/60点以上
海外旅行実務 200点/120点以上

取得に必要な勉強などの費用

こちらでは講座をいくつか挙げさせて頂きます。

「資格」の木製ブロックと勉強アイテムたち

ユーキャン

ユーキャンでの総合コース:59,000円
標準の学習期間は4ヵ月で、メインテキストは5冊になります。

フォーサイト

総合旅行業務取扱管理者試験通常コース:43,800円
総合旅行業務取扱管理者試験通常コースにDVDオプションが付くと、48,800円になります。
テキストで知識をインプット、問題集で知識をアプトプット、模擬試験で本試験対策ができます。

資格の大原

総合旅行合格コース:Web通信120,100円
基本講義は約款と海外旅行実務です。
直前対策に、重要過去問演習、直前模擬試験、全国統一公開模擬試験、最終講義があります。

受験料

受験料は6,500円です。消費税は非課税となっています。

受験申込方法

申込方法を詳しく説明します。

受験案内・受験願書の入手

まず、受験案内・受験願書を入手します。
協会窓口での配布はおこなっていません。
ホームページから願書を作成するか、郵送での請求になります。

ホームページから願書を作成する場合

推奨環境は次の通りです。

【OS】

  • Microsoft Windows 10
  • Microsoft Windows 11
  • Mac OS
  • スマートフォンiOS、Android

注:文字が重なったり、1ページに印刷が収まらない場合は郵送で願書を入手してください。

【Webブラウザ】

  • Edge Chromium版
  • Google Chrome 最新版
  • Safari

注:JavaScriptは有効にしてください。

郵送によって入手する場合

日本旅行業協会本部に、締切までに封書が到着するように請求する必要があります。
返信用封筒を折って、請求用の封筒に入れます。

〇返信用封筒
長形3号サイズ(235mm×120mm)の封書
94円切手を貼り、受験願書の郵送を希望する請求者の住所氏名を記入します。アパート名やマンション名、部屋番号まで正確に記入してください。
そして、願書の希望部数を明記します。

〇送付用封筒
長形3号サイズ(235mm×120mm)の封書
84円切手を貼り、以下の住所を記入します。

宛先
〒100-0013
東京都千代田区霞が関3-3-3 全日通霞が関ビル3階
一般社団法人日本旅行業協会試験係
総合旅行業務取扱管理者試験 願書希望

注:「総合旅行業務取扱管理者試験 願書希望」は赤字で書く必要があります。

受験願書類を複数郵送希望の場合は、返信用封筒は「角2号サイズ」(縦332mm×横240mm)にします。
切手代は次の通りです。

希望部数:切手代:返信用封筒サイズ
1:94円:長形3号(235mm×120mm)
2:140円:角2号(332mm×240mm)
3:210円:角2号(332mm×240mm)

それ以降の流れ

願書の作成から受験願書提出までの流れを解説します。(令和5年10月22日の試験の場合はどうであったかを記させて頂きます。)
Webのページに必要事項の入力をするため、日本旅行業協会のホームページを開いてください。

Webページに必要事項を入力

ホームページの下部にある受験願書作成開始ボタンをクリックします。そうすると入力画面へ移動します。
それぞれのページの説明に従って、入力画面、内容確認画面、受験願書書面と進んでいきます。

受験願書の印刷

受験願書画面を印刷してください。
A4用紙の1ページに収まるように印刷をする必要があります。
利用されているWebブラウザやプリンター、設定などの環境によって印刷イメージが異なってきます。

写真を貼る

写真を所定欄に貼ります。

  • パスポート申請用サイズ(4.5cm×3.5cm)
  • カラー又は白黒
  • 6ヶ月以内に撮影したもの
  • 背景なし、帽子なし、上半身正面を向いて、鮮明に写っていて本人と確認ができるもの
  • スナップ写真からの切抜は不可

振込証明書の貼り付け

受付日付印のある受験料の振込を証明する、下記のいずれかの原本を所定欄に全面糊付けして貼ります。
原本はコピー不可です。振込証明書はコピーでは受け付けられません。

  1. 銀行窓口で振り込みの場合:受験手数料振込証明書(ATMで振り込みの場合を参照)
  2. 郵便局窓口で振り込みの場合:振替払込請求書兼受領証
  3. ATMで振り込みの場合:利用(取引)明細

注:インターネット(ネットバンキング)での振り込みは受け付けていません。

免除申請の該当者が提出するもの

免除申請をしない受験者は不要な項目です。

試験科目の一部免除の目的で証書番号を入力した場合は、免除の根拠となる証書のコピーを所定欄に貼る必要があります。

国内旅行業務取扱主任者認定証または国内旅行業務取扱主任者合格証。(合格通知証は不可)
または、国内旅行業務取扱管理者試験合格証のコピーを約50%に縮小したもの。(合格通知証は不可)

●令和4年度・令和5年度総合旅行業務取扱管理者研修終了証(成績・結果通知書は不可)のコピーを80%に縮小したもの。

●令和4年度総合旅行業務取扱管理者試験結果通知書(科目免除通知番号が記載されている面)のコピーを80%に縮小したもの。

●地域限定旅行業務取扱管理者合格証のコピーを約50%に縮小したもの。

願書の提出

申請内容を確認したら、必ず署名欄に自著してください。
そして、郵便局から簡易書留で試験係宛に郵送します。

受験願書送付先
〒100-0013
東京都千代田区霞が関3-3-3 全日通霞が関ビル
一般社団法人 日本旅行業協会試験係 宛

まとめ

2005年までは、旅行業務取扱主任者と呼ばれていた資格です。

今回ご紹介した総合旅行業務取扱管理者は、旅行業務の国内と海外のどちらも扱えます。
旅行に関する事務であったり、旅行の企画、旅程管理業務に関することを管理したり監督したりする役目の人の資格です。

 

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