法学検定試験について

法学検定試験について

法律知識を役立てる試験は、司法試験だけだと思っている方が多いと思います。

法律を学んだのですが、司法試験はハードルが高いので、もう少し気軽に受けられる試験はないか?

そんな方に受けて頂きたいのが、法学検定試験です。

ベーシック(基礎)コース、スタンダード(中級)コース、アドバンスト(上級)コースの3レベルから成っています。

法学検定は民間資格です。

法学検定試験について述べたいと思います。

適用する仕事

ここでは、この資格を取得するのにおすすめの方を見ていきます。

おすすめの方

法学部の学生、公務員試験を受験する学生及び一般社会人、法曹界で働きたい方などです。

おすすめの理由

  1. 学生・・・法学部の学生が法学検定試験のための勉強をするということは、大学の成績が良くなります。
    法学部以外の学生も、法律の基礎を身に着けるためには最適です。
  2. 公務員試験を受験する方・・・系統的に法律を学べるので、法学検定試験は公務員試験にも役立ちます。
  3. 法曹界で働きたい方・・・自身の法律の知識がどの程度身に着いたかを、法学検定試験により知ることができます。
    法学検定は試験の成績を成績通知書として発行するので、自身のレベルがわかります。

おおよその年収とキャリアパス

この資格は専門分野の資格ではないので、資格手当等の差別化はないようです。

年収とキャリアパスに苦悩
ただ、入社及び転職する場合には履歴書の資格欄に記入できます。
面接時には自己PRにも利用できます。

また、司法試験の受験条件を若干有利にもします。

司法試験を受験するための条件には、2つの方法があります。
それは法科大学院を修了すること、もしくは司法試験予備試験に合格することです。

法科大学院の入試において、法学検定試験合格が加点対象になるとも考えられているためです。
ただし、進学したい法科大学院によって加点条件は違ってきますので、注意が必要です。

法科大学院(ロースクール)と司法試験について

認可団体

公益財団法人 日弁連法務研究財団公益財団 商事法務研究会

公益財団法人日弁連法務研究財団公益社団法人商事法務研究会の共同で実施されています。

両団体は法学検定試験委員会を設け、この事務局は商事法務研究会に置かれています。

公益財団法人日弁連法務研究財団

1998年に設立された団体です。
弁護士公認会計士税理士弁理士司法書士・企業の法務担当者などが会員となっています。

公益社団法人商事法務研究会

1955年に設立された団体です。
法科大学院の入試の適性試験などに関連する仕事をしています。

法学検定試験委員会の事務局の連絡先

〒103-0027 東京都中央区日本橋3-6-2
日本橋フロント3階 公益社団法人商事法務研究会内
TEL:03-6262-6730
MAIL:houken_since2000@jimu-kyoku.net

電話での問い合わせは受験者ご本人に限ります。その他の方はメールでお願いします。
受験者の方も問い合わせは、なるべくメールでお願いします。

受験条件

受験条件はありませんので、どなたでも受けられます。

誰でも、どの受験級の試験も受けられます。

老若男女

合格率

上級試験になるほど難しいです。

下記の合格率は2022年のものです。

ベーシックコース
合格率は62.9%です。

スタンダードコース
合格率は56.7%です。

アドバンストコース
合格率は25.8%です。

1年当たりの試験実施回数

試験は年に1回、11月下旬に実施されます。

会場全国11地区に設けられています。
札幌・仙台・東京・愛知・京都・大阪・岡山・愛媛・福岡・沖縄

数字の1

試験科目

2022年に実施された試験科目、満点と平均点です。

ベーシックコース

出題範囲および試験レベルは、大学法学部1年次から2年次程度です。

解答時間は120分で60問です。

科目 平均点 満点
法学入門 7.0 10
憲法 8.9 15
民法 12.3 20
刑法 7.8 15

スタンダードコース

出題範囲および試験レベルは、大学法学部の2年次から3年次程度です。

解答時間は150分で75問です。

必須4科目
科目 平均点 満点
法学一般 6.2 10
憲法 9.6 15
民法 11.7 20
刑法 8.7 15
選択1科目:下記に挙げた科目から1科目選択
科目 平均点 満点
民事訴訟法 8.5 15
刑事訴訟法 7.9 15
商法 8.8 15
行政法 8.4 15
基本法総合(憲法刑複合) 8.7 15

アドバンストコース

出題範囲および試験レベルは、大学法学部の法律専攻している3年時修了程度です。
解答時間は150分で55問です。

必須4科目
科目 平均点 満点
法学基礎論 2.6 5
憲法 4.7 10
民法 4.7 10
刑法 5.3 10
選択2科目:A群から1科目を選択して、A群とB群から2科目めを選択
A群 B群
科目 平均点 満点 科目 平均点 満点
民事訴訟法 5.3 10 労働法 6.5 10
刑事訴訟法 4.6 10 倒産法 5.4 10
商法 5.6 10 経済法 6.0 10
行政法 4.3 10 知的財産法 4.1 10

採点方式と合格基準

どの級も出題形式はマークシートになります。

下記の合格基準は2022年のものです。

ベーシックコース
合格点は満点60点の33点以上です。

スタンダードコース
合格点は満点75点の43点以上です。

アドバンストコース
合格点は満点55点の35点以上です。

取得に必要な勉強などの費用

テキストや過去問題が販売されているので、法律を学んだことがない方にも独学で十分に勉強できると思います。
しかし、上級になると応用問題も出題されるので、簡単に合格できる試験ではありません。

法学検定試験は公式X(旧Twitter)で、練習問題及び法律に関するトリビア情報を載せています。

また、スマートフォン用のアプリもあります。
法学検定アプリは、アップルまたはそれ以外のOSでも利用可能です。

このアプリは「株式会社商事法務」のものです。
この企業は法学検定主催団体の公式ホームページで問題集を紹介しているので、信用性は高いと思います。

下記におすすめの問題集として、株式会社商事法務のものをご紹介します。

2023年法学検定試験問題集ベーシック<基礎>コース

2023年法学検定試験問題集ベーシック<基礎>コース
created by Rinker

出版社名:株式会社商事法務
書籍名:2023年法学検定試験問題集ベーシック<基礎>コース
価格:¥2,420(税込価格)

法学初心者が覚える基本的なレベルです。

2023年法学検定試験問題集スタンダード<中級>コース

2023年法学検定試験問題集スタンダード<中級>コース
created by Rinker

出版社名:株式会社商事法務
書籍名:2023年法学検定試験問題集スタンダード<中級>コース
価格:¥4,290(税込価格)

法学を学ぶ方の中級レベルです。

2023年法学検定試験過去問集アドバンスト<上級>コース

2023年法学検定試験過去問集アドバンスト<上級>コース
created by Rinker

出版社名:株式会社商事法務
書籍名:2023年法学検定試験過去問集アドバンスト<上級>コース
価格:¥3,850(税込価格)

法学を専門的に学習する方のための上級レベルです。

受験料

ベーシックコース:¥4,400(税込価格)
スタンダードコース:¥6,600(税込価格)
アドバンストコース:¥9,900(税込価格)

隣接するコースの併願申し込みもできます。

同時申込は併願割引の対象となります。

ベーシック・スタンダードセット:¥8,800(税込価格)

スタンダード・アドバンストセット:¥13,200(税込価格)

受験申込方法

2023年の受験受付期間は、9月12日火曜日から10月12日木曜日までです。
願書輸送締切は10月13日金曜日で、消印有効です。

Webまたは郵送でのお申込みで行います。
受験料の支払方法は、Webではカード及びコンビニ決済、郵送では銀行振込になります。

以上は個人の場合での申込方法です。

その他にも団体・グループがあり、出願期間及び出願方法が異なりますので注意して下さい。
団体申し込みをすると、人数により割引特典があります。

詳しくは、商事法務研究会の法学検定試験のホームページを参考にして下さい。

まとめ

裁判所や市役所

法学検定試験では、各コースの最高得点者およびそれに準ずる方、最優秀グループ、最優秀団体には表彰式を開催しています。
「excellent合格制度」というのもあります。
各コースの優秀な成績で合格した方の成績通知書及び合格証書に、excellentと表記されます。

この様な特典をご用意しておりますので、試験に合格しても表彰式を目指して何度でも挑戦できる資格となっています。

日常生活に法律は深く関係していますので、法律のことを知らないということは不利益を被る危険が非常に高くなります。

しかし、法律のことを知っていると言える方は殆どいないと思います。
そんな法律の知識がどれだけあるかを測れるのがこちらの検定です。
自身の法律知識に自信の持てる資格と言えると思います。

気軽に受けられる試験ですので、腕試しのつもりで受けてみてはいかがですか?

最後まで読んで頂きありがとうございます。

 

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