冷凍空調技士とは、冷凍と空調設備の製造開発や、管理や調査などの仕事をしたりするための資格です。
冷凍空調学会が認定する民間資格です。
冷凍分野では、日本で唯一の公益団体です。
冷凍・空調分野の技術者が、最新の技術動向を学んで、事故や損失を防ぐという目的でつくられた資格です。
冷凍された食品の流通が多い現代では、必要とされている資格であると思います。
Contents
適用する仕事
冷凍空調技士の資格は、冷凍空調設備の設計や施工や、工事管理などの仕事をしたりする技術者を対象としています。
技術者が、最新の技術を学んで設備や機器の不備による事故や損失などを防止することを目的としている資格です。
冷凍や冷蔵の設備や、機器の製造、検査、保守点検業務をするには、この資格があれば評価されるでしょう。
冷凍空調技士の仕事には、冷凍・空調設備の設計や製作、施工に従事することが挙げられます。
第一種冷凍空調技士は、3トン以上の設備の仕事、第二種冷凍空調技士は、3トンから20トン未満までの冷凍設備の仕事をすることができます。
第一種は、取得すると装備検査員や特別装備検査員の資格を得ることができます。
外資系企業で語学の応力が伴うと、給与も高くなる傾向があります。
外資系で支障なく勤務できるレベルには、TOEICで600~730ほどのスコアが求められるでしょう。
おおよその年収とキャリアパス
年収は、400~800万円ほどです。
空調整備士の平均年収はおおよそ420万ほどです。
この資格を取得すると、職場の中での所属チームで主導的な役割となり、リーダーとしてみられる可能性が高いです。
例を挙げると、大規模な空調システムを導入するようなときです。
そのようなときに、専門性のある冷凍空調技士の観点や、助言が期待されます。
認可団体
冷凍空調技士は、公益社団法人日本冷凍空調学会が認証する資格です。
受験条件
この資格は、第二種と第一種にわかれています。それぞれの受験条件を下記に示します。
第二種
実務経験や学歴は問われません。ただし、技士の認定には合格後2年以上の実務経験が必要です。
第一種
下記の1.から5.のいずれかの条件を満たしている場合、受験することができます。
- 冷凍や空調機器に関する製造や開発、管理などの関連業務経験が通算4年以上ある人。それか、高圧ガス保安法に規定される冷凍施設での経験が通算4年以上ある人。
- 大学、大学院、短期大学、高等専門学校で工学か理学を修了して、実務経験が2年以上ある人。
- 通算3年以上の実務経験がある第二種冷凍空調技士。
- 工業高校卒業後、通算で3年以上の実務経験がある人。
- 日本冷凍空調学会の通信教育を別に定める優秀な成績で修了して、通算で2年以上の実務経験がある人。
合格率
第一種:40%から50%くらい
第二種:50%から65%くらい
1年当たりの試験実施回数
試験は1年に1回の実施です。
毎年、2月後半の日曜日に実施されています。
願書受付期間が12月です。
合格発表は4月です。
2024年の試験会場は、東京、名古屋、大阪、福岡です。
試験科目
理論:2時間
- 冷凍サイクルと圧縮機
- 伝熱および熱交換
- 冷媒・冷凍機油・ブライン
- 圧力容器の強度
- 空気調和(Ⅰ)
- 空気調和(Ⅱ)
技術:2時間
- 冷凍装置の設計計算
- 冷凍装置の自動制御
- 冷媒配管・付属機器
- 冷凍装置の運転と保守
- 保安
- 空気調和機器
採点方式と合格基準
第二種はマークシート(択一式)のみです。
第一種はマークシート(択一式)と記述式です。
合格基準は、問題の60%以上の正答です。
この試験は、試験終了のときに問題用紙も回収されてしまいます。自己採点は難しいと思います。
取得に必要な勉強などの費用
この試験を開催している日本冷凍空調学会は、過去問を解くことを推奨しています。
問題の傾向を掴むのに、過去3年分は解いた方がいいです。
第一種、第二種、どちらを受験するか決めかねているときも、過去問を解いて確認するのがいいです。
過去問は、日本冷凍空調学会のホームページで販売しております。
1回分ずつのコピーを購入することができます。1回分のコピーの中に、第1種・第2種両方の問題と解答が入っています。A4サイズです。
1回分は300円で、送料が3回分で200円程度となっています。
また、日本冷凍空調学会のホームページでは、初級標準テキストと、上級標準テキストも販売されております。
初級標準テキスト 冷凍空調技術
発行元:日本冷凍空調学会
商品名:初級標準テキスト 冷凍空調技術
価格:4,504円(税込)
冷凍空調技術の入門書です。冷凍空調技術者に必要な基礎技術が盛り込まれています。
初学者のために平易な記述となっていて、大切な数式と図表は色刷りとなっています。
上級標準テキスト 冷凍空調技術 冷凍編
発行元:日本冷凍空調学会
商品名:上級標準テキスト 冷凍空調技術 冷凍編
価格:5,060円(税込)
冷凍サイクルやブライン、圧縮機などの冷凍分野の基礎や応用が解説されています。
上級標準テキスト 冷凍空調技術 空調編
発行元:日本冷凍空調学会
商品名:上級標準テキスト 冷凍空調技術 空調編
価格:4,730円(税込)
空調分野についての、高度な知識と技術を解説しています。
受験料
注:価格はすべて税込です。
第一種
受験料:10,000円
技士登録料:7,000円
入会金:1,500円
年会費:9,600円
第二種
受験料:10,000円
技士登録料:5,000円
入会金:1,500円
年会費:9,600円
受験準備講習会
会員:25,000円
非会員:30,000円
注:会員とは、日本冷凍空調学会および日設連の個人会員、または法人会員企業の従業員を指します。
受験申込方法
WEB申込となります。日本冷凍空調学会の公式ホームページからの申込です。
2024年2月18日の試験の受付開始日は、2023年12月1日です。
WEBからの申し込みをすると、通常は申込終了後から2時間以内に確認メールが来ます。
(来ない場合は、迷惑メールとして処理されているか、入力したメールアドレスが正しくない可能性があります。迷惑メールフォルダなどに届いていないか確認しましょう。)
届いていないときは、氏名と受験地、受験資格名とともに「公益社団法人 日本冷凍空調学会」へ連絡する必要があります。
WEB願書の入力内容を修正したい場合は、確認メール内にあるメールアドレスへ、修正希望内容を連絡してください。
確認メールが未着である場合や、メールアドレスの入力を誤っている場合は、各地区申込先まで電話での連絡が必要です。
【複数名の場合】
社内で複数名の受験申請をする場合は、複数名のときも、受験の申請はWebから各個人で入力申請する必要があります。
会社名で複数名をまとめて振り込む場合は、銀行送金備考欄にそれを記入してください。
請求書と領収書は、登録されている各受験者のメールアドレスへの送信です。
受験票の発送は、受験料を振り込んでから2週間以内に、願書入力時の確認メールと同じメールアドレスで、「受験票と領収書、地図」のメールが来ます。
メール本文から印刷をして、受験当日はその印刷した受験票を持参してください。
まとめ
この資格は、冷凍や冷蔵、空気調和などの技術者を認証する資格です。
この資格を取得する者に、最新の技術動向を学んでもらい、損失や事故などを防ぐ技量をもたせることが目的です。
有資格者の27%ほどは設計の仕事をされていて、次に多いのが研究職です。
研究職は、有資格者の25%ほどとみられています。
冷凍や冷房などの低温用冷凍機器や、機器を製造するときに必要な空調機の冷凍サイクル、機器制御仕様設計、冷凍サイクルの標準化、先行開発、送風機、熱交換器などの開発、検査や保安のチェックをします。
この資格には、第一種と第二種があります。
第二種も実務経験が2年以上必要です。
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