「埼玉県人にはそこらへんの草でも食わせておけ!」
強烈な埼玉ディスが繰り広げられたギャグ映画「翔んで埼玉」の続編がいよいよ公開となりました。
皆さんは、前作の冒頭部分を覚えておいででしょうか。
熊谷市に住む一家が車で東京へ向かうところから始まります。
日本一の暑さを記録したことで有名な熊谷市ということで、日差しで目玉焼きを焼いていました。
独特の埼玉北部(ほぼ群馬)の方言が全開だったのも懐かしくてグッときました。
この記事では、熊谷市出身の私が魅力や住みやすさなどを紹介していきます。
Contents
なぜ暑いの?
熊谷市は2007年8月に40.9℃、2018年に7月に41.1℃となり、日本の観測史上最も高い記録を2回残しました。
なぜ、熊谷市はこんなに暑くなってしまうのでしょうか。
その理由は主に2つあります。
- 「ヒートアイランド現象」で東京都心部が暑くなり、東京を通って暖められた海風が関東平野に届く。
- 関東平野の北と西に山があり、風が山を越えて下りてくるときに気温が高くなる「フェーン現象」が起きやすい。
このような条件がそろっているために、熊谷市周辺部は暑くなりやすいのです。
熊谷市には気象台が設置されているため、公的記録が残りますが熊谷市の周辺のまちも同じような気温であると考えられます。
熊谷市が行っている暑さ対策
熊谷市では、毎年の暑さに対処するため行政が様々な対策を行っています。
その一部をご紹介します。
- 住宅用外付け日よけ設置費補助金の助成
- 熊谷駅の各出口に冷却ミストを設置
- 公共施設の壁面緑化
- 市内一部の道路の遮熱性舗装
- 日本三大聖天の1つ、妻沼聖天山での日傘の貸し出し
- 夏でも裸足で歩けるよう保育園のコンクリート部分に「熱交換塗料」を塗る、「ひんやりペタペタ」事業
- 小中学校での暑さ対策教育
こういった対策は一朝一夕では結果は出ませんが、長い年月をかけて暑さが和らいだり人々の意識が変化していくといいですね。
特に「暑さ対策教育」は重要だと筆者は考えます。
毎年、学校で部活や体育の授業中に子どもたちが集団で熱中症にかかったというニュースが、全国的に話題になります。
こうした現状は意識ひとつで変えることができる人的災害です。
教育によって子どもたちの熱中症を防ぎ、悲劇が繰り返されないようになることを願います。
そして、全国的に暑さ対策が広がるとともに、そもそもの原因である地球温暖化を防ぐ手立てが確立されていくことが急務だといえるでしょう。
人口の推移
令和5年8月、埼玉県は県の推計人口を発表しました。
その中で熊谷市は人口が最も減少した自治体1位となってしまいました。
また、令和2年国勢調査速報結果によると、5年間の人口減少数は熊谷市が県内1位となっています。
令和5年11月現在の熊谷市の人口は、約19万人です。
平成19年に江南町を合併したのを最後に、今の熊谷市の形が出来上がりました。
その当時の人口は約20万人でしたので、16年間で約1万人減っていることになりますね。
原因は様々で一概には言えませんが、行政としてはどのような対策を行っているのでしょうか。
行政の対策
熊谷市の発展について、市民が心配する声が市長へのメールとして熊谷市ホームぺージに公開されています。
市長の回答も掲載されているのでかいつまんでご紹介します。
既存の商業施設や商店街を残しながら、若い世代の意見やニーズを取り入れてリニューアルできるようにしていきます。
◇次に、人口減少を心配する声についての回答です。
・定住のきっかけとなる雇用促進策として、企業誘致を推進。
・転入促進策として、住宅購入に係る固定資産税の免除や、三世代以上の同居近居に対する住宅取得の応援を実施。
・結婚や就職時の転出抑制策として、新幹線通勤定期券の購入補助や、結婚時に生じる住居費等への助成。
個人的には、「まちづくりに若い世代が参画する機会を創出する」という意見に賛成です。
先述したように熊谷市は日本一暑いまちとして知られています。
地球温暖化が急速に進んでいる現状を前に、ヨーロッパでは多くの市民が参加する「市民会議」の開催が増えています。
フランスの市民会議では、二酸化炭素排出量を減らすため、2025年以降の飛行場新設禁止、国内線廃止、自動車の広告禁止、気候変動対策用の富裕税の導入、といった対策案が出されてきました。
日本でも、暑さだけでなく台風の強大化や豪雨、山火事、干ばつなどを理由に「気候非常事態宣言」を出した自治体が増えてきました。
「気候非常事態宣言」は、世界ではすでに2000を超える自治体が発表しています。
その動きがようやく日本でも広がってきたのです。
「気候非常事態宣言」には、地球環境を守るために自治体が取り組む具体的な内容や、住民への呼びかけが含まれています。
こうした宣言は自治体職員が主導となって行うだけでなく、住民自身も主体的に考えていく必要があります。
実際、スペイン・バルセロナ市は市民が中心となって「気候非常事態宣言」を作成し、2020年1月に発表しました。
その中では、2050年までに二酸化炭素排出量ゼロという数値目標を掲げています。
具体的には、公共空間の緑化、電力や食の地産地消、公共交通機関の拡充、自動車・飛行機・船舶の制限、エネルギー貧困の解消、ゴミの削減、リサイクルなど、240項目にわたるマニュフェストです。
住みやすさとして利便性や補助金などを追求するだけでなく、住民が参加する議会の開催が実現されると嬉しいですね。
人気グルメ
熊谷市でおすすめのお店やご当地グルメをご紹介します。
パブリックダイナー
駅から少し離れますが、雰囲気のいいお店として熊谷では人気店です。
緑に囲まれ、木の素材で作られた建物がおしゃれな雰囲気を出しています。
テーブル席もお座敷もあり、漫画や雑誌も多く取り揃えてあるので思わず長居したくなるお店です。
イタリアンメニューが多いですが唐揚げやハヤシライスなどのメニューもあり、食べ物の種類が豊富な大きなカフェといった感じです。
草木万里野
パブリックダイナーの近くにある、多国籍料理のお店です。
店内は薄暗く、半個室のお部屋もあり女子会やデートにピッタリです。
パスタやピザなどのメニューが豊富ですが、「ゴイクン」というベトナム料理や石焼ビビンバもあります。
何が食べたいか決まっていなくてもとりあえずここに行こうか、という感じで利用してました。
五家宝(お菓子)
筆者の子ども時代、熊谷のご当地グルメといえば五家宝でした。
おばあちゃんの家でよく食べていた記憶があります。
全体がきなこで覆われていて、口に入れるとしっとり、もちもちしています。
もちもち部分は米のようで、甘いお菓子なのになんだか不思議だなぁと思っていました。
改めて調べてみると、きなこの下はもち米を棒状にしたものだそうです。
五家宝の材料となる米、大豆、大麦が熊谷周辺でよく収穫されていたことから、江戸時代後期には作られていたそうです。
そんなに歴史の長いお菓子だったとは驚きました。
素朴で優しい味わいをぜひお試しください。
人気スポット
熊谷市の人気スポットをご紹介します。
熊谷桜堤
熊谷と言えば桜!春には桜と菜の花のコラボレーションが見られ圧巻の景色です。
夜になると屋台が出て、花見客でにぎわいます。
桜の季節でなくても、荒川河川敷はしっかりと整備されており、散歩にちょうど良いところです。
自然の空気を感じながら歩くのはとても気持ちいいですよ。
おふろcafé ハレニワの湯
以前はグランピングをテーマとした「おふろcafe bivouac」という施設でしたが、2021年9月にリニューアルしました。
女性をターゲットにしたボタニカルな雰囲気が魅力の温浴施設となりました。
「高濃度炭酸泉」「キッズ風呂」「露天風呂」などの7種類のお風呂とサウナがあります。
もちろん館内はレストランやカフェがあり、漫画を取りそろえたおしゃれなリラックススペースもあります。
子どもが遊ぶスペースも充実しており、ファミリーで訪れるのも安心です。
一日中遊べるおしゃれなスポットです。
熊谷スポーツ文化公園
熊谷はラグビータウンとしての顔もあります。
始まりは1967年、埼玉国体でラグビー会場となったことです。
91年には、当時としては全国有数のラグビー専用スタジアムが完成し、本格的なラグビータウンとして歩み始めます。
全国高校選抜大会が開催されるようになり、2019年にはW杯が開催されました。
現在3つのグラウンドがある他、プロラグビーチームである「埼玉パナソニックワイルドナイツ」の本拠地にもなっています。
スポーツ文化公園はラグビーだけでなく、陸上競技場やソフトボール場、テニスやフットサルができるドーム、さらにジョギングコースや子どものための遊具もあります。
筆者は子どもの頃ここのローラー滑り台が大好きで、何度滑ったかわかりません。
子どもの遊具は新しく設置されたものもあり、かなりの時間楽しめますよ。
老若男女が楽しめる広大な公園として、熊谷市民だけでなくスポーツ愛好家にも親しまれる公園となっています。
著名人
熊谷駅前には、馬に乗って甲冑を着た武士の銅像が建っています。
この人は、熊谷市を本拠地とした平安~鎌倉時代の武士・熊谷直実です。
他にも、熊谷市出身の著名人としては日本初の女性医師である荻野吟子がいます。
「人間の証明」などの小説で有名な森村誠一も熊谷市出身です。2023年に90歳で亡くなりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
熊谷市により興味をもち、まちづくりやイベントなどにより多くの方が参加していただけましたら幸いです。
なお「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」は2023年11月23日に公開です。
こちらも楽しみですね。