メンタルケア心理士®は、カウンセリングやコミュニケーション向上で求められる基礎能力を証明する資格です。
メンタルケア学術学会が指定する通信講座を修了し、文部科学省後援「こころ検定2級」に合格することで取得できます。
ここでは、主に仕事への活かし方や、こころ検定2級の試験概要、通信講座についてなどを紹介していきます。
Contents
適用する仕事
主な仕事内容は、カウンセリングを通して相談者の心の負担を減らし、健康に保つことです。
カウンセラーを目指して受験する方も多いかと思います。
ただし実際は、この資格を取得しても、必ずしも就職に直結するというわけではありません。
働く場所を問わず、「公認心理師」や「臨床心理士」、「精神保健福祉士」といった資格の方が、応募条件に挙げられることが多いためです。
とはいえ、心理学系の資格の中でも、厚生労働省のジョブ・カードにも記載できるほど信頼性がある資格です。一般企業の人事担当者や管理者、医療機関、介護施設などでカウンセリングを行っている方はたくさんいます。
また、医療・介護従事者が取得することも多いです。
カウンセリングやコミュニケーションの基礎能力があれば、利用者への理解が深まります。
すると利用者は少しずつ安心感を覚え、働く側も仕事へのストレスを軽減できるようになります。
何より、自分自身の心を保つために知識を生かすというのは非常に重要です。
まずは自身の心と向き合い、不安やストレス等を減らすことで、相手に対してより良いコミュニケーションが取れるようになります。
おおよその年収とキャリアパス
ここでは一例として、カウンセラーを挙げます。
働く場所により異なりますが、カウンセラーの年収は250~600万円の範囲です。
キャリアパスは、おおよそ2つに分かれます。
- 各機関で経験を積み、出世していく
- 各機関で経験を積んだのち、フリーランスとして仕事を請け負う
フリーランスになると収入は不安定になってしまうので、時期を見計らう必要があります。
カウンセラーにも医療や福祉、教育、産業など、多くの分野があります。
目指す分野に合わせて、上級資格として臨床心理士や公認心理士、産業カウンセラーといった資格をプラスαで取得すれば、請け負える仕事の範囲も大きく広がるでしょう。
メンタルケア心理士®の上級資格である「メンタルケア心理専門士®」の資格取得も一つの方法です。
メンタルケア心理士®で得た知識の応用なので、他の資格よりも取り組みやすいのがメリットです。
認可団体
主催は日本学術会議協力学術研究団体 メンタルケア学術学会®です。
東京都新宿区西新宿3-2-27 オーチュー第7ビル4F
TEL:03-5326-7785
FAX:03-5326-7786
受験条件
2018年より認定方法が変更となりました。
メンタルケア心理士®に認定されるためには、以下の手順で行います。
↓
②こころ検定2級を受験
↓
③合格後、資格登録
↓
④メンタルケア心理士®に認定
①は下記の条件を満たしていれば、講座を受講する必要はありません。
・「認定心理士」の資格を保有している方
・「産業カウンセラー」の資格を保有している方
・文部科学省の定める4年制大学心理学部、学科または心理隣接学部、学科を卒業した方
なお、こころ検定2級はどなたでも受験できます。
合格率
50~60%程度です。
1年当たりの試験実施回数
年に4回実施されています。
会場は、47都道府県に約200か所あります。
試験科目
- 試験時間:90分
- 形式:四者択一式
- 試験方法:CBT試験
- 問題数:40問
出題範囲は以下の通りです。
(1)精神解剖生理学
- 生化学に関する基礎知識
- ストレス学基礎
- 解剖生理学に関する基礎知識
- 生理心理学・認知心理学に関する基礎知識
- 薬についての基礎知識
(2)精神医科学
<DSM-5分類法に準拠>
- 心と医学の関係
- 精神疾患に関する基礎知識
- 発達心理学に関する基礎知識
- 身体疾患と精神症状に関する基礎知識
- 薬剤に関する基礎知識
(3)カウンセリング基本技法
- カウンセリングとは
- カウンセリング基礎知識
- カウンセリング倫理
- カウンセリングと医療の関係
- 心理療法基礎
採点方式と合格基準
正答率70%以上で合格となります。
CTB試験のため、合否結果は試験終了したのちに判定されます。
合格の場合は、受験日から30日ほどで検定合格証が送られます。
取得に必要な勉強などの費用
特に初学者の方にとっては、重要な箇所となっています。
メンタルケア心理士:
メンタルケア学術学会教育指定校による通信講座が3つあります。
いずれも費用は49,000円です。
標準学習期間は3~4か月となります(4か月間の無料延長あり)。
講座内容は「精神解剖生理学」「精神医科学」「カウンセリング基本技法」の3項目です。
まずは主に下記の3点を使用し、学習を進めていきます。
- テキスト(3冊)…メンタルケア心理士®に必要な学習領域はもちろん、こころ検定2級の試験範囲にも沿った内容を網羅。
- 講義DVD(8枚)…テキストの内容の詳しい解説やポイント、補足事項などを収録。
- ポイントグラフィックDVD(3枚)…難しい箇所や重要ポイントなどを、グラフィックを使った映像でわかりやすく解説。
↓
各テキストおよび関連する箇所のDVD視聴が終了したら、試験やレポートに挑戦し、講師から添削を受け取ります。
添削はポイント解説が付いているため、間違えた箇所の理解が深まります。
↓
最終的に修了テストを提出し、一定のレベルに達しているとみなされた場合、受講修了証書が発行されます。
※通信講座により多少の差異はありますが、おおまかには上記の通りです。
「受験条件」でも触れましたが、メンタルケア心理士®の資格取得を目指すのであれば、初学者の方は通信講座を修了することが必須となります。
こころ検定2級:
対策問題集が販売されています。
商品名:メンタルケア学術学会監修 文部科学省後援こころ検定2級 対策問題集
価格:1,100円(税込)
A5判・87ページ
また、こころ検定のサイト内に練習問題もあります。
試験の傾向などがわかるので、模擬テスト感覚で行えます。
受験料
こころ検定2級の受験料は7,700円(税込)です。
合格後のメンタルケア心理専門士®資格登録料は、5,600円(税込)です。
受験申込方法
「こころ検定2級」の申し込み方法をお伝えします。
申し込みはこころ検定公式ウェブサイトの受験申込み欄から行なってください。
支払方法は以下の3点から選択できます。
- クレジットカード決済
- コンビニエンスストア決済
- 指定金融機関への振込み
まとめ
現代では生きづらさを抱えている人が増え続けています。
そのため、心理学やカウンセリング関連の資格は、これからますます需要が増える傾向にあり、同時に活躍の場も広がると言われています。
メンタルケア心理士®は、初学者の方でも目指せる資格です。
通信講座を修了し、こころ検定2級を取得することで認定されます。
特に医療機関および福祉施設で働いている方や管理者の方は、仕事でその知識を生かすことができます。
相手の理解を深め、傾聴やコミュニケーションが上達すると、相手の生きづらさは改善するでしょう。
その他、自分自身や周囲の方の心のケアをすることもできます。
興味があればチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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