自動車の整備管理者とはどのような資格でしょうか。
この記事では、自動車の整備管理者について解説します。
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適用する仕事
まず、自動車の整備管理者制度というのがあります。
これは一定台数(自動車の種類による)以上の自動車を使用する使用者は、自動車を使用する拠点ごとに、整備管理者を選任することが制度で、義務付けがされています。
すなわち、大型バスや自家用車、業務用自動車など、使用者が個人で管理することが難しい自動車を、使用者に代わり、点検・整備などの管理を行うように選任された人が整備管理者と呼ばれます。
自動車の整備管理者は国家資格です。
自動車の点検、整備および自動車車庫の管理に関することを行います。
仕事内容は、日常点検の実施方法を定めたり、日常点検の実施結果に基づいて運行の可否を決定したりすることです。
他にも、日常点検や定期点検、または随時必要な点検の結果、必要な整備を実施することなどが挙げられます。
なお、整備作業そのものを自動車整備管理者が行わなければならないわけではありません。
おおよその年収とキャリアパス
自動車整備管理者の年収は、自動車整備士の給料に上乗せされた金額になることもあります。
具体的には、40代で650万円前後と言われています。
自動車の整備管理者になるためには、自動車の整備、点検、または、整備の管理に関しての経験が2年以上あること、もしくは、自動車整備士技能検定に合格したうえで、選任・運輸局への届出と受理を受けることが必要です。
認可団体
認可団体は国土交通省です。
一定台数以上のバス、大型トラックまたは事業用自動車を使用する自動車の使用者は、その使用の本拠ごとに、自動車の整備、点検および自動車車庫の管理などに関することの処理を「自動車整備管理者」を選任しています。
その権限を付与する制度として「自動車整備管理者」を定めています。
受験条件
受験条件はありませんが、整備管理者を選任されて管轄する運輸支局へ届出・受理をされてから、必要に応じて地方運輸局が行う研修を受ける必要があります。
また、選任された後も2年ごとに研修を受講しなければなりません。
(選任される前にも後にも、研修があるということです)
合格率
要件を満たしていれば、選任、届出・受理をされると得られる資格です。
よって、合格率はありません。
1年あたりの試験実施回数
選任のため試験はありません。
しかし、選任されて管轄の運輸局へ届け出た後、選任された年度末までに、地方運輸局が行う研修を受けなければなりません。(自動車整備士技能検定に合格した場合を除く)
実施回数や日程については、各都道府県の運輸局へお問い合わせください。
試験科目
試験はありませんが、「選任前研修」を受講する必要があります。
「選任前研修」の内容は、以下のとおりです。
(1)整備管理者の役割
1.整備管理者制度の趣旨および目的
2.整備管理者の選任を必要とする使用者
3.整備管理者になるために必要な資格
4.整備管理者の法定業務
5.整備管理規程の必要性
6.整備管理者の知識・技能の向上と研修
7.整備管理者の選任届出に関する事務手続の要領
8.整備管理者の補助者
(2)自動車の点検整備(日常点検・定期点検)の内容
1.点検・整備の義務、目的および体系等
2.点検・整備の内容および項目
3.日常点検の管理
4.定期点検の管理
(3)車両管理上必要な関係法令
1.車両法の目的・体系
2.車両管理上必要な法令等
(4)車両管理の内容
1.車両管理の義務および目的
2.車両管理の内容と実務
(5)運転者等に対する指導教育
指導教育を実施するための留意点等
(6)自動車事故に係る報告
車両故障に起因する自動車事故報告について
採点方法と合格基準
選任要件を満たしていれば受理されます。
しかし、選任した日から15日以内に、地方運輸局に届出書と必要な書類を提出しなければいけません。
届出には、届出書とともに以下の書類が必要となります。
(1)資格要件のいずれかに該当することを証明する書類
→実務経験証明書および選任前研修終了証明書の写し
→自動車整備士技能検定合格証等の写し
(2)道路運送車両法第53条に基づく解任命令によって解任され、2年を経過しない者でないことを証明できる書面
(3)整備管理規定(提示される)
取得に必要な勉強などの費用
選任要件を満たしていれば受理されますが、選任要件のうち、自動車整備士になるためには、以下の費用があります。
3級自動車整備士試験
3級自動車整備士試験には、「ガソリン」、「ジーゼル」、「シャシ」、「二輪」の4種類があります。
3級自動車整備士試験を受けるためには、1年間の実務経験(高校・大学の機械科卒だと6ヶ月間)が必要です。
学科試験と実技試験で構成されています。
受験料は、学科試験が4,200円、実技試験が16,000円です。
2級自動車整備士試験
2級自動車整備士試験にも、「ガソリン」、「ジーゼル」、「シャシ」、「二輪」の4種類があります。
2級自動車整備士試験を受けるためには、3級自動車整備士試験を合格した後、3年間の実務経験(高校の機械科卒だと2年、大学の機械科卒だと1年6ヶ月)が必要です。
3級と同様、こちらも学科試験と実技試験で構成されています。
受験料は、学科試験が4,200円、実技試験が16,000円です。
ただし、シャシ2級の場合、1級自動車整備士の受験資格は得られません。
1級自動車整備士試験
1級自動車整備士試験は、1種類のみです。
1級自動車整備士試験を受けるためには、2級自動車整備士試験を合格した後、3年間の実務経験が必要です。
1級は学科試験(筆記試験と口述試験)と実技試験で構成されています。
受験料は、学科試験が6,200円、実技試験が12,000円です。
受験料
基本的に選任・届出されて得られるため、試験はありません。
地方運輸局が行う研修については、おおむね無料で受けられますが、都道府県により、教材費がかかる場合もあります。
受験申込方法
「自動車の整備管理者」は選任のため試験はありません。
しかし、選任されて管轄の運輸局へ届け出た後、選任された年度末までに、地方運輸局が行う研修を受けなければなりません。(自動車整備士技能検定に合格した場合を除く)
実施回数や日程については、各都道府県の運輸局へお問い合わせください。
しかし、都道府県により、教材費がかかる場合もあります。
まとめ
自動車整備管理者は、選任・届出がなされて取得できる国家資格です。
自動車整備管理者までの道のりは、2年以上の実務経験、もしくは3級以上の自動車整備士検定に合格しなければなりません。
自動車に関わる仕事に興味がある方、自動車の点検などの管理に興味がある方は、この資格を取得してさらなるキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。
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中古自動車査定士について
整備管理者に選任される条件を以下に記載します。
(1)整備の管理を行う自動車と同種類の自動車(二輪自動車または、自動車)の点検、もしくは、整備、または、整備の管理に関して2年以上の経験があり、かつ、地方運輸局長が行う研修を終了すること。
(2)1級、2級、または、3級の自動車整備士技能検定に合格した者であること。