ボイラーとは燃料を燃やして水を温め、温水や蒸気を離れたところへ移送して、暖房や乾燥、工場の生産ラインでの熱源として活用するための装置です。
ボイラーに関わる仕事として、ボイラー技士やボイラー整備士などがあります。
ボイラー技士はボイラーの運転を行い、ボイラー整備士はボイラーの定期点検やメンテナンスを行います。
この記事では、ボイラー整備士になるための「ボイラー整備士試験」について説明します。
Contents
適用する仕事
ボイラー整備士は、一定の大きさを超えるボイラーを正常に運転するための定期点検や部品交換などのメンテナンス、または第一種圧力容器の整備を行います。
おおよその年収とキャリアパス
ハローワークによると、ボイラー整備士の手当等を含む月収は18万円~28万円が相場だといわれています。
ボイラー整備士の資格だけでは、ボイラーの運転ができません。
ボイラーの運転をするには、ボイラー技士の資格が必要になります。
ボイラー技士の資格を取るのも、キャリアパスの1つです。
もし、ボイラー技士の資格があると、ボイラー取扱作業主任者に選任される可能性が広がります。
認可団体
ボイラー整備士は、厚生労働大臣が指定した指定試験機関(公益財団法人 安全衛生技術試験協会)が行っている国家資格です。
受験条件
受験資格は不要です。ただし、本人確認証明書の添付が必要となります。
また、科目の免除を受けることができる方もいるので、免除科目とともに以下に記載します。
(1)免除科目
科目:ボイラーおよび第一種圧力容器に関する知識
(2)科目の免除を受けることができる方及び添付書類
添付書類:職業訓練修了証(または、卒業証書)の写し、または、卒業証明書(当該訓練を修了したことを特記したもの)
添付書類:職業訓練修了証(または、卒業証書)の写し、または、卒業証明書(当該訓練を修了したことを特記したもの)
合格率
令和4年度の試験でみると、受験者数2,968人のうち合格者が2,009人でした。
よって、合格率は67.7%です。
1年当たりの試験実施回数
年3回実施されています。
実施場所は以下の公益財団法人安全衛生技術試験協会の各センター、もしくは出張特別試験として、各センターで試験会場を設けてあります。
実施日および出張特別試験会場につきましては、公益財団法人安全衛生技術試験協会の各センターにお問い合わせいただくか、公式ホームページを参照してください。
・北海道安全衛生技術センター
所在地:北海道恵庭市黄金北3-13
TEL:0123-34-1171
・東北安全衛生技術センター
所在地:宮城県岩沼市里の杜1-1-15
TEL:0233-23-3181
・関東安全衛生技術センター
所在地:千葉県市原市能満2089
TEL:0436-75-1141
・関東安全衛生技術センター 東京試験場
所在地:東京都港区海岸1丁目11-1 ニューピア竹芝ノースタワー21階
TEL:03-6432-0461
・中部安全衛生技術センター
所在地:愛知県東海市加木屋町丑寅海戸51-5
TEL:0562-33-1161
・近畿安全衛生技術センター
所在地:兵庫県加古川市神野町西之山字迎野
TEL:079-438-8481
・中国四国安全衛生技術センター
所在地:広島県福山市新涯町2-29-36
TEL:084-954-4661
・九州安全衛生技術センター
所在地:福岡県久留米市東合川5-9-3
TEL:0942-43-3381
試験科目
学科試験のみで、試験科目は以下になります。
(1)ボイラー及び第一種圧力容器の整備の作業に関する知識
(2)ボイラー及び第一種圧力容器の整備の作業に使用する器材、薬品等に関する知識
(3)関係法令
(4)ボイラー及び第一種圧力容器に関する知識
採点方式と合格基準
試験時間は2時間30分(科目免除の方は、1時間40分)で、点数の配分は下記のとおりです。
(1)ボイラー及び第一種圧力容器の整備の作業に関する知識:10問(30点)
(2)ボイラー及び第一種圧力容器の整備の作業に使用する器材、薬品等に関する知識:5問(20点)
(3)関係法令:5問(20点)
(4)ボイラー及び第一種圧力容器に関する知識:10問(30点)
合格基準は、上記の科目ごとの得点が40%以上で、かつ、その合計が60%以上であることです。
取得に必要な勉強などの費用
いくつか問題集が発売されています。
ボイラー整備士 過去問題・解答解説集 2023年10月版
出版社名:TAKARA license
商品名:ボイラー整備士 過去問題・解答解説集 2023年10月版
価格:3,300円(税込)
ボイラー整備士試験 精選問題集
出版社名:オーム社
商品名:ボイラー整備士試験 精選問題集
価格:2,970円(税込)
また、認可団体の公式ホームページにも公表試験問題が掲載してあります。
受験料
試験手数料:8,800円
受験申込方法
1.「受験申請書」の用意
「受験申請書」を各センター、もしくは免許試験受験申請書取扱機関で受け取ります。
2.受験申請書類を準備、作成
「受験申請書」「科目の免除を受けるための添付書類」「試験手数料」「証明写真(2.4㎝×3.0㎝)」を用意します。
3.受験申請書類を提出
各センターで受験する場合
提出先は受験を希望する各センターです。
第1受験希望日の2ヶ月前から14日前(消印有効)までに郵送します。
(定員に達した際には、受験日は第2希望日になります。)
②センター窓口へ持参の場合
第1受験希望日の2ヶ月前からセンターの休業日を除く2日前までに持参します
(定員に達した際には、受験日は第2希望日になります。)
出張特別試験の場合
提出先および受付期間が地区ごとに異なりますので、公式ホームページを参照してください。
4.受験票の受取
各センターで受験する場合
受験申請書類郵送後10日を過ぎても届かない場合は第1受験希望日、第2受験希望日のうち、早い日にちのほうの休業日を除いた2日前までに、申請先のセンターにご連絡してください。
出張特別試験の場合
出張特別試験案内に記載されている日までに受験票が届かない場合は、試験日の休業日を除いた3日前までに試験実施のセンターにご連絡してください。
まとめ
ボイラー整備士は、ボイラーの日常点検や部品交換などのメンテナンスを行うための国家資格です。
ガス等を使用した冷暖房設備には必要な資格であり、ビルや工場等で使用されるボイラーのメンテナンスを行います。
ただし、ボイラー整備士の資格だけでは、ボイラーの運転を行うことはできません。
ボイラーの運転をする際には、ボイラー技士の資格が必要です。
さらなるキャリアアップの仕方として、このボイラー技士の資格の取得が考えられます。
取得することで、ボイラーの運転からメンテナンスまで、幅広くボイラーの仕事に関われるでしょう。
ボイラー技士を取得すれば、ボイラー取扱作業主任者に任命されるかもしれません。
ボイラー整備士は、受験資格がなく、試験も学科のみなので、比較的取りやすい資格だと思われます。
最後になりますが、皆さんもボイラーに関わる資格の第一歩として、「ボイラー整備士試験」を受けてみてはいかがでしょうか。
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添付書類:ボイラー技士免許証の写し