朗読検定について

朗読検定について

朗読検定は、朗読の技術を客観的に評価されます。
言語表現を豊かにするために、小学生からプロまで幅広く朗読の技術は活かせます。

適用する仕事

ほとんどの仕事で会話は必要で、その際に言語表現はどうしても必要になってきます。
ここでは、仕事の種類を問わず、朗読力が活きることをまとめさせていただきます。

朗読力が活きること
  • 発声が身に付き、人との会話で聞き返されることがなくなる。
  • 明るい声を出せるようになって、感じの良い人と思われるようになる。
  • 自信がつくことで、人前で緊張しすぎないようになる。
  • 読む速さや、間を取るのが上手になって、プレゼンや説明などが伝わりやすくなる。

おおよその年収とキャリアパス

直接就職につながる資格ではありませんが、この資格が役に立つ仕事のおおよその年収を示させて頂きます。

接客や営業の仕事

まず、声を使う仕事といえる、接客や営業の仕事で示させて頂きます。

レストランのスタッフとしてのたたずまい接客業は宿泊業や娯楽業など様々ありますが、総合すると、おおよその年収は340万円ほどです。
販売を含む接客応対業務の平均年収は、約295万円です。
営業の仕事は、業界によっても違いますが、平均年収は530万円ほどです。

教師や講師

黒板の前で、指し棒を使って授業しようとしている女性教師生徒や保護者たちがいて、教える仕事にも朗読は役に立つ能力です。

小学校教員中学校教員の平均年収:約740万円
高校教員の平均年収:約680万円

図書館の司書

平均年収:約300万円

司書(補)試験について

認可団体

主催団体

「一般社団法人 日本朗読検定協会」

明確な目標設定をして上達を目指せるように、「朗読検定」や「読み聞かせ検定」を実施している団体です。

受験条件

受験資格は特にありません。ただし、2級受験の条件は準2級合格に合格していることです。
それぞれの受験級の、対象の目安は次の通りです。

【1級・準1級】
大学生以上対象。朗読上級者向け。
高校生は、青空文庫朗読コンテストの高校生の部に応募可能です。

【2級】
大学生以上対象。朗読中上級者向け。

【準2級】
高校生以上対象。朗読中上級者向け。

【3級】
中学2年生以上対象。朗読初級者から中級者向け。

【4級】
中学1年生以上対象。朗読初級者向け。

5級から10級は「ジュニア朗読検定」になります。小学生が対象で対象学年は次の通りです。

5級:小学校6年生以上
6級:小学校5年生以上
7級:小学校4年生以上
8級:小学校3年生以上
9級:小学校2年生以上
10級:小学校1年生以上

認定条件に関しては、採点方式と合格基準の項目をご覧ください。

合格率

合格率は公表されていません。

1年当たりの試験実施回数

テーブルに広げている1年間のカレンダー朗読検定は、能力レベルに応じて異なる形式で実施されています。
この検定は、朗読技能の向上を目指す人々にとって、自身の能力を測定し、証明するための重要な機会です。

1級と準1級

1級と準1級の検定は、コンテスト形式で行われます。
このコンテストは、年に1回のみ開催されるため、受験者はこの機会を逃さないように準備する必要があります。コンテスト形式のため、他の受験者との直接的な競争があり、朗読スキルの高さを証明する絶好の機会となります。

2級

2級の検定は、対面での実技試験として行われ、年に4回の受付があります。
しかし、試験自体は年に8回実施されるため、受験希望者は自分に合った日程を選択することができます。
試験日は、平日と週末の日程から選ぶことが可能です。

ただし、各試験期間では先着200名までの受付となるため、希望する日程に応じて早めに申し込む必要があります。

準2級から4級

準2級から4級にかけての検定は、より柔軟性があります。
これらのレベルでは、基本的にいつでも課題を提出することが可能です。
これにより、受験者は自分のペースで準備を進め、自身が準備が整った時点で課題を提出することができます。この方式は、忙しい日常生活の中でも朗読スキルの向上を目指す人々にとって、便利な選択肢となっています。

試験科目

合格祈願半ば途中のだるま1級と準1級はコンテスト形式です。
したがって、朗読検定として試験が行われているのは、2級以下からになります。

2024年冬期の試験(2024年1月~3月)は以下の通りでした。

2級

A検定筆記

朗読をはじめた理由を文章化すること(400字)
朗読作品の表現計画を立てること(実技試験連動)

B検定筆記

聴き手に伝わる朗読に関する考えを文章化すること(400字)
朗読作品の表現計画を立てること(実技試験連動)

文章読解・作成能力検定(文章検)について

A検定およびB検定実技

準2級で問われる課題を、対面朗読でもクリアできること
簡単な作品の初見読みに対応できること(A検定のみ)

【実技試験内容A検定・B検定】
A検定:作品課題(2023年冬期):谷崎潤一郎 作「猫と庄造と二人のおんな」より抜粋
初見課題(A検定):プロミネンス課題(試験当日に配布)
初見課題(A検定):詩:課題(試験当日に配布)

B検定:作品課題(2023年冬期):泉鏡花 作「夜行巡査」より抜粋
初見課題(B検定):プロミネンス課題(試験当日に配布)

準2級

A検定筆記

単語や文章に、アクセント記号を付けることができること
同音異義語のアクセントの違いを理解していること
鼻濁音や無声化の知識があること
朗読作品の表現計画を立てること(※実技試験連動)

B検定筆記

朗読作品の表現計画を立てること(※実技試験連動)
朗読活動を通じて、実現したいことを文章化すること(400字)

A検定実技・B検定実技

高度な音声技術を身につけられているか
正確な日本語アクセントで読むことができているか
登場人物それぞれの違いの表現ができているか
表現計画で宣言した通りの表現ができているか

【実技試験内容A検定】
作品課題 山川方夫・作「蒐集」より抜粋部分
プロミネンス課題

【実技試験内容B検定】
作品課題 山本周五郎・作「雨あがる」より抜粋部分
プロミネンス課題

3級

筆記試験

アクセントの初歩的な知識が必要です。
文学に関する初歩的な知識が必要です。

実技試験

発音が明瞭で、正確に読めること。
短文を正しいアクセントで読めること
文章に合った間の取り方、区切り、抑揚、緩急、強調表現ができること
語りと台詞部分が判別できる読み方ができること

【実技試験内容】
滑舌課題 「外郎売り」より
プロミネンス課題
作品朗読 海野十三・作「もくねじ」より抜粋部分

4級

筆記試験

発声方法、朗読についての基礎的な知識が必要です。
文学に関する知識も、初歩的なものは身につける必要があります。

実技試験

しっかりと発声が出来ること。発音が明瞭で、正確に読めること。
語りの部分を、読む速さであったり、抑揚や間の取り方の工夫ができていて、正確に読めること。

【実技試験内容】
発声課題
滑舌課題 早口言葉
作品朗読 宮沢賢治・作「いちょうの実」より抜粋部分

5級から10級

5級から10級については、ジュニア朗読検定となります。

5級

共通語アクセントの違いに気がつくことができること。
文章内容を理解して、工夫して、心情や情景を伝える読みができること。
声の強弱、高低を使いこなせること。

6級

滑舌よく読むことが出来る。
言葉の意味を正しく理解して、読むことが出来る。
声の強弱や高低、読む速さと間の取り方の工夫が出来る。気づけ

7級

声に含まれる感情に気がつくことが出来ること。
声の高さや間の取り方によって、文の意味が変わってしまうことに気がつけること。

8級

話の中心をつかめる。
様子を表す言葉に気がつくことが出来て、抑揚や間の取り方の工夫ができる。

9級

文をどこで区切るか意識できる。
アクセントの違いによって、意味が変わることに気づける。

10級

五十音を、正しい口の形で発音、発声ができる。
読み方の工夫に気がつくことが出来る。

採点方式と合格基準

基準のイメージそれぞれの級の認定条件は、次の通りです。
こちらでも、2024年冬季(1月~3月)のものを挙げさせて頂きます。

1級

認定条件は次の①から④の手順を全て満たすこと。および、2級に合格していること。
①青空文庫朗読コンテストの一般の部/認定講師の部の予選に応募
②上記の予選を通過していること
③上記の本選に出場していること
④上記の本選で、審査員全員の持ち点の90%以上を獲得した上で、金賞を受賞していること

準1級

認定条件は次の①から④の手順を全て満たすこと。および、2級に合格していること。
①青空文庫朗読コンテストの一般の部/認定講師の部の予選に応募
②上記の予選を通過していること
③上記の本選に出場していること
④上記の本選で、金賞、銀賞、銅賞のいずれかを受賞していること

2級

認定条件は
準2級に合格していること。
筆記試験で80%以上の点数を得ること。
実技試験(A検定およびB検定実技)で80%以上の点数を得ること。

A検定の採点項目

①作品課題 山川方夫・作「蒐集」より抜粋部分:計30点
滑舌・誤読(読み間違いがないか。明瞭な発音かどうか):5点
アクセント(正確な日本語アクセントで読むことができているか):5点
鼻濁音 無声化(鼻濁音や無声化はできているか):5点
抑揚(抑揚は豊かかで癖はないか、意味に合っているか):5点
間と区切り(間の取り方や区切り方は適切か、工夫があるか):5点
緩急と強調(緩急と強調に工夫があるか):5点

②初見課題:プロミネンス課題:計10点
自然さ(強調が自然かどうか):5点
技能(総合的音声技能):5点

③初見課題:詩の課題:計10点
読む速度と間(読む速度、間が作品に合っているか):5点
表現力(表現の工夫があるか):5点

B検定の採点項目

①作品課題山本周五郎・作「雨あがる」より抜粋部分:計30点
滑舌・誤読(読み間違いがないか。明瞭な発音かどうか):5点
アクセント(正確な日本語アクセントで読むことができているか):5点
鼻濁音 無声化(鼻濁音や無声化はできているか):5点
抑揚(抑揚は豊かかで癖はないか、意味に合っているか):5点
間と区切り(間の取り方や区切り方は適切か、工夫があるか):5点
緩急と強調(緩急と強調に工夫があるか):5点

②プロミネンス課題:計20点
強調(指定部分の強調ができているか):5点
滑舌・誤読(明瞭に、読み間違いなく読めているか):5点
鼻濁音・無声化(鼻濁音や無声化はできているか):5点
アクセント(正確な日本語アクセントで読めているか):5点

準2級

筆記試験で80%以上の点数を得ること。
実技試験(A検定およびB検定実技)で80%以上の点数を得ること。

A検定の採点項目

①作品課題 山川方夫・作「蒐集」より抜粋部分:計30点
滑舌・誤読(読み間違いがないか。明瞭な発音かどうか):5点
アクセント(正確な日本語アクセントで読むことができているか):5点
鼻濁音 無声化(鼻濁音や無声化はできているか):5点
抑揚(抑揚は豊かかで癖はないか、意味に合っているか):5点
間と区切り(間の取り方や区切り方は適切か、工夫があるか):5点
緩急と強調(緩急と強調に工夫があるか):5点

②プロミネンス課題:計20点
強調(指定部分の強調ができているか):5点
滑舌・誤読(明瞭に、読み間違いなく読めているか):5点
鼻濁音・無声化(鼻濁音や無声化はできているか):5点
アクセント(正確な日本語アクセントで読めているか):5点

B検定の採点項目

①作品課題山本周五郎・作「雨あがる」より抜粋部分:計30点
滑舌・誤読(読み間違いがないか。明瞭な発音かどうか):5点
アクセント(正確な日本語アクセントで読むことができているか):5点
鼻濁音 無声化(鼻濁音や無声化はできているか):5点
抑揚(抑揚は豊かかで癖はないか、意味に合っているか):5点
間と区切り(間の取り方や区切り方は適切か、工夫があるか):5点
緩急と強調(緩急と強調に工夫があるか):5点

②プロミネンス課題:計20点
強調(指定部分の強調ができているか):5点
滑舌・誤読(明瞭に、読み間違いなく読めているか):5点
鼻濁音・無声化(鼻濁音や無声化はできているか):5点
アクセント(正確な日本語アクセントで読めているか):5点

3級

筆記試験で80%以上の点数を得ること。
実技試験で80%以上の点数を得ること。

以下は、実技試験内容と採点項目です。

①滑舌課題 「外郎売り」:計15点
時間(制限時間内に読み終わることができているか):5点
正確さ(読み間違いがなく、明瞭な発音で読むことができているか):5点
リズム(リズムが一定かどうか):5点

②プロミネンス課題:計15点
強調(指定部分の強調ができているか):5点
滑舌と誤読(読み間違いがなく、明瞭な発音で読むことができているか):5点
アクセント(アクセントが正しく読めているか):5点

③作品朗読 海野十三・作「もくねじ」より抜粋部分:計20点
滑舌と誤読(読み間違いがなく、明瞭な発音で読むことができているか):4点
情景描写(情景描写を伝える読み方の工夫が出来ているか):4点
抑揚(抑揚は豊かであるか、癖はないか、意味にあっているか):4点
間と区切り(間の取り方や区切り方は適切か、工夫があるか):4点
緩急と強調(緩急と強調の仕方に工夫があるか):4点

4級

筆記試験で80%以上の点数を得ること。
実技試験で80%以上の点数を得ること。

以下は、実技試験内容と採点項目です。

①発声課題:計15点
時間(規定時間をクリアできているか):5点
声量(しっかり発声が出来ているか):5点
安定(発音が安定しているか):5点

②滑舌課題 早口言葉:計15点
時間(制限時間内に読み終えているか):5点
正確さ(読み間違いがなく、明瞭な発音か):5点
リズム(一定のリズムで読めているか):5点

③作品朗読: 宮沢賢治・作「いちょうの実」より抜粋部分 :計20点
情景描写(情景描写を伝える読み方の工夫ができているか):5点
読む速度と間の取り方(聴きやすい速度と間を取って読めているか):5点
滑舌と誤読(読み間違いがなく、明瞭な発音で読むことができているか):5点
抑揚(抑揚は豊かで、癖がなく、意味に合っているか):5点

5級~10級

5級~10級は、合格にはどの級も100点満点中の80点以上が必要です。

取得に必要な勉強などの費用

勉強方法には、通信講座が挙げられます。

一例ですが、以下のような費用がかかります。

  • 朗読検定10級合格対策講座:8,800円(受検料3,300円込)
  • 朗読検定4級取得コース:8,800円(受験料4,400円込)
  • 朗読検定3級取得コース:月あたり8,800円(受験料6,600円込)

受験料

受験料は税込です。各級次のようになっています。

料金
1級 3,300円(青空文庫朗読コンテスト一般の部・認定講師の部の応募料金)
準1級 3,300円(青空文庫朗読コンテスト応募料金)
2級 A、Bそれぞれ13,200円(認定には、A、B両方の合格が必要)
準2級 A、Bそれぞれ8,800円(学生は7,700円。認定には、A、B両方の合格が必要)
3級 A、Bそれぞれ6,600円(学生は5,500円)
4級 4,400円(学生は3,300円)

1級と準1級は、青空文庫朗読コンテスト本選が試験となっています。
ただし、1級と準1級が認められるには、2級に合格している必要があります。

受験申込方法

申込方法は「朗読検定」の公式サイトを開いていただき、「検定のお申し込み」というボタンからクリックして申し込みます。

パソコンインストラクター資格認定試験

注意事項

申込のメールアドレスは、パソコンで使っているメールアドレスを記入してください。
もし、スマートフォンの場合は、Gmailアドレスを使って、info@roudokukentei.jpからのメールが、迷惑メールへならないよう設定してください。
申込の受付が済むと、受付確認メールが送られてきます。

申込からの流れ

受付から結果通知までの流れは、次のようになっています。

1.仮受付
お申し込みフォーム送信

2.受験料の納付
メール記載の指定銀行口座へ振込みをします。

3.試験課題の送信
朗読検定協会から、試験課題がメールで送られてきます。2~5営業日目安です。

4.課題の提出
筆記と実技は、郵送またはアプリやメール送付などのインターネット経由です。

5.採点審査
3名の検定員資格者が採点します。講評を記入した採点票が作成されます。

6.結果通知郵送
受験者多数の場合、課題提出から2ヶ月以上かかる場合もあるようです。

申込フォームには、任意項目ですが、所属朗読団体名(ある場合)や朗読の経験(習い始めたばかりや、年に2回~3回朗読会に出演しているなど)なども設けられています。

なお、再試験の場合は、以前の受験番号を記載してください。

まとめ

園児2人に絵本の読み聞かせをする幼稚園教諭今回は朗読の技術を示す検定についてでした。
趣味としてだけでなく、朗読の技術は仕事でも効果があることがあります。
趣味として朗読をしたい人や、営業や接客など、他人に何かを伝える仕事に就いている人にも役に立つ検定ですよ。

 

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