今回は「オーシャンズ11」をご紹介します。
あらすじに加えて、キャストや見どころ、小ネタなどできるだけ読みやすく解説したつもりです。筆者の感想も書いているので、ぜひ、最後までご覧ください。
オーシャンズ11は、2001年にアメリカで公開され、大ヒットしました。
主人公ダニー・オーシャン率いる11人の犯罪スペシャリスト集団が、ラスベガス三大カジノの金庫室にある1億6000万ドル以上の現金を狙うケイパー映画です。
続編として、「オーシャンズ12」、「オーシャンズ13」、スピンオフ作品「オーシャンズ8」があります。
フランク・シナトラが主役を務めた1960年の作品『オーシャンと十一人の仲間』のリメイク版ですが、時代設定はもちろん内容もガラッと変わっています。
今回の映画の魅力はなんといっても犯罪者なのに愛すべき個性に溢れたキャラクターたちでしょう。
オーシャンの仲間たちはもちろんですが敵役も含めて、超一流の俳優陣が揃っていたことも当時大きな話題を呼びました。
ハリウッドを代表する多く俳優たちが出演していますが、監督のスティーブン・ソダーバーグや、主演のジョージ・クルーニーの説得などで出演料はその人物の一般的な額の半額などでOKしたため、出演料の総額が低く抑えられていることは有名な話です。
プロの役者なら一度は一緒に仕事をしてみたい。という2人の存在が、さながら物語の中でオーシャンのもとに腕利きたちが集まってきたように、まさに「ドリームチーム」を誕生させました。
それでは、ご紹介していきましょう。
Contents
- 1 あらすじ(ネタバレあり)
- 2 登場人物とキャスト
- 2.1 ダニエル(ダニー)・オーシャン(ジョージ・クルーニー)
- 2.2 ラスティ・ライアン(ブラッド・ピット)
- 2.3 ライナス・コールドウェル(マット・デイモン)
- 2.4 フランク・キャットン(バーニー・マック)
- 2.5 ルーベン・ティシュコフ(エリオット・グールド)
- 2.6 バシャー・ター(ドン・チードル)
- 2.7 バージル・モロイ(ケイシー・アフレック)
- 2.8 ターク・モロイ(スコット・カーン)
- 2.9 イエン(シャオボー・チン)
- 2.10 リヴィングストン・デル(エディ・ジェイミソン)
- 2.11 ソール・ブルーム(カール・ライナー)
- 2.12 テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)
- 2.13 テス(ジュリア・ロバーツ)
- 3 基 本 情 報
- 4 『オーシャンと十一人の仲間』とは?
- 5 ビッグスターたちの役回りは?
- 6 ジュリア・ロバーツの出演料は20ドル?
- 7 オーシャンズ11 小ネタ集
- 8 スティーブン・ソダーバーグインタビュー
- 9 オーシャンズ11の評価・レビュー
- 10 単純に2時間を楽しむためのエンターテイメント
あらすじ(ネタバレあり)
オーシャンズ11のストーリーを簡単にご紹介します。
仲間集め
窃盗の容疑で4年間も服役していたオーシャンは、服役中に1つの計画を立てます。
それは、ラスベガスの3大カジノ「ベラージオ」「ミラージュ」「MGMグランド」の金が集まる地下巨大金庫から現金を強奪するという壮大なものでした。
オーシャンはまずは旧知の仲であり、相棒のラスティのもとを訪れます。ラスティはさびれた賭博場で詐欺をしており、現状にすっかり退屈していました。
オーシャンはラスティに計画の内容を伝え、2人は実行に必要な仲間を集めていきます。
まずは、スポンサーで2人と顔なじみのルーベンを訪ねますが、不可能だと断られます。しかし、標的が自分のホテルをつぶしたベネディクトと聞くとすっかりやる気になります。
そして、2人は爆弾専門のバシャー、イカサマ師のフランク、伝説の詐欺師のソールなどその筋の専門家たちを次々に集めていきます。
最後にダニーの知人で伝説的な泥棒であるボビーの息子のライナスを引きいれ、11人のメンバーを集めることに成功します。
彼らは、「その道」では、超一流のプロフェッショナルばかりでした。
計画実行
計画の当日、ベネディクトはホテル内にオーシャンがいることを知り、彼が良からぬことを企んでいると察して部下のブルーザーに命じてストレージルームに監禁させます。
その間に仲間たちはカジノ内の監視カメラをハッキング、次々にカジノに潜入します。 巨大金庫に続く3つの扉には、それぞれ12時間ごとに変わる暗証番号や指紋認証などが完備されていました。 |
バシャーはビンチを使って停電させ、扉のセキュリティが一瞬機能停止した隙を突いてオーシャンとライナスが金庫に潜入。荷物に紛れて金庫室に入ったイエンが内部からセキュリティを破壊します。
ラスティからの電話
ラスティはベネディクトに金庫室を乗っ取ったと伝えます。
そして、8000万ドルを極秘に盗まれるか、1億6000万ドルをおおっぴらに盗まれるか選ぶよう脅迫します。ベネディクトは要求を飲むフリをして、現金の入ったカバンを積み込んでホテルを後にするバンを部下たちに追跡させ、また、金庫室には密かに連絡したSWATに制圧させようとします。
しかし、電話を受けたのはリヴィングストン。SWATもまたオーシャンの仲間たちであり、メンバーはSWATに変装して逃走、まんまと1億6000万ドルの大金を手に入れました。
監禁していたオーシャンの犯行を疑うベネディクトは、彼を厳しく問い詰めますがとぼけるばかり。
そして、テスを諦めるなら自分のツテで金を取り返してやっても良いと提案します。
ベネディクトは即答でイエスと言います。ところが、このやり取りは監視カメラを通して、テスが観るように仕組まれており、ベネディクトの裏切りを彼女は知ることになります。
オーシャン、テスを取り戻す
以前、テスがベネディクトにキスしようとした時、ベネディクトに「ここでは誰かに常に見られている」と監視カメラを指差したのが伏線です。
テスも「誰かに常に見られているのよ」と言ってベネディクトの元から去っていきます。
オーシャンが金の行方を追う方法として明らかな嘘をついたためベネディクトは、仮釈放規則に違反しているオーシャンをそのまま警察に引き渡します。
オーシャンの仲間たちはベラージオの噴水の前で勝利を喜びあった後、1人ずつその場を後にします。
ベネティクトの復讐がはじまる?
半年後、出所したオーシャンをラスティが出迎えます。ラスティの車にはテスが乗っており、2人は再会のキスを交わします。
テスの指には売ったはずの結婚指輪がはめられていました。
しかし、発車したラスティの車をベネディクトの部下の車が尾行をはじめます。
大金を盗まれ、メンツを大いに台無しにされたベネディクトの復讐を予感させるシーンで物語は終わります。
登場人物とキャスト
ダニー・オーシャンと愉快な仲間たちをご紹介しましょう。
ダニエル(ダニー)・オーシャン(ジョージ・クルーニー)
本編の主人公。作戦のリーダー兼立案者です。 裏世界では有名な泥棒、詐欺師として名を馳せており、さまざまな人脈を持ちます。過去に12件の信用詐欺に関与し、インカの婚礼用仮面を盗んで逮捕され、4年間服役していました。逮捕された時、妻テスには自分が泥棒であることを話しておらず、共犯と疑われてニューヨークを追われたことをテスに恨まれ、服役中に離婚届が送られてきます。 |
仮出所後すぐに、かつての相棒ラスティ・ライアンと再会し、ラスベガスの3大カジノ「ベラージオ」、「ミラージュ」、「MGMグランド」の金が集まる地下巨大金庫から現金を強奪する計画を持ちかけます。
オーシャンはベネディクトに恨みを持つルーベン・ティシュコフにスポンサーになってもらい、計画実行のため全米各地に散らばった仲間たちに声をかけていきました。
ラスティ・ライアン(ブラッド・ピット)
オーシャンの右腕でチームのNO.2。出所したオーシャンが真っ先に計画を話に行く相手です。オーシャンの計画を聞くと、ともに仲間のスカウトに奔走します。
バシャーをスカウトした時には、彼が逮捕されたところに刑事の扮装をして現れ、連行するフリをして助け出したり、カジノのセキュリティ室に入り込むために、知り合いのストリッパーに頼んでエンジニアのIDを盗ませたり、計画の中心的な役割を担います。
計画実行時にはカツラをかぶって医者になりすまし、具合が悪くて倒れたフリをしたソールを救助にやって来て連れ出します。
そして、オーシャンがテスのコートのポケットに入れた携帯電話に電話をかけ、「金庫の現金の半分を渡せば半分は残す。応じないのであればすべて爆破する」とベネディクトを脅迫する役目を果たします。
ライナス・コールドウェル(マット・デイモン)
伝説的な泥棒ボビー・コールドウェルの息子で、シカゴで通勤電車に乗るサラリーマンからスリをしていたところをダニーに誘われます。
若く経験が少ないことからカジノ内の偵察、ダニーの行動のチェックといった地味な役割が多いために不満を募らせ、独断で行動して何度も失敗します。
しかし、実行日には賭博委員会のウィリスになりすましてベネディクトに声をかけ、ホテル内部に入り込むことに成功します。
フランク・キャットン(バーニー・マック)
前科持ちのカジノのディーラーです。当時は、偽名でアトランティックシティーのトランプ・プラザ・ホテル・アンド・カジノで働いていました。
計画時には、賭博委員会になりすましたライナスに前科があることを指摘され、ベネディクトとともに別室で話をする(人種差別だとライナスに突っかかる)ことで、ベネディクトの気をそらすとともに、ライナスをカジノ内部に入り込ませます。
ルーベン・ティシュコフ(エリオット・グールド)
ラスベガスのカジノホテル経営者で資産家です。
ラスベガスの裏に顔が利く一人で、オーシャンの若い頃の恩師でもあります。
当初は協力を渋りますが、ベネティクトの金を狙うと知ると一転、「過去に自分のカジノホテルの1つを潰された経験がある」と復讐のため参加。資金援助を申し出ます。
プールつきの大邸宅に住んでおり、いつも大きなサングラスをかけ葉巻を吸っています。
バシャー・ター(ドン・チードル)
イギリス人の爆発物専門家で通称「人間火薬庫」
金庫を爆破して強盗を行っている最中、手下がアラームを切り忘れたために逮捕されそうになったところを、ラスティによって助け出されて仲間に加わります。
当初の計画どおりに停電させられなくなったことから、過去の仕事で知った電磁波発生器「ピンチ」を使って停電を起こすことを提案。見事成功させます。
ピンチは完全に架空のものではなく、実在する「Zマシン(Zピンチ)」を基にしています。ただし、劇中で起こされた規模の停電を引き起こすには全くサイズが合わないようです。
バージル・モロイ(ケイシー・アフレック)
双子のモロイ兄弟の兄。多数の風船を持つ弟とケンカをする客、ソールがなりすました大富豪のボディガード、カジノスタッフ、医者になりましたライナスの助手といった、さまざまな人物になりすます。
ターク・モロイ(スコット・カーン)
双子のモロイ兄弟の弟で自動車の専門家です。バージルとはちょっとしたことですぐに口論になり、ピンチを盗みに行ったダニーたちを車で待っている時には運転席と助手席で口論となり、車に乗るライナスをうんざりさせます。
イエン(シャオボー・チン)
バーナム・サーカスの中国雑技団曲芸師で非常に小柄な中国人ですが、俊敏な運動神経と柔軟な体を持っています。
英語は理解できるものの、基本的に中国語しか話しません。サーカス公演時のパフォーマンスを見たオーシャンは「あいつで決まりだ」即決します。
リヴィングストン・デル(エディ・ジェイミソン)
電気・通信・メカニックの専門家。
ロサンゼルスでFBIの捜査に協力していたところを、計画に誘われます。
挙動不審でオドオドしたところがあり、エンジニアになりすましてカジノのサーバールームに入り込むものの、作業中にぬぐった汗で手のひらに書いていた地図が消えてしまい大ピンチを招きます。
ソール・ブルーム(カール・ライナー)
「伝説の天才詐欺師」ですが、すでに隠居中でした。
高級スーツを仕立て、ヨーロッパの武器商人ライマン・ゼルガになりすましてホテルにスイートルームに宿泊します。
計画の決行日に、大事なブリーフケースをホテルでもっとも安全な金庫室に保管するように、ベネディクトに要求します。
テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)
オーシャンが狙う3つの巨大カジノ「ベラージオ」、「ミラージュ」、「MGMグランド」のオーナーで、オーシャンの元妻テスと付き合っています。
表の顔は精密機械のように仕事をこなす有能なカジノ経営者。
しかし、裏の顔はプライドを潰された時は容赦なく相手を抹殺する、冷酷非道な男。カジノ強盗後、拘束していたダニーを厳しく問い詰めますが、ダニーから「金が戻ったらテスを諦めるか?」と聞かれ、「諦める」と答えます。 |
テス(ジュリア・ロバーツ)
オーシャンの元妻で、今はベネディクトの恋人。ベラージオ美術館の館長をしています。
オーシャンが泥棒だったことを知らされていなかったことを恨んでおり、収監中のオーシャンに離婚届を送りつけます。
しかし、監視カメラのオーシャンとベネディクトのやりとりをテレビで見せられ、ベネディクトの本性を知ることになります。
テスはベネディクトに別れを告げ、ダニーのもとに戻ります。
基 本 情 報
監督 スティーブン・ソダーバーグ
脚本 テッド・グリフィン
製作 ジェリー・ワイントローブ
製作総指揮 ブルース・バーマン・ジョン・ハーディー・スーザン・イーキンズ
配給 ワーナー・ブラザース
公開 [アメリカ] 2001年12月7日 [日本] 2002年2月2日
上映時間 116分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $85,000,000
興行収入 $450,717,150[世界] $183,417,150[アメリカ・カナダ] 70億円[日本]
『オーシャンと十一人の仲間』とは?
オーシャンズ11は、1960年に公開された「オーシャンと十一人の仲間」、ベースになっています。こちらの元ネタの原題も『Ocean’s Eleven』でした。
監督はルイス・マイルストーン。ダニー役をフランク・シナトラ、サミー・デイヴィスJr.やディーン・マーティンなど、こちらも豪華な俳優陣がそろっていました。
仲間の設定は第二次世界大戦をともに戦った戦友、ということで、『オーシャンズ11』よりわかりやすい結びつきがあります。それ以外にも、「ラスベガスのカジノから現金を盗む」という基本的なところを除いて、かなり印象は異なります。
仲間たちが集まるまでに1時間ほどかかったり、現金を盗む過程よりも盗んでからの展開の方が面白いなど、プロット的にも大きな違いがあります。
なにより、登場人物のほとんどがダークスーツにネクタイ姿というファッションに時代を感じます。
ビッグスターたちの役回りは?
ジョージ・クルーニー
詐欺師としても泥棒としても超一流のリーダーですが、ひょうひょうとした中に感じられる独特のユーモラスな雰囲気、自分の正体を知って逃げてしまった妻・テスへの想いが断ち切れない不器用でピュアな主人公を巧みに演じています。
ブラット・ピット
オーシャンの右腕として活躍。現場監督ながらに司令塔として強奪計画を支えるとともに、仲間たちを率いる中心的な人物を演じています。
この作品をきっかけに、ジョージとは非常に親しい交友関係を作り上げたといいます。
マット・デイモン
今では大スターのマット・デイモンですが、同時はまだブレイク前なので、ドジをしてダニーやラスティに叱られる若造扱いされています。共演後は劇中での三人の関係そのままに弟分としてリアルでも仲良しなのだそうです。
アンディ・ガルシア
整った顔立ちとともに独特の迫力をまとったアンディ・ガルシアは、『ゴッドファーザー』のように凄みのある悪役がとても似合います。この作品でも、時にクールで時に荒々しく冷酷な姿を見事に演じています。
ジュリア・ロバーツの出演料は20ドル?
イケメン揃い?とはいえ11人プラスα男ども揃う中で、まさに紅一点と言えるのがオーシャンの妻テス(ジュリア・ロバーツ)でしょう。
彼女は2000年公開の「エリン・ブロコビッチ」で彼女 |
は2000年公開の「エリン・ブロコビッチ」でアカデミー賞など主要な映画賞の主演女優賞を総なめにした超人気女優でした。
作品でもテリー・ベネディクトと公私ともにパートナーとして暮らしているものの、オーシャンに対する愛情がまったくなくなったワケでもなく、微妙な女心を好演しています。
主演のジョージ・クルーニーは。彼がジュリアを「オーシャンズ11」に参加するように頼んだ時の驚きのエピソードを告白しています。
「ジュリアとは一度も会ったことがなかったけど、彼女は映画1本につき2,000万ドル(約22億円)をもらっていた。ブラッド(・ピット)とマット(・デイモン)を説得し、ジュリア(・ロバーツ)にも出てもらいたかった。
そこで、脚本に20ドル(約2,200円)のお札を添えて彼女に送ったんだ。そして『1本20ドルだって聞いたんだけど』って言ってみた」と、まさかすぎる金額でのオファーをしたといいます。
ジョージらしいユーモアの効いたこの作戦が功を奏したようで、ジュリアは「オーシャンズ11」に出演することを決定。公開から20年経ったいまでもジョージと連絡を取り合う仲だそうです。
オーシャンズ11 小ネタ集
オーシャンズ11をもっと楽しむために。
ジョージ・クルーニーは原作が好きではない?
かつてフランク・シナトラが演じた大泥棒、ダニー・オーシャンを演じることについて尋ねられたジョージ・クルーニーは、先程ご紹介した1960年作のオリジナル版の魅力は「豪華なキャストだけ」だと発言しています。
2001年のロサンゼルス・タイムズ紙のインタビューでは、クルーニーはジョーク交じりにこう話しています。「みんなあれがお気に入りの映画のひとつだって言うんだけど、その度に俺は言うんだ「ほんとに観たことあるのか?」
リーダーシップと頭脳とイケメンのコンボ
そもそも「強烈なリーダーシップを持つ首領」と「天才的な頭脳を持つ右腕」がコンビを組む構図は、ただそれだけでクールであることは中国4000年の歴史によって証明されています。
要するに劉備玄德と諸葛亮孔明です。カッコイイに決まっています。 写真も残っていない太古の劉備と孔明がイケメンであったかどうかは知り得ませんが、この2人はビジュアルも超クールというおまけつきです。 |
ラスティってどうしていつも何か食べているの?
ラスティはいつも何か食べているシーンが多くあります。
ピザかタコスのようなもの、ロリポップキャンディ、カクテルサラダのエビ、アイスクリームのようなものなど。ハンバーガーを食べている時には、胃の調子が悪そうなしぐさをします。
これは演じるブラッド・ピットが当時多忙で食事をする時間が無かったため、移動中に食事を取っていた事を役に取りこんでいるそうです。
スティーブン・ソダーバーグインタビュー
監督スティーブン・ソダーバーグにインタビューした記事をご紹介します。
スターのために作られた映画
「これは観客が2時間を楽しく過ごすためだけに作られた映画だよ。映画館を出るころには、みんな映画のことなんてさっと忘れて『これから、なに食べる?』なんて会話を交わすような、ね(笑)」
「オーシャンズ11」に惹かれたのは、昔ながらのビッグスターが出ている娯楽映画を作るチャンスだと思ったから。昔のスタジオシステムで作られた映画って、期待して観に行っても、必ずそれなりに楽しむことができたものじゃない?
でも、過去20年間、ハリウッドではそういう映画が作られなくなってしまっていて、ぼくとしてはなんとなく、スターのために作られた映画が懐かしくなっていたんだ」
はじまってすぐに後悔した
「ぼく自身、そういう映画や大作映画もたくさん観て育ったわけだし。実は、いまでもぼくの1番のお気に入りの映画は『ジョーズ』なんだ。あれほどよく出来た娯楽映画はないよね」
「これは冗談なんかじゃなくて、『ジョーズ』はほんとうに大好きなんだよ。あれほど緻密に作られている映画もないしね。
「オーシャンズ11」をやってわかったけど、この手の映画をやるのってやたらと面倒なものなんだ。撮影前からきっと大変だろうなって想像はしていたんだけど、実際にやってみたら、踏まなくちゃいけない手順だらけで、いままでいろんな映画を作ってきたけど、これほど苦労したことはなかったよ」
「撮影がはじまってすぐ後悔したよ。どうしてこんな映画を引き受けちゃったんだろう、ってね(笑)」
オーシャンズ11の評価・レビュー
エンターテインメント・ウィークリー誌は、オーシャンズ11の強盗シーンを、10年間でのベストシーン一覧に挙げ、「難攻不落のラスベガスの3つのカジノと、個性的な11人の犯罪者によるスティーブン・ソダーバーグ監督の2001年の作品は、ここ10年で最も成功した強盗のシークエンスであった」と述べています。
脚本もよく練られていて、それを名匠ソダーバーグ監督が調理して見事な作品が完成しています。
ストーリーに唸らされ、細かな笑いもあり。派手な演出はなくても、飽きることなく最後まで楽しませてもらえます。
見るたびに面白いのに、なぜか時間が経つと良い印象を忘れてしまいます。そして、久々に見るとやはり面白いです。
金庫から簡単に戻って来られるのも都合が良過ぎる。後で調べればいろいろとバレるだろうし、何人かは顔を知られているので殺されちゃいそう。
あと、登場人物が多過ぎて一部のメンバーの見せ場が少なくなっているのももったいない。テンポもよく、全体的には面白いだけにそこがちょっと残念でした。
単純に2時間を楽しむためのエンターテイメント
一言でいえば、ひたすらジョージ・クルーニーとブラピが超カッコいい映画です。
しかし、他の豪華メンバーもそれぞれ個性が際立っています。特に、アンディ・ガルシアは黙って立っているだけで悪役感満載です。
計算され尽くしたシナリオには多くの伏線が散りばめられており、テンポよく進みすぎるせいで、見逃してしまいそうになりますが、無理難題をクリアしても納得させられる説得力があります。
(メンバーの出番に差がありすぎとか、なんで事前にセキュリティの中身に詳しいんだよとか、あんな小さな装置でラスベガス全体が停電する?など、ツッコミどころは結構ありますが)
ラスベガスを舞台にしたこの物語は「トラフィック」、「エリン・ブロコヴィッチ」などのスティーブン・ソダーバーグの以前の映画とは異なり、「誰も死なない、ヤバすぎない」、単純に映画を楽しむためだけに作られているように感じます。
オーシャンズ11は2000年代前半のアクション中心であった映画の中で、アクションではなく演出やストーリー、テンポで魅せるエンターテイメントではないでしょうか?
完璧な計画遂行かと思いきや、時々ドジを踏むお茶目。しかし、決めるとことはビシッと決める最高にカッコいい11人の犯罪者たち。
もし、彼らのことが気に入ったら、続編の12,13もご覧になってみてくださいね。
犯行に及んでからもテンポよく進んでいく、作戦通りにスムーズにいく爽快感、少しのトラブルでのドキドキ感、とても楽しめる作品でした。ラストシーンには驚かされましたね。