日本カフェプランナー協会会長でもある富田佐奈栄氏が学園長を務める「佐奈栄学園カフェズ・キッチン」では、「カフェプランナー認定試験」を提供、運営しています。
民間資格であるカフェプランナーでは、佐奈栄学園の受講生、卒業生はもちろん、実務経験を持つ一般の方も取得されており、取得者の方たちは美味しいコーヒーの淹(い)れ方、カフェ経営方針の決定についてなどを学ばれました。
今回はカフェ業界の造詣(ぞうけい)を深める「カフェプランナー」について解説します。
Contents
適用する仕事
独立といった形でカフェのオーナー、レストランのオーナーを目指せます。
また、ホテル、旅館の敷地、施設内に併設されたカフェ、レストランの企画立案、営業方針決定などに役立つことでしょう。
既存のカフェチェーン店、フードコート、サービスエリア、パーキングエリアのスタッフ業務にも役立つかもしれません。
他にも食品商社への転職、農業コンサルティングにも応用できるでしょう。
例えばふっくらしていて爽やかなライムシフォンケーキ、氷水できちんと締めた冷製ボンゴレロッソ、コーヒーリキュールの利いたエスプレッソプリンといったこだわりのメニューを開発するためにも、食品商社とのコネクション、食材一つひとつの知識と仕入れルートについて学ぶ必要があるからです。
カフェ開業の際の立地条件、店舗物件を提案するのにも役立つことでしょう。
開業資金に含まれがちな立地ばかりは、運転資金のこともあり軌道修正が非常に難しい項目です。
- 駅近物件を押さえたものの、人通りの多いメイン通りやターミナルから少し距離があり、「帰りにちょっと寄ってみようかな」とは思い至らなかった
- 国道沿いに店を構えたにもかかわらず、開業準備に多忙を極め、つい失念してしまい、駐車場を確保できなかった
- 閑静な住宅街に店を構える憧れを実現したが、若者や子連れのお母さんが主な客層となり、騒がしくなった結果近隣住民のクレームにつながってしまった
などといったことを未然に防ぎましょう。
地域ごとの集客や広報にも気を配る必要があります。
こういったプロモーション業務はカフェだけでなく多くの業界で役立つことでしょう。
- オフィス街は平日昼のランチタイムが狙い目で客層はフォーマルな雰囲気を望んでいる
- 駅近くは居酒屋も多いため、アルコールも提供できるカフェにするとギャップと話題を生みやすい
- 若者たちで溢れている繫華街は遊び場としての認識もあり、流行りのタピオカメニューを取り入れてみてもいい
- 最近ではゲームキャラクターコラボカフェ企画も盛んで、流行に柔軟な対応をする必要がある
などといった、時代によって移り変わるさまざまな情報をキャッチしましょう。
飲食店営業許可なら出せます。
おおよその年収とキャリアパス
個人経営のカフェの一般的な年収は、200万~500万円といわれています。
カフェプランナーの資格は取得までにも、飲食店などに就職して実務経験を積んでから取得した方が良さそうです。
ゆくゆくは独立に移行するのが多いかと思われますが、まだまだ新しい分野の資格ではあります。
認可団体
日本カフェプランナー協会が運営しています。
2000年、日本カフェプランナー協会が設立されました。
冒頭でお伝えした富田佐奈栄先生についてご紹介します。
漫画家・高橋留美子、脚本家・大石静ら多くの著名人を輩出した日本女子大学の、家政学部食物学科を富田佐奈栄氏は89年に卒業。
大手洋菓子店に入社し、翌年にはホール商品開発研究室責任者となり、富田佐奈栄氏の快進撃の口火はこのときすでに切られていたのです。
95年に退社のち、中目黒にあるイタリアンレストランのプロデュース業務に従事、並行してフードコーディネーター養成講師経験も積みます。
96年、三軒茶屋(05年に中目黒に移転)に佐奈栄学園カフェズキッチンを設立します。
00年に「日本カフェプランナー協会」を設立します。
受験条件
条件は各級それぞれ課せられています。
4級
下記のいずれかに該当する者に受験資格が与えられます。
- 佐奈栄学園カフェズキッチンの受講生、卒業生である。
- カフェ、レストランといった飲食店業の実務経験が一年以上あり、かつ、日本カフェプランナー協会が開催する「受験資格認定講習会」を受講した者である。
- カフェ、レストランといった飲食店業の実務経験が一年未満であり、かつ、佐奈栄学園カフェズキッチンが開催する「4級試験対策コース」を全て受講した者である。
3級以降の受験条件についてですが、全ての異なる条件を満たした者のみ受験可であると推測され、非常に厳正であるとみられます。
3級
カフェプランナー4級取得済の者のうち、3級試験対策コースを受講済であり、かつ、バリスタ入門コース受講済の者。
2級
日本カフェプランナー協会正会員であり、カフェプランナー3級取得のち一年以上経過した者のうち、2級試験対策コースを受講済であり、かつ、勉強・研修会を修了した者。
1級
日本カフェプランナー協会正会員であり、カフェプランナー2級取得のち一年以上経過した者のうち、1級試験対策コースを受講済であり、かつ勉強・研修会を修了した者。
合格率
3級:100名
2級:1名
カフェプランナー3級:125名
カフェプランナー2級:10名
これらから合格率は
4級:74%
3級:80%
2級:10%
と計算されます。
1級については明記されてません。
再受験者については公式で言及されてません。
1年当たりの試験実施回数
2021年度日程、過去の日程から前期は毎年4月に、後期は9月から10月の間に行なわれると推測されます。
しかし、残念ながら後期の試験は本年度中止となっています。
申し訳ございません。
その中で1級だけは未定のようです。
過去の実施記録を見ても、通常は同じような時期であることが分かります。
- 1999年度
6月と12月に4級を実施 - 2000年度
6月と10月に4級と3級を実施 - 2001年度
6月と10月に4級と3級を実施 - 2002年度
6月と10月に4級と3級を実施
なお、第一次試験をパスすると第二次試験を受けられる権利を獲得します。
また、第二次試験の実技科目の試験時間は不定であると推測されます。
試験科目
第一次試験 筆記試験
第二次試験 実技試験
採点方式と合格基準
公表されていません。
取得に必要な勉強などの費用
佐奈栄学園カフェズキッチンにて設けられているコースを受講することが実質的な条件でしょう。
カフェビジネスコース | 415,800円(税込) |
短期カフェビジネスコース | 283,000円(税込) |
カフェドリンクマスターコース | 215,000円(税込) |
カフェビジネス通信コース | 205,000円(税込) |
複数のコースをセットにしたお得なコースもあります。
カフェオーナーコース | カフェビジネスコース(32単位)+独立開業コース+カフェマナーコース(12単位) 1,083,300円(税込) |
短期カフェオーナーコース | 短期カフェビジネスコース+独立開業コース+カフェマナーコース 950,500円(税込) |
独立開業コース | カフェビジネスコース+独立開業コース 823,300円(税込) |
短期独立開業コース | 短期カフェビジネスコース+独立開業コース 690,500円(税込) |
カフェマナーコース | カフェビジネスコース+カフェマナーコース 691,800円(税込) |
短期カフェマナーコース | 短期カフェビジネスコース+カフェマナーコース 559,000円(税込) |
受験料
4級は6,000円(税込)
3級は8,000円(税込)
2級は10,000円(税込)
1級は10,000円(税込)
受験申込方法
問い合わせのち資料請求しましょう。
「カフェプランナー」と検索していただき「資格概要」の欄をチェックします。
電話番号は03-5722-0141 です。
請求して2週間で申込書が送付される予定です。
まとめ
以上から、カフェプランナーとは本気でカフェ経営をしたい方向けの資格となっております。
かつては店舗経営とメニュー開発は別で学ぶのが主流だったそうで、ゆえにそれらを同時に学べる「カフェプランナー認定試験」が設立されたと推測できます。
試験を受ける条件の一つである佐奈栄学園の、受講生、卒業生がこれまで開いた店舗の数は全国で340店舗以上、
また、卒業生の平均年齢も高めであり、これらから未経験者がカフェプランナーを取得するには佐奈栄学園卒業が実質的条件とされます。
これまでの人生経験で、よりこだわり、個人店で他店との差をつけたいとき、それぞれ思い入れのあるカフェ経営を目指すためにカフェプランナーを取得してみてはいかがでしょうか。