部屋をカッコいいインテリアでそろえたい。
憧れのインテリアスタイルで統一したい。
そんな風に思ったとしても家具選びに迷い、慣れない作業で結局実現できなかった人もいるのではないでしょうか。
そこで登場するのが、インテリアコーディネーターです。
インテリアコーディネーターという職業は家具や照明、壁紙や床材に至るまで、要望に沿った部屋を作り上げるプロフェッショナルとして活躍しています。
今回はそのお仕事についてご紹介していきましょう。
Contents
適用する仕事
インテリアコーディネーターは、お客さまからの希望に応じて、住宅や店舗・オフィス・公共施設などのインテリアを手配したりアドバイスしたりする仕事です。
照明器具の種類や機能性、壁紙の材質、キッチンなど水回り設備に関することなど、あらゆるインテリアについて深い知識が必要となります。
インテリアコーディネーターは現場経験が重要な仕事なので、経験を積めば積むほど自分の中の引き出しが増え、仕事にも生かされます。
インテリアコーディネーターの仕事は年を重ねることが一概にデメリットにはなりませんし、経験を積むことでお客さまから信頼されやすくなる可能性もあります。
一度知識や経験を身につければ、一生続けることができる仕事のため、この業界で長く働きたい人にとっては非常に魅力的な職業といえます。
「お客さまの希望を聞いて、それに合ったコーディネートする」ことがインテリアコーディネーターの重要な役割です。
おおよその年収とキャリアパス
インテリアコーディネーターのおおよその年収と働き方はこうなっています。
インテリアコーディネーターの手取りの平均月収・年収・ボーナスは?
各社の統計データをもとに算出すると、インテリアコーディネーターの平均年収は350万円前後です。
ボーナスが年間でおよそ3ヶ月と考えた場合、月額総支給額は23万円、ボーナスは年間70万円ほど支給されていると考えられます。
東京都で勤務するインテリアコーディネーターで、独身の人の場合、交通費などを除外して考えると月の手取り額は20~21万円ほどになると見込まれます。
現在、日本人全体の平均年収が約420万円と言われていることから考えると、一般的な職業よりも給与水準は若干低めといえるでしょう。
都心部でのインテリアコーディネーターの初任給は20万円前後、手取りは18万円前後が大半と考えられます。
インテリアコーディネーターの資格を持っている場合は、さらに資格手当がつくことが多いようです。
転職は当たり前?インテリアコーディネーターのキャリア
一口にインテリアコーディネーターといっても、多種多様な働き方があります。
職場としては、新築住宅のインテリアをコーディネートする住宅メーカー、近年需要が伸びているリフォーム会社、店舗のインテリアなどを手がける設計・デザイン事務所、住宅設備や家具などインテリアエレメントを扱っている企業などがあります。
これまではインテリアコーディネーターとして働くには、ハウスメーカーや工務店といった建築関連企業に正社員として就職するのが一般的でした。
しかし、近年は働き方が多様化しています。
インテリアコーディネーターは女性が多いこともあり、正社員ではなくパート社員として働いている人は少なくありません。
打ち合わせが多い土日を中心に出勤し、打ち合わせが少ない平日2~3日は休むといった勤務形態でも業務は進められます。
ある程度実務経験を積んできたら、フリーランスとして独立するというケースもあります。
今まで所属していたハウスメーカーや工務店と提携し、業務委託形式で仕事をこなすこともあれば、自分で営業を行って新規の仕事を行うこともあります。
認可団体
「インテリアコーディネーター」を主催している団体は「公益社団法人 インテリア産業協会」というところです。
住空間におけるインテリアの普及促進を目的に通商産業省(現経済産業省)の許可を得て、インテリア産業界で唯一の横断的組織として昭和58年(1983年)に設立された団体です。
やがて平成24年(2012年)4月に公益社団法人に移行しました。
受験条件
一次試験 | 年齢・性別・学歴・職業・経験は問いません。(ただし、出題・解答は日本語のみ) |
二次試験 | 過去3年以内に一次試験に合格していること。その他は問いません。 |
合格率
2020年度(第38回)申込者・受験者・合格者の概要
一次試験 | 受験申込者数 9,041名 |
受験者数 7,908名 | |
合格者数 2,693名 | |
合格率 34.1% |
二次試験 | 対象者数 4,161名(内:一次免除者1,576) |
受験者数 3,526名(内:一次免除者1,191) | |
合格者数 2,045名 | |
合格率 58.0% |
1年当たりの試験実施回数
例年10月上旬に実施される一次試験と12月上旬に実施される二次試験があり、二次試験に合格することで最終的な合格となります。
一次試験は「学科試験」です。
インテリア商品に関する知識や建築学、環境工学などの知識が問われる160分の試験です。
二次試験は180分の「論文・プレゼンテーション試験」です。
試験科目
一次と二次それぞれ試験科目が違います。
- インテリアコーディネーターの誕生とその背景
- インテリアコーディネーターの仕事
- インテリアの歴史
- インテリアコーディネーションの計画
- インテリアエレメント・関連エレメント
- インテリアの構造・構法と仕上げ
- 環境と設備
- インテリアコーディネーションの表現
- インテリア関連の法規、規格、制度
採点方式と合格基準
一次と二次それぞれ合格基準があります。
一次試験の審査基準
一次試験の場合、5択問題からなるマークシート方式の試験です。
1問の配点は10点。回答を2つ選ぶ問題は1つにつき5点となります。
合格点のラインは毎年の受験状況によって異なるようです。
インテリア産業協会から正式な発表はありませんが、過去の受験者の感覚では低くて60%程度、高くて75%程度と幅があるようです。
また、2科目それぞれ各科目毎に独立的に合否が判断されます。
二次試験の審査基準
二次試験は論文とプレゼンテーション(製図)です。
2科目とも採点者が内容を判断して評価をされるので、合格ラインについての明確な発表はありません。
ただ、いずれも人間が判断するので以下の特徴があると言われています。
論文では、住まいのインテリアに関する与えられた課題について理解・判断し、的確な解答を文章で明瞭に表現できる能力が問われます。
自分がインテリアコーディネーターとして、お客様に説明するイメージで回答する必要があると思われます。
プレゼンテーション(製図)では、図面作成や着彩表現により必要な情報を伝達できる能力を問われます。
インテリアの基礎知識をもとに、住まいのインテリア空間に関する課題について、与えられた条件を理解した上でインテリアの計画が求められます。
取得に必要な勉強などの費用
資格を取得するには、主に3つの方法が選択できます。通学制、通信講座、独学です。
費用は受講期間にもよりますが、30~50万円ほどのところが多いようです。
特にインテリアコーディネーターの場合、試験の難易度が高いため効率の良い通信講座のカリキュラムがおすすめです。
質問サポートがありますので、わからない点があってもすぐに解決することができます。
費用は5万円位からたくさんあります。
費用は教材費と製図ツールのみです。
1~3万円ほどの予算があれば十分でしょう。
受験料
受験料は3つのパターンによって異なります。
1.基本タイプ
一次試験→二次試験のスタンダードな受験の仕方で、その場合の受験料は14,850円(税込)となります。
これは同じ年度内に一次試験と二次試験の両方の受験を希望する方向けです。
ただし、一次試験が不合格となった場合は二次試験を受験できませんし、一次試験が不合格だったでも受験料の一部返金もできません。
2.一次試験<先取り>タイプ
一次試験のみ受験するパターンで受験料は11,550円(税込)です。
ただし、一次試験に合格した場合でも、同一年度内の二次試験の受験申込ができませんのでお気を付けください。
3.二次試験<一次免除>タイプ
これは過去3年以内に一次試験に合格している方対象です。
次年度から3年間は受験申込時に一次試験の免除ができます。
申請すると二次試験のみ受けられます。
ただし、3年間の免除期間が過ぎれば、また一次試験の受験からやり直さなくてはなりません。
この一次試験免除された二次試験の受験料は11,550円(税込)です。
受験申込方法
2021年度より、受験者自身がパーソナルページから受験票および写真票をダウンロードする方式に変更となりました。
受験者はダウンロードしたpdfファイルをA4用紙に印刷し、受験票および写真票(顔写真を貼付した状態)の両方を試験会場に持参してください。
2021年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の理由から、受験地ごとに定員を設けることがあります。
その場合、受験申込期間中であっても定員に達した受験地については受験申込を締め切らせていただきます。
まとめ
インテリアコーディネーターは業務が多岐にわたるため、イメージよりも細かい作業が多く大変な面はありますが、やりがいも大きい仕事です。
インテリア計画や提案、顧客とショールームなどで色やデザインの確認を行う作業を含めた打ち合わせといったものだけでなく、発注したインテリア商品を間違いなく納品し現場のコーディネートを完成させてはじめて完了します。
コーディネートした空間が実際に出来上がると、空間には彩りが生まれます。
たとえ担当したコーディネートが一部であっても「このアイテムを選んだことで見違えるようになった」といったことは少なくありません。
インテリアが好きな人にとってはインテリアコーディネーターは憧れの職業だと思います。
現職の方の声としては「自分が手掛けたものが形になって残る」「お客様から感謝されることが多い」ことなどがやりがいに繋がっているようです。
インテリアの魅力を最大限に生かした空間を作り出す仕事をしたい人は、ぜひインテリアコーディネーターを目指してみて下さいね。
など