皆さん「グリーンアドバイザー資格」という資格は聞いたことはありますか。
これは植物の育て方についての正しい知識や園芸・ガーデニングの魅力や楽しさを伝える目的で作られました。
今や家庭菜園をやられていたり、お花を大々的に育てているお宅をけっこう見かけますから、植物を育てる上での知識や知恵が付くでしょう。
どんな資格試験なのか、ご紹介していきます。
Contents
適用する仕事
この資格は「植物を育てるエキスパート」ともいえますね。
資格名の通り植物や園芸に携わる職業が適しています。
おおよその年収とキャリアパス
上記の「適する仕事」にはたくさんの職業が並びました。
その中からいくつかご紹介します。
造園業
造園業の平均年収は286万~373万円くらいとなります。
となると、月平均は23万円といったところでしょうか。
造園業は植木を剪定したり、庭を造る作業をします。
個人の家はもちろん、料亭やホテル・旅館などの庭もありますね。
かなりの体力を使いますので、力仕事とも言えます。
造園業になるには、まず大学や専門学校で園芸や土木関係のことを学んで造園会社に就職して経験を積むのが一般的です。
このとき資格は特に必要ありませんが、「造園施工管理技士」や「造園技能士」などは国家資格なのでこのような資格を取っておくのも良いでしょう。
ちなみに、そうした造園業は修業期間が長いです。
1人前の庭師になるためには、最低でも3年間は見習いとして技術の習得に励まなくてはなりません。
独立できるようになるまでには10年はかかるでしょう。
そして、造園業を営むには「建設業許可」というものが必要になります。
農業学科の教諭
「グリーンアドバイザー資格」を持っていると、農業を教える先生方にとってはプラスになります。
ここでは公立高校の農業学科を例に見てみましょう。
農業学科の教諭と普通学科の教諭、どちらも給与の差はありません。
2019年の高校教師平均年収 | |||
― | 年収 | 月収 | ボーナス |
男性 | 743万円 | 46万円 | 192万円 |
女性 | 634万円 | 40万円 | 152万円 |
平均 | 709万円 | 44万円 | 180万円 |
これとは別に農業や工業など専門的な実習教科を担当する教師には、別途手当が支給されるそうです。
農業高校の教諭になるには、まず教員免許を取得するために大学に行く必要があります。
教育大学や各大学の教育学部、農学部などの農業の高等学校教諭一種免許状が取得できる大学を受験しましょう。
そして、免許取得に必要な単位が取れるよう勉学に励みましょう。
フラワーデザイン
フラワーデザインに携わる方は「フラワーデザイナー」と呼ばれています。
フラワーデザイナーとは、結婚式や美術館、舞台などで花を使って、用途に合わせてアレンジする職業です。
似たような職業名で「フラワーコーディネーター」もありますが、きちんとした定義はありません。
フラワーデザイナーの年収
フラワーデザイナーとして活躍している方の口コミによりますと、平均月給は16万円~22万円、平均年収はおよそ240万円~280万円ほどだそうです。
就職先によっても違いがあります。
- 花屋だと240万~250万円
- 結婚式場やホテルだと260万円(役職手当や昇給もアリ)
キャリアパスは?
フラワーデザイナーの活躍の場は花屋やブライダル関係です。
小売店であれば徐々に小さなブーケやアレンジメントから作らせてもらい、だんだんスキルを磨いていくと大きな花のアレンジを任されるようになります。
そして、うまく行けば店長にまで昇格する可能性もありますね
ブライダル関係の職場では、お客様との打ち合わせに同行したり、結婚式で飾る花やブーケを任されるようになります。
しかし、将来独立したい場合は経営や営業の能力も必要なので、コツコツ勉強していかなければなりません。
認可団体
「グリーンアドバイザー資格」を主催している団体は「公益社団法人 日本家庭園芸普及協会」というところです。
こちらは、家庭園芸の普及および啓発のための事業を行い、それにより家庭園芸の健全な育成を図り、国民の快適な生活環境の形成にお役に立てるようにと設立されました。
1987年設立。
受験条件
グリーンアドバイザー資格取得を目指す方であれば、どなたでも受験・受講できます。
年齢・性別・学歴・職業・経験・国籍ももちろん制限ありません。
ただし、講習や試験の出題は日本語のみで行います。
中学生以下の方は、お申し込み時に親権者の同意が必要です。
合格率
2020年の調査によると、合格率は80%ほどです。
わりと高めですね。
1年当たりの試験実施回数
年1回の試験になります。
ちなみに、2021年の試験は9月27日(月)でした。
試験科目
試験を受けるには、協会が実施する「グリーンアドバイザー認定講習」を受けてからです。
講習と試験はセットです。
2日間講習があり、2日目の最後に筆記試験が実施されます。
- 植物に関する生理学的基礎知識
- 現代生活と花や緑
- 種子や球根、苗の基礎知識
- 植物分類や特性
- 繁殖や交配の方法
- 用土や肥料の基礎知識
- 病害虫と薬品の基礎知識
- 園芸用品や園芸用具の基礎知識
- 花壇やコンテナ、鉢物栽培の基礎知識
- 園芸デザインとその飾り方
- 売り場での管理
など
採点方式と合格基準
試験は60分間の筆記試験で、〇×式が40問、三択式が40問の合計80問が出題されます。
グリーンアドバイザー認定審査会の方たちが、試験の合否判定を行います。
取得に必要な勉強などの費用
「グリーンアドバイザー資格」は事前に講習を受けてからの試験となりますが、それでも予備知識はあった方が良いです。
- 園芸向けのテレビを見る
- 実際に花苗を購入して自分で育ててみる(商品によっては費用は違う)
- 『趣味の園芸』などの園芸本を読んでおく
- 出版社名:NHK出版
- 商品名:NHK 趣味の園芸 2021年10月号
- 価格:¥640(税込)
丁寧な解説と美しいビジュアルで、植物をあまり育てたことがない方でも魅力を伝えられるような誌面となっています。
ビギナー向けの話題も毎月紹介しています。
受験料
- 一般 40,700円(税込)
- 学生 20,350円(税込)
- 再受講・再受験 29,700(税込)
学生料金について
- 中学生以下の生徒・児童
- 学生(高校、大学、大学院、専修学校の在学者)
「中学生以下の生徒・児童」お申込みでは、親権者の同意が必要です。
それ以外の学生の方は、学生証のコピーまたは在学証明書の提出が必要になります。
提出の場合、特にオンラインで申込した後は1週間以内に郵送で学生証のコピーなどを以下の宛先に送るようお願いいたします。
東京都中央区日本橋小伝馬町17-12 堀ビル3-6F
公益社団法人 日本家庭園芸普及協会
届いた時点で、確認した後受験・受講料の振込先案内のメールが送られる仕組みとなっています。
つまり、そうした証明が協会側に届くまで入金手続きができないので早めに準備しましょう。
再受講・再受験料金について
これは過去5年間にグリーンアドバイザー認定講習・試験を受講・受験したことがある方が対象です。
申し込む際は、申込書に過去5年間に受講・受験された年度を問う欄がありますから、該当の箇所を選択します。
こちらも協会側がデータと照合し「過去5年間に受講・受験した」と事実が確認できたときに、受験・受講料の振込先案内をお知らせします。
受験申込方法
受験申込はオンラインによるものと郵送によるものがございます。
オンラインの場合
「グリーンアドバイザー試験」の公式サイトに行ってもらって「講習・試験の案内」を見つけてクリックします。
そして、案内のページの一番最後にお問い合わせフォームがあるので、そこから申し込んでください。
特に一般料金の方は、申込手続き完了後1週間以内に振り込み手続きを行いましょう。
郵送の場合
郵送で申し込みをしたい方も公式サイトに行ってもらって「講習・試験の案内」を見つけてクリックします。
そして、申込方法の欄のところに「申込書付きの案内書」のファイルがあります。
それをダウンロードして印刷し、申込書に記入した後協会宛てに郵送してください。
東京都中央区日本橋小伝馬町17-12 堀ビル3-6F
公益社団法人 日本家庭園芸普及協会
なお、2021年は新型コロナウィルスの影響のため、通常より日数がかかる可能性があります。
企業・団体申込の場合
企業や団体などで5名以上まとめて申し込みする場合は、エクセルを使った提出が便利です。
エクセルの入力フォームを送って下さるそうなので、メールに記入の上申し込みしましょう。
MAIL:ga-work@kateiengei.or.jp
公益社団法人 日本家庭園芸普及協会
グリーンアドバイザー担当
まとめ
「グリーンアドバイザー資格」という資格は、今や地球温暖化やプラスチックごみなどの環境問題が叫ばれる中、環境や緑を大切にしていこうという理念も伝わってきそうな資格です。
以前はれっきとした受験資格が用意されていましたが、今は門戸を広げてどなたでも受講・受験できるようになりました。
園芸が好きなら苦にならずに勉強できると思います。
この資格は園芸店や造園業、フラワーデザイナーなど植物に接する職業の方に大変適していますが、それ以外の方でもガーデニングをする上で役に立つ資格になります。
ぜひ園芸の知識を深めてみてくださいね!
など