「グリーンセイバー資格検定」というのは、自然環境や生態系に関する知識を体系的に身に付け、それらの保全や自然と調和した社会づくりに貢献できる人材を育成することを目的に作られた資格検定制度です。
自然をもっと深く楽しみたいと思う方、地元の自然を守りたいと思っている方にとっては適する資格検定だと思います。
Contents
適用する仕事
この「グリーンセイバー資格検定」を持っていると、何か適する・有利になる仕事に直結するかというとそうではなく、グリーンセイバーとして仕事に就くというよりかは、何か仕事を持ちながら環境保全団体などに所属し、休日に森林イベントや里山保全活動などに参加するのが多いです。
趣味や社会活動としての一環ですね。
なので「グリーンセイバー」という職業はありません。
検定に合格するとグリーンセイバー登録ができます。
しかし、「グリーンセイバー資格検定」を勉強して試験に合格したのがきっかけで、植物に関わる仕事で採用されることもあります。
環境管理士
環境管理士は複雑多様化する環境問題について、実務的な知識や技能を有し、環境改善と環境保全指導を行う仕事です。
環境分析・調査企業や環境コンサルタント企業のみならず、さまざまな企業の社員として、環境管理に関する部署に所属し働きます。
その業務は多種多様で、環境改善全般に関わるスペシャリストともいえるでしょう。
インタープリター
インタープリターとは自然学校や自然観察会などで自然の素晴らしさを伝える仕事です。
自然が発するメッセージを人の言葉に翻訳して、参加者が理解できるように伝えていきます。
近年、自然を保護するエコツーリズムの担い手として注目されています。
絶滅危惧種の情報など一般的には知られていない自然環境の知識を広く知らせる大事な職業でもあります。
おおよその年収とキャリアパス
上記で挙げた2種の職業で説明していきます。
環境管理士の場合
環境管理士の年収はおよそ589万円といわれています。
この環境管理士になるには、同名の資格に合格しなければなりません。
「日本環境管理協会」が実施していて、資格には6~1級があります。
職業名を掲げるなら1級を取得せねばなりません。
インタープリターの場合
インタープリターのおおよその年収は330万円です。
インタープリターの働く場所は自然公園や自然学校、野外活動センターあるいは身近な動物園や水族館、博物館なども挙げられます。
インタープリターは職業や資格の名称というよりは「役割」の意味合いの方が強いです。
週末ボランティアとしての活動も含まれます。
とはいえ、プロのインタープリターを目指すなら、インタープリテーションを専門にしている団体に就職するのが良いでしょう。
インタープリターになったら、多くは上記で挙げた働き口で能力を発揮するのが一般的ですが、インタープリターは身一つでスタートできるため起業する例もあります。
カリスマ性があり、人を惹き付ける話術や知識があれば小規模運営で起業できます。
ただし自分で仕事を取れる営業スキルも必要です。
また、この起業を副業としている方もいるようです。
認可団体
「グリーンセイバー資格検定」というのは「樹木・環境ネットワーク協会」が主催しています。
森づくりを通して環境を考える任意団体として1995年に設立され、1998年よりNPO法人として活動をスタートしたそうです。
「森を守る・人を育てる・森と人をつなぐ」をテーマに、活動の幅を広げています。
- フィールド活動(全国の森や里山、緑地の整備、保全とフィールドを活用した普及啓発活動)
- グリーンセイバー資格検定(植物や生態系の知識を持つ人材の育成を目的とした検定制度の運営)
- 環境コミュニケーション事業(さまざまな主体と協働で、CSR、環境活動、普及啓発活動などを実施する)
そして、2020年には「第55回社会貢献者表彰」を受賞しています。
受験条件
この資格検定にはネイチャー、カルチャー、マスターの3つのレベルがあります。
ネイチャーとカルチャーはどなたでも受験できます。
マスターはネイチャーとカルチャー両方に合格した方が条件です。
ネイチャーとカルチャー、同時受験も可能です。
合格率
マスターの合格率は40~50%です。
ネイチャーとカルチャーの合格率は不明です。
※これまではベイシック、アドバンス、マスターの3ステップでの知識の習得を行なっていましたが、見直すべき部分が出てきたため2020年より上記の新制度となりました。
1年当たりの試験実施回数
試験は年1回のようです。
2020年度はネイチャー、カルチャーを8月に、マスターを翌年2月に実施しました。
試験科目
ネイチャー、カルチャー、マスターそれぞれご紹介します。
ネイチャー
自然科学の視点
- 植物の基礎知識(各部の働き、生活史、分布)
- 生態系の仕組み
- 分類・進化など
カルチャー
文化や植物育成の視点
- 植物の栽培方法
- 人と植物との関係に関する文化や歴史
- 自然保護に関する法律や制度など
マスター
- 自然の捉え方
- 自然との共生
- 自然の学び方
- 持続可能な循環社会をめざして
※その他、ネイチャーやカルチャーの範囲からも出題されます。
採点方式と合格基準
- ネイチャーとカルチャーでは、上記で挙げたテキストの内容から選択式の問題を出題します。(2時間)
- マスターでは、小論文を含む記述式問題を行い、知識や知見を問います。
取得に必要な勉強などの費用
ネイチャー、カルチャー、マスターにはそれぞれテキストがあります。
ネイチャー
- 出版社名:NPO法人 樹木・環境ネットワーク協会
- 商品名:グリーンセイバー ネイチャー~植物の基礎と生態系を学ぶ~
- 価格:¥2,640(税込)
- 植物のつくり、育ち方など
- 生態系や森の構造など
- 生物多様性や外来種など
- 地球の誕生や生物の分類など
カルチャー
- 出版社名:NPO法人 樹木・環境ネットワーク協会
- 商品名:グリーンセイバー カルチャー~人と植物のかかわりを学ぶ~
- 価格:¥2,640(税込)
- 植物の肥料や病害虫など
- 衣類や農耕など植物の恵み
- 里山保全や持続可能な社会など
- 環境基本法や種の保存法など
マスター
- 出版社名:NPO法人 樹木・環境ネットワーク協会
- 商品名:グリーンセイバー マスター~みどりと語り合う人になろう~
- 価格:¥2,860(税込)
- 環境倫理や自然保護の法則など
- 生態系の修復や絶滅危惧種の保全など
- 植生調査や植生図の見方など
- 環境問題や循環型社会など
これらのテキストは特にネイチャーとカルチャーは、制度としてはまもないので協会の公式サイトから購入した方が確実です。
その場合送料が掛かります。
- テキスト1冊:300円
- テキスト2~3冊:550円
また、ネイチャーとカルチャーには過去問も用意されています。
教材費は各500円、送料は100円(過去問のみ)です。
セミナーもある
そして、独学だと不安という方のためには、学習ポイントをわかりやすく解説するセミナーを開催しています。
しかし、現在(2021年)はアーカイブ配信のみの受付になります。
受講料 | 一般:15,000円 |
学生・会員13,000円 |
受験料
- ネイチャー:5,000円
- カルチャー:5,000円
- マスター:8,000円
受験申込方法
ネットで「グリーンセイバー資格検定」を検索していただいて、「スケジュールと受験会場について」の箇所まで行き、「各日程詳細・お申し込みはこちら」をクリックします。
クリックしたら、「グリーンセイバー検定 各種申込」の欄に申込フォームがありますので、そこに記入してください。
まとめ
以上「グリーンセイバー資格検定」についての情報でした。
今のグリーンセイバー資格検定は2020年度から新制度になったばかりです。
まだ旧制度の情報が残っていて紛らわしいですから、当記事なり公式サイトなりをご確認の上受験してみて下さい。
「グリーンセイバー」は緑を救う人というのが直訳でしょうか。
昨今では地球環境への課題が山積していますから、この資格検定はこれからも重要な内容だと思います。
グリーンセイバーで、地球の自然を見つめてみませんか。
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