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冒険の始まり(1巻)
この物語の主人公、ルフィは海賊王を目指し、故郷であるフーシャ村から船に乗って大海原へと旅立ちます。
ルフィは幼少期に赤髪海賊団というシャンクスが率いる海賊団に助けられ、自分もシャンクスのような海賊になりたいとの志を抱いたために海へと駆り立てられるのでした。
ルフィの「ひとつなぎの大秘宝」を探す旅が、今、始まります。
ルフィは意気揚々とフーシャ村から船で大海原へと繰り出したのはいいものの、出向直後にその無鉄砲さと行き当たりばったりな計画性が災いし、彼が乗っていた船は海の大渦に飲み込まれ遭難をしてしまいます。その後、ルフィはアルビダという女海賊が支配する海賊船へと流れ着き、そこで海軍に入隊を志望するコビーという少年と出会います。
コビーは海賊船での雑用係をさせられていますが、これは彼が釣りをしに行ったときに間違ってアルビダの船に乗ってしまい、そこから2年もの間雑用係をさせられていたのでした。ルフィに一歩を踏み出す勇気を貰ったコビーは、アルビダに反旗を翻し、ルフィ共々金棒で撲殺されそうになりますが、ゴムゴムの実を食べてゴム人間となったルフィには金棒による殴打は効果がなく、逆にアルビダは返り討ちにされます。
こうしてアルビダ海賊団を壊滅させ、船を一隻手に入れたルフィとコビーは、ルフィはロロノア・ゾロを仲間にしようと、コビーは海軍に入隊しようという目的で、海軍基地のあるシェルズタウンへと向かいます。
主人公「モンキー・D・ルフィ」
ゴムゴムの実を食べてゴム人間となり、海賊王を目指し、「ひとつなぎの大秘宝」を求める少年の登場シーンは、このONE PIECEという作品の壮大な幕開けを物語っています。
シャンクスから貰った麦わら帽子
ルフィが海賊王を目指すきっかけとなったのは、シャンクスより幼少期に渡されたこの麦わら帽子です。「いつか大きくなったらまた返しに来い」というシャンクスのセリフを胸に、ルフィは海を駆けます。
ルフィの「海賊王」の定義は、「自由な男」と後にストーリー上で明かしますが、そのスタンスにマッチした重要なアイテムでもあります。事実、シャンクスのみならず海賊王のゴール・D・ロジャーや世界に秘められた謎との関連性をほのめかす描写も存在するため、単なるキャラクターのデザインのためだけのアイテムではないようです。
コビー初登場、アルビダへの抵抗
海軍に所属することを夢見る少年。ルフィと出会った当時は臆病な性格として描かれていますが、ルフィと出会ったのを機に今まで恐怖していたアルビダに対して「世界で一番いかついクソばばあ」と言い放ちます。
その後は海軍の基地シェルズタウンにて、ルフィがモーガン大佐と戦ったのを機に海軍に所属。以降は物語の要所要所で活躍する事に。再開はウォーターセブン、エニエスロビー編の終盤。そして、マリンフォード頂上戦争編、2年後の世界会議編で改めて再登場します。
シェルズタウン編(1巻)
アルビダ海賊団を壊滅させた後、ルフィとコビーは海軍基地のある町シェルズタウンに到着します。街に着くや否や、定食屋で食事をするルフィとコビー。この街で海軍に入隊するコビーと別れを惜しみながらも、これからルフィが仲間にしようとしているゾロの話をすると一斉に怯える周囲の人間。そして、コビーもモーガン大佐の話をしますが、なぜか一般人にとっては正義の味方であるはずの海軍大佐の名前にも怯えだす周囲の人間達。これには流石にコビーはおかしいと思いつつも、ルフィと共に海軍基地へと向かいます。
そこではゾロが囚われているのと同時に、モーガン大佐は海軍の人物ですが、いわゆる暴君であり、シェルズタウンに圧制を敷いていたのでした。そのモーガン大佐を倒し、ゾロも海軍より開放し仲間に加えたルフィは、コビーを海軍へと送り出し、次の街に進むのでした。
麦わらの一味の戦闘員”ロロノア・ゾロ”
剣士と言えば騎士のような出で立ちや侍のような姿が一般的ですが、このゾロは刀は二刀流に加えて刀をもう一本口に咥えるという異色の戦闘スタイルを持つ剣士として初登場しました。また、ファッションにも腹巻という独自のコンセプトが加わっているのが見受けられます。
「海軍にとっての」「正義」
シェルズタウン編はストーリーの主軸がゾロに焦点を当てられて描かれており、基本的には勧善懲悪の構図でストーリーが練られていますが、本来「悪」であるはずのルフィら海賊が街の住民を結果的に救うなど、横暴を働いていたモーガン、そのモーガンの大佐という地位を利用していたヘルメッポなど、「海軍にとっての正義」が必ずしも民衆を慮ったものではないというこの世界の価値観なども表現されています。近いものだとしたら、現実世界の官僚の腐敗などでしょうか。
オレンジの町編(1巻〜3巻)
ルフィとゾロはシェルズタウンを後にし、その後は当てもなく海を漂流していました。それもそのはず、二人はコビーのように航海術を全く身に着けていなかったからです。その後、漂流を続けた二人はオレンジの町にたどり着きます。そこで出会ったのが海賊のみを相手に泥棒を行い、財宝を奪うナミという女性でした。
彼女は天候の予測などをはじめとする航海術を知り尽くしており、航海士として仲間に引き入れたいと誘うルフィでしたが、ルフィも海賊という事を知るとアンタとは仲間になりたくないと突き放します。
その後、ナミはなんとしてでもグランドラインの海図をバギーから掠め取るべくあの手この手を尽くし、ルフィを裏切ったり、バギー側に回ったりと狡猾な面を見せますが、ルフィに向けて大砲を打てとバギーに命令された際には躊躇しているなど、「海賊相手から泥棒をしても、他人の命を奪ったら同類になってしまう為、命までは奪わない」というような彼女なりの信念に基づいて行動をしている描写も見受けられます。
戦いの末にルフィはバギーを倒し、オレンジの町を救い、ナミと共に次の島へと向かいます。
ナミ初登場
この時点ではまだ正式に麦わらの一味のメンバーに加入してはいませんが、ルフィと「一時的に手を組む」という形で登場をしています。
仲間になるのはまだ先の方ですが、この時点で明確な「ヒロイン」の一人として描かれています。
バギー一味初登場、この作品における海賊の定義
道化のバギー。ルフィが初めて出会った自分以外の悪魔の実の能力者であり、恩人であるシャンクスとは海賊王ゴール・D・ロジャーの海賊団で見習い同士という立場であったことも発覚します。
初登場時は敵であり、この話以降も敵として出会う事が多いですが、なにかとルフィには縁のある人物となります。
シェルズタウンでゾロと出会った際のテーマがこの世界における海軍の定義の紹介であるならば、この話はこの世界における海賊の定義の紹介とも言える話の構成になっています。
また、子どもであろうと大人であろうと人間以外の生物であろうと、何かを成し遂げようとする意志を尊重するというルフィという人物、ならびにその価値観もこのストーリーで明らかになっています。
シロップ村編(3巻〜5巻)
ナミを仲間に加え、オレンジの町を出た一行は、無人島へとたどり着きます。遠くに島が見えると言い、ルフィとゾロはナミの制止を振り切って島へと上陸してしまいます。
その無人島ではガイモンという宝箱に体を突っ込み、抜けなくなった男が島の珍獣たちを守っていたのでした。ガイモンの求めるこの島にあった宝箱は、すべて空になってしまっており、20年間は無駄だったと嘆きます。そんな彼にルフィは一緒に「ひとつなぎの大秘宝」を探そうと誘いますが、ガイモンはこの島の珍獣を守っていきたいと言い、その申し出を断ります。
こうしてルフィ達は島を後にしたのでした。
ガイモンのいた無人島を後にし、シロップ村に到着したルフィ一行。航海士として一時的にナミが仲間に加わったことで、安定して航海をすることができるようになります。が、ナミは「このままグランドラインに入るには、船の装備も船医やコックといった仲間も足りずに無謀でしかない」と悟るのでした。まずは航海の基盤となる船を求めることにしたルフィらは、シロップ村でウソップという名前のうそつき少年と出会います。そのウソップに、村で一番の富豪の娘であるカヤに船を貰えないか相談をするべく屋敷を訪ねますが、執事であるクラハドールに追い返されてしまいます。
その後、ルフィとウソップは切り立った丘の上で談笑をしていると、カヤの家の執事クラハドールと、催眠術師のジャンゴが、カヤの暗殺計画を目論んでいるのを偶然聞いてしまいます。なんとその際、クラハドールが3年前に処刑された海賊、キャプテン・クロであることも判明します。キャプテン・クロは催眠術師ジャンゴを使う事で、世間的には自分は死亡したという事実をでっちあげ、シロップ村に潜伏し、3年という月日をかけてカヤの遺産と周囲の人間からの信用を勝ち取って平穏に暮らすという野望があったのです。
ウソップはその後、海賊が攻めてくると村に知らせますが、常日頃から嘘をついている彼の言葉を信用する者はおらず、ルフィらでキャプテン・クロ達を撃退することになり、ウソップも加わって無事にキャプテン・クロの海賊団は撃退されます。
村を救ったお礼にカヤより海賊船「ゴーイングメリー号」を譲り受け、更にウソップが仲間に加わります。
麦わらの一味の狙撃手・ウソップ
ウソップがこのストーリーを経て、麦わらの一味の仲間となり、更にはゴーイングメリー号という船もルフィらは手に入れます。ウソップとメリー号は後のウォーターセブン・エニエスロビー編にて重要なポジションになります。
ウソップの特筆すべき点は、何といってもこれまでの少年漫画の主人公サイドにはいなかったタイプのキャラクターだという点です。ウソップという人物は、ルックスは普通で、臆病で、虚勢を張るというここまで見ると主人公サイドには向かないタイプのキャラクターだと思われますが、他者に対する思いやりや自身の誇りがあり、そして相手に対して嘘はついても自分の感情に対しては嘘はつかない心の強さを持ったキャラクターです。
ゾロやルフィ、ナミが少年少女の憧れのような存在であるならば、ウソップは一般人でも誰でも努力をすれば強い芯を持った人物になれるというメッセージ性も込められているのでしょう。
ウソップの旅立ちまでのドラマ性
ウソップのモデルとなった人物は間違いなくイソップ童話の狼少年です。ウソップという名前もイソップ+嘘からきているものでしょう。
キャプテンクロが実際に村に攻めてくる際、いつも海賊が来ると嘘をついていたウソップの言葉は肝心な時に信じてもらえませんでしたが、実は村人はウソップが母を思ったがゆえに嘘をついているという理由を知って優しく見守っていたという事と、本当に嘘をついていたのはカヤの屋敷の執事・クラハドールを騙っていたキャプテンクロだったという対比も見事に表現されています。
また、ウソップ編のテーマは狼少年のような嘘をついていると周りから信用されなくなるというものではなく、「未来の夢へと向かって進んでいくことの勇気」です。そして、その一歩を踏み出した時に実感する子供の時代との別れだという点もウソップは、ウソップ海賊団の解散と共に知ったのでしょう。
バラティエ編(5巻〜8巻)
ウソップを仲間に加え、新たな海賊船「ゴーイングメリー号」を手に入れたルフィらは、東の海に浮かぶ海上レストランの「バラティエ」にたどり着き、そこで副料理長を務めるコックのサンジと出会います。
ルフィはサンジを仲間にしようとしますが、そこに東の海の中でも有力な海賊であるクリークが現れ、バラティエを乗っ取ろうとします。そこにクリークを追って世界最強の剣士であり、王下七武海の一人でもある「鷹の目のミホーク」が現れます。世界最強市の剣士が目の前に現れ、ここぞとばかりに勝負を挑むゾロでしたが、ミホークの実力は想像を絶するもので、ゾロは惨敗してしまいます。また、ミホークがバラティエまでクリークを追ってきたのも、単なる「ヒマつぶし」からとのことでした。ミホークはその後、クリークに対して興味を無くしたのか、ゾロたちの前から姿を消します。
また、その一方で、ナミも一人メリー号に乗り、とある賞金首の張り紙を握りしめ、海へと姿を消してしまいます。
その後、クリークは文字通り恩を仇で返すかのように、食糧難に瀕していた自分と船員の命を救ってくれたバラティエに対して乗っ取りをしようとするものの、ルフィとの死闘の末に敗北を喫します。そしてサンジを仲間に加え、ナミの行方を探す旅をするのでした。
麦わらの一味の料理人・サンジ
麦わらの一味のコックのサンジがこのストーリーで初登場します。コックでありながら戦闘員でもある彼は、戦いの際に調理で必要な手を傷つけぬよう足技のみを使って戦い、常にタバコを吸っているというアダルトな雰囲気を感じさせる登場となっています。
その反面、ルフィにオールブルーの夢を語る瞬間は無邪気な少年のような表情で話を語っていたりなど、大人な雰囲気に反して中身はまだまだ夢を持っている子供であるという魅力的なキャラクターであるという事が表現されています。
“王下七武海”初登場
バラティエ編からこの作品のストーリーは壮大な世界観をちらつかせ始めます。王下七武海の一人にして世界最強の剣士であるジュラキュール・ミホーク、通称「高野の目のミホーク」が初登場します。
ミホークは「王下七武海」と呼ばれる世界で7人しか存在しない海軍公認の海賊であるということが明かされており、王下七武海とは海軍から正式に略奪行為が認められた海賊の事を指します。
そうした存在が7人もいるという事実を明かす事によって、物語の壮大さを一気に表現したストーリーとなっています。
ゾロとミホークの対決
ゾロが三刀流で全力で応戦するのに対し、ミホークは背中に背負った大剣を使用せず、おもちゃのような短刀で応戦します。その後、ゾロはミホークに惨敗し、ゾロも自ら「背中の傷は剣士の恥だ」という信念から真正面からミホークの大剣による一撃を受け、堂々と負けを選ぶシーンは見どころの一つです。
ゾロのプライドや決意を垣間見ることができる瞬間としてゾロ好きにはたまらないシーンの一つです。
ギンの忠義
ミホークに壊滅させられた首領クリークの海賊団。その海賊団の幹部のギンは、バラティエに着くやいなやサンジをはじめとするコックに飯を作ってくれと懇願し、サンジらのもてなしを受けます。その後、ギンはクリークを連れてバラティエにやってくるのですが、ギン同様に食事をし満腹になったクリークはバラティエを乗っ取ろうとし、ギンもクリークの命令に従って行動をしサンジを追い詰めたのですが、サンジに飯を食わせてもらったという優しさに触れ、「この店を見逃してはもらえないだろうか」とクリークに懇願します。
騙し打ちの世界で生きてきたギンが初めて人の優しさに触れたと同時に、サンジの一食の恩義を忘れておらず、かつクリークへの忠義も見せた人気の高いシーンです。
サンジの旅立ち
バラティエ編のストーリーにおける最大の見どころは、ラストのサンジの旅立ちのシーンと言っても過言ではありません。
旅立ちをし、ルフィらの仲間になるとバラティエを去る決意をしても素直に別れの挨拶ができないサンジと、それに輪をかけて不器用な育ての親であるオーナーのゼフとの絡みは必見。
「長い間くそお世話になりました」のセリフはもはや語るところがないくらいに有名なセリフだと思われます。
アーロンパーク編(8巻〜11巻)
海上レストラン「バラティエ」にて鷹の目のミホークとの邂逅や海賊クリークとの対決を終えたルフィらは、一人メリー号に乗って消息を絶ってしまったナミの行方を追います。ナミの行方はルフィらにとっては本当に不明となってしまっていましたが、船を奪われた際に偶然その場に居合わせたゾロの仲間であるジョニーとヨサクの証言からするに、「アーロン」という魚人の指名手配書を見た直後に船を奪い去っていったとのことから、アーロンがいる場所に行った可能性が高いという話を聞きます。そして、そのアーロンが支配する場所はココヤシ村。ナミの故郷でした。
このココヤシ村は元はのどかで平和な人間達が暮らす村でしたが、アーロンが率いる魚人の海賊団が突然攻めてきた結果、魚人の戦闘力には銃などの武器を持った人間は敵わず、アーロンの支配を受け入れる事となりました。
ナミはそのアーロンの支配からココヤシ村を救うべく、1億ベリーを稼ぐことでアーロンからココヤシ村を買うという契約を結び、今まで海賊を相手に泥棒を行ってきたのです。そしてついに、ルフィらがココヤシ村に到着した時点でナミの総貯金額は1億ベリーが目前まで迫ってきていたのですが、突如やってきた海軍大佐らにナミの集めた財宝や金品は押収されてしまいます。実はアーロンは海軍と賄賂を渡すような関係で繋がっており、ナミとの約束も最初から守る気などありませんでした。
ナミの8年にも及ぶ決意は踏みにじられ、どうしようもなくなったナミは、ついに本心からルフィに「助けて」と助けを求めます。その決意や覚悟、そしてアーロンがココヤシ村を支配した経緯を知ったルフィ達はサンジやゾロを引き連れてアーロンをアーロンパーク共々、激闘の末に壊滅させます。
その後、手柄を横取りしようとした海軍らを退け、ナミは本当にアーロンの支配から解放されます。その後は村の住民に別れを告げた後、正式にナミはルフィの仲間に加わりました。
魚人という種族の初登場
ワンピースの世界観に欠かせない種族である魚人が明確に描かれる初めてのエピソードです。このストーリーでは魚人はナミや村人達に対する明確な悪役として描かれていますが、このエピソードの後のシャボンディ諸島編や魚人島編では、アーロンが人間を支配しようとすることにこだわった理由である、人間に魚人が迫害されてきた歴史などが明かされます。
現実の社会でも根強く問題となっている人種の問題に通じるテーマにもなっているのではないでしょうか。
ナミに降りかかる悲劇とそこからの解放、そして正式加入
今回も勧善懲悪のエピソードで、ナミに8年以上降りかかった悲劇とそれに立ち向かうルフィ達というエピソードが伝わりやすく爽快な構図になっています。
はじめはナミはルフィ達をアーロンら魚人達から逃がすためにわざと悪役のふりをして数々の演技をしましたが、ゾロが死ぬ覚悟で縛られた状態で水の中に飛び込んだ際には迷わず見殺しにしないで助けたり、ウソップを逃がすための演技はナミの優しさを感じさせます。
ナミがルフィに助けを求め、それにルフィが応えるシーンや、ナミを根本的にアーロンの支配から解放するためにナミにとっては悲劇そのものとも言えるアーロンパークを破壊するシーンは読者にとってもカタルシスを感じられるものとなっています。
ナミが村を去るとき、いつもの調子で村人たちの財布などの金銭を巻き上げるシーンは、ああ、いつもの彼女が戻ってきたと思わせる感動のシーンです。特に、ナミの育ての親であるベルメールさんの回想シーンは必見です。
ローグタウン編(11巻〜12巻)
アーロン一味との激闘の末に勝利を掴んだルフィ達は、その後も村の財産を狙う海軍らも退けることに成功しましたが、その時に退けた海軍大佐であるネズミから懸賞金をかけられる事になります。その額はなんと3千万ベリー。これはバギーやクリーク、そしてアーロンらも凌ぐ額です。ルフィはお尋ね者になったと爆笑しており、いまいち緊張感がありません。
そんな中、ルフィ達はローグタウンへと到着します。ここローグタウンはグランドラインの入り口に近い場所であるとともに、海賊王ゴールド・ロジャーが生まれ、そして処刑された「はじまりと終わりの町」とも呼ばれる場所です。ローグタウンでゾロは新しい刀の調達といったように、各々がグランドラインでの冒険に向けた準備を進める一行。
ルフィはゴールド・ロジャーが処刑された死刑台の上に立ち、海賊王が最後に眺めた光景を堪能していると、なにやらルフィに向かって金棒を担いだ美女が近づいてきます。その正体はなんとアルビダ。ルフィがコビーと最初に出会った時に、コビーを雑用係として働かせていたあのアルビダです。彼女も悪魔の実である「スベスベの実」の能力者となっており、その実を食べることで絶大な美容効果により、あの醜い容姿から最高の美貌を持つ女性へと変貌を遂げていたのでした。
そのアルビダはバギーと協力関係にあることが判明し、バギーに死刑台に押さえつけられたルフィは、そのままバギーに首を刎ねられて殺害されそうになりますが、突如死刑台に落雷が落ち、ルフィは救われます。
海軍大佐のスモーカーも死刑台での騒ぎを聞きつけ、ルフィらを捕縛しようとしますが、ローブを被った謎の男、「ドラゴン」に救われ、そのまま逃げることに成功します。そしてルフィ一行は、グランドラインの入り口にあたるリヴァース・マウンテンへと嵐の海の中を航海を続けます。
その後、ルフィ達はリヴァース・マウンテンへとたどり着き、そこを越えて、グランドラインへと突入します。リヴァース・マウンテンを越えてすぐに双子岬という場所にたどり着いた一行は、巨大な黒い壁を目撃します。しかしそれは黒い壁などではなく、巨大な鯨、「ラブーン」でした。そのラブーンにルフィを残し飲み込まれてしまう一行。飲み込まれたサンジやゾロ、ナミらはクロッカスという灯台守の医師と出会います。
また、ラブーンの肉を食料として狙う怪しげな二人組、ミス・ウェンズデーとミスター9をルフィらは退け、ログポースを入手します。
ラブーンは約50年以上も前にこの双子岬でまた会おうと、ある海賊団と約束を交わしていましたが、その海賊団と別れた時間などを考えるとこの双子岬に戻ってくるはずもなく・・・。レッドラインと呼ばれる大陸の断崖部分に頭を打ち続けており、ラブーンが死なぬよう、体内より治療を行っていたのでした。
ラブーンがレッドラインに頭を打ち付け続ける理由を知ったルフィはラブーンと喧嘩をし、ラブーンの額の部分に海賊の証であるドクロマークを描くことで、ラブーンの行動を止めるのでした。
海軍中将のスモーカー、海軍大佐のたしぎ初登場
ルフィ達を捕縛しようと追ってくる海軍サイドのレギュラーキャラクターです。主人公のライバル的なポジションとは少し異なり、この後のアラバスタ編や2年後のパンクハザード編でも共闘・協力をする場面が出てきます。
腐敗気味な海軍の中では良識的なポジションとして2人とも描かれます。
革命家モンキー・D・ドラゴン初登場
スモーカーに捕まりそうになったルフィを救ったこの男が、ルフィの実の父親であるモンキー・D・ドラゴンです。悪魔の実の能力者とされており、風や大気を操る力を持つとされていますが、それ以外の事に関しては2021年9月現在も不明瞭な点が多い人物です。
バギー、アルビダ再登場
これまでの戦いで出てきたバギーとアルビダも再登場しました。バギーは相変わらずですが、アルビダはなんとスベスベの実を食べており、その副作用であの醜悪な外見から美人へと変貌を遂げています。ルフィに復讐を果たすため、バギーと手を組み、あと一歩のところまでルフィを追い詰めましたが、スモーカーに捕縛されました。
ラブーン、クロッカス初登場
50年以上もある海賊団の帰りを待ち続けているクジラ、ラブーンと後に海賊王ゴール・D・ロジャーの海賊団の船医をしていたことがあるというクロッカスが初登場します。クロッカスは世界の謎を知る数少ない人物の一人で、その行動なども注目ポイントです。
ミス・ウェンズデー初登場
ミスターナインとともに登場した青い髪の謎大き女性、ミス・ウェンズデー。登場当初はただラブーンの肉を狙う悪役のようなポジションですが、話が進むにつれて今後のルフィらの航海の命運を握るキャラクターであることが発覚します。