DIYアドバイザーは民間資格で、DIYは英語の「DO IT YOURSELF」の頭文字を取ったものです。
近年DIYが流行しているので聞いたことがある方も多いと思います。
ペンキを塗ったり、ちょっとした小物を作ったりと、DIYを簡単に言ってしまうと日曜大工のことです。
しかし、DIY=日曜大工ではありません。
つまり、単なる日曜大工的に安くて簡単に作業を済ませるのみでなく、DIYには自らの手で快適空間を創造するという意味もあるのです。
DIYを親しもうとする方や、さらに高度なことに挑戦してみたいプロ顔負けの方々へ適切な指導や助言をする仕事です。
そのためには生活用品全般の知識が必要になってきます。
そんな「DIYアドバイザー資格」についてのことを、これから見ていきたいと思います。
Contents
適用する仕事
まず、この仕事に向いている方はモノに興味が持てる方です。
※DIYerとは、住まいの補修、改善を自分の手で行う人たちのことです。
- ホームセンター
- DIY関連商品や材料を販売、製造するメーカー
- カルチャースクール
- 工具専門店
ただ、これらの企業に就職するのにとても有利になるとは言えません。
ホームセンターなどの小売業でしたら販売員としての経験が重視されますし、カルチャースクールでは先生、講師の経験の方が有利に働きます。
DIY関連のメーカーにおいても基礎知識があると理解はされますが、営業スキルを考慮されます。
DIYアドバイザーの資格は就職には付加価値を持たせる程度です。
おおよその年収
DIYアドバイザーの収入は、務めることになる企業のホームセンターやDIY関連企業などの小売業、メーカーの平均収入と考えていいと思います。
ホームセンターなどで資格手当として数千円給料をアップするところもあります。
自身のDIY作品をブログやSNSで発信するときに、プロフィールにDIYアドバイザーと書いてあれば関心を持ってくれる方も増えるでしょう。
作品のデザインやセンスが認められれば、講師として申し出があるかもしれません。
また、インテリアコーディネーター、収納アドバイザーなどの他の資格と組み合わせると家や住宅に関してプロフェッショナルとして信頼していただけると思います。
認可団体
経済産業省所管の公益法人である「日本DIY・ホームセンター協会」が試験を実施しています。
DIYアドバイザー資格認定は、日本DIY・ホームセンター協会が審査を実施し、合格者を資格認定して、登録後にDIYアドバイザー認定証を交付します。
DIYアドバイザーの資格制度は発足したのは1983年で、累計資格取得者は21,000名以上になります。
〒101-0044
東京都千代田区鍛冶町1-8-5新神田ビル5階
受験条件
受験する年の4月1日に満18歳以上であれば、学歴、性別、国籍など関係なくどなたでも受けられます。
合格率
2019年度の試験についての合格率です。
1,219名の方が受験しており、その内の215名は一次試験免除者です。
一次試験は1,004名の方が受験して合格者が460名で、合格率は45.8%です。
二次試験は675名の方が受験して合格者が410名で、合格率は60.7%です。
全体からの最終合格率は33.6%になります。
1年当たりの試験実施回数
年に一度実施されます。
一次試験の学科は2021年度ですと、7月21日から8月21日の間で全国200か所で行われます。
一次試験に合格しますと、11月に面接と二次試験の実技を受ける必要があります。
なお、二次試験は東京と大阪の2会場になります。
試験科目
一次試験及び二次試験の試験科目です。
一次試験(学科)
- 住宅及び住宅設備機器に関する基礎知識
- DIY用品に関する知識
- DIYの方法に関する知識
- DIYの関連法規に関する知識
- その他DIYに関する基礎知識
二次試験(実技)
- DIYの方法を正しく行える能力
- DIYに必要な用品を適切に選び出せる能力
- DIY用品を安全に取り扱える能力
採点方式と合格基準
こちらも一次試験と二次試験とに分けて記したいと思います。
一次試験
2019年度は選択式約50問と記述式2問で、制限時間は90分、200点満点になり、合格点は134点以上でした。
なお、2021年度からはコンピュータを使用した試験が実施されます。
二次試験
- 手工具(大工道具)等を使用した木材の組手加工の問題
- ドライバドリル、ジグソー等の電動工具を使用した問題
- 錠前の交換、壁紙貼り等の補修関係の問題
この中から1問ずつ、計3問が出題され、制限時間は1問につき10分です。
作業の正確さ、安全に実施するか、そして作品がキレイにできているかなどが審査の対象になります。
実技試験ですので合格点は発表されていません。
取得に必要な勉強方法などの費用
確実に資格を取得したいのであれば、日本DIY・ホームセンター協会から学科・実技ともに研修会が用意されています。
研修会
eラーニングによる研修会
10講座で構成され、約11時間の研修講座です。
1講座当たり1,210円(税込)、10講座一括申込11,110円(税込)です。
詳しくは日本DIY・ホームセンター協会のホームページを参照してください。
試験の傾向をつかめて効率的な勉強ができます。
合格率は45.8%とそれほど高くありませんので、しっかりと勉強することが大切です。
実技研修
DIYの実技、指導、相談に携わるのに必要な技能を研修します。
二次試験の出題範囲は広範囲におよび、独学での勉強には道具等をそろえたりするために、かえって費用がかかる可能性があります。
注意すべき点、作業のコツなどを丁寧に教えてくれるのでおすすめです。
ただし、こちらのお申し込みは一次試験合格者のみに案内されるため、講座の内容については分かりません。
通信教育
産業能率大学から通信教育が用意されています。
資格取得につながる確実な方法です。
こちらもネットで検索して下さい。
実践DIY(DVD教材つき)
受講料30,800円(税込)
自分で出来る工作、補修、改善、メンテナンスなどを対象にDIYの基礎を学びます。
DIYアドバイザー試験対策
受講料38,500円(税込)
受講期間は6か月で、在籍期間が8か月です。
DIYに関する基礎知識から道具、用品、用材の効果的な利用法が勉強できます。
教材の購入
参考書やDVDも用意されています。
教材も日本DIY・ホームセンター協会のホームページから購入できます。
試験は年々難しくなっており、過去問題集を解くだけでは十分ではありません。
ハンドブックを熟読する必要があります。
DIYアドバイザーハンドブック
- 出版社名:日本DIY・ホームセンター協会
- 書籍名:DIYアドバイザーハンドブック
- 価格:¥6,000(税込)
DIYアドバイザー資格試験受験者の必読書です。
DIY総論、DIY用品・材料、関連法規、関係資料集等を詳しく述べています。
学科試験問題集
- 出版社名:日本DIY・ホームセンター協会
- 書籍名:学科試験問題集
- 価格:¥2,200(税込)
DIYアドバイザー資格一次試験の過去問題集です。
毎年1月に前年の問題を加え発行しています。
DIYアドバイザーハンドブック <技能編>
- 出版社名:日本DIY・ホームセンター協会
- 書籍名:DIYアドバイザーハンドブック <技能編>
- 価格:¥4,000(税込)
DIYアドバイザーハンドブックの別冊となっており、DIYの方法、技能について、その基本的な作業手順や安全に配慮した工具等の使用方法を住宅部位別に記述しています。
実技試験問題集
- 出版社名:日本DIY・ホームセンター協会
- 書籍名:実技試験問題集
- 価格:¥2,200(税込)
DIYアドバイザー資格の二次試験の過去問題集です。
毎年春に前年度の問題を加えて発行しています。
受験料
受験料は14,630円(税込)になります。
一次試験合格者は、翌年度及び翌々年度の2回は、一次試験が免除になります。
その場合の受験料は8,800円(税込)になります。
合格すると登録料14,300円(税込)が必要になります。
受験申込方法
日本DIY・ホームセンター協会公式ホームページより試験委託会社サイトへ入り、IDを取得して、試験申し込みをして下さい。
「DIY 試験」で検索して下さい。
まとめ
DIYアドバイザーの資格有効期間は5年ですが、登録期間最後の年に当協会所定の更新手続きした方には登録は更新されます。
この資格のみで就職にとても有利になるとは言えませんが、趣味でDIYをされる方にはこの資格を取得することで一つの達成感にもなると思います。
DIYアドバイザーに興味を持たれた方は、ホームセンターに出かけてみてはいかがですか。
ホームセンターには色々な商品があり、その商品は何に使うのか、どうやって使うのかなどを考えてみて下さい。
そうやって材料や道具の興味を深めることで、楽しく勉強するきっかけを作っていただけたらと思います。
など