レモンは食べるだけじゃない!余ったレモンはこんな汚れ落としに使える!?

レモンは食べるだけじゃない!余ったレモンはこんな汚れ落としに使える!?

皆さん、レモンはお好きでしょうか。
世の中にはレモン味の食べ物・飲み物が溢れていますよね。
暑いときに酸味を摂るとホッとしますし、健康面でも違ってきます。
しかし、レモンは意外と傷みやすいですよね。
1回にあまり使わないし、もったいない…そこでレモンを掃除に使えるかどうか考えてみました。
レモンの思わぬ効果が見えてくるかもしれませんよ。

レモンの歴史って?

本題に入る前にレモンの歴史から見ていきましょう。

レモンと欧米

レモンの原産地は中国南部もしくはインダス周辺(インド東部)であるといわれています。
これがシルクロードを通ってヨーロッパへと渡りました。

ちなみに、古代のヨーロッパではレモンは食用ではなく観賞用の植物でした。
食用としていたのは中東で、健康のために料理やシャーベットにレモンが使われていたようです。
それがのちに地中海の国へ伝わっていきました。

10世紀半ばには東地中海の海岸でレモンの栽培が始まりました。
そして、11~13世紀には十字軍がきっかけでレモンの果汁を使った調理法や飲む習慣がヨーロッパ中に広まっていきました。

大航海時代においても航海中の病の予防として、レモンはビタミンCを多く含んでいるゆえ貴重な存在でした。
この時期は船乗りの健康を支えた食べ物として、その後の人類の食の発展に貢献した食物といえるでしょう。

レモンと日本

黄色い背景でレモンを手ににこやかな女性そして、日本ですがレモンは明治時代の1873年に静岡県の熱海に伝わりました。
日本におけるレモンの歴史は約150年と意外と短かったのです。
ほどなくして静岡と気候的に近い和歌山県にも伝わっています。

その後、だんだん食文化も洋風になっていくことから、レモンの消費も増え続け現在では瀬戸内海を中心に、広島、愛媛、熊本などで栽培されています。

今やレモンの輸入量(2018年)は約5万2,578トンにもなり、国内収穫量もおよそ8,000トンであるとされています。

レモンに対しては清涼感が注目され、涼しさやリフレッシュ感が得られることから制汗剤やデオドラント商品の売り上げが急激に伸びています。
アロマにもレモン系の香りはありますしね。

このように現代では、レモンの需要はものすごく追い風のようです。

レモンに含まれるどんな成分が汚れを落とす?落とせる汚れの種類って?

では、そんな人気のレモンですが、どんな成分があってどんな効果を持っているのでしょうか。

レモンの成分って?

レモンには4つの成分が含まれています。

クエン酸

青い背景に輪切りにされた酸っぱそうなレモンすっぱい味の源であるクエン酸です。
これはレモンの果汁の中に含まれています。
クエン酸には3つの機能があります。

クエン酸の機能
  1. 酸味(すっぱさで気分をシャキッとすることができる)
  2. キレート作用(カルシウムなどのミネラルとの相性が良いため、効率良くそうしたものを摂取することができる)
  3. 減塩効果(レモンの酸味が塩味を引き立ててくれるため)

ビタミンC

皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。
これもレモンの果汁の中に含まれています。

ポリフェノール

赤ワインを連想しそうなポリフェノールはレモンにも含まれています。
レモンの皮に多く含まれていて、美容効果が期待される抗酸化作用や脂っぽい食事をさっぱりと食べやすくしてくれる作用があります。

リモネン

葉っぱに乗せられた3つの丸ごとレモンこちらは爽やかな香りをもたらす成分です。
リモネンには気分をリラックスさせる働きがあります。
これもレモンの皮に多く含まれています。

汚れを落とすのはレモンのどの成分?

上記で紹介したレモンの主要成分のうち、汚れに効果があるのはクエン酸リモネンです!

クエン酸は名前の通り、強い酸性を持っていてこの酸性の作用がpH値が対極であるアルカリ性のものを中和して落としやすくしてくれます。

アルカリ性の汚れ
  • 水あか
  • 尿石
  • 石鹸カス
  • ポットのカルキのこびりつき
  • 魚の腐敗臭
  • アンモニア臭

など

主に水回りの掃除に使えます。
レモンのクエン酸にも殺菌や消臭、除菌、洗浄の作用があるので掃除にも役立ちます。

そして、リモネンという成分は油汚れに使えます。
エッセンシャルオイルにも使われるこのリモネンは油を溶解する働きがあるので、掃除にも使えます。

リモネンが発揮する汚れ
  • キッチンの油汚れ
  • テーブルや床、ドアノブの殺菌・抗菌・消毒作用
  • シミ抜き
  • 油性のマジック落とし

など

また、防臭作用や抗ウイルス作用もあります。
レモンは意外といろいろな汚れ落としに役立つんですね!

レモンを使ってどんなところの汚れを落とせる?効果的な使い方って?

では、次はレモンを使った実践編です。
レモンを使った掃除とはどういうものなのでしょうか。

電子レンジの掃除

電子レンジは食料・飲料を温めたり、解凍したりして使うために油汚れが溜まりやすいです。
特に油汚れや臭いは水拭きしただけでは落ちない場合もあります。

そこでレモンを使用したこんな掃除方法はいかがでしょうか。

電子レンジの掃除方法

グラスに注がれた水とレモン

  1. 耐熱容器に水とレモンを入れる(容器がなければマグカップなどでも可能)
  2. 高温に設定して電子レンジを温める。耐熱容器やマグカップなどで入れた水がお湯になって蒸気が発生する
  3. その蒸気によって電子レンジ内の頑固な汚れをやわらかくすることができるため、蒸気がこもった庫内を拭き掃除する

補足として、電子レンジで液体を加熱しすぎると突然沸騰して爆発のようにそれが飛び出す「突沸(とっぷつ)」の可能性があります。
そのため容器を取り出す際は、電子レンジの扉を開けてから少し様子を見てから取り出すようにしましょう。
慌てたら火傷してしまいますからね。

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蛇口の水垢の掃除

きれいにされているキッチンのシンクの蛇口蛇口も毎日使っていると水垢がびっしり付きやすくなります。
これは水道内のカルキの成分なので仕方のないことなのですが…その水垢がレモンできれいになります。

やり方としてはレモンの果肉部分をこすりつけるように水垢部分を磨くだけなんです!
もし頑固な水垢の場合は、レモン果汁を染み込ませたキッチンペーパーで覆って、しばらく置いてから拭き取ると汚れが取れますよ。

ポットのカルキ掃除

紅茶を飲むときのポットや、コーヒーを飲むときのコーヒーマシンにはカルキや着色汚れが付きやすいですよね。
そうした汚れにもレモンが大活躍なのです。

カルキの掃除方法

ケトルを真上から写した写真

  1. ポットやコーヒーメーカーにスライスしたレモンまたはレモン果汁を入れる
  2. 満タンになるまで水を入れたら、フタをして沸騰させる
  3. 沸騰したらそのまま約1時間放置する
  4. 時間が経ったらきれいにすすぐ

※コーヒーメーカーはすすぐ前に水だけでドリップすることを忘れないようにしましょう。

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ガスレンジの掃除

ガスレンジは汚れが頑固で落とすのが大変ですよね。
こうした汚れもレモンの力で役立つでしょう。

ガスレンジの掃除方法

レモンの端っこをシンク磨きに使っている写真

  1. レモンの切り口に塩を少しだけ付ける
  2. べたべたした汚れが気になる部分にこする。
    浮き出してきた油汚れはキッチンペーパーなどで拭き取る
  3. 水拭きまたはキッチン用クリーナーを使って仕上げする

ただし、ガスレンジの周りの壁に使う際はレモンの酸に壁紙が耐えられるかどうか確かめてから使いましょう。
素材によっては傷めてしまうからです。

レモンを使った掃除で気をつける点はある?

こんなに手軽なレモン掃除でも気をつける点があります。

塩素系漂白剤には混ぜない

レモンといえども酸性のクエン酸が含まれていますので、塩素系の洗剤と混ぜると有毒塩素ガスが発生してしまいます。
レモンは水垢を落とすのに有効ですが「水垢を落とすのに他の洗剤は置かない」ことを心得た方が良いかもしれません。

アルカリ性のものと一緒に使わない

上記の「他の洗剤は置かない」はアルカリ性のもの(重曹やセスキ炭酸ソーダを含む)にも同じことがいえます。
酸性であるレモンとアルカリ性のものを一緒に使うと中和反応が起きて、洗浄力が落ちてしまいます。
レモンと一緒に使うなら、中性か酸性の洗剤にしましょう。

※商品のパッケージには酸性なのか、アルカリ性なのかが書かれてあります。

レモンで落とせない時もある

これは頑固にこびりついた水垢や汚れなどはレモンでは落とせない場合があるということです。
そういうときは市販のクエン酸や重曹を使うようにしましょう。

そして、大理石は酸に弱いので使わないようにしましょう。

まとめ

レモンを前に出しながらにこやかな女性レモンは美肌や健康に良い作用をもたらすだけでなく、殺菌や洗浄にも有効だということが分かりました。
レモンは自然なものだし、市販のクエン酸だとクエン酸水を作らなくてはいけないですからこれだと手軽に掃除ができます。

しかし、レモンでも落とせない汚れがあるし、レモン独特の酸っぱさが鼻につく場合もあります。
そういうときは他の洗剤に換えたり、水拭きや乾拭きをして対処しましょう。

ついレモンを腐らせてしまいがちな方は捨てる前に、一度身の回りの掃除に役立ててみてはいかがでしょうか。
レモンの香りで掃除の後、リラックスしますよ!
ぜひチャレンジしてみてくださいね。

 

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