ビジネスキーボード認定試験というのは、キーを打つ時のタッチタイピングの速さと正確さを重視した試験です。
よくタッチタイピングの試験では「キータッチ2000」が用いられますが、キータッチ2000の中・上級クラスのレベルにあたるのが今回の資格です。
ビジネスキーボード認定試験は「公的資格」に入ります。
自分のタイピングの腕を確認したい方はこの試験に臨んでみてはいかがでしょうか。
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適用する仕事
こちらの資格試験はタイピングの速さと正確さを計る試験ですので、適用する仕事はデータ入力や事務系の仕事でしょう。
仕事内容によって違いますが、文字通りデータ入力のみの仕事は基本的にExcelやWordなどを使用したり、その会社独自のソフトやホームページ内のフォーマットで作業をします。
コールセンターを担う仕事の場合は、主に電話対応した顧客などのデータや問い合わせ内容を入力します。
電話対応中に入力することもあれば、録音しておいて後から入力することもあります。
会社によっては、他にも顧客情報や契約内容を入力したり、売上データなどの数値入力をしたり会議やセミナーの議事録を入力することだってあるでしょう。
いずれにしても、制限時間やノルマが課せられている場合は速さも大事だし、それ以上に正確さが求められます。
誤字脱字がないか、数値は合っているか、正しい日本語が使えているかどうか見直しが必要となります。
そうした日々の事務作業で「ビジネスキーボード認定試験」で培ったタイピングを速く・正確に打つスキルが活かされるでしょう。
しかし、現代社会ではタッチタイピングは会社では普通に出来るものとして考えられているため、就職活動の際あまり前面に出せない資格ではあります。
それだけでアピールが認められ、直接就職につながるとは考えにくいです。
おおよその年収とキャリアパス
データ入力の仕事を正社員の平均年収で見ていくと、約315万円になるそうです。
月給に換算すると26万円だそうです。
また、データ入力の仕事は副業として稼いでも良い職種です。
データ入力の副業で得られる収入は案件や作業量により異なってきますが、例えば平日2時間入力作業を行う人だと約3万円前後が1件あたりの収入になるそうです。
他には1文字0.5円の案件を1時間休憩なしで入力した場合だと、時給換算で3,000~6,000円の収入も見込まれます。
- 単純な文字入力:1文字0.1円~1円
- データの分類や判断が伴う場合:1件10円~50円
データ入力の作業は事務職の1つの作業工程として数えられていますので、それ単体だとアルバイトや派遣社員の雇用からでも就くことができます。
ただ正社員になりたい場合だと、それ以外の業務も担わなければなりません。
また、データ入力を含む一般事務の方のキャリアパスとして、他の事務系の資格を取得してスキルを磨いてキャリアアップすることが挙げられます。
事務職がキャリアアップの際におすすめな資格として、MOSや日商PC、日商簿記、文書情報管理士などが良いらしいです。
そして、一般事務がキャリアチェンジしやすい職種がいくつかあります。
- 営業事務
- 貿易事務(貿易書類の作成、英語でのメール対応・電話対応など)
- 経理
- 人事、労務、総務(採用や人員配置などの人材関連の業務、勤怠管理や給与計算などの労務に関する管理、受付や来客対応、備品の管理など)
こうした職種を目標として頑張るのも良いでしょう。
認可団体
「ビジネスキーボード認定試験」を主催している団体は「日本商工会議所」です。
この団体は1878(明治11年)年に東京、大阪、神戸で設立されました。
その後、全国の主要都市に相次いで設立されて、1892(明治25年)年に15の商業会議所がその連合体として「商業会議所連合会」を結成しました。
そして、現在(2020年4月時点)では、全国で515商工会議所がそれぞれの地域で活動しています。
東京都千代田区丸の内3-2-2 丸の内二重橋ビル
TEL:03-3283-7823
受験条件
制限なし
合格率
結果はスコアで表示されます。
1年当たりの試験実施回数
試験は商工会議所が指定するネット試験施行機関にて実施されます。
実施時期は随時のところもあれば、毎週、毎月のところもあります。
施行機関によって実施している回数は異なりますから、受験場所が決まったらそこに尋ねてみて下さい。
試験科目
ディスプレイに出題された問題に対し、制限時間内に問題と同じ文字や文章をキーボードで入力していきます。
試験科目は日本語・英語・数値の3科目です。
試験時間は25分間です。
日本語
- 短文(1行・複数行)
- 単語(漢字・カタカナ)
- ことわざ
- 四字熟語
など
英語
- 短文(1行・複数行)
- 単語
- 熟語
- アドレス
など
数値
- 数字
- 郵便番号
- 日付
- 漢数字→算用数字
- 記号付き数字
など
採点方式と合格基準
採点は行単位で行われます。
行内の文字数を加算していきますが、行内で一文字(スペースも含む)でも誤りがあった場合は、その行の入力文字数は0とカウントされる仕組みになっています。
各科目ごとの入力文字数により技能認定を行うとともに、入力文字数に基づき、S、A、B、C、Dの5段階で評価します。
ビジネス実務で求められる技能はC評価以上が目安となります。
技能認定基準 | 試験科目 | ||
日本語 | 英語 | 数値 | |
S | 900字 | 3,000字 | 1,200字 |
A | 800~899字 | 2,500~2,999字 | 1,000~1,199字 |
B | 600~799字 | 2,000~2,499字 | 800~999字 |
C | 400~599字 | 1,500~1,999字 | 600~799字 |
D | 0~399字 | 0~1,499字 | 0~599字 |
ちなみに、日本語、英語、数値の3科目全てで、試験時間内に誤りなくすべての文字の入力を完了した人(S評価取得者)には、申請に基づき「ビジネスキーボードマスター認定証」が交付されます。
取得に必要な勉強などの費用
この試験はとにかくスピードと正確性が重要なので、ブラインドタッチが難なくできるように、キーの配列や距離感などを体に叩き込む必要があります。
それにはタイピングソフトを活用するのが上達する近道です。
ビジネスキーボードの本番と全く同じ方式で練習できるソフトはありませんが、見た目が少し似ているソフトであれば「Biz Key」というフリーソフトがおすすめです。
ぜひこれで入力する流れを体験してみてください。
これでしたら、ダウンロードするだけなので無料になります。
これ以外にも自分に合ったタイピングソフトで、練習してみるのは良い勉強法だと思います。
受験料
2,620円(税込)
受験申込方法
受験申込は、お近くのネット試験会場にお問い合わせのうえ、試験開催予定の会場でお申し込みください。
また、お近くのネット試験会場が見つからない場合は、紹介フォームをご利用ください。
紹介フォームは「ビジネスキーボード認定試験」の公式サイトにアクセスすれば、載っています。
まとめ
今回はタイピング資格の1つである「ビジネスキーボード認定試験」の内容をお伝えしました。
タイピング資格はいくつもありますが、こちらの試験はビジネス実務で使用されている単語や文章などを中心に出題されています。
「キータッチ2000」にようにランダムの英字、英単語、ローマ字、記号などが混じった2000タッチ分の問題をやるのではなく、実務に即したキーボード操作能力が身に着けられるのが今回の資格の特徴であり、メリットです。
現状では単にタイピングが速くできたとしても、それ自体が直接就職や転職に有利になるわけではありませんが、事務作業をするうえでその能力は活きます。
皆さんも「ビジネスキーボード認定試験」でタイピングのスキルを培ってみませんか。
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