皆さんは3Dプリンターを使ったことがありますか。
3Dプリンターは3DCADの設計データを元にして、スライスされた2次元の層を1枚ずつ積み重ねていき、立体モデルを製作する機械のことを指します。
今やこれを使ってちょっとしたスタンドや小物、あるいはもっと大きな作品を作れるようになりました。
この3Dプリンターの造形方法や材料、CADデータの取り扱いなどの知識を身に着けるのがこの資格の意義です。
2016年に新設された新しい検定のようですよ。
具体的にどんな検定なのか見ていきましょう。
Contents
適用する仕事
この資格は3Dプリンターを使うことを前提としているので、仕事内容も製造業や工業系に絞られます。
3Dプリンターを使って、工業製品の試作品やパーツ(部品)を受注生産する製造加工業がその分野です。
実際、工作機械メーカーの検査や生産スタッフ、3Dプリンターを用いた樹脂製品の開発などの求人があります。
また、3Dプリンター(3Dソフトウェア)を使って自動車、カメラ、家庭用品、玩具などさまざまな形状を考える工業デザイナーという職業もあります。
製品の機能を生かしながら形状と一体で企画・デザインするクリエイティブな仕事です。
おおよその年収
前項目でも述べましたが、この「3Dプリンター活用技術検定」を活用して就ける職業は機械設計や技術者といった部類です。
そうすると、これらの職業の年収は一体どれくらいなのでしょうか。
機械設計や技術者の給与は月収で20万円~40万円が一般的です。
となると、平均年収は300万円~600万円くらいになるでしょう。
もちろん資格保有の他に、スキルがあればさらに年収を上げられます。
経験を積むことで他の業種や業界にも転職できます。
また、前項目で挙げた工業デザイナー(インダストリアルデザイナーとも言う)の年収はおよそ500万~700万円程度だそうです。
工業デザイナーの多くは会社員のため、勤務する会社の業績や規模、役職、勤務年数、実績などによって大きく変化します。
やはり、デザイナーというほどですから、工業製品のデザインの良さは売り上げにも左右されます。
もしアシスタントとして、補助的な業務を担当していればその期間は一般的な会社員と同程度の年収だと思いますが、デザイナーとして独り立ちできるようになるとより多くの報酬を手にすることができるようになるでしょう。
認可団体
3Dプリンター活用技術検定を主催している団体は「一般社団法人 コンピュータ教育振興協会」通称ACSPです。
東京都港区赤坂2-8-14 丸玉第3ビル8階電話:03-3560-8435(代表)
この団体は現在の「一般社団法人ソフトウェア協会」を母体として、検定試験に特化した事業活動のために設立された非営利法人です。
多様化する現代社会に求められる技術系人材像を見据え、各種検定試験や教育支援事業などを通じて「生き生きと楽しみながら働き、社会で活躍できる人材」を輩出することを理念にしています。
また、広く技術系人材能力の開発・育成を目的とした教育・出版事業なども行なっています。
受験条件
受験条件は制限ないですが、受験対象は存在します。
- 3DCADエンジニア
- 企業の3Dプリンター導入担当者
- 製造設計エンジニア
- 製造業へ就職を希望する学生
- 3Dプリンターに興味のある学生ならびに社会人
合格率
近年のデータですが平成30年度のものになります。
- 応募者140名
- 受検者数123名
- 合格者数105名
このような結果となっています。
1年当たりの試験実施回数
前期(9月頃)と後期(2月頃)の年2回実施されています。
試験会場は全国にある専用のCBT試験会場で実施されます。
試験科目
- 3Dプリンターの造形材料
- 3Dプリンターの造形用データ
- 3Dプリンターの用途
- 材料押出(熱溶解積層)
- 液層光重合(光造形)
- 材料噴射
- 結合剤噴射
- 粉末床溶解結合
- シート積層
- 指向性エネルギー堆積
- 3Dプリンターの活用の前準備
- 用途別活用事例
採点方式と合格基準
受験区分は個人受験
試験時間は60分、60問の筆記試験
試験方法はCBT方式による多肢選択および真偽方式
合格基準は総合70%以上
取得に必要な勉強などの費用
「3Dプリンター活用技術検定」の勉強方法は「一般社団法人 コンピュータ教育推進委員会」が編集した公式のガイドブックを使うのがおすすめです。
基礎知識が網羅されており、理解しやすいように解説してあると評判です。
このテキスト1冊をしっかり学習することが検定試験に合格するための近道でしょう。
- 出版社名:日経BP
- 商品名:3Dプリンター活用技術検定 公式ガイドブック[改訂版]
- 価格:¥3,300(税込)
こちらは「3Dプリンター活用技術検定試験」の受験者のための指導、試験範囲の提示を主な目的として作成された唯一の公式ガイドブックです。
具体的には「3Dプリンターの基礎知識」「3Dプリンターの造形方法」「3Dプリンターの活用」の3つの章に分かれています。
3Dプリンターを活用するために身に付けておくべき必須の知識について幅広く解説しており、3Dプリンター活用技術検定試験のサンプル問題とその解答も掲載しています。
3Dプリンターに興味を持っている学生や、既にエンジニアとして活躍している社会人にとっても、知識の拡大・拡充、体系的理解に大いに役立つ内容となるでしょう。
受験料
8,800円(税込)
受験申込方法
「3Dプリンター活用技術検定」の公式サイトの「受験される方へ」の欄から「受験申し込み」へとクリックします。
手順1
新たに試験に申し込まれる方は「試験申込サイト」から「基本情報」を登録します。
そうするとマイページ(登録したID=E-Mailアドレスとパスワードでログインすることで、試験の申し込みから結果発表、受験履歴の確認、登録内容の変更等が行える受験者個別の専用Webサイト)が作られます。
登録したら「3Dプリンター活用技術検定試験センター」から登録時のメールアドレスに「基本情報登録完了通知メール」が届きます。
「基本情報」の登録は随時、また試験の申し込みは各種試験の申込期間のみで行うことができます。
※団体受験で申し込みされる方の場合は、申し込み方法を責任者に確認の上、行なってください。
手順2
そして、同サイトの「試験申し込み」から試験を申し込みます。
手順3
申し込みしたら、完了後に登録時のメールアドレスにお支払方法としてメールが届きます。
- コンビニ支払い選択→仮受付メール
- クレジット選択→申し込み確認メール
コンビニ支払いの場合は、支払いが完了すると申し込み確認メールが届きます。
もし期日までに入金が確認できない場合は、キャンセルメールが届くことになります。
手順4
受験票の発行が可能になったら案内メールが届きます。
そうしたら、マイページから受験票を印刷して写真を添付したうえで、試験会場へ持参していただき試験に臨んでください。
これもご案内メールが届きます。
まとめ
最後になりますが「3Dプリンター活用技術検定」を受験するメリットは、検定用の学習をすることで自分が使ったことのない造形方法の工程や後処理、材料やその特性などの幅広い知識を身に着けることができることです。
3Dプリンター業界の市場規模は今後大きく拡大されていますが、まだまだその技術を活用できる人材が不足しています。
ですので、この業界に興味のある人はこの資格を持っていて損はないでしょう。
ただ、試験会場が少ないのが難点です。
ですので、少ないチャンスの中で合格を手にするにはご紹介した公式テキストでしっかり勉強するのが鍵です。
あとは申し込みする際は、手順として案内メールが重要となってきますのでメールアドレスの管理や把握も常にしておいてくださいね。
モノ作りに興味ある方は「3Dプリンター活用技術検定」の受験を検討してみてはいかがでしょうか。
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