「ワインのスペシャリスト」といったらソムリエですね。
ソムリエと言ったらカッコいいという印象を受ける方が多いのではないでしょうか?
ここではワインソムリエの仕事の内容から、ワインソムリエになるための資格試験の内容をまとめました。
Contents
適用する仕事
ソムリエといったら、ワインソムリエですよね!
ソムリエの仕事とは?
お客様の食事や好みに合わせた最適なワインを選ぶのが主な仕事です。
ですが、お客様との一人ひとりに合わせた会話、目配り、気配り、スマートな立ち振る舞いなど接客技術も必要とされます。
ワインソムリエは、世界各国で作られる品種、産地、料理との相性、管理方法などの幅広い知識が必要で新しいワインの買い付けや品質管理なども重要な業務です。
また、業者からの売り込みの対応や、ときに、ワイン生産地に出向き直接品質を確かめ、買い付けなども行います。
ソムリエが所属する店舗は格式高い店、いわゆる一流店が多く、お客様は有名店の料理などを食べ慣れているグルメな方が多いので、「料理は勿論のこと、飲み物(ワイン)もこだわりたい」と考えている方がいるため、ソムリエはワインの幅広い知識と接客スキルが求められます。
ワインソムリエはどこで働いているの?
①大手ホテルレストラン
規模の大きなホテルには複数のソムリエが在籍しており、ワインを管理しています。
ソムリエにも4つの階級がありやることで行う業務が違ってきます。
②高級レストラン
フランス料理やイタリア料理を提供しているレストランではソムリエが活躍しています。
席数の少ない小さな店では、ワインの管理、グラス拭き、ドリンク全般の管理、お客様への対応も行っています。
③ワインバー
ワインの品揃えの豊富さとワインに合う料理が人気です。
以前勤めていたところから独立しソムリエがオープンさせたワインバーも多く、オーナー兼ソムリエが厳選したワインを料理と共に味わえるところも人気の一つです。
④ワインショップ
ワインを扱う酒販店で働くソムリエもいます。
注文を受けた立地条件や客層、予算、目的にあわせワインを選んだり、アドバイスを送ったりするのが主な仕事です。
⑤ビストロ
フランス語で居酒屋という意味があります。
カジュアルで気軽に足を運べるようなところが魅力で注目されています。
ソムリエの仕事と兼任しワインの説明とともに料理に関するサービス全般の仕事をしています。
おおよその年収とキャリアパス
ソムリエの年収の平均は340万円~490万円程です。
勤務先の施設やキャリアによって収入差が出やすく、見習いの新人ソムリエと経験豊富なベテランソムリエとでは20万円~30万円の差が出ることもあります。
ソムリエには職階が設けられていて、上から「チーフソムリエ」→「アシスタントチーフソムリエ」→「シニアソムリエ」→「ソムリエ」となっています。
「チーフソムリエ」になると責任が大きいですが、それに見合った収入や名誉が得られます。
認可団体
受験条件
ソムリエには4種類の資格試験があります。
ソムリエ資格試験
飲食関係の資格試験で最も難しい資格試験だと思われます。
受験条件は
ワイン及びアルコール飲料を提供する店で3年以上のサービス経験があり、一次試験日もサービス業務に従事していること。
もし日本ソムリエ協会の会員に登録している場合は2年以上が会員で、飲食店でのサービスを2年以上経験していること。
また、一次試験日もサービス業務に従事していることが条件となります。
シニアソムリエ
日本ソムリエ協会認定のソムリエで、資格認定から3年目を迎えていることです。
また、ワイン及びアルコール飲料を提供する店で10年以上のサービス経験がある方が対象です。
受験資格も高いレベルが要求されていて、合格率も低いです。
サービス試験などの実技、口頭試問が問われます。
ワインエキスパート
ソムリエ資格試験と同じ受験条件です。
この試験はソムリエ資格とは違い職務経験を必要としません。
ワインを含むアルコール飲料の専門知識、テイスティング能力のある方が受験可能です。
シニアワインエキスパート
こちらはシニアソムリエ試験と同じ受験条件です。
基本的にはシニアソムリエと同じ流れで資格を取得することが出来ます。
しかし、シニアソムリエのような試験内容ではなく、ワインへの理解力、伝達能力に関して問われます。
合格率
これも各資格試験によって違います。
資格名 | 合格率 |
ソムリエ資格試験 | 40%前後 |
ワインエキスパート | 30%~40% |
シニアソムリエ | 20% |
シニアワインエキスパート | 10%前後 |
シニアになると格段に難しくなることがみて分かります。
1年当たりの試験実施回数
『日本ソムリエ協会』の試験は上記で紹介した4種類全て、年1回です。
ですが、種類によって試験の仕様が違うので紹介していきます。
ソムリエ資格試験
第一次試験・・・※CBT方式 で行われます。約1ヶ月間の中で1日都合の良い日を選び受験します。
第二次試験、第三次試験・・・決められた日程の1日に会場にて行われます。
ワインエキスパート
第一次試験・・・※CBT方式 で行われます。ワインエキスパートもソムリエ資格試験と同じで、約1ヶ月間の中での受験です。
第二次試験・・・決められた日程の1日に会場にて行われます。
※CBT方式とは(コンピューター ベースド テスティング)の略。コンピューターを使った試験の事をいいます。
シニアソムリエ
第一次、第二次、第三次試験・・・全て決められた日程の1日に会場にて行われます。
第一次試験(筆記試験)は10月、テイスティング、実技試験は11月に行われます。
シニアワインエキスパート
第一日程、第二日程、第三日程・・・全て決められた日程の1日に会場にて行われます。
日程は2日間あり、第一日程は「筆記」 第二日程は「テイスティング」「論述」試験が行われます。
『シニアソムリエ』『シニアワインエキスパート』の試験会場は東京のみで行われます。
試験科目
試験科目は勉強する上で知っておきたいところですよね。
これもそれぞれご紹介します。
ソムリエ資格試験、ワインエキスパート
筆記試験・テイスティング・実技試験の3つから出来ています。
筆記試験はワイン知識について問われる試験で、種類、銘柄、産地、ブドウの品種などの基本問題から難問、細 かいところまでもが出題される為幅広い知識が必要となります。
- テイスティングは、テイスティンググラスにワインが注がれ出てきます。外観、香りを確認、口に含み香りや味の特徴、品種、生産国、ビンテージなどを答えます。
ほかにもウィスキー、ブランデー、日本酒などワイン以外にもお酒が出される為お酒全般の知識が必要とされます。 - 実技試験は、実際にワインをサービスし、用意された道具を使い、正しく提供できるかチェックされます。
※ワインエキスパートは筆記試験、テイスティングは同じですが実技試験は無いようです。
シニアソムリエ
シニアソムリエの試験科目も筆記試験、テイスティングは上記と変わりません。第三次試験、サービス実技がソムリエ、ワインエキスパートと変わってきます。
シェフソムリエ業務や、接客、口頭質問で基本知識やプレゼン力を試すような試験内容になっています。
シニアワインエキスパート
シニアワインエキスパートは、筆記試験、テイスティング、小論文に分かれています。
シニアソムリエとほとんど内容は変わりません。ですが決して簡単な試験ではありません。
採点方式と合格基準
- ソムリエ資格試験とワインエキスパートの第一次試験、第二次試験共に60%前後が合格ラインと言われています。
- シニアソムリエの合格ラインは10%~20%程度と言われています。
- シニアワインエキスパートの合格ラインは25%~30%程度でここ数年で難易度が上がり、合格率が低下しています。
取得に必要な勉強などの費用
試験に合格するにはどのような勉強をすれば良いのでしょうか?
筆記試験、テイスティング、実技試験それぞれの勉強方法をまとめてみました。
筆記試験対策
- 基本的なワイン用語や言葉を覚え、ワインについての知識を深めます。
- 地理の要素が多いため、地図を描いたりしながら地図とセットで覚える事が大切です。
- 参考書、問題集を解いてみましょう。参考書や問題集は本だけでなく、アプリでも入手することが可能です。スマートフォンやタブレット端末にダウンロードしておけば、隙間時間に勉強できます。
- 教本をコピーし、移動時に持ち歩けるようにするのも一つの方法で、テーマごとに分け、書き込みをしながらの学習もいいと思います。
- 過去問を解いてみましょう。解いていくことで、過去の問題をつかむことが出来るのと、どんな問題が出題されるのかイメージすることができると思います。
最低でも過去5年分の問題をチェックするのが良いでしょう。
問題集を活用し、たくさんの問題を解くことが合格への第一歩となるでしょう。
ワインスクールに通う
自己流で学ぶのが不安な方にはワインスクールに通うことをお勧めします。ワインの知識を深められるとともにテイスティングや、サービスについても学ぶことが出来ます。小テスト、模擬試験もを行うスクールも多いため、課題が見つかりやすいというメリットがあります。
ワインスクールに通う人たちとの交流もありそうなので、意識が高くなりそうですね!
暗記をひたすらする
覚えないといけないことがたくさんあります。
国ごと、品種ごとに覚えておきたいことをメモし、ひたすらに暗記をしましょう。書いて覚えたり、目につく場所に覚えたい内容を貼ったりして自分の覚えやすい方法で覚えてみるのが良さそうですね!
YouTubeで覚える
YouTubeでもソムリエ講座の動画がたくさん上がっています。
電車やバスの中、仕事の休憩時間など場所を選ばずに勉強ができます。
テイスティング対策
一次試験に合格してからテイスティングの勉強をしても間に合いません。なので、一次試験と併行して進めておくのが大切です。
試飲したワインは必ずメモを!
メモする内容として、「ワイン名」「ヴィンテージ」「産地」「品種」「色」「香り」「味わい」をメモしましょう。
テイスティングは有資格者に!
テイスティングの勉強をする時は、有資格者に教えてもらうことが何よりも勉強になります。
有資格者が周りにいないようならワインスクールを活用しましょう。
実技試験対策
まず、実技試験の対策は一次試験合格してからでも間に合います。
- ソムリエナイフの使い方はきちんと練習しておくようにしましょう。
- ワインをサービスする際の一連の流れをスムーズにできるようにします。
- 無理のない範囲で必要なものを揃え、とにかく練習あるのみ!練習をたくさんしましょう。必要なものは、制服またはエプロン、ソムリエナイフ、パニエ、デキャンタ、トーション(リトー)、紙ナプキン、グラス2脚、皿、ライトなどです。
- 実技試験には制限時間があるので、時間制限内に終了させる、落ち着いてサービスをすることを目標にして練習しましょう。
- 練習をする時は、一人でやるよりも誰かに見てもらうようにするか、スマートフォンなどの端末で見直すこともいいでしょう。・
- 試験ではお客様への対応も評価されます。言葉遣い、心遣いにも注意が必要です。
勉強にかかる費用はいくらくらい?
ワインスクールに通う場合・・・約10回~25回の講習で10万円~20万円程度
・※教本・・・4,400円~
・※教材動画(DVD)・・・1,100円~
・※テキスト・・・2,640円~
※『日本ソムリエ協会』の会員価格~一般価格によって値段が前後します。
そして、これ以外にも市販ですが、問題集があります。
いくつかご紹介します。
値段で判断するよりは、目で見て分かりやすく、自分に合った問題集やテキストを購入するのが良いでしょう。
覚えやすく、学びやすい、ソムリエ試験対策問題集
出版社名:柴田書店
商品名:覚えやすく、学びやすい、ソムリエ試験対策問題集
価格:¥3,080(税込)
こちらの書籍はワインスクールを営む受験のプロが出題傾向を徹底分析し、最新版の「2021日本ソムリエ協会 教本」に準拠した形で計1200問を掲載しています。
問題、正解、解説を見開きで完結させた見やすいレイアウトとなっており、付属の赤いチェックシートで効果的かつ効率的に学べます。
受験のプロに教わる ソムリエ試験対策問題集
出版社名:リトル・モア
商品名:受験のプロに教わる ソムリエ試験対策問題集
価格:¥2,860(税込)
CBT方式の最新出題傾向を徹底分析した問題を収録しています。
地図問題も大量に収録しています。
解説も充実しており、「ミニ参考書」のように使えます。
受験料
●一次試験から受験の場合~
1回受験・・・正会員/賛助会員→20,380円 一般→29,600円
2回受験・・・正会員/賛助会員→25,220円 一般→34,440円
※一次試験は2回まで受験可能ですが、後からの回数変更はできません。また、1回目の受験で合格しても2回目の受験料の返金はありません。
●二次試験から受験の場合~
正会員/賛助会員→7,300円 一般→14,210円
●三次試験から受験の場合~
正会員/賛助会員→3,650円 一般→7,100円
受験申込方法
日本ソムリエ協会の申し込み方法は公式サイトにてWeb 申し込みです。
一次試験からの方:Web申込をして一次試験日時、会場をWeb予約してください。
※一次試験から受験の場合は教本発送、会場予約ID、パスワードのメールを配信します。
一次試験、二次試験免除の方:Web 申込→自宅宛てに受験票(ソムリエは職務経歴書)発送
まとめ
ソムリエには、様々な仕事,役割があり、食事やお客様一人ひとりの好みに合わせて会話や、目配り、気配り、言葉遣い、心遣いなどスマートな立ち振る舞いが出来る接客のプロであり、世界各国にあるワインの品種や産地管理方法など、幅広い知識が必要とされることが分かりました。
とても難しくて、大変な仕事だけれどもカッコイイ仕事だと思います。
一方、ソムリエの資格を取得するにはたくさんの時間と経験が必要であり、簡単にはいかないことがたくさんありました。
お金の面でも給料がそこそこなのにも関わらず、勉強するのにテキスト代が高かったり、ワインスクールに通うのにも相当の金額がかかることが分かりました。
このことからワインが本当に好きな人や、熱中できる根気のある人に向いているのではと思いました。
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ビアテイスターについて
それは『日本ソムリエ協会(JSA)』です。
田崎真也さんが副会長の認定機関です。
基本的には飲食店のアルコール飲料を取り扱う方、経験者を対象として資格試験を行なっているのが特長です。
はじめ1969年に飲料販売促進研究会として発足し、1976年「日本ソムリエ協会」と改称しました。
社団法人となったのは1985年のことです。