皆さんの中で工場に勤務している方はいらっしゃいますか。
その工場はガス溶接を請け負っていますか。
ガス溶接は可燃性ガスを燃焼させて得た高温の炎を熱源として、金属を溶融させて溶接を行う技術です。
そして、アセチレン溶接装置またはガス集合溶接装置を使用して溶接を行う場合は作業方法の決定や責任者を選任しなければなりません。
それがガス溶接作業主任者です。
大変重要な立場にあるこの資格をどうやって取得していけば良いかを見ていきましょう。
Contents
適用する仕事
冒頭の箇所と重複しますが、ガス溶接作業主任者はアセチレン溶接装置、ガス集合装置に関する知識、ガス溶接等の業務に関する知識、アセチレンなどの可燃性ガスに関する知識、関係法令に関する知識を持っていると認められた方を指します。
そうした装置を用いて金属の加工作業を行う現場で、作業方法の指導や安全面の確認・指導を行います。
ガス溶接は、建設現場や鉄工所などといった現場で使われている技術ですので、そうした工場にはニーズがあるでしょう。
ガス溶接作業主任者は単なる技能者というよりリーダー格の要素が強いので、実際にガス溶接を行う技能資格であるガス溶接技能者の資格を併せ持つと、実務的な部分でも重宝されます。
作業も知識が備わっていて、現場の指揮もとれて無敵ということですね。
おおよその年収とキャリアパス
ガス溶接作業主任者の年収は300万~500万円のようです。
各地方、企業によってバラつきはあります。
この資格を持っていると、資格手当として賃金が上乗せされるところがだいぶ多いらしいです。
ガス溶接作業主任者はあくまでも指揮をとる立場です。
溶接を行なっている作業員たちとのやりとりや教育が大事になってきます。
常に上にいる立場になりますね。
長年溶接の仕事をやっていて、指導者として作業現場で力を発揮したい方や働いている会社でキャリアアップをしたい方には良い資格だと思います。
最近ではロボットによる溶接作業もありますが、細やかで複雑な部分は熟練した溶接工が頼りになります。
溶接の現場は人手不足に陥っているので、技能者もこのガス溶接作業主任者としてのポジションも必要ですよ。
認可団体
受験条件
特にありません。
ただ受験申請をする時に本人確認証明書が必要になります。
本人確認証明書とは、氏名、生年月日および住所を確認できる書類です。
次の(1)~(5)の書類のうちのいずれか一つを添付してください。
(1)住民票または住民票記載事項証明書(個人番号・マイナンバーが記載されていないもの)
(2)健康保険被保険者証の写し(表裏)
(3)労働安全衛生法関係各種免許証の写し(表裏)
(4)自動車運転免許証の写し(表裏)
(5)その他氏名、生年月日及び住所が記載されている身分証明書等の写し※
※ただし「個人番号カード」をコピーする場合は個人番号が記載されている「個人番号カードの裏面」はコピーしないでください。
番号は重要な個人情報の部分ですからね。
合格率
実施年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2020年 | 586人 | 497人 | 84.8% |
2019年 | 947人 | 847人 | 89.4% |
2018年 | 916人 | 786人 | 85.8% |
1年当たりの試験実施回数
年1~2回実施されています。
試験が受けられる箇所は北海道、東北、関東、中部、近畿、中国四国、九州の7つですが、北海道と関東は1回ずつです。
次の試験は12月7日で全箇所で実施されます。
試験科目
- ガス溶接などの業務に関する知識
- 関係法令
- アセチレン溶接装置およびガス集合溶接装置に関する知識
- アセチレンその他可燃性ガス、カーバイドおよび酸素に関する知識
採点方式と合格基準
前項目で挙げた試験科目からそれぞれ5問ずつ出題されます。
配点はそれぞれ25点ずつです。
問題は5肢択一方式で、4つの科目のどれもが40%以上正解していないといけません。
総合で60%以上得点すれば合格です。
取得に必要な勉強などの費用
「合格率」の項目を見て分かるとおり、高めになっていることから独学でも充分勉強できそうです。
ただ大学や高校などで溶接課程や工学・化学学科を学ばれた以外の方は、聞き慣れない言葉がたくさん出てきて戸惑うかと思われます。
おすすめなテキストをご紹介しましょう。
ガス溶接作業主任者テキスト 第4版
発売元:中央労働災害防止協会
商品名:ガス溶接作業主任者テキスト 第4版
価格:¥1,760(税込)
「ガス溶接作業主任者」として知っていなければならない事項を網羅したテキストです。
最新の知見、改正法令に対応するとともに、ガス切断器の保守・点検の記述などを追加しました。
免許試験用のみならず、ガス溶接作業の安全を確保するために役立つ内容となっています。
ガス溶接作業主任者 過去問題・解答解説集
出版社名:タカラライセンス
商品名:ガス溶接作業主任者 過去問題・解答解説集
価格:¥3,850(税込)
「ガス溶接作業主任者」の資格試験最新である令和2年10月(2020年10月)の過去問題から過去10回分を収録し、解答・解説を載せています。
出題された「労働安全衛生規則」「労働安全衛生法」「労働安全衛生法施行令」などを収録しています。
試験勉強におおいに役立つ本だと思います!
講習期間は2日間です。
受講料は一般だと32,000円、会員(一般社団法人東京都溶接協会の会員)だと28,000円です。
テキスト代、受験申請書代を含みます。
定員は50名です。
受験料
8,800円(非課税)
受験申込方法
受検を申し込むには「受験申請書」を用意します。
次の取扱機関から取り寄せましょう。
- 北海道安全衛生技術センター
- 東北安全衛生技術センター
- 関東安全衛生技術センター
- 中部安全衛生技術センター
- 近畿安全衛生技術センター
- 中国四国安全衛生技術センター
- 九州安全衛生技術センター
取り寄せたら書類を作成しましょう。
受験資格や添付書類をよく確認して用意しましょう。
なかには科目免除が適用される方も出てくるかと思われます。
認可団体の「公益財団法人 安全衛生技術試験協会」の公式サイトにアクセスし、ガス溶接作業主任者の受験資格の欄をよく読みましょう。
また、証明写真も必要です。
(30mm×24mm)のサイズで用意しましょう。
受験申請書の提出方法は郵便(簡易書留)かセンター窓口持参の2通りです。
上記に挙げた各安全衛生技術センターに提出しましょう。
くれぐれも協会本部には提出しないようお願いします。
まとめ
ガス溶接作業主任者はガス溶接作業をするうえで、それをまとめる立場として大変重要な職種であり、資格であります。
合格率は高いですが、専門的な分野です。
講習会も行われていますので、しっかり学びたいという方は参加されてみてください。
この資格は造船所や自動車工場、建設現場、鉄工所などといった現場で重宝されます。
そういった職場で、あるいはガス溶接の仕事に就きたいという方はこの資格を検討してみてはいかがでしょうか。
この資格を取って職業選択やキャリアに生かせれば良いですね。
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アルミニウム溶接技術検定について
この「ガス溶接作業主任者」を主催している団体は「公益財団法人 安全衛生技術試験協会」です。
厚生労働大臣の指定を受けて
これらを国に代わって行なっている試験期間です。
所在地
〒101-0065
東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル 東館9階
TEL:03-5275-1088
昭和51年4月1日設立