外国語を勉強するのは大変ですよね。
実際にその外国語が話せる友人などがいる場合を除き、自分が今どのくらい話せるのかわからないのも大変な理由のひとつでもあります。
そこで今回はドイツ語技能検定試験について触れていきたいと思います。
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適用する仕事
主な職業の例として、通訳・翻訳家・旅行会社・自動車業界の営業・ドイツ語講師などがあります。
あとはドイツ語の翻訳家や通訳の仕事はもちろんですが、一般企業でも英語関連の資格と同時に取得できていれば評価が上がるようです。
おおよその年収とキャリアパス
年収の例として、メルセデスベンツ(ドイツの乗用車、商用車)に就職した場合年収は500万円から800万円、アウディジャパン(ドイツの自動車メーカー)に就職した場合500万円から1000万円となっています。
通訳は平均すると650万円ほどですが、フリーランスで活動して1000万円以上の収入が期待できる場合があります。
翻訳家は平均して500万円程度、フリーランスでは1000万円以上の収入が期待できます。
認可団体
認可団体は「公益財団法人 ドイツ語学文学振興会」です。
ドイツ語学文学振興会は、1960年に創設されました。
その目的は、政治・科学・経済・技術・文化などの様々な方面にわたり日本と密な関係であるドイツへの理解と研究に貢献することにありました。日本独文学会が日本とドイツの基本的な分野であるドイツ語・ドイツ文学を専攻している人を総合する全国的な学術機関として活動していて、今も2千人もの会員がいます。
ただ、学会組織は財政面での制約もあってアカデミックのような活動に限られているのに対して、ドイツ語学文学振興会は若い研究者の論文に対しての授賞や研究成果への刊行助成・研究者同士の交流への援助、一般社会のドイツ語の普及やドイツの文学の紹介事業を行うのを目指しています。
そして、ドイツ語の教育への振興のために1992年からドイツ語技能認定試験を実施し始めました。
ドイツ語学文学振興会は故木村謹治博士の十三回忌からの募金を基にして、様々な方の寄付を受けて創設されていて、1966年1月10日に財団法人として発足しました。
その後に、法人制度の改革を受けて2012年4月1日に公益財団法人に移行しました。
受験条件
年齢・職業・学歴・国籍などにかかわらず、受験資格に条件はありません。
合格率
各級の合格率は
4級で73%
3級で52%
2級で42%
準1級で33%
1級で11%
このようになっています。
一年当たりの試験実施回数
5級から2級は6月と11月の年に2回行われています。
1級と準1級は年に1回行われ、11月に1次試験、1月に2次試験が行われています。
試験科目
各級ごとに解説します。
5級
5級は筆記試験が40分、聞き取り試験が20分
5級に必要な勉強の目安は30時間で、必要な語彙数は550語です。
初歩的なドイツ語が使用できるくらいの能力です。
4級
4級は筆記試験が60分、聞き取り試験が25分
4級に必要な勉強の目安は60時間で、必要な語彙数は1000語です。
ドイツ語の基礎が理解できたくらいの能力です。
- 日常生活で必要になる表現・文を使うことができる
- 家族や職業、学校や買い物など身近な話題での会話ができる
- ちょっとした手紙や短めの文章が理解できる
- 簡単な文章を聞いて、質問に答えて重要な語句・数字を書きとれる
など
3級
3級は筆記試験が60分、聞き取り試験が30分
3級に必要な勉強の目安は120時間で、必要な語彙数は2000語です。
日常的な会話や手紙などの文章が理解できるくらいの能力です。
- 基本的なドイツ語が理解できて、身近な場面にほとんど対応ができる
- 簡単なコラムや記事など文章を読むことが可能である短めの文章の内容を聞いて簡単な質問にも答えられて、重要な語句や数字を書きとれる
など
2級
2級は筆記試験が80分、聞き取り試験が30分
2級に必要な勉強の目安時間は180時間で、必要な語彙数は3000語です。
日常生活でドイツ語を的確に使うことができるくらいの能力です。
- ドイツ語の文法・語彙に関して十分な知識を持ち、日常生活で必要となる会話・社会生活で使われる文章が理解できる
- 少し長めの文章の内容を理解して、それについての質問に答えられる
- 短めなドイツ語の文章が書ける
など
準1級
準1級は1次試験の筆記試験が90分、聞き取り試験が35分
2次試験はドイツ語を母国語としている方又は日本人によって行われる口述試験で、形式は会話形式で写真素材を使用します。
時間は8分程度で審査対象は発音とイントネーション・文章構成能力・コミュニケーション能力・描画能力が試されます。
準1級は年単位で日常的にドイツ語を使用しているレベルです。必要な語彙数は5000語以上です。
参考書には掲載されていない現地の特有な表現が出題されてきます。
- ドイツ語圏の国においての生活に対処できる一般的なドイツ語を十分身に着けている
- 新聞等の少々複雑な記事・論述分が読める。自らの体験について詳細に語って、社会的なテーマについて口頭で考えを述べることが可能である
など
1級
1級は1次試験の筆記試験が120分、聞き取り試験が40分
2次試験はドイツ語を母国語としている方又は日本人によって行われる口述試験で、提示されたリストから1つテーマを選んで、それに関することの質疑応答を行います。
時間は13分で審査対象は発音とイントネーション・文章構成能力・出されたテーマに即して意見を述べられるかの能力やコミュニケーション能力が試されます。
1級は数年以上、日常でドイツ語に触れているレベルです。
社会的専門分野の内容も理解していて、それを他人に的確に伝達することができる程度です。
- 標準的なドイツ語を何不自由なく使用でき、専門的なテーマで書かれた文章を理解して、それに関して口頭で意見が言える
- 複雑な内容に関する話題やインタビューの話などの内容が理解することができる
- 複雑な日本語の分をドイツ語に、またはその逆もすることができる
など
採点方式と合格基準
採点方式については明らかにされていません。
合格基準はそれぞれの級で100点満点のうち、60点以上で合格となっています。
取得に必要な勉強などの費用
ドイツ語技能検定試験の勉強に必要な過去問題集が「独検」として、約3,000~4,000円で販売されています。
受験料
受験料は5級が4,500円、4級が5,500円、3級が7,500円、2級が9,500円、準1級が11,500円、1級が13,500円です。
併願の場合は5級と4級が9,000円、4級と3級が12,000円、3級と2級が16,000円、2級と準1級が20,000円、準1級と1級が23,000円です。
受験申込方法
郵送とインターネットの2種類があります。
どちらも試験日の約2か月前に受付をはじめて、1ヶ月前に締め切るという形式をとっているようです。
1級と準1級は二次試験が不合格でかつ一次試験の高得点者に限り、一次試験を免除することができます。
検定料金は変わらないようです。
しかし、免除の場合はインターネット出願からの申請はできなくて、郵送のみとなっています。
まとめ
英語だけでなくドイツ語も話せれば、年収のアップやフリーランスでの活躍ができることが期待できます。
まずは初歩的な級から「ドイツ語技能検定試験」を受けてみて、ドイツ語ができるか自分を試してみるのはいかかでしょうか。
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