皆さんは普段の料理にだし(出汁)は使っていますか。
だしはとりわけ日本食において、西洋のブイヨンに匹敵するくらい重要なものです。
だしにはかつおだし、昆布だし、煮干しだし、干しシイタケだしなどいろいろありますが、どれも身近に販売されていてうま味を引き出してくれる材料ばかりです。
そんなだしのことについて博士ともいうべき職業をご存知でしょうか。
ソムリエというとワインのエキスパートを思い浮かべますが。今回はそのだし版の「だしソムリエ」についてです。
そんな職業があるのか、どんな資格試験なのかをたっぷりご紹介していきましょう。
Contents
適用する仕事
だしソムリエとはだし(出汁)を知り、料理、商品開発、メニュー開発に生かせる専門家です。
となると、やはり料理関係でこの資格の知識が活かせます。
民間の資格試験のため、就職や転職に直接結びつくとは考えにくいですが、調理経験があって飲食業で勤めてこられた方や子育てが終わって飲食の道に進みたいなどの方には、この資格は有利かもしれません。
資格は3級~1級までありますから、商品開発やメニュー開発、料理人や料理の講師だけでなく、主婦や主夫の方でも受講できる人気の資格となります。
少し横道に逸れますが、もし「だしソムリエ」の資格を取得したら、協会が主催するレシピ開発や講座・イベントなどに参加することができます。
これは料理教室講師のみの担当ではなく、だしソムリエ資格保持者も含まれます。
これら以外にも「だし」「料理」「地方の食文化」に関する、テレビ番組やWeb番組などの出演、出版・記事執筆のお手伝いをすることができます。
地元のメディアにテレビ番組のゲストとして招かれたり、だしについての本やレシピ本の監修に参加することができます。
「だしソムリエ」の資格を取得することで、一躍著名人になるかもしれませんね。
おおよその年収とキャリアパス
万人に人気の資格でも年収とキャリアパスに挙げるとしたら、料理人や料理教室講師が分かりやすいと思います。
ですので、この2種についてご紹介します。
料理人の場合
料理人の仕事の平均年収は約395万円です。
正社員の給料分布で見ると341~386万円の水準が人数が多く、平均年収の395万円はこのゾーンよりも高い水準にあります。
となると、たくさん収入を得ている料理人がいるとともに、その額も差が大きいことでしょう。
ある専門学校からの情報だと、料理人の初任給は10万円台がほとんどだそうです。
調理師としての求人も地域間の差はあるものの、未経験の場合はほとんどが月収10万円台後半、良くて20万円台前半となっています。
料理人になるには若い方が良いと言われます。
なぜなら、その道を極めれば給料も上がっていくからです。
料理教室講師の場合
料理教室を開いている講師の年収は200万~400万円台となります。
この相場は正社員の側から見ていますが、実際の料理教室講師の採用は「業務委託」や「時給制」の企業が多いです。
そうなるとこうした年収はそう高くありません。
しかし、営業成果によるインセンティブが発生する可能性はあります。
キャリアパスでは、料理教室が人気になれば注目されます。
そして、料理教室を継続する傍ら、実績づくりとして自分名義のレシピ本を出すことが挙げられます。
これがステータスに直結し、自分の名刺代わりになるそうです。
さらには、大きな道として自分のキッチンスタジオを持つことも考えられます。
ただし、自分ひとりの力でキッチンスタジオを維持し、料理研究家として独立していけるのは少数だといわれています。
認可団体
だしソムリエを主催している団体は「合同会社 だしソムリエアカデミー」です。
2010年3月10日設立
〒105-0013 東京都港区六本木2-2-2-404電話:03-6775-8962
FAX:03-6689-4466
受験条件
2018年10月1日より試験は廃止となっています。
試験ではなく、受講する形になります。
ただしそれでも、対象となる人物像は以下のとおりになっています。
3級の対象となる方
- 料理やだしはよくわからない…でもイチから学びたい方
- 料理教室を主宰したり、食育活動をしている、または興味のある方
- だしソムリエ認定講師を目指す方(3級講座を開催することができる)
2級の対象となる方
- メーカーや流通などで、商品開発、バイヤーとして活躍される方
- 料理の現場でレシピ開発などに関わる方
- 日本の乾物だしについて知って、伝えていきたい方
1級の対象となる方
- 和食、西洋料理、中国料理のだしの基本を学びたい方
- 一流の料理のプロからだしと料理を学んで、将来開業したい方
- 商品開発や料理レシピを考案するなど、ビジネスに役立てたい方
合格率
合否に関する結果のいっさいの情報は公開していません。
2級と3級は講座終了後に全ての方に修了証が配られます。
1級だけは基準をクリアした方のみ合格となります。
1年当たりの試験実施回数
2021年によると
- 東京で2回ずつ
- 札幌、仙台、名古屋、大阪で1回ずつ
あとはオンラインでの受講が可能です。
試験科目
試験科目ではなく、受講内容をお伝えします。
3級
3級講座ではだしの香りを嗅いだり、色を見たり、味わうなど、五感のうち視覚、嗅覚、触覚、味覚をフル活動させて「だし」を感じていきます。
主に「和だし」を学びます。
2級
2級では「世界のだし」について学びます。
もちろん3級で学ぶ「和だし」に対してももっと深く学ぶことができます。
1級
1級では講師である料理人の方から、これまでの常識とは違う「だし」の種類や魅力を教わることができます。
珍しいだしを使った本格的な和食の作り方が学べます。
1級ではラーメンについても一流の講師を迎えます。
スープにおいてもだしは欠かせない存在ですので、ラーメン店の開業を目指している方にもおすすめな受講内容となっています。
採点方式と合格基準
繰り返しますが、2級と3級は講座終了後に全ての方に修了証が配られるので心配ありません。
1級に対しては、講義が終わると後日レポートを提出します。
内容の基準を満たした方に1級の修了証が与えられます。
取得に必要な勉強などの費用
取得に必要な費用は受講料に含まれているので、敢えて無いと思われます。
「だしソムリエ」の公式サイトには参考書籍が掲載されていますが、こちらでは省きます。
受験料
こちらでは受講料になります。
2級 52,800円
1級 59,800円
(養成講座込み)
ですが、3級+2級(オンライン&通学)
2級+1級(オンライン)
2級+1級(通学)
3級+2級+1級(オンライン)
といったダブルorトリプル受験も可能で、期間によっては割引価格で受けられます。
受験申込方法
「だしソムリエ」の公式サイトにて、右上の講座申込ボタンをクリックして申し込んでください。
まとめ
だし版のソムリエである「だしソムリエ」の情報をお伝えしてきました。
だしの力は奥深いです。
そのだしをいろいろな角度から学ぶことができるのが「だしソムリエ」の受講です。
この講座は一流の料理人の講座も受けることができます。
料理人や料理教室講師の方だけでなく、毎日料理をする一般の方でも受講できます。
級が3種類ありますので、料理やだしに興味のある方は受講してみてはいかがでしょうか。
日本には多くの材料からだしが取れますので、そうした知識を学ぶのもおもしろいですよ!
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きのこマイスターについて
本人の努力・実力次第では年齢に関係なく職場でのポジションもアップします。
料理長を目指すことも夢ではありません。
一方、ある程度基礎技術を身に着けた後、他の店へ移る方もいます。
こうした動きには違う環境で料理人としての技術の幅や視点を広げられるメリットがあります。