フードコーディネーターについて

フードコーディネーターについて

フードコーディネーターというのは響きは良く聞こえますが、要するに食の魅力を知り、人々に伝えていくスペシャリストを指します。
つまり、食に関する多様な仕事に携わる職業のことです。

業務範囲は明確な線引きや定義がないのが実情です。
職業の定義があいまいでこの資格名?と思われるかもしれませんが、内容や疑問をこの記事でお伝えできればと思っています。

適用する仕事

フードコーディネーターは食に関する幅広い知識を活かして、さまざまな仕事を行うことができます。

食の開発

給食のメニュー開発

  • 食品メーカーの商品
  • 飲食店や給食サービスのメニュー
  • 卸や小売業のプライベートブランド商品
  • 家庭向け弁当
  • 地場産品を使用した行政の商品やメニュー
  • 食品の販路や顧客の開拓
  • 店舗や厨房デザイン
  • 観光業の食プログラム

など

食の演出

  • 陳列棚食品や飲食店などのパブリシティ制作(メディアの選定やコーディネート、写真撮影に関わるスタイリングや空間コーディネートなど)
  • 飲食店などの空間コーディネート
  • 食関連の記事作成
  • イベントなどの運営
  • 食品の売り方や陳列方法の提案

など

食の運営

レストランの様子

  • レストランや飲食小売業
  • 少子高齢社会など時代に合った食の新業態や運営手法の開発
  • 料理教室
  • フードコーディネーター教育や育成スクール
  • 食育プログラム
  • 地産地消プログラム
  • 道の駅や農産物直売所

など

おおよその年収とキャリアパス

料理をしている

フードコーディネーターの平均年収は約313万円だと思われます。
月給で換算すると26万円程度が相場です。
ちなみに、日本の平均年収は2021年で400万円台なので、それに比べれば低い傾向にあります。

フードコーディネーターは、アシスタントからキャリアをスタートする人もいるためその場合は収入が低いです。

よほど恵まれた環境で働かない限りは、他にアルバイトをしないと生活が成り立たないこともあります。

とはいえ、フードコーディネーターはフリーランスとして働く人も多く経験や能力によっては、多くのメディアに出演したり、講演活動に呼ばれたりすると、高収入が得られる可能性があります。

フードコーディネーターのキャリアパスとしては、企業内でのキャリアアップかフリーランスになるという選択肢が考えられます。
フードコーディネーターのなかには、会社員として企業に勤務している方もいます。

企業内でキャリアアップする場合、企画する立場や管理職などといったキャリアを目指すことができるでしょう。

フリーランスで活躍していきたいなら、多くの場合独立しているフードコーディネーターに師事してアシスタントからキャリアをスタートさせていきます。

キャベツ千切りする

例えば、1年目のアシスタントでは料理に添えるキャベツの千切りなどといった“添え物”と呼ばれる野菜の準備から始まるそうです。
そうして、師匠であるフードコーディネーターの仕事を間近で見て覚えて、少しずつ大事な仕事を担っていきます。

個人差はありますが、2~3年のアシスタント経験を積んだ後に、一人前のフードコーディネーターとして独立することが多いようです。

その際、まずは師事していたフードコーディネーターの方から取引先を紹介してもらって、少しずつ仕事の幅を広げていくことが道筋と考えられます。

認可団体

認可団体の画像
フードコーディネーターの資格を主催している団体は「特定非営利活動法人 日本フードコーディネーター協会」というところです。

1994年7月に設立されました。

事業内容
  • フードコーディネーター資格認定制度の実施
  • 資格認定制度に伴う各級テキストの制作や発行
  • 資格認定制度に伴う試験対策講座の実施
  • イベントや展示会などへの出展や協賛
  • 研修会、見学会、講演会、交流会などの開催や協賛
  • 協会認定校の選定や育成事業
  • 会報誌、メールマガジン、Facebookなどを通しての情報の提供
  • 会員と企業とのマッチングの実施
  • フードコーディネーターの国際交流事業
  • 食育支援事業
  • 食を通しての地域活性化支援事業

受験条件

試験3級・2級・1級とあります。

3級

中学校卒業以上

2級

3級資格認定登録者
なお、2次試験は2級1次試験合格者

1級

1級1次試験の応募資格
 フードコーディネーター2級資格認定登録者(取得分野に限る)
1級2次試験の応募資格
 1級1次試験合格者(前年度までの1次合格者を含む)

合格率

3級 70~80%以上(公式サイトでは非公開)
2級 86.49%(2019年度)

【1級の場合(2019年度)】
1次試験
レストランプロデュース 54.6%
商品開発        48.6%
イベントメディア     33.3%

2次試験
レストランプロデュース 100%
商品開発        88.9%
イベントメディア     80.0%

1年当たりの試験実施回数

3級、2級、1級の試験それぞれ年1回ずつ行われています。

試験科目

試験の科目

それぞれお伝えします。

3級

  • 文化
  • 科学
  • デザインアート
  • 経済、経営

出題範囲は「新・フードコーディネーター教本2021」または「新・フードコーディネーター教本2020」から。
テキスト外からは食に関する一般常識問題

2級

1次試験

  • レストランプロデュース、商品開発
  • 食の生産、流通、消費
  • ホスピタリティ&ライフサポート、イベント・メディア

出題範囲は2級教本の内容を中心に、一部重要な食情報など

2次資格認定講座

1次試験合格の方に受講してもらう必要があります。

(1)企画書の基礎 20分
(2)企画書作成のポイント 60分
合計80分

※(2)はレストランプロデュース、商品開発、イベント・メディアの3分野から1つを選択。
※動画にて(1)(2)を学習した後、課題を提出します。

1級

1次試験

1次試験は企画書審査です。
3つの専門分野「レストランプロデュース」「商品開発」「イベント・メディア」より1つ選択して、企画書を提出します。
資格は分野別に認定します。

※1次試験は、締切日までに企画書を送付するだけなので試験会場に行く必要はありません。

2次試験

2次試験はプレゼンテーションと面接です。
1次試験で合格となった企画書を使ってプレゼンテーションを行います。
自己紹介3分、プレゼンテーション15分、質疑応答10分

採点方式と合格基準

  • 3級・2級の1次試験
    試験方法はCBT(コンピュータ ベースド テスティング)
  • 1級
    1級の採点方式は1次試験の企画書審査、それに合格したらプレゼンテーションへと進みます。

いずれにしても、各級の合格基準は不明です。

取得に必要な勉強などの費用

それぞれ試験対策が用意されています。

3級の場合

新フードコーディネーター教本 2021
created by Rinker
  • 出版社名:柴田書店
  • 商  品  名:新フードコーディネーター教本 2021
  • 価        格:¥3,300(税込)

フードコーディネーター3級資格を取るためのテキストとして1998年に発行され、2020年に大幅な改訂を実施した物です。
資格取得を目指す人はもちろん、食の世界を学びたいあらゆる人にとって役に立つ1冊です。

2級の場合

勉強のテキスト

  • 出版社名:三恵社
  • 商品名:2級フードコーディネーター教本
  • 価格:¥3,300(税込)

「レストランプロデュース」「商品開発」「食の生産・流通・消費」「ホスピタリティ&ライフサポート」「イベント・メディア」の5項目を盛り込んだ2級用のテキストです。

1級の場合

1級の場合は希望者のみ試験対策講座をご用意しています。
※2021年度は緊急事態宣言発令で中止となっているため、費用や詳細は不明です。

受験料

3級 11,000円(税込)
2級 1次試験 11,000円(税込)
2次試験 13,000円(税込)
1級 1次試験 12,000円(税込)
2次試験  16,000円(税込)

しかし、試験を受けて合格するだけではフードコーディネーターとして活動できません。
資格を授与されるためには認定登録の手続きが必要になります。
そのための認定登録料としての費用が必要です。

認定登録料
3級 21,000円
2級 21,000円
1級 31,000円

受験申込方法

パソコンで申し込み
申込方法につきましては「フードコーディネーター」の公式サイトで「資格認定試験」の欄から、それぞれの級の「お申し込み方法」をクリックして申し込んでください。

なお、試験および対策講座のお申し込みはCBT-Solutionsのマイページで行いますので、初めてCBT-Solutionsで受験される方はIDとパスワードを取得してください。

まとめ

以上「フードコーディネーター」という資格についての記事でした。

フードコーディネーターというのは肩書きはカッコイイものですが、それよりも何をするかが重要視される職業です。

机上の学習だけで「私はフードコーディネーターです」と言えないのが現実です。
目指すならアシスタントを含めた実績が必要でしょう。

それにこの資格を受けるからには、受験料の他に認定登録するための費用が別に必要になります。

それでも資格を持つメリットは、資格を持っていた方がテレビや雑誌などメディア関係のお仕事や飲食店のプロデューサーなど幅広く活躍することができるからです。

いずれにしても、フードコーディネータはコミュニケーション能力があり、食に関するたくさんの知識を吸収する熱心のある人が向いています。

将来食に関するビジョンがおありの方は、このフードコーディネータという資格や職業を目指してみてはいかがでしょうか。
これからの時代も「食」は大事なテーマです。

 

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