家電製品アドバイザーについて

家電製品アドバイザーについて

私たちはさまざまな家電製品を活用して暮らしています。
新しい家電が欲しくなったとき、まずは家電量販店を見てみようと考える人が多いのではないでしょうか。
家電量販店には冷蔵庫ひとつ取っても実に多くの製品が並んでいます。
そこから自分の暮らしにぴったりのものを選ぶのはなかなか骨の折れることです。
そんな時、専門の知識を有する人が店舗にいれば心強いことでしょう。
今回は家電製品に精通していることを証明する資格、家電製品アドバイザーを紹介します。

適用する仕事

家電製品アドバイザーは以下の2つに分かれます。

  • 家電製品アドバイザー(AV情報家電)
  • 家電製品アドバイザー(生活家電)

家電製品アドバイザー(AV情報家電)

適用する仕事主にテレビとその周辺機器、ホームシアター、オーディオ、ドライブレコーダーなどの映像・音声に関する家電のほか、パソコンとその周辺機器、インターネット・AVネットワークなどに関する知識が求められます。
家電量販店はもちろん、パソコン専門店やインターネット関連企業、携帯電話キャリアなどにも活躍の場があります。

家電製品アドバイザー(生活家電)

エアコンや空気清浄機、除湿機、加湿器、扇風機や換気扇といった空気にまつわる家電のほか、冷蔵庫や炊飯器をはじめとするキッチン家電、洗濯機や掃除機といった大型の家電の知識も求められます。
さらには照明器具、温水洗浄便座、火災報知機からドライヤーに至るまで、生活に関するあらゆる家電に精通することを示すこの資格は、家電量販店のほか電力・ガスなどのライフライン関連事業などでも役立てることができます。

おおよその年収とキャリアパス

年収とキャリアパス

家電製品アドバイザーの資格が役立つ分野でのおおよその年収は300万円から500万円程度です。
国家資格ではないため、「家電製品アドバイザー」を指定する求人はあまりないものの、豊富な知識と高いスキルを認められた人材を多くの企業が求めていることは確かです。

既に家電量販店などに勤めている人はスキルアップの一環として、また、培ってきた力を証明するものとしても活用できるでしょう。

認可団体

一般財団法人 家電製品協会のロゴマーク家電製品アドバイザーは、「一般財団法人 家電製品協会」によって認定されます。
家電製品協会は、今後より便利に、そして複雑化していく家電を取り巻く諸問題を調査・研究し、快適と安全、環境への配慮を両立することを目指す団体です。

資格認定のほか、家電製品を安全に使用するためのリーフレットや家電リサイクルの案内などを作成し、公式サイトに公開しています。
家電製品アドバイザーのほか、スマート化する住宅と暮らしに対応する専門家としての「スマートマスター」、家電の設置や接続・調整、トラブル対応の専門家としての「家電製品エンジニア」といった資格の認定も行っています。

受験条件

家電製品アドバイザーに受験条件はありません。
誰でも受験することができます。

合格率

家電製品アドバイザーの資格試験には、「科目合格」という制度があります。
受験した結果、一部の科目の得点が合格ラインに達していた場合、その後2回(1年以内)の受験に限りその科目の試験が免除される制度です。

膨大な知識が問われる試験なので、1度で合格できる人は例年2割以下です。
まずは科目合格を狙ってチャレンジするのもひとつの手段と言えます。

AV情報家電における2021年度の合格率

一般受験:14.3%
科目受検:43.5%

生活家電における2021年度の合格率

一般受験:18.8%
科目受検:51.5%

1年当たりの試験実施回数

試験は例年3月と9月の年2回実施されます。
3月の受験申請期間は1月中旬から2月上旬にかけて、9月の受験申請期間は7月中旬から8月上旬にかけてです。

試験科目

家電製品アドバイザーは前述のとおり2つに分かれています。
試験ではどちらの資格でも問われる共通科目とそれぞれの資格に関する科目とがあります。

共通科目

  1. CS総論
  2. 現代社会のCS
  3. 礼儀・マナーの基本
  4. 販売におけるCS ポイント
  5. 不具合発生時のCS
  6. 環境・省エネに関する法規
  7. 消費者とのコミュニケーションに際して留意すべき法規
  8. 知的財産保護に関する法規
  9. 独占禁止法・景品表示法とそれらに関連するルール
  10. 製品安全に関連する法規

試験科目

商品知識と取扱い(AV情報家電)

  1. デジタル技術の基礎
  2. テレビ放送
  3. テレビ受信機
  4. デジタルディスクレコーダー
  5. デジタルビデオカメラ
  6. デジタルカメラ
  7. ホームシアターとオーディオ機器
  8. AV機器の接続・設定
  9. ドライブレコーダーとナビゲーションシステム
  10. パソコン
  11. プリンター
  12. 電話
  13. インターネット・AVネットワーク
  14. 電池
  15. 電源とスマートハウス
  16. 防じん・防水

商品知識と取扱い(生活家電)

  1. エアコン・床暖房
  2. 空気清浄機
  3. 除湿機
  4. 加湿器
  5. 扇風機・サーキュレーター
  6. 換気扇・浴室換気暖房乾燥機
  7. 冷蔵庫
  8. IHジャー炊飯器
  9. IHクッキングヒーター
  10. オーブンレンジ・電子レンジ
  11. ジャーポット・電気ケトル・ホームベーカリー・ジューサー
  12. 洗濯機・洗濯乾燥機
  13. 掃除機
  14. ふとん乾燥機
  15. アイロン
  16. 照明器具
  17. ヒートポンプ給湯機
  18. 温水洗浄便座
  19. 火災警報器
  20. 太陽光発電システム
  21. 電源
  22. 電池
  23. 電気ファンヒーター・電気カーペット・電気毛布・電気こたつ
  24. ドライヤー・電動歯ブラシ・シェーバー
  25. 共通事項

採点方式と合格基準

各科目 55分・15問 200点満点

すべての科目で70%以上の得点があれば合格となりますが、合格ラインは試験結果を踏まえて都度調整されます。
余裕をもって合格できるよう日頃から勉強しておきましょう。

取得に必要な勉強などの費用

公式テキストが販売されています。

家電製品アドバイザー資格 生活家電 商品知識と取扱い 2022年版 (家電製品協会認定資格シリーズ)

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発行元:一般財団法人家電製品協会
商品名:家電製品アドバイザー資格 生活家電 商品知識と取扱い 2022年版 (家電製品協会認定資格シリーズ)
価格:¥2,530(税込)

「原理・基本構造などの普遍的な基礎知識」「普遍化しつつある新知識」「注目すべき新知識」の3つの視点から、生活家電に関する商品知識とその取扱いについて解説する1冊。

家電製品アドバイザー資格 AV情報家電 商品知識と取扱い 2022年版 (家電製品協会認定資格シリーズ)

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商品名:家電製品アドバイザー資格 AV情報家電 商品知識と取扱い 2022年版 (家電製品協会認定資格シリーズ)
価格:¥2,640(税込)

「原理・基本構造などの普遍的な基礎知識」「普遍化しつつある新知識」「注目すべき新知識」の3つの視点から、デジタルの基礎から主要なAV情報機器の技術・規格、仕組みと使い方を丁寧に解説する1冊。

受験料

AV情報家電・生活家電 両資格を受験(3科目):15,600円
AV情報家電・生活家電 いずれかを受験(2科目):9,400円
試験科目の免除により 2科目を受験:12,400円
試験科目の免除により 1科目を受験:6,200円

受験申込方法

受験申込方法

まず家電製品協会公式サイトにアクセスしてマイページを作ることからスタートします。
ここで作ったマイページは、科目受験や資格更新の際にも使用します。
マイページから受験する資格および科目を選択し、顔写真をアップロードします。
また、試験日と場所の予約、受験料の振込方法選択もここから行います。

まとめ

毎日のように新製品が生み出されている家電業界では、基礎の熟知はもちろん、既知の情報を積極的に更新しようという姿勢も欠かせません。

家電製品アドバイザーの資格を取得することは、実践で身につけた知識の補強や、豊富な知識を有する人材であることの証明にも繋がります。
これから家電業界で働こうと考えている人や既に関連企業などで働いている人にぜひおすすめしたい資格です。