Space Designer検定(スペースデザイナー検定)について

Space Designer検定(スペースデザイナー検定)について

「Space Designer検定試験」は、CADやBIMなどの3DCGソフトを利用したリアルなインテリアパースと説得力のある提案書を作成できる人材を評価・認定する試験です。
現在、住宅のリフォームやリノベーション業界は不動産やファッション業界、更にはネットサービス業界の参入により、毎年市場規模が拡大していると言われています。
そのため、CAD技術者や住居関連プランナー・アドバイザー等の資格取得者・経験者の需要が増加していますが、高い需要がある中でも「質」を求める声は少なくありません。
この資格は3DCGソフトを扱う技術力に”専門性”という強みを持たせたい方にオススメできる資格となります。

適用する仕事

Designer 検定(スペースデザイナー)キャド上記にある通り「Space Designer」は3DCGを活用する職種向けの資格です。

特にCGパースを活かして営業や企画立案を行う方には、より現実感のある完成イメージを提供できるデザイン性と顧客のライフスタイルに対応したプランニング能力を証明する有用な資格となります。

また、リフォームや増改築などの相談業務でも需要はあるでしょう。
なぜなら、CAD自体は使用できても応用した使い方まで行える人材が現場には少ないという話があるからです。

さらに、この資格はリアルなCGインテリアパースと説得力のある提案書を作成できる技能があると認められた証と言えるので、顧客のニーズを捉えたプレゼンテーションができる人材として仕事の範囲を拡大できる可能性があります。

様々なCAD関係の資格がありますが、”顧客の理想とする空間のイメージをより正確かつリアルに表現できる技術力”と”自分のアイディアやアドバイスを形にして伝えられる提案力”を証明する資格は現在コレが唯一と言えるでしょう。

おおよその年収とキャリアパス

Space Designerの資格を取得することで、仕事の幅を広げると共にスキルアップによる年収の増額も見込めます。

例えば、厚生労働省の調査によると平成30年度の一級建築士の平均月収は46.1万円、年収にすると702.9万円になるようです。

この金額は「平成30年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)を参考とした場合、建設業全体の平均年収である349.1万円(男性)と246.1万円(女性)よりも高額であることが分かります。

しかし、実際は大手ゼネコンから小規模の建築設計事務所までの平均月収から算出した数値であるため、実際は企業規模や実績によって年収300万~1000万前後の差があることを念頭に置かなければいけません。

ここで、資格取得による利点を挙げてみましょう。

例えば、建築士の求人を調べると一級建築士の募集は年収300万~500万が多く、最大でも700万前後でした。

ここにCAD経験者かつ設計・建築・営業関連の資格取得者を優遇する文言を含む場合、年収350万~550万を中心として、条件付きで1000万円を掲げる求人も出てきます。

この年収差から分かるように、資格の有無によって収入に大きな差が出てくることは見逃せないポイントです。

他にも、資格手当などに該当する場合、大体1,500円~5,000円程度、大手では1万円以上の増額が見込めるとも言われているため、昇進や顧客の増加などの高収入化が望めない場合は、たとえ微増であってもCAD関係の実績証明も兼ねて取得してみても良いかもしれません。

また、あくまでも噂話程度ですが、一級建築士+CADオペレーターの兼任で年収1,500万円前後を目指すこともできるようなので、CADの熟練者であり提案書作成のプロフェッショナルともいえる資格保持者の方は転職等でも有利になれる可能性があります。

特に、営業や企画立案に関わる仕事の場合、プレゼンテーション能力の高さを示すアピールポイントとして仕事の範囲拡大や顧客の獲得に役立つ資格となるでしょう。

認可団体

Designer 検定(スペースデザイナー)ロゴ一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)は、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)を母体として、検定試験に特化した事業活動のために設立された非営利法人です。

長年のCAD利用技術試験の運用を通して培ったノウハウをもとに、新試験の創設並びに外部試験の主催者に対する支援事業を行なっています。
さらに、広く技術系人材能力の開発育成を目的とした教育・出版事業等も行っています。

受験条件

受験条件はありませんが

「建築物の内装を設計するのに必要な知識(製図・インテリア)と技能(CADやBIMソフトを利用したCGパース作成)、表現力を学習している方」

(専門大学生、大学生、資格スクール生、社会人)を主な対象としています。

使用できるソフトウェア
AutoCAD / ARCHITREND / ARCHICAD / Revit / Shade 3D / SketchUp / Vector Works / 3DSmax / 3Dマイホームデザイナー / マイシーンデザイナー / Photoshop / PowerPoint / illustrator 等

よく受験者に使われるソフトウェアの例として上記が挙げられています。
しかし、JPEG画像とPDFファイルが作成できるものであれば指定はありません。

合格率

残念ながら、最近の合格率は発表されていません。

しかし、コンピュータ教育振興協会より2018年度の合格率が発表されていました。

2018年度 「Space Designer検定試験」合格率
Space Designer検定試験 1級 34%
Space Designer検定試験 2級 78.1%

このデータと2020年度の「Space Designer検定試験審査総括」を基に考察すると、基礎課題については”文句の付け所がない素晴らしい出来栄えの作品が多い”とあるので、基礎課題の評価が中心となる2級の合格率が高いことが分かります。

しかし、応用課題の方は提案書として求められる「要求条件」に合致していない作品が多い事を指摘しています。

例えば、読みやすさ・分かりやすさを表現するために、レイアウトやフォントの工夫といった提案書の基本的なルールを守る事が挙げられていました。

他にも、ファイルのサイズオーバーや指定フォルダが作成されてない等、要求されている条件に沿わない作品も多かったようなので、合格を目指す方は必ず確認してから提出しましょう。

もちろん、この要求条件は基本問題にも設定されているため、試験全体を通して問題をよく理解した上で課題に取り組むことが必要です。

1年当たりの試験実施回数

Designer 検定(スペースデザイナー)試験実施回数は1年に1回、2月上旬から中旬にかけて、試験を10日間(基礎課題の提出期間+応用課題の提出期間)行います。

申込期間は11月下旬から翌年1月の中旬までになりますが、より確かな情報を知りたい方は検定ホームページの年間スケジュールをご覧ください。

実施場所についてですが、2021年現在はネット環境がある場所ならば学校や職場自宅などでも受験可能です。

試験科目

試験科目は基本課題と応用課題の2種類があり、配布された問題に対して基礎課題、応用課題の順でパース画と提案書を作成し、期限内にアップロードを行います。
なお、この提出課題には解像度とサイズ、ファイル形式が指定されているので必ず確認しておきましょう。

基礎課題、応用課題でアップロード締切日が異なります。
必ずリプライメールに記載された締切日を確認して提出してください。
両課題ともに締切日の23時59分まで、アップロードが可能となっています。

基礎課題

アップロード期限

試験日より4日以内に提出(期間内であれば何度でもアップロード可能)

提出形式

  • ファイル名を付ける(指示された番号を半角で記入)
  • ファイル形式:JPEGファイル(ファイルサイズ5MB以下)
  • アスペクト(縦横)比:自由(作図の意図による)
  • 画像サイズ:試験問題に指定されたサイズで作図すること
  • カラー:24ビットカラー(1,677万色)/ RGB
採点評価は紙出力ではなくモニター画像での目視による。
画像データを1つのフォルダ(フォルダ名:A 半角)に入れ、zip形式で圧縮してアップロードすること。

課題内容

  1. 指定の部屋のパース画
  2. 指定方向から見た指定の部屋のパース画
    例)リビングからダイニングを見たパース画

上記は前回実施試験の課題内容です。課題内容は毎年異なるのでご注意ください。

応用課題

アップロード期限

基礎課題の作品提出後から試験最終日まで(期間内であれば何度でもアップロード可能)

提出形式

  • ファイル名を付ける(指示された番号を半角で記入)
  • 完成パース画像1点
  • PDFデータ(A3サイズ1枚)

PDFデータと画像データを1つのフォルダ(フォルダ名:B 半角)に入れ、zip形式で圧縮してアップロードすること。

課題内容

  1. 完成パース画
  2. 提案書(PDFファイル:A3サイズ1枚に空間コンセプトをまとめたもの)

上記は前回の実施試験の課題内容です。
課題内容(完成パース画の内容)は毎年異なりますのでご注意ください。
試験の課題提供は申込専用サイトのマイページ内で行われますので、試験開始日には必ずチェックをしておきましょう。

課題はダウンロード開始日の午前0時~終了日の23時59分までダウンロード可能です。
この期間以外でダウンロードする事はできませんので、ご注意ください。また、課題のダウンロードの他にも配布データがあるので忘れずに取得をお願いします。

配布データ

図面-PDFファイル(A3サイズ)で配布

  • 仕上げ表
  • 平面図
  • 平面詳細図
  • 展開図
  • 天上井伏図
  • 照明器具配置図
  • インテリアプラン

家具・照明器具の3次元モデル

中間(3DS、DXF)ファイルで配布

  • 3次元モデルのテクスチャに使用するイメージデータ(JPEG等)
  • 家具・照明器具の3次元モデルの確認用イメージファイル(JPEG等)

3次元モデルにテクスチャが反映されない場合、確認用イメージファイルを参考にテクスチャ用イメージデータを貼り付けてください。

テクスチャ用イメージファイル

床・壁・天井などのテクスチャを作成するためのイメージデータ(JPEG等)

採点方式と合格基準

会議を開いている3人のビジネスパーソン評価は100点満点をベースにして、「評価・判定委員」が全ての受験者のパース画および提案書を評価基準により総合的にチェックし、その結果に基づいて最終判定を行います。

「評価・判定委員」は主催団体から委嘱された、企業・教育機関の中から推薦された専門家・5名程度です。
この評価基準についてですが、検定ホームページ内の「評価採点基準」では以下のようなポイントが挙げられていました。

基礎課題

基礎課題では、図面等で指定された項目を正しく読み取り、パース画像を仕上げられているかを評価する。

モデリング 配布図面から正しく空間形状が読み取れているか。
エレンメントが正しく作成、配置されているか。
3Dデータの読込が適切に行われているか。
テクスチャ 内装仕上げ材が正しく表現されているか。
造作家具、置き家具、照明などの素材が正しく表現されているか。
レンダリング 光源およびアングルの設定が適切に行われているか。
基本操作 指定された形式で提出しているか。
総合 全体の色合いなどのバランスは良いか。

応用課題

応用課題では「より現実空間に近いパース表現ができているか 」、インテリアイメージの演出も含めて「魅力的な空間を表現できているか」、また「説得力のある提案書が作成できているか」を評価します。

テクスチャ 内装材や家具の質感が現実的な表現となっているか。
照明効果 照明器具の光の透過やテクスチャが現実的な表現となっているか。
インテリアエレメント 問題の指定条件に合った家族構成・ライフスタイル及びインテリアスタイルに合致したインテリアエレメントであるか。
インテリアスタイルの統一ができているか。
提案書 表現するインテリアスタイルとして適切なカラー・フォントで構成されているか。
提案書として必要なパース画像を補完するデザインコンセプト、イメージ画像、パ ース画像等が貼付されている上で、その内容が指定のインテリアスタイルに合致したものであるか。
バランスの良い魅力的な提案書であるか。
総合 細部まで作り込まれ、課題のテーマに沿ってまとめられているか。

ちなみに、「評価採点基準」にはより詳細な採点ポイントが掲載されていますので、確認したい方は検定ホームページにアクセスをお願いします。

なお、試験中は以下のような「採点対象外」になる事項に注意しましょう。

  • 基礎課題・応用課題それぞれに提出物の指示があります。
    どのデータをどのような形式でアップロードをするのか、必ず確認した上で指示通りに行ってください。指示通りでない場合は「採点対象外」となりますのでご注意ください。
  • 1級受験者は期限内(試験開始日より4日間内)に基礎課題(パース画)の作品データが未提出の場合、その後に応用課題を提出しても「評価対象外」となります。
  • 1級受験者は基礎課題が不合格の場合は、応用課題を提出しても「評価対象外」となります。

合格基準

Space Designer検定試験 1級

基礎課題の総合評価で70点以上+応用課題の総合評価で80点以上

Space Designer検定試験 2級

基礎課題の総合評価で70点以上(応用課題は提出しなくても合格基準を満たせば取得可能)

公式より、実施した試験の採点基準、各問の配点基準、採点結果等に関するお問い合わせ、および提出された解凍データについての確認・返還の要望には一切応じられないと載せてあるのでご了承ください。

取得に必要な勉強などの費用

Designer 検定(スペースデザイナー)テキスト勉強などの費用ですが、実質的に”なし”と言えるでしょう。

というのも、「Space Designer検定試験」ホームページ内で 「公式テキスト」 及び 「参考問題+ソフト別解説」を無償公開しているからです。
解説ソフトは3DマイホームデザイナーPRO、SketchUp、Vectorworcsの3種類となります。

また、同ホームページ内で過去3回分の試験問題が現在ダウンロード可能なので、試験対策を行いたい方はまず公式を利用してみてはいかがでしょうか。

受験料

Space Designer検定試験 1級 16,500円(税込)
Space Designer検定試験 2級 8,800円(税込)

なお、受験料お支払い後は理由のいかんに関わらず申込内容の変更及び受験料の払い戻しは行われませんので、ご注意ください。

また、再試験も「試験センター」が不可抗力と認めた場合以外では、基本的に行われないことをご了承ください。

受験申込方法

(1)新規で試験に申し込まれる方は、検定ホームページ内の「受験申し込み」から「試験申し込みサイト」に移動し、そこで「新規ユーザー登録」を行ってください。

登録後、「Space Designer検定試験センター」より登録時のメールアドレス宛に「基本情報登録完了通知」が届きます。
メールアドレスの入力を間違えると各種案内のメールが届きませんのでご注意ください。

(2)同試験の「試験申し込み」から試験の種類を選んで申し込みを行います。
試験の申し込みは各種試験の申込期間中のみ行う事ができますので、年間スケジュールを参照して期間内にお願いします。

(3)申し込み完了後、登録したメールアドレス宛に“申し込み仮受付メール”(支払方法でコンビニを選択)、または”申し込み確認メール”(支払方法でクレジット及びバウチャーを選択)が届きます。

(4)コンビニでの支払いを選択された方は、お支払いが完了すると申し込み確認メールが届きます。

※期日までに入金が確認できない場合はキャンセルメールが届きます。

(5)メール内で指定された期間中に、試験申し込みサイト内のマイページにログインして課題のダウンロードして頂きます。

なお、課題の制作には期日が設定されていますので、期限を過ぎないようにマイページから課題をアップロードして提出してください。

(6)合否判定の結果はマイページ上で公開されますので、公開開始と共に案内メールが送信されます。
ちなみに、マイページとは試験申し込みや合否判定の他にも、受験履歴の確認や登録内容の変更、受験票のダウンロード等が行える受験者用の個別サイトです。

お問い合わせ先
検定試験に関してのお問い合わせは、検定試験ホームページ内の「お問い合わせ先」にてお願いします。

まとめ

「Space Designer検定試験」は、関連資格である「2次元・3次元CAD利用者試験」に比べるとマイナーな試験であると言えるでしょう。

しかし、建築士やデザイナーがCADを利用している現在では、CAD関係の仕事は経験者であることに加えて何か”強み”を持っている方が優遇される傾向にあります。

それこそ3DCGソフトでリアルなバース画像を作れる技術力と顧客のニーズに応える提案力は、営業や企画立案をする際に大きな”強み”となる能力です。

この他にもCADについての資格や住宅・インテリア関係の専門資格は多くあります。

しかし、”インテリアパース画を含む提案書作成のプロ資格”は、顧客の願いを形にするためのコミュニケーションスキルとして、また自分を高める営業スキルとして使える双方に良い事をもたらす”強みと専門性”を持っていると思います。