今回ご紹介する映画は「インフィニット 無限の記憶」です。
「マグニフィセント・セブン」のアントワン・フークア監督が「ザ・シューター 極大射程」のマーク・ウォールバーグと再タッグを組み、輪廻転生を繰り返す能力者たちが繰り広げる壮絶な戦いを描いたSFアクションです。
身に覚えのない記憶と不安定な精神状態に10代の頃から悩まされてきたエヴァンは、定職に就くこともできず薬物に頼る日々を送っていました。
そんな彼の前に謎の組織の人間が現れ、衝撃的な事実を告げます。世界には記憶を保持したまま輪廻転生を繰り返す人間「インフィニット」が存在し、彼もその1人だというのです。
戸惑いながらも事実を受け入れたエヴァンは、輪廻転生を断ち切るために人類滅亡を企む「ニヒリスト」たちを阻止するべく立ち上がります。
「それでも夜は明ける」のキウェテル・イジョフォー、「キングスマン」のソフィー・クックソンなどが共演しています。
今回は「インフィニット 無限の記憶」のあらすじ、キャスト、見どころなどをご紹介します。
Contents
あらすじ(ネタバレあり)
前世の完全な記憶を持つ人間たちインフィニットは、そうでない人間たちに紛れて日常を送っていました。
500人にも満たない彼らのうち、人類のために能力を使う勢力“ビリーバー”は、自身の能力を呪いと考える勢力“ニヒリスト”から人類を守るため、日夜戦い続けています。
妙に現実感のある夢に悩まされているエヴァン・マコーリーは、過去に起こしてしまった暴行沙汰や統合失調症であるという診断が原因で再就職できずにいました。
金欠から常用している薬の服用が滞ることを恐れたエヴァンは、なぜか身についている技術を活用して見事な日本刀を鍛え上げ、それと引き換えに麻薬の売人から薬を入手しようと試みます。
しかし、売人が報酬を誤魔化そうとしたためトラブルになり、刀と薬を持ってその場から逃げ出すと、見たこともない景色の幻覚に襲われて気を失ってしまいます。
エヴァンは麻薬取引を追っていた警察に逮捕され、取り調べを受けることになるが、現れた男は見覚えのない物品をいくつか並べて「見覚えはあるか?」と尋ねてきます。
エヴァンが正直に「知らない」と答えると、その度に男はロシアンルーレットの引き金を引いてきます。
エヴァンは怯えて縮み上がりますが、あるロープを手にした時、自分の物ではない記憶が頭に思い浮かんできます。
エヴァンの様子が変わったと見た男が「懐かしき友」と呼びかけた直後、取調室に女の乗った自動車が突っ込んできました。
女はエヴァンを自動車に乗せ、男や警察の追跡を振り切るとノーラ・ブライトマンと名乗り、先程の男バサーストを含む自分たち3人が、いくつもの前世の記憶を持っているインフィニットという存在だと説明します。
エヴァンは困惑しながらも彼女の言葉に説得力を感じ、彼女らが所属する“ビリーバー”の拠点へ向かうことにします。
ノーラ曰く、バサースト率いる“ニヒリスト”はインフィニットたちの輪廻転生を終わらせるため、「エッグ」という装置で人類を絶滅させようとしており、その在り処はエヴァンの前世であるハインリッヒ・トレッドウェイだけが知っているというのです。
エヴァンにトレッドウェイの記憶と能力を取り戻させるため、訓練と科学の両面からアプローチを行う日々が続きますが、過去の怪我などが原因で思うようにいきません。
エヴァンとノーラは仲間と共に唯一状況を打開できるアルチザンに会いに行きますが、入れ違いに拠点を襲ってきたバサーストに拠点は制圧されてしまいます。
キャスト
エヴァン・マコーリー / ハインリッヒ・トレッドウェイ
(マーク・ウォールバーグ)
見知らぬ記憶に悩まされる男性。自分が異常であると思い込み、少年時代から自暴自棄な行動を繰り返してきました。
演:マーク・ウォールバーグ
94年、ペニー・マーシャル監督の「勇気あるもの」で記念すべき映画デビュー。
この時の演技がハリウッド関係者にも認められ、続く「バスケットボール・ダイアリーズ」「悪魔の恋人」で大きな役を与えられ本格的に俳優としてのキャリアを歩み始めます。
そんな彼の俳優人生を決定づけたのが97年のポール・トーマス・アンダーソン監督作品「ブギーナイツ」でした。
「バスケットボール・ダイアリーズ」で共演したディカプリオの推薦で射止めたこの作品の成功で、マーク・ウォールバーグ自身も俳優として確固とした地位を獲得。
以後は、「スリー・キングス」、「パーフェクト ストーム」、「PLANET OF THE APES 猿の惑星」、「ミニミニ大作戦」と話題作に立て続けに出演してスターの仲間入りを果たします。
06年には再びレオナルド・ディカプリオとの共演を果たしたマーティン・スコセッシ監督作「ディパーテッド」で初のアカデミー助演男優賞にノミネートされました。
1985年のハインリッヒ・トレッドウェイ(ディラン・オブライエン)
演:ディラン・オブライエン
ディラン・オブライエンは、アメリカ合衆国の俳優です。父はアイルランド系であり、母はイタリア、イングランド、スペインの血を引いています。
父親はカメラオペレーター、母親は元女優です。2011年にスタートしたTVシリーズ「Teen Wolf(原題)」で俳優デビューを果たし、主人公の親友スタイルズ役を演じています。
「ティーン・ウルフ」(2011-2017)、「ウィアード・シティ」(13)などのテレビドラマにも出演しています。
映画では「High Road(原題)」、「The First Time(原題)」(12)、「インターンシップ」(13・日本劇場未公開)に出演。
そして、ベストセラーのヤングアダルト小説を実写映画化した「メイズ・ランナー」3部作(15~)の主演に大抜擢されます。
ハリウッド期待の若手俳優として注目を集めています。
バサースト(キウェテル・イジョフォー)
インフィニットの男性。“ニヒリスト”のリーダー。かつてはトレッドウェイの友人でしたが、300年ほど前に輪廻転生からの解脱を考えるようになります。
演:キウェテル・イジョフォー
13歳で演技の勉強を始め、ロンドン・アカデミー音楽演劇学院で学んでいます。1997年スピルバーグ監督作「アミスタッド」でスクリーン・デビュー。
ロンドンの不法滞在者で高潔なナイジェリア人オクウェを演じた「堕天使のパスポート」(02)で一気にブレイクし、英国インディペンデント・フィルム・アワード最優秀男優賞受賞のほか数々の映画賞で称賛されました。
その後は「ラブ・アクチュアリー」、「メリンダとメリンダ」、「インサイド・マン」などで大物監督やスター俳優たちと共演。
舞台でも活躍し、小劇場で経験を積んだのち、『Blue/Orange』で新人賞などを獲得しています。
1985年のバサースト(ルパート・フレンド)
演:ルパート・フレンド
2004年にジョニー・デップ主演の『リバティーン』でスクリーン・デビュー。翌2005年『プライドと偏見』に出演し、ウィッカム役で一躍有名となります。
その他、『縞模様のパジャマの少年』(2008年)のコトラー中尉役、『ヴィクトリア女王 世紀の愛』(2009年)のプリンス・アルバート公役などが有名です。
また、2015年公開の映画『ヒットマン: エージェント47』では主演を務めました。映画出演がメインでしたが、2012年より人気テレビドラマ『HOMELAND』に出演。
シーズン2はゲスト出演でしたが、シーズン3からシーズン6まではレギュラー出演しています。
2018年には米CBSの有料動画配信サービス、CBS All Accessで『Strange Angel(ドラマ)』に出演。2019年に放送のシーズン2にも出演しています。
ノーラ・ブライトマン(ソフィー・クックソン)
インフィニットの女性。“ビリーバー”の一員。エヴァンにトレッドウェイの記憶と能力を取り戻させようとします。
演:ソフィー・クックソン
2014年「未知の心」というタイトルのテレビ映画でデビュー。
同年、アクションスパイコメディ映画「キングスマン:シークレットサービス」のロクサーヌ役でEmpire Awardsの「Best Female Newcomer」を受賞します。
「キングスマン:シークレットサービス」に出演した後、クックソンの人気は高まり、映画の出演がさらに増えました。
2016年、セドリックニコラストロイアン監督のアメリカファンタジーアドベンチャー映画「ハンツマン:冬の戦争」に出演。
2017年には、ザビエルジェネス監督のホラー映画「ザクライシフィクション」でニコールローリンズのキャストにも出演し、2014年の続編である「キングスマン:ゴールデンサークル」でロクサーヌ「ロキシー」モートンとして再演しました。
アルチザン(ジェイソン・マンツォーカス)
インフィニットの1人。脳の専門家ですが、カジノの奥にラボを構えているなどかなりの変人です。
演:ジェイソン・マンツォーカス
1998年にニューヨークへ渡り、地元のコメディ劇団へ定期的に出演するようになります。
1999年にテレビデビュー。その後はコンスタントに出演作品を増やし、俳優としてのキャリアを確固たるものにしていきます。
近年ではサシャ・バロン・コーエンが北アフリカにある架空の国の独裁者を演じたコメディ『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』へ出演。
また、ウィル・フェレルとエイミー・ポーラーが夫婦を演じた『カジノ・ハウス』の迷惑な隣人役、アンディ・サンバーグ主演のコメディシリーズ『ブルックリン・ナイン-ナイン 』での情緒不安定な元潜入捜査官等をコミカルに演じて印象を残しています。
ブライアン・ポーター(トビー・ジョーンズ)
インフィニットの1人。ニューヨーク市警内部に協力者がおり、ノーラと協力してエヴァンを助け出します。
演:トビー・ジョーンズ
父親は性格俳優のフレディ・ジョーンズ。3人兄弟であり、その1人であるルパートは映画監督、キャスパーは俳優という芸能一家です。
地元の大学へ進学した後に、マンチェスター大学で演劇を学ぶ。大学卒業後の1992年に『オルランド』で映画デビュー。
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、妖精ドビーの声を担当。2006年、映画『Infamous』では主役のトルーマン・カポーティを演じています。
フランク・ダラボン監督のパニック・ホラー映画『ミスト』ではスーパーの店員役で出演。
舞台ではケネス・ブラナー演出のコメディ舞台に立ち、ローレンス・オリヴィエ賞を受賞。2003年にはブロードウェイに出演し、トニー賞にノミネートされています。
基本情報
原 作『The Reincarnationist Papers』
20年前にローマで発見された「生まれ変わりの論文」は、他の2つの人生の記憶を持つことに苦しんでいる問題を抱えた若者、エヴァン・マイケルズを追っています。
彼が他の人々の完全な記憶に悩まされている世界で唯一の人であると信じることは、彼がポピーという名前の謎の女性に会うまで、彼の自己破壊にほとんどつながります。
彼女はエヴァンとまったく同じであるため、エヴァンの闘争を理解しており、7つの命を覚えているだけです。
ポピーは、エヴァンが何世紀にもわたる秘密結社に彼を招待したとき、エヴァンの世界を永遠に変えます。
彼らのような他の28人、そして彼は彼が一人ではないことに気づきます。
総称してコグノミナとして知られている生まれ変わり主義者は、過去のすべての人生と経験を思い出し、新しい転生ごとに何度も何度もお互いを見つけます。
しかし、この秘密のグループの一員になるために、エヴァンは最初に彼が本当に彼らの一人であることを証明しなければなりません。
アントワン・フークア監督作品
アントワン・フークア監督
ヒップホップグループ「Heavy D & the Boyz」のMV監督を手がけてMTVのベスト・ラップ・ビデオにノミネートされ、プリンスをはじめ大物アーティストのMVや企業CMを多数手がけます。
香港のスター、チョウ・ユンファを主演に迎えたアクション「リプレイスメント・キラー」(98)で長編映画監督デビューを果たし、続く「トレーニング デイ」(01)では主演のデンゼル・ワシントンをアカデミー主演男優賞に導きます。
おもな作品にブルース・ウィリス主演作「ティアーズ・オブ・ザ・サン」(03)、歴史大作「キング・アーサー」(04)、「エンド・オブ・ホワイトハウス」(13)、などがあります。
デンゼル・ワシントンとは「イコライザー」シリーズ(14、18)や西部劇「マグニフィセント・セブン」(16)でもタッグを組んでいます。
代表作の紹介
どんな裏仕事も19秒で完遂する元CIA工作員にデンゼル・ワシントン、娼婦の少女にクロエ・グレース・モレッツが扮します。ホームセンターの従業員として働く元工作員が10代の娼婦と出会ったことをきっかけに、警察が関われない不正を始末する仕事請負人となる姿を追います。
愛する妻がこの世を去り、娘とも引き離され全てをなくしたボクシングの元世界チャンピオンが、再び頂点を目指し娘との絆を取り戻すため奮闘するドラマ。
どん底からの再起を図る主人公を、『ナイトクローラー』などのジェイク・ギレンホールが体当たりで演じています。
元海兵隊のスナイパー、ボブ・リー・スワガーは一線を退き、広大な自然が広がる山奥で隠遁生活を送っていました。
しかし、退役したアイザック・ジョンソン大佐が彼のもとを訪問し、大統領暗殺計画が発覚したため、ボブの力を借りたいと言います。ところが、それは巧妙に仕組まれた罠でした。
登場した車一覧
作中ではカッコいい車がいくつか登場しました。それらの多くがアストンマーティンの車です。その中でも特に印象的だった車を紹介します。
Ferrari Testarossa(フェラーリ テスタロッサ)
1つ目が映画冒頭でトレッドウェイたち3人が卵を守るためにカーチェイスを繰り広げていたシーンで登場した車です。
テスタロッサはイタリア語で「赤い頭」を意味する通り、綺麗な赤いボディが印象的でした。
Aston Martin Vantage(アストンマーティン ヴァンテージ)
2つ目がエヴァンが取調室から脱出する際に使った左右のハンドルを切り替えることができる車です。
映画ではインフィニットのロゴが随所に施されていたこの車は作中に登場した通り、洗練された近未来的な内装に目を奪われます。
Aston Martin lagonda vision concept(アストンマーティン ラゴンダヴィジョンコンセプト)
3台目は生まれ変わりを人類のために使おうとするビリーバー達がカジノに向かう場面で登場した車です。
なんといってもインパクトのある片面が完全くに開、車であることを忘れてしまうようなデザインが魅力的です。
「インフィニット 無限の記憶」レビュー
[マークでなくてもよい]
マークの老化が気になるが、肉体づくりをして挑んだ作品なのか、CGかわからないが
半裸シーンはかなりの努力がうかがえる。ただマークである必要性がない。若手にするべきだったと思う。年齢にふれることもあまりなく、人生の描写が不足している。
[ストーリーが?]
アクションはカッコいいシーンがたくさんあっていいのですが、ストーリーが何分??の部分があってアクションに徹して見ていました。日本刀で飛行機のハッチを開けるシーンが一番モヤモヤしたシーンですストーリー無視して見てください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「インフィニット 無限の記憶」をご紹介しました。
これまで、多くのアクション映画を監督してきたアントワーンですが、本作も例にもれずスタイリッシュでド派手なアクションが多く登場しました。
しかし、肝心のストーリーを考えるとあまり良かったとは思えませんでした。
この作品は前世の記憶を持ったまま生まれ変わることができる『インフィニット』と呼ばれる人々に焦点を当てた映画です。
前世の記憶を保持するという重要な設定がストーリーに深くリンクしておらず、結局ただのバトルアクションになってしまっています。
登場人物は前世の記憶があるはずなのに、何でも戦いで解決しようとします。知識は蓄えられても、知性は蓄積されなかったようです。
脚本的に登場キャラの前世の物語が深く描かれないため、残念ながら主人公が運命に目覚めるためだけのチープなものに感じてしまいました。
映画『インフィニット 無限の記憶』は、壮大な設定に釣り合わないストーリーと派手なアクションのアンバランスさが目立った作品でした。
監督 アントワン・フークア
脚本 イアン・ショア
原作 D・エリック・マイクランズ 『The Reincarnationist Papers』
製作 ラフィ・クローン ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ アントワン・フークア マーク・ハッファム
スティーブン・レヴィンソン マーク・ウォールバーグ マーク・ヴァフラディアン ジョン・ザオジルニー
出演者 マーク・ウォールバーグ ディラン・オブライエン ソフィー・クックソン
ヨハネス・ハウクル・ヨハネソン ジェイソン・マンツォーカス ルパート・フレンド トビー・ジョーンズ
音楽 ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
撮影 マウロ・フィオーレ
編集 コンラッド・バフ
製作会社 パラマウント・ピクチャーズ ディ・ボナヴェンチュラ・ピクチャーズ
クローズスト・トゥ・ザ・ホール・プロダクションズ
ニュー・リパブリック・ピクチャーズ フークア・フィルムズ
配給 〔アメリカ〕 Paramount+ 〔日本〕 Amazon Prime Video
公開 〔アメリカ〕 2021年6月10日 (日本) 2022年1月28日
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語