6話『マッ!?』
不意打ちで新菜に「綺麗」と言われて顔を真っ赤にしている前回の最後のシーンから始まります。
初めてのコスプレイベントから帰宅した二人はコスプレ衣装やウィッグを一緒に洗います。
洗面所で横に並んでいる新菜の顔を見てやっぱりドキドキしてしまう海夢。背景には恋愛少女漫画のようなバラとキラキラが出ています。
見られていることに気づき、海夢の方を見て笑いかける新菜。それにも海夢は悩殺されて、完全に恋する乙女の顔です。
そうしているうちに腰を痛めて新菜の叔父の家で療養していた祖父が帰宅2週間ぶりに帰宅します。
新菜と海夢が出迎えますが、衣装を手に持っていることに驚き、横に女の子がいることにも驚き、帰宅早々後ろに吹っ飛んでしまいます。
腰に湿布を貼ってもらいながら、新菜から事情を聞き、納得した祖父。
「やましいことはしてない」という何気ない新菜の発言を海夢は少し気にしている様子。
しかし、初めて作った人用の衣装を祖父に見せ、真剣に話をする新菜の後ろ姿を見てまたもやドキドキ。本気で恋心を自覚します。
「やっっば!あたし、ガチで五条くんの事好きになってるんだけど〜!!」
真剣に語り合う二人の後ろで、海夢はくねくねしながら好き好きとなっていましたが、ぐぅ~とお腹が鳴ります。海夢はご飯をご馳走してもらうことになりました。
新菜が料理も上手いことに感心すると、新菜は両親がいなくて祖父と暮らしていたからやらざるを得なかった事情を話します。
そうすると、海夢も病気で母を亡くしていて、父は高校合格後に転勤が決まり単身赴任中であるため、現在一人暮らしをしていることを明かします。
海夢はご飯をちゃんと食べているか聞かれて「基本コンビニだけど、自炊もする」と答え、自分の作った料理の写真を見せます。それを見て新菜と祖父は衝撃を受けます。
それは、冷凍チャーハンの上に納豆と唐揚げとウインナーをのせた、茶色くて脂っこい料理?だったのです。
海夢の体を心配し、新菜の家でご飯を食べることを提案する祖父。それに新菜も快諾し、その日だけではなくこれからも新菜の家で夕食を食べることになりました。
ご飯を食べ終え、駅まで送ってもらう海夢。
駅で改札越しに別れの挨拶をしますが、名残惜しそうです。
電車の中で、海夢は新菜の事を考えます。
何気ない瞬間に緊張してしまうことに戸惑い、「やましいことはない」という新菜の発言に、「やましいこと、しちゃったりして。」と今後に期待するのでした。
場面は変わり天気は雨。新菜の家。それはにわか雨で、祖父が外出しようとした瞬間降ってきました。
玄関から外を見ていると、女の子が傘も刺さずに走ってきて、新菜の家の前で立ち止まります。
心配した祖父は「お嬢ちゃん、大丈夫かい」と声をかけます。濡れた髪を絞りながら振り返るその女の子はかなりの美少女です。
祖父はその女の子が新菜の友達と思ったようで、家に上げ、加えてびしょ濡れだったので、お風呂を貸してあげました。
祖父が改めて外出する時、帰宅した新菜と鉢合わせます。先ほどの出来事を知らされますが、心当たりがなくポカンとする新菜。
海夢はバイトだと聞いているし、それ以外に友達はいません。詐欺か新手の泥棒を疑い、急激に心配になります。
勇気を振り絞って、脱衣所の引き戸を勢いよく開けます。しかし、そこには小柄の裸の女の子が立っています。ばっちり目が合う二人。
「へ、子供?」思わず拍子抜けして発したその言葉に女の子はカチンときて、反論しよう一歩踏み出しますが、足を滑らせて転んでしまいます。
女の子はよくない体勢で転んでしまい、新菜はがっつり下半身を見てしまいます。バロック的な音楽と共に過去の祖父との会話が蘇ります。
羞恥で震える女の子、あわあわするすることしかできない新菜。状況を飲み込んだ二人は絶叫します。
とりあえず着替えを終え、かなり気まずい雰囲気で和室にちょこんと正座する新菜と美少女。
用件を新菜が聞くと、「衣装、あなたが作ってるんでしょ」と答えます。
それを聞き、新菜は雛人形の見学に来たお客さんだと勘違いします。
見学受け付け用のノートを開き、名前と学校名を尋ねます。美少女の名前は乾沙寿叶(いぬいさじゅな)。高校2年生。
新菜よりも小柄で童顔であるため年下かと思いきや、年上であることがわかります。
お互いに自己紹介し、沙寿叶を人形が並ぶ部屋へ案内して衣装見学を進めます。
雛人形に興味持ってもらえることを喜ぶ新菜。案内されるがまま人形を見学する沙寿叶。
沙寿叶は特に、時代に合わせてスワロフスキーやレースをあしらった衣装に関心を抱き、褒めちぎります。
新菜が他のおすすめを見せようとすると、沙寿叶は新菜の肩を掴み、「なんで私たち雛人形見てるの。」と問います。
沙寿叶の言っていた衣装とはコスプレ衣装の方だったのです。海夢のコスプレ写真をスマホ画面で見せ、「これをオーダーをしに来た」という沙寿叶に対し「商売でやっているわけではないので」と断ろうとする新菜。
しかし、沙寿叶は「はいそうですか」とあっさり引き下がりません。さっきのハプニングを覗きであると主張し、「私が通報すればあなた、逮捕されるわよ」と脅してきたのです。
そして一言。「通報されたくなかったら、じゅじゅに衣装を作りなさい!」
圧倒されて何も言えずにいた新菜ですが、じゅじゅという単語に反応します。じゅじゅは海夢が好きだと言っていたコスプレイヤーなのです。
「どうして家がわかったのか」と新菜が聞くと、偶然SNSで見かけた海夢の衣装が気になり、イベントに参加することを知って、実際に現地に行って、物陰から二人を見ていたそう。帰りも二人の後を追い、最終的に新菜の家までついてきたからであると明らかにします。新菜はその行動力に感服しますが、立派なストーカーです。
そこでバイトが終わった海夢から新菜の家に向かうというメッセージが入ります。本物のジュジュを目の前にした海夢は口をあんぐり開けて固まります。
速攻で距離を縮め、早口で愛を語りまくる海夢に気圧される沙寿叶。
海夢のコスを見て新菜の家に来た事を知ってさらに距離を詰めます。
しばらくして、海夢の興奮が落ち着き、改めて新菜と海夢の二人は沙寿叶の依頼を聞きます。
作ってほしい衣装は『フラワープリンセス烈!!』に登場する二階堂シオンのブラックリリィの衣装。
それを聞いて海夢は新菜のために作品の解説をします。
『フラワープリンセス烈!!』はいわゆる魔法少女もので、女児向けだけど、人間関係が複雑な作品。
魔法少女は、フラワージュエルと呼ばれる魔法少女の証(ソウルジェム的な何か)が負の感情により黒く濁りきると、悪落ちしてしまうそう。
二階堂シオンも、主人公ミライと共にフラワープリンセスになって敵と戦うが、姉のネオンが敵と知って、フラワージュエルが濁り、ブラックリリィになってしまうと語ります。
その海夢の様子を見て沙寿叶は、作品のことをちゃんと知っていることに関心します。
「服が可愛いから原作やキャラクターのことを知らないのにコスしてるタイプかと思ってた。」
「シオンは天才だけど生い立ちも不幸で報われない。でもどんなに辛くても絶対に負けずに生意気に笑うシオンが魔法少女の中で一番好き。」と沙寿叶は言います。「妥協したくない」とも。
だから、市販のものもあるが、調整するのが難しいデザインのため、新菜にサイズが合うものをお願いしたいのだそう。
実は二階堂シオンは海夢も鞄にたくさんつけてるほど好きなキャラクター。
沙寿叶は「そんなに好きなら自分もすれば」と言いますが、「イメージと合ってない」「好きだからイメージ壊したくない」「できるだけ近づけたい」と言い、断ります。
その価値観を聞いて、好きなタイプのレイヤーであることを認める沙寿叶。
「この子のこと何も知らないのにどうせ本気でコスしてないって決めつけてた」「全然嫌な女じゃなかった」と心の中で反省し、「ごめんなさい許して」泣き出してしまいます。
泣き止んで落ち着いたところで、帰ろうとします。最後にコスプレの連絡するために連絡先を聞きます。
海夢がシオンの姉のネオンのコスプレをするから、「合わせ(=同じ作品のキャラクターで衣装を揃えること)」をしようと提案しますが、即断られ、豪快に笑うところで6話は終わります。
みどころ
新しい登場人物である、沙寿叶の行動がくすっと笑えます。
特に衣装制作をお願いする時に新菜を覗きだと言って脅していたのに、自分はがっつりストーカーしているところがブーメランで面白いです。
7話『しゅきぴとおうちデートやばっ』
海夢が沙寿叶に合わせの提案をしているところから始まります。
沙寿叶はいい写真を残したいだけであって、レイヤーとつるむ気はないのだそう。
スタジオを借りるつもりだと口にすると、「スタジオ代割り勘するんで♪」と海夢が食い下がります。
割り勘すれば浮いたお金が衣装に回せると、海夢の魅力的な提案に揺らぎ、悩みます。
海夢が「無視してくれていいんで」と引き下がったところで、「今回だけ。」と沙寿叶は承諾します。案外ちょろいですね。
衣装を作るためにアニメ見ることを決めた新菜は海夢の持っているコンプリートボックスを借りることになりました。ちなみに全126話。
夜、練習した人形の頭を祖父に見てもらう新菜。最近練習をさぼりがちだったため、下手になってると指摘される覚悟をしましたが、意外にも祖父は「前より良くなったなぁ。」と微笑みます。
祖父曰く、「前は線がこわばってたもんだが、少しやらかさ出てきた」「海夢ちゃんの衣装作りが良かったんじゃねぇのか」「人形だけ見ていてはだめだぞ」「色んなもん見とけ、必ず身になるから」だそう。
日を改めて、海夢の住んでいるマンションに行く新菜。手には「治五郎」のプリンをお土産に持っています。
ピンポンを押して、少し待ちますが、反応がありません。
しばらく待っていると、ガバッと扉が開き、「ごめん今起きた!!」と海夢。かなり無防備な格好な恰好をしていてまごつく若菜に、「?」と自分の姿を鏡で確認する海夢。「カラコンつけてない!!」と顔を隠しますが、「気にするとこそこなんだ」と苦笑。
玄関まで来たものの、友達の家に上がるの初めてで、しかもそれが海夢の家であることを意識してしまって、緊張しすぎて吐きそうになる新菜。
そんな新菜をよそに、もらったプリンをしまった海夢が寄って来て、DVDを一緒に見ようと提案してきます。ちょっと見ていった方が持ってくの軽いからと言われ、とうとうお邪魔することになりました。
海夢の部屋に入る時も緊張していた新菜ですが、扉を開けるとそこには壁一面に美少女タペストリー、棚はずらっとならんだフィギュア、ベッドには雫たんの等身大抱き枕。さらにソファやシーツは派手な色と柄でごちゃっとしており、「喜多川さんの部屋ですね(真顔)」と、秒で緊張しなくなったのでした。
そして一緒にDVD見始めます。
衣装の研究をしながら、見ていたのですが、海夢は急にこの状況がお家デートであることを自覚します。
好きな人と隣同士で並んで、二人きりですきなアニメをみていることにテンションが上がり、「永遠に続いてほしすぎる♡」と願う海夢ですが、ちょうどアニメの「そうはいかないなのです」というセリフと共にお腹が鳴り、永遠が終わってしまいます。
「何か買ってきましょうか」と言う新菜に「私が作ってくるから大丈夫」と海夢。喜多川さんの手料理が食べられることに一瞬喜ぶ新菜ですが、すぐに以前見た画像を思い出して不安になります。しかし、「今日は任せて」と海夢が張り切っているので、お願いすることになりました。パーカーを脱ぎ、シュシュで髪を結ってエプロン姿をつける海夢。
冷蔵庫に卵、玉ねぎ、鶏肉があることを確認し、オムライスを作ると決めます。
途中まで調子がよく、余裕をかましていましたが、即落ち2コマ的に、卵ぐちゃぐちゃのオムライスが出来上がります。ケチャップで「♡」や「LOVE」と書く妄想をしていましたが、実際に書かれているのは「ごめん」の三文字。
しかし、新菜は「美味しいです」と感想を口にします。普段は基本的に和食が多いので、洋風の味付けが新鮮だと。残念なことにオムライスではなくチャーハンと認識されてしまいますが。
腹ごしらえが終わった後も二人は続きを見続けました。
後日、起こした三面図を沙寿叶に送り、電話で意見を聞く新菜。費用のことについてなど話し合います。
そして今回の写真は沙寿叶たちのカメラで撮ってもらえることが決定しました。「たち」というのは、沙寿叶の写真は妹が撮っているものだから。新菜がカメラについて教えてほしいと頼むと、妹が中学生のため、沙寿叶の家の近くのファミレスでならという条件で、会えることになりました。
電話を切り、そのことを海夢に連絡すると、即電話がかかって来て、案の定「あたしも行く」と言ってきます。二人で沙寿叶の妹の容姿は沙寿叶をもっと小さくした感じと予想が一致します。
ですが、約束当日。
「は、はじ、はじめまして」「乾心寿(いぬいしんじゅ)です」
とものすごく緊張しながら挨拶をしてきたのは、身長がかなり高く、発育も中学生とは思えない女の子。
二人とも驚きで何も言えないでいます。
新菜は心の中で「想像してたのと違った、というか中学生!?」と言って思わず胸を見ます。
海夢が身長を聞いたのに、バストサイズを聞いたと勘違いしてしまうところで7話は終わります。
みどころ
劇中劇の『フラワープリンセス烈!!』の作画のクオリティが高く、細かいところまでこだわっているのがわかります。
あとは海夢の料理シーンです。格好も可愛いですし、好きな人の事を想い乙女になりながらも、海夢らしいあぶなっかしい包丁さばきや豪快な炒め方に注目してみてください。