コーヒーメーカーのなかにはデザイン性を度外視できない機種もあり、洗いにくさからつい怠りがちになってしまうこともあるでしょう。
今回はコーヒーメーカー掃除の基本を解説します。
Contents
汚れたままにしておくと淹れるコーヒーの風味が落ちてしまう?コーヒーの酸化って?
コーヒーメーカーの掃除をしないでいると、フィルターケースにコーヒーの粉が残留します。
残留したコーヒーの粉は時間が経つと酸化してしまいます。
酸化したコーヒー粉も一緒に自動ミルで挽いてしまう、ドリップしてしまうと風味を損ないます。
ペーパーレスのセラミックフィルターを採用したコーヒーメーカーの場合、目詰まりを引き起こすことがあります。
フィルターにお湯が長く残り、過抽出となり、苦味が強くなり本来の味わいが損なわれる、狙い通りの抽出理論が実践できなくなるでしょう。
ここでコーヒーの酸化の話をします。
コーヒー粉の酸化が進むと風味が落ちます。
これは湿気で酸化が進むからです。
常温保存でも酸化が進みます。
コーヒーは乾物と見えて生鮮食品なんです。
フィルターケース、セラミックフィルターに酸化したコーヒー粉が残っている状態で新しく焙煎して挽いたコーヒー粉をセットして淹れると膨らみはあるのに味は以前より落ちている、といった場合もあります。
ケース、フィルターをしっかり洗いましょう。
また、コーヒーメーカーを洗ったのに風味が変わらない、不味いままの場合はコーヒー粉の酸化を疑いましょう。
コーヒーメーカーに付着しがちな汚れって?水垢はクエン酸、酢で落とせる?
コーヒーに付着する汚れにはどんな物があるでしょうか。
汚れの種類
コーヒーによる茶渋
コーヒーを何度も淹れるとカップに付着していく茶渋が目立つようになります。
コーヒーに含まれるポリフェノールが茶渋の原因です。
ポリフェノールには種類があって、コーヒーに含まれるポリフェノールはクロロゲン酸と呼ばれています。
これはもちろんコーヒーメーカーでもみられます。
付属のポット、抽出口、フィルターケースによくみられます。
茶渋はクエン酸が、そして小さな溝や隙間には重曹が有効です。
水垢
水道水をタンクに入れてコーヒーメーカーを使うと、炭酸カルシウムが結晶となって内部パーツに付着します。
それが水垢です。
水垢を放置しておくと目詰まりや故障の原因になり、コーヒーの風味も損なわれます。
コーヒーメーカーの仕組みって?
コーヒーメーカーというのはヒーターでタンク内の水を温めます。
沸騰して昇ってきたお湯は、今度はフィルターに落ちていきます。
フィルターにはモーター式ミルが自動で挽いてくれたコーヒー粉があります。
熱湯がフィルターを通過するとコーヒーの出来上がりです。
出来上がったコーヒーはポットに溜まります。
タンクとお湯の通り道には水垢が溜まりやすく、フィルター部分には古い粉が残りやすいわけです。
クエン酸でどうやって落とす?水垢とクエン酸の関係って?
やり方として、給水タンクが満タンになるまで水を入れて、タンクの容量に合わせたクエン酸を溶かします。
コーヒー1杯分につき1グラムのクエン酸(つまり、タンクに7杯ぶんのコーヒーを溜められるなら7グラム、10杯なら10グラム)
コーヒーメーカーによって違いますので取扱説明書で確認しておきましょう。
ここで水垢とクエン酸の関係についてお伝えします。
水垢の正体は炭酸カルシウムです。
炭酸カルシウムはプラスのイオンとマイナスのイオンが集まって、釣り合って固まった結晶なんです。
結晶化した状態でこびりついているから水垢はなかなか落ちないわけです。
ここでクエン酸を加えてみますと…クエン酸はプラスのイオンをたくさん運んできます。
当然、炭酸カルシウムの釣り合いが崩れます。
すると結晶化した水垢が溶けるわけです。
このとき、すぐに洗い流せば水垢を落とせます。
ですが、マイナスのイオンが完全に消えたわけでないので、結晶化が溶けた後洗い流さず放置すると、また釣り合い始めて結晶化してしまうので、すぐ洗い流しましょう。
クエン酸でいきなりイオンのバランスを一時的に崩されてしまうこと、放置すると再び釣り合い始めてしまうこと、これらをまとめて『ルシャトリエの原理』と呼びます。
水垢はお酢でも落とせる?
水垢はお酢でも落とせます。
まず、水タンクに水とお酢を混ぜましょう。混ぜる分量はお酢1:水3の割合がちょうどいいです。
混ぜたらドリップをスタートしてください。
ドリップが終わって洗い流すと、お酢の臭いが残ります。
臭いが残るとコーヒーの風味に影響を及ぼします。
ここで、臭いを取り除くために水だけでドリップしましょう。
臭いがしなくなったのを確認したら水垢掃除は終わりです。
このとき、水だけドリップも2~3回、複数回に増やして臭いを残さないようにしましょう。
給水タンクが取り外しできるモデルを選ぶ?コーヒー渋は重曹で落とせる?
あなたのお家のコーヒーメーカーの以下の点を確かめてみてください。
三角フラスコのようにすぼまった形状をしていて洗いにくいと感じたら、水垢の場合はクエン酸、コーヒー渋の場合は重曹で、漬け置きがおすすめです。
そもそもコーヒーサーバーが備えつけられてなく、直接カップに注ぐタイプのコーヒーメーカーもあります。
コーヒーメーカーを長く使っていると油汚れが溜まってきます。
油汚れが溜まると目詰まりを起こします。
油汚れは重曹で分解して落とせます。コーヒー渋も重曹で落とせます。
フィルターカバー、ケースはとくにコーヒー渋が残りやすいです。
フィルターカバーに溝があるタイプは使い古した歯ブラシで汚れを掻き出すのがおすすめです。
コーヒーメーカー掃除おすすめ洗剤、おすすめコーヒーメーカー
コーヒーメーカーをお掃除するのに便利な洗剤やおすすめコーヒーメーカーをご紹介しましょう。
重曹ちゃん本体
- メーカー名:カネヨ石鹸
- 商 品 名:重曹ちゃん本体
- 価 格:¥297(税込)
頑固な焦げ汚れもしっかり落としてくれる重曹です。
粒子サイズにこだわっています。
脱臭から汚れ落としまでいろいろな場面で活躍でき、環境にやさしく作られています。
暮らしのクエン酸
- メーカー名:MIYOSHI
- 商 品 名:暮らしのクエン酸
- 価 格:¥385(税込)
酸性の力で汚れを分解し、中和して落としてくれる自然の洗浄剤です。
特に水垢などのアルカリ性の汚れに効果的です。
コーヒーメーカーに付く水垢にも適していることでしょう。
ソリス バリスタ グラングストー エスプレッソマシン
- メーカー名:Solis
- 商 品 名:ソリス バリスタ グラングストー エスプレッソマシン
- 価 格:¥65,780(参考価格)
こちらはプレブリューイングと呼ぶ「蒸らし機能」を備えたエスプレッソマシンです。
挽きたてのコーヒーを最初に低圧にて湿らせて、湯通しを良くしてコーヒーを抽出します。
水タンクは透明なため、水の残量も目視で確認することができます。
取り外し可能で水の補給も簡単です。
1.7リットルの大容量タンクです。
マグニフィカ S コンパクト全自動コーヒーマシン
- メーカー名:デロンギ
- 商 品 名:マグニフィカ S コンパクト全自動コーヒーマシン
- 価 格:¥87,780(税込)
コンパクトでシャープなデザインを実現したコーヒーメーカーです。
豆を蒸らしながら淹れる間欠抽出や一定量以上の抽出の際には新しく必要量の豆を挽きます。
カフェ顔負けのメニューバリエーション(エスプレッソ、カフェラテ、カプチーノ、アイスメニューなど)を楽しむことができます。
アロマフレッシュサーモ
- メーカー名:メリタジャパン
- 商 品 名:アロマフレッシュサーモ
- 価 格:¥44,000(参考価格)
1回で10杯分の挽きたて、淹れたてのコーヒーが淹れられる大容量タイプの全自動コーヒーメーカーです。
業務用としても使用されているコニカル式グラインダーを採用しています。
ホッパー、水槽タンク、ミルは取り外し可能です。
まとめ
コーヒーの香りが鼻腔に達すると落ち着いた空間にいるかのような時を過ごせます。
缶コーヒーと違い、コーヒーメーカーで淹れた一杯は格別です。
焼いたエッグがジューシーなクロックマダム、ピーナッツバターとマシュマロクリームで甘ったるいフラッファーナターに、苦くて味わい深いコーヒーはよく合うでしょう。
そんなおいしいコーヒーをいつでも淹れられるよう、コーヒーメーカーは定期的にお手入れしなければなりません。
フィルターケースに古いコーヒー粉が残っていたり、水垢や茶渋が内部にこびりついたままだったりすると、それだけで淹れるコーヒーの風味が落ちてしまいます。
美味しいコーヒーを味わうためにもお手入れをしっかりしましょう。
メーカーによって機能も違ってきますから、取扱説明書をまず第一にコーヒーメーカーをきれいにしていって下さいね。
給水タンクを取り外さずに掃除すると、かかってはいけない部分に水がかかってしまい故障の原因となります。