エネルギー管理士について

エネルギー管理士について

皆様今日は「エネルギー管理士」という資格について紹介していきます。
解りやすい単語ですが、あまりピンと来ない方もいると思います。

「エネルギー管理士」が出来た由来としてですが、日本は資源に恵まれないためエネルギー自給率が9.6%ととても低いです。
今では再利用や省エネ、無駄に利用しない意識などが高まってきていますが、過去に日本は二度オイルショックなどの危機に瀕したことがあり、依存度が高い日本は大きな打撃を受けました
そして、資源の少ない日本でのエネルギーに対する管理が見直され、エネルギーの使用の合理化に関する法律が誕生しました。
省エネ法とも言われますし、この法律により「エネルギー管理士」は誕生しました。

この「エネルギー管理士」ですが、工場や事業所などで製造業、鉱業、電気供給業、熱供給業などや特定の業種ではエネルギー管理士の管理人をその企業が使うエネルギーに応じて、最大で4人配置しなくてはいけないのです。
年間のエネルギー量を原油換算で監督しなければなりません。
それが「エネルギー管理士」です。
このエネルギーを管理する仕事について、興味が少しでもありましたら目を通していってください。

適用する仕事

「エネルギー管理士」の資格を持っていて、関わる仕事は以下の通りになります。

省エネ法では工場や各事業場(ホテルや学校や病院など)には、エネルギーを原油に換算して

  • 1,500-3,000kl(キロリットル)利用する企業や工場等は、第二種エネルギー管理指定工場、第一種事業者
  • 3,000kl以上は第一種エネルギー管理指定工場

など

このように指定されます。
ただし、廃棄物からの回収エネルギー、風力・太陽光などの自然エネルギーは対象外です。

上記で挙げた現場では、エネルギー管理士の資格を有する方やエネルギー管理講習修了者を配置しなければいけません。

そのような現場で、エネルギー管理指定工場の現場におけるエネルギー管理を実施し、エネルギー管理統括者及びエネルギー管理企画推進者と連携します。
そして、経営判断に基づく組織的な取組を実施することにより、事業者全体として効率的かつ効果的な省エネルギー対策を図るのが仕事です。

そして、各工場を有する事業の場合は、工場の管理人と事業所の上位のエネルギー管理統括者が事業全体のエネルギー管理をしてエネルギー管理企画推進者が実務面で補佐します。

丸いガスタンクが3つもあるエネルギー設備会社

おおよその年収とキャリアパス

エネルギー管理士の年収は平均して500万円です。
資格手当や現場手当てが付く事もあり、日本人の平均年収よりも若干多めです。

ですが、この資格が必要なほどエネルギーを使う工場や事業所の数も限られており、あまり求人は無いようです。
また退職者が出たとしても会社内の実務経験がある人員に認定研修を受けさせて、取得させてエネルギー管理職に就かせます。

ですので、この資格を取って就職を有利にするというよりは、この資格が必要な会社に入ってから取得したり、就職する時に予め取得しておいて後々活かしたりするような形になります。

そして、キャリアアップとして、高い役職に就いたとき、例えば総合的なエネルギー管理の立場になることもあり得ます。

認可団体

一般財団法人 省エネルギーセンターのロゴマーク一般財団法人 省エネルギーセンター

〒108-0023 東京都港区芝浦2-11-5 五十嵐ビルディング
TEL 03-5439-9710(代表) FAX 03-5439-9719

1978年(昭和53年)10月16日に設立されました。

受験条件

受験条件の制限は特にありません。
この試験で資格を取得するとは別に認定研修を受けて取得する方法がありますが、それは研修申込時までにエネルギーの使用の合理化に関する実務に3年以上従事していることが条件です。

合格率

受験者数 合格者数 合格率
2016年 10,468人 2,108人  20.1%
2017年 10,558人 3,002人 28.4%
2018年 9,962人 2,797人 28.1%
2019年 9,830人 3,207人  32.6%
2020年 7,707人 2,828人 36.7%

合格率は年々上がってきていますが、それなりにやや難しいかと思われます。

1年当たりの試験実施回数

年に一度です。ですので、しっかり勉強してチャンスを活かしてください。

試験科目

必須基礎区分および熱分野専門区分
  • エネルギー総合管理および法規(80分)
  • 熱と流体の流れの基礎(110分)
  • 熱利用設備およびその管理(110分)
  • 燃料と燃焼(80分)
必須基礎区分および電気分野専門区分
  • エネルギー総合管理および法規(80分)
  • 電気設備および機器(110分)
  • 電力応用(110分)
  • 電気の基礎(80分)

採点方式と合格基準

各科目を最低60点以上取る事で合格となります。(4科目合格で取得できるそうです)
総合得点〇〇〇点以上という基準はないと思いますが、その分ノルマとなる点数は若干高い感じです。

取得に必要な勉強などの費用

資格取得のための勉強費用として、まずはじめに参考書が挙げられます。
数冊ほど購入する方が多いです。

エネルギー管理士試験 徹底研究

エネルギー管理士試験熱分野徹底研究

エネルギー管理士試験熱分野徹底研究
created by Rinker
  • 出版社名:オーム社
  • 商品名:エネルギー管理士試験熱分野徹底研究
  • 価格:¥4,180(税込)

この本は「エネルギー管理士」の区分のうち、熱分野の専門課目3課目および共通課目1課目を1冊にまとめています。
エネルギー管理士試験(熱分野)の受験者の方やエネルギー管理員に就いている方におすすめの1冊です。

エネルギー管理士試験電気分野徹底研究

エネルギー管理士試験電気分野徹底研究
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  • 出版社名:オーム社
  • 商品名:エネルギー管理士試験電気分野徹底研究
  • 価格:¥4,180(税込)

こちらは「エネルギー管理士」の区分のうち、電気分野の専門課目3課目および共通課目1課目を1冊にまとめています。
こちらは純粋にエネルギー管理士試験(電気分野)の受験者向けとなっている1冊です。

過去問題集

2021年版 エネルギー管理士(熱分野)過去問題集

2021年版 エネルギー管理士(熱分野)過去問題集
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  • 出版社名:オーム社
  • 商品名:2021年版 エネルギー管理士(熱分野)過去問題集
  • 価格:¥2,640(税込)

「エネルギー管理士」の熱分野試験対策用の過去問題集です。
直近10年間の全問題を徹底解説しています。
解説はもちろん、参考となる図面を多用した構成になっています。

2021年版 エネルギー管理士(電気分野)過去問題集

2021年版 エネルギー管理士(電気分野)過去問題集
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  • 出版社名:オーム社
  • 商品名:2021年版 エネルギー管理士(電気分野)過去問題集
  • 価格:¥2,640(税込)

こちらは「エネルギー管理士」の電気分野試験対策用の過去問題集です。
こちらも直近10年間の全問題を徹底解説しています。
課目ごとの出題傾向がひと目で理解できるように整理されています。

通信講座も活用

また、通信講座を使って学習する方法もあります。

一例として、熱分野の講座で

  • e-ラーニング講座 38,280円(税込)
  • DVD講座    54,780円(税込)
  • e-ラーニング+DVD講座 60,280円(税込)

自信がなく確実に受かりたい方や連続で落ちてしまった方は、紙の参考書と通信講座両方を活用して確実な合格を目指してください。

受験料

17,000円(非課税です)

ただし、旧制度の資格取得者(熱管理士または電気管理士の免状取得者)で平成17年度の改正法附則第4条に規定する試験科目の免除を受け、「エネルギー総合管理および法規」を受験する場合は10,000円(非課税)です。

受験申込方法

受験申込方法は2種類の方法があります。
インターネットによるお申込み受験願書申込があります。

インターネットによるお申込みでは個人と団体の二通りを選ぶことができます。
インターネットからお申込みすると、銀行口座振込、クレジットカード決済、コンビニ決済、ペイジー決済、ネットバンク決済など様々なお支払方法から選べます。

団体の場合、2~25名までの受験申込みを同時にする場合です。
受験手数料が受験申込者全員分の一括納付となります。
また、一団体の受験申込者全員分の受験票が、申込責任者宛に郵送されます。

れっきとした日本の郵便局の看板願書の場合はゆうちょ(郵便局)窓口に願書書類ごと払い込み、提出することになります。
省エネルギーセンターへの申し込みは必要ありません。
お支払い方法もこの一つだけです。

旧制度の熱管理士または電気管理士の免状取得者の方は、インターネットでのお申込みのみ受け付けているので注意してください。
願書の入手方法は省エネルギーセンター本部や支部に行くか、郵送でのお渡しも用意されています。

3年以上の経験があり認定研修を受ける方は払込取扱票を使って払い込み、仮申し込み書等の書類が郵送されます。
その後研修受講資格審査がありクリアした方は受講票、テキストの配布があり、後日研修が始まります。
研修後の修了試験の合否の後合格者は資源エネルギー庁に申請する事で取得できます。

まとめ

エネルギー管理士」という資格は特定の企業には無くてはならない人材です。
ですが、需要が小さいのも事実です。

予め資格を取得しておくのも大切ですが、一方で別の資格や知識等で勝負をしてその一つのアピールポイントにしてはみませんか。
また長く経験のある方は認定研修を受けて、更に新しい役職を目指してみて下さいね。