アカデミー賞9部門ノミネート映画業界に衝撃を与えたサクセスストーリー、グットウィルハンティング/旅立ち

アカデミー賞9部門ノミネート映画業界に衝撃を与えたサクセスストーリー、グットウィルハンティング/旅立ち

公開から20年以上たった今でも、多くの映画ファンから愛され続ける名作『グッドウィルハンティング』をご紹介したいと思います。

天才的な頭脳を持ちながらも幼い頃に負ったトラウマから逃れられない一人の青年と、最愛の妻に先立たれて失意に喘ぐ心理学者との心の交流を描いています。

当時、無名だった俳優マット・デイモンの脚本の完成度の高さに注目が集まり、アカデミー賞やゴールデングローブ賞で脚本賞を受賞するなど高評価を受けました。

あらすじ(ネタバレあり)

アメリカの学生街にある、マサチューセッツ工科大学(MIT)が舞台の作品。

過去に80人以上ノーベル賞を輩出している、アメリカでも指折りの名門大学。

受賞

そのMITで教鞭をとる天才数学者ランボーが、生徒に難題を課すとこから物語が始まります。

彼は、生徒たちに「廊下の黒板にフーリエ系の問題を書いた。是非とも挑戦してもらいたい。あれを解いたものには、権威あるMIT新聞に光栄にも名を記載される。」といいました。

しかし、”MITの優秀な学生でも誰一人解けやしないだろう”とランボー教授の考えでした。というのも、この問題を解いたのはノーベル賞数学者と他に2人しかいなかったからです。

その問題が解けるというのはノーベル賞を取れる才能があるということを示していたからです。

清掃のバイトをしていた青年ウィルは仕事中に教授が言っていた黒板の問題をまじまじ見ていました。

仕事終わりに仲間と一緒にバーへ行きますが、ウィルは「疲れたから、先に帰る」と言って一人先に帰るのでした。

その帰り道でも、大学で見た数式が離れず、誰もいない大学へ行き、ランボー教授が黒板に書いた問題に答えを書き始めたのでした。

黒板

MIT1972年度卒業生同窓会に主席していたランボー教授に女生徒が話しかけます。

「廊下の黒板に書かれた問題の件で・・・」と少しためらい気味に解答が書いてあるというのです。

それを確かめにランボー教授が見に行くと、そこには完璧な正解が書いてありました。

ランボーは、周りの生徒に「君が?」生徒は頭を横に振り、次の生徒にも「君が?」と問うと「まさか」というばかりでした。

その頃。ウイルは、親友のチャッキーと悪仲間4人で、ハンバーガーを食べながらドライブをしていました。

その最中、昔、幼稚園でウィルを殴ったという男性を偶然見かけます。

ウィルは、お前には世話になったなといい殴りはじめました。

それが、合図だった様に他の仲間達もケンカをはじめました。

ウィルは、必要以上に幼稚園で殴ったという男性を殴り続け、気を失くすまで殴るウィルを仲間たちが止めます。

その時、警官が騒ぎを聞きつけウィルを捕まえます。

しかし、ウィルは抵抗し警官一人を蹴り上げます。

警官は4人がかりで押さえつけ捕まってしまいます。

その頃、MIT大学では、ランボーが書き出した問題を解いた謎の天才の正体を探していました。

ランボーは、「いたずら物よ、前へ進み出て栄誉をうけよ」というものも、生徒たちはざわつくだけでした。

それを見たランボーは「今週は、我々教師が、2年かかって証明した問題を廊下の黒板に書いた。教師陣は無言の挑戦をうけたものと考え果敢に受けて立つ」と語り、教室から出ていきました。

その頃、先日の因縁の相手との暴行事件で捕まっていたウィルは、車中で待っていた、親友のチャッキーに「審理は来週になりそうだと」気にもとめないようでした。

MIT大学で、清掃のバイトに来ると、また新しい問題が廊下の黒板に書いてありました。

周囲を見回し誰もいないことを確認すると、ウィルはその問題を解き始めました。

問題が解き終わりはじめた頃、ランボーと助手のトムが部屋から出てきました。

何かの気配を感じランボー教授が後ろを向くと一人の青年が黒板に向かって何やら書いているようでした。

「君は誰だ?」と問いながら近づいてくるランボー教授、それを無視する様に早足で逃げようとするウイルは暴言をはきながら、去って行きました。

青年を逃してしまったランボー教授は、助手のトムの所へ戻って来ました。

そして、青年が何やら書き込んだ黒板をみて言葉を失います。

後ろにいる助手のトムを見ます。そして、彼は冷静に「正解です。」とだけ答えました。

そして、ウィルは清掃員を首になったと仲間に伝え、「ハーバード大学生が集まるバーに行き、ナンパでもしよう」と親友のチャッキーが提案し、行くことに。

バーにつくとチャッキーが一番高いビールを4つ頼み、仲間達の元へ戻って来ました。

そんな中、チャッキーはハーバードに通っている女性を見つけ、仲間に「声をかけて来る」と言ってチャッキーは一人で女性の元へ行くのでした。

心配したウィルは近くまで行き見守っていました。

チャッキーは、「やあ!」と声をかけ、女性に一声かけ「オレの事知ってる?」と聞くと「残念だけどしらないわ、何を学んでいるの?」

チャッキーは「歴史さ」と答えると「そうなのね」と話しが弾み始めた頃、同じハーバードに通っている同級生の青年達が、チャッキーの間に割り込んできました。

一人の青年が自分の頭の良さを引き合いにだし、チャッキーをバカにし始めました。

そのやり取りをみていたウィルは、チャッキーを助けに行きます。

ウィルは彼等以上の知識を披露し、高価な学費を浪費していると言います。

「もしもこれ以上になるようなら、外へ行かないか」というと彼等は去って行きました。

その後、しばらく仲間内で飲んでいると、先程チャッキーが声をかけた女性がウィルに声をかけにきました。

一緒に飲んでいた仲間は「席を外すよ」といい、ウィルと女性だけになると「あなたってバカなの?」「あそこで45分も待ってたのよ?」といい、帰る間際に「良かったらコーヒーでも」と電話番号が書いてある紙を渡すと、ウィルは「コーヒーはありきたりだからキャラメルでも」と言いました。

女性はスカイラーと名乗り「分かったわ。」と言うと、待っていた同級生の子と帰って行きました。

その頃、ランボー教授は、難関な問題を解いた人物を探していました。

清掃員の詰め所を訪れ雇われている生徒を調べます。

しかし、大学では生徒を清掃員として雇っていないと言われます。

彼は、特徴からウィルのことを聞き出し、一枚の紙を渡され「保護観察官に居場所を聞くよう」に言われます。

ランボーは、ウィルが保護観察中の身分であることを知り、ランボーは保護観察中の身で法定にいることが分かったので裁判所へと向かいます。

弁護士顔負けで自分自身を弁論するウィルに、裁判官が「この10分の間、過去の事例を見てみた。」ランボーは、これまでウィルが数々の罪を犯していたことを知ります。

裁判官は更に続けます。「君は里親から里親へ預けられて、そのうち3件で肉体的暴行を受けた。」ウィルの顔色が一瞬曇ります。

しかし、その都度に難しい判例を持ち出し、煙に巻く彼をうんざりとした様に、裁判官は5万ドルの保釈命令を出し閉廷しました。

拘留も気にはせず、連絡先を聞いたスカイラーに電話をし、「今度キャラメルでも飲みに行こう」と誘うのでした。

その後、ランボー教授はウィル面会し、彼にこう言います。「監督付き保釈の同意を判事から得た」というのです。

更にこう語りかけます。「保釈の条件は2つ。”毎週私と会うこと”」ウィルは「何故?」と答えます。

ランボーは「”組み合わせ数字と数学のコースの成果をね”」ウィルは「それは悪くないね」と言い、「あと一つはセラピーを受けること。その条件を満たされなかったら刑期を全うするかだ」とランボーが、そう伝えると、「数学の研究はいいが、セラピーは断る」とウィル。

ランボーは「ここ(務所)にいるよりマシだろう」その言葉でウィルは数学の研究とセラピーを受けることを条件に、ランボーが身元保証人になって釈放になりました。

数学の研究は問題ないのに、カウンセリングはセラピーをバカにするように笑ったり、催眠術にかかったふりをしたりしなかなか心を開かず、著名なカウンセラー達は匙を投げるように辞めていきました。

そこで、最後にウィルを更生させるために、ランボーが頼ったのが昔の大学のルームメイト”ショーン”でした。この二人は過去に確執があり良い仲とは言い難いものでしたが、ランボーは、ショーンが勤務している大学へと出向き直接依頼をしに出向きました。

ランボーは、ウィルのことを「100万人に一人の若者なんだ。」と話し、「二人は育ちが似て下町育ちなんだ」というと、ショーンは「スラム街の育ち同士か…」と聞き、何とかカウセリングを許可してくれました。

ショーンとウィルのカウンセリングが始まります。

一番最初に要求したのは、「助手のトムとランボーにカウンセリングルームから出て欲しい」とショーンは言います。

仕方なく、カウンセリングルームを後にしたところで、ウィルは、「この本は見世物か?」と問うと、ショーンは「この本棚の本は読んだ事はあるか?」と聞くと、「あんたが書いた本も読んだ。」といいます。

「これは名誉なこった」と言い返しました。

ウィルは、ある一枚の絵に興味を持ちました。

「これは、あんたが書いた絵なのか?」とウィル。

「これは、塗り絵でね、あまり上手じゃないんんだ」とショーンがいうと「この絵は、人生の滅亡のど真ん中にいるあんただ。誰か助けってくれってね。」「奥さんと結婚したことを後悔している?今も?」と言うと、ショーンが亡き妻まで話しをウィルがした途端「妻を侮辱する行為は絶対に許さない」といい、先程の穏やかさが嘘の様に豹変し、ウィルの首元に手を伸ばし締めようとしました。

今日のカウセリングは終わり、ウィルは黙ったまま、部屋の外に出て行きました。

そして、すぐランボーが入って来て「カウセリングが無理な様なら、断ってくれても構わない。」といいました。

ショーンは、こう答えました。「毎週木曜日の16時必ず来るように」とだけ伝えました。

ショーンもまた、妻に先たたれたことから、心に深い闇を持ていたのでした。

ウィルは、ショーンやランボーと関わることで、ウィルは除々に自分の才能を開花させるのは、まだまだ先の話です。

そんな波乱もありましたが、ショーンとのカウセリングも始まり、そしてハーバード大のスカイラーとも付き合い始めます。

お菓子が売ってあるお店に行くと、彼女は変装グッズで遊んだり、ウイルは手品をしたりと盛り上がります。

スカイラーとデートに誘った日、二人は屋台でハンバーガーを食べている時、彼女はこう言います。

「少しは期待してた?」ウィルは「キスだけで満足するよ。」といい、「なら、ここでキスを済ましてしまいましょうよ。」とスカイラー。「ここで?」とウィル。

二人はキスをすると、「ピクルスの味がする!?」と大笑いをし、ウィルも一緒になって笑ったのでした。

カウセリングは2回目に入りました。今回は、外に出ようとショーンがウィル誘います。

二人ベンチに腰掛けてショーンに初回に言われた絵について語り始めます。

ベンチ

「君に指摘されたことに対して、寝ずに考えていた。結論が出て、その後はぐっすりと寝れた。君は自分の言葉を分かってない子供というところに辿り着いた。」さらに話を続けます。

「君は美術に詳しいだろう。だが、システィナ礼拝堂の匂いは?あの美しい天井画を見上げたことが?ないだろう。」ウィルの痛いところを鋭く突いた場面。

ウィルは黙ります。何故、黙ったのか。知らないからです。

ショーンはたたみかけるかけるように「愛する女性のとなりで目覚め真の幸せを感じたことことがあるか?自分への愛よりも強い愛で愛した誰かを失う。その悲しみと愛を君は知らない。君の為に、天から舞い降りた天使、君を地獄から救い出す。君も彼女の天使となって彼女に永遠の愛を注ぐ。今の君は生意気な怯えた若者だ。君の言葉は、全部本に書いてあるから聞きたくない。君自身の話なら喜んで聞こう。君って人間に興味があるからね。」ウィルは、何も言えませんでした。

3回目のカウセリングは、前回のカウセリングに反発するように、ウィルは黙ったまま時計の秒針をみていました。

対する、ショーンもウィルから話し出すのを待つように黙ったまま時間だけが過ぎ、部屋の外で待っていたランボーがショーンに現在の状況を尋ねると、「ウィルも私も黙ったままだった、ウィルは秒針を図っていた。あれは、話したくないって意味さ」というと、ランボーは声を荒げます「これじゃ幼稚園のにらめっこじゃないか!!」ショーンも言い返します「それでも私から口は出さない!」ショーンは時間をかけてゆっくりと、心を閉ざしたウィルの心を開こうとしていました。

あるカウセリングの日ウィルは、気になっている女の子の事を話しました。

「彼女は才女で美人、完璧な子なんだ」とショーンに話しました。

それを聞いてショーンは,まだウィルが彼女に完全に心を開いていないことに気づきショーンは、こう答えます「君は完璧じゃないんだ。君が出会った女の子も完璧じゃないのさ。でも問題はお互いとって完璧かどうかなのさ」と、優しく諭しました。

そしてショーンも、今は亡き妻との思い出話しをしました。

ある晩、彼女は寝ている最中に、犬も目覚める程の大きなオナラをし、彼女自身もびっくりして目覚めたことがり、2人は大笑いをし、ショーンは「妻が亡くなって2年たった。こんな、くだらない事を覚えていて、こんなくだらないこそが、恋しいんだ。人々は変な癖を欠点というけれど、違うんだ。いいことなんだよ。」と、ショーンは伝えました。

セラピーの後、スカイラーがいる寮へ。スカイラはー、驚きつつも「今日は、宿題があって忙しいから明日ならOKよ。」いいますが、ウィルは明日まで待てずに、カフェで彼女が解いていた問題を解き、また寮へ行き「明日まで待てない」といい、半ば強引にデートに誘います。

ドッグレースで2人は、盛り上がっていました。

スカイラーは、ウィルに家族のことを聞いていました。

ウイルは、13人の兄弟がいるといい、名前を教えてと言われ13人の兄弟の名前を答えました。

もう一回、繰り返してと言われ、スカイラーが、そこ違うと笑いながら指摘すると、ウィルはと呆けた表情をしました。

実は、ウィルは兄弟などいず、とっさに嘘をついてしまったのです。

まだ、彼女の前でも本当の自分自身をさらけだす事が出来なかったのです。

「いつになったら家族に合わせてくれるの?」と問われ「家族は今、下町に住んでいるからいずれ紹介するよ。」とまた、嘘で誤魔化してしまいました。

親友のチャッキーは2人のことを、心から応援しますが、まだウィルがスカイラーに対し心を閉ざしている事を見抜いていました。

その頃、ショーンとモーガンがバーで会合していました。

モーガンは、早速ウィルのカウンセリング状況について訪ねます。

モーガンは「将来の話は出たか?」とモーガン。

それに対してショーンは「いや、まだ過去をやっている」といいます。

「彼(ウィル)を雇いたいとスカウトが沢山来ているんだ。今日もシンクタンクの面接を受けているんだ。」それに対し「彼にはまだ早い。」とショーン。

さらに、「本人に変わって彼を操作するのか。彼の人生は彼に決めさせるべきだ。」といえばランボーは「彼にはとっての問題は方向付けが必要」とショーンとランボーのやり取りは平行線です。

でも、これはウィルを思っての互いの主張でした。

そのシンクタンクの面接にはウィルではなくチャッキーが面接を受けていました。

彼は、無理難題をぶちまけ、ウィルの面接を台無しにしてしまいました。

面接をすっぽかしてスカイラーとデートしていたウィルは、スカイラーは彼の才能に感動し、以前からウィルに言っていた、ハーバードを卒業したら、医師を志しカルフォルニアへと進学することを言っていました。

スカイラーは、ウイルに「一緒にカルフォルニアへ来てほしいと言い、だって本気ですもの」と、せがんでウイルを激高させてしまいます。

ウィルは、この土地を離れることに恐怖を感じ、また、自分のことが嫌いになっても、仕方なく一緒に暮らすのか?愛されなくなる日がくるんじゃないか?そんな事が頭を横切り、自分の生い立ちも告白します。

「俺に何を言わせたいんだ!本当は孤児で兄弟なんていないことか!養い親に虐待を受けたことか!この傷は、ナイフで刺された跡だ。こっちの傷は煙草を押し付けられて出来た跡だ」彼は、支離滅裂になりスカイラーの「あなたの助けになりたいの」「愛してるの」という言葉さえも聞こえないほど興奮していました。

スカイラーは最後に「あなたが私を愛していないのなら、あなたの人生から出ていくわ」というと、ウィルは「愛していない」と答え、部屋から出て行くのでした。

残されたスカイラーは一人部屋に残り、ただ一人悲しく泣くのでした。

ショーンはウィルを心配し、ウィル自身がしたいことを考えるよう伝えます。

なぜ、マサチューセッツ工科大で清掃のアルバイトを初めたのか、何故黒板の数式を解いたのか、ショーンはウィルに主体性がないことを見抜いて、人に流されて生きる事に気づきました。

ウィルは、これまでない人生の前の壁で葛藤していました。

ショーンはさらに「君の親友は?」と尋ねると、すかさずにウィルは「チャッキー」と答えると、ショーンは「彼は君にとって家族だ」と即答し、「他には?」と聞くと、ウィルは「シェイクスピア、フロスト…」といった歴史上の人物をあげました。

「彼等は、すでに亡くなっていて話も出来ないじゃないか」ショーンは「君の就職先なんてどうでもいい、このままでは現実の君は前に進めない」「本当は何をしたいんだ?」と聞かれたウィルは答えられずにいると、「簡単な質問に答えられない。答えを知らないんだ。」頭の良いウィルは、行動そする前に、あらゆる可能性を考えてしまう。

そう、ショーンは理解しました。

カリフォルニアへ旅立前に電話したかったんだと切り出し、彼女に素直に今の感情を率直に”愛している”と伝えますが、それに反し別れも告げます。

スカイラーはウィルに「愛してるわ、元気で、さようなら」と答え、空港に一人向かうのですが、もしかしたらウィルが来るかもしれないと何度も振り返りまが、彼は来ませんでした。

ウィルは、その時解体現場にいました。

ウィルは「21才で就職だ。でもここで50年働ける。チャッキーと解体業をしていくのも悪くない。」とウィルが言うと、「親友だから言うが、ここに20年いたら、お前を殺す。お前は当たりの宝くじ(=才能)を持ってるのに現金化しない。誰もが欲しいと思っているのに。」と、ウィルの才能を知って突き放します。

そして、今一番スリリングな事をウィルに伝えました。

それは、「お前が家をでるのを待つ10秒間。ドアをノックしてお前が出て来ないんじゃないかと思う。この瞬間が最高にワクワクするんだ。」それは、親友で一番ウィルの側にいたからこそ、彼の才能が素晴らしいいと純粋に思い、言える言葉で彼にエールを贈ったのです。

ショーンとランボーがカウセリング室で、激しい言い合いをしていました。

ショーンは、ランボーに「そう問題を持った子だ。そうなった原因を考えた事は?なぜ、彼は人を信用せず殻にこもるのか?まず、愛を知らずに親に捨てられた。そして人に捨てられる前に自分から人を捨てる。防衛本能なんだ。だから20年間も孤独だったんだ。」ドアの外でウィルが一連のやり取りを聞いていました。

部屋からランボーが出て来てウィルと目が合うと気まずそうに去っていきました。

ウィルが部屋に入ると、ショーンが「昔から折が合わないんだ。」と一言。

カウセリングが始まります。

ウィルは、ショーンが何かのファイルを持っている事に気が付きます。「それは?」とウィル。

ショーンは、それをウィルに見せます。

そこには、ウィルの今までの人生が書いてありました。

家庭内暴力で傷だらけになった写真、ウィルは暴力を受ける際、ベルトではなくレンチを選ぶ様になっていました。

ウィルは父親に殴られる自分が悪い子だと思いこんでいました。

それで早く虐待をされている現実から逃げたくて、トレンチを幼心で考え決めた事でした。

また、スカイラーと別れた事を告げました。

そうすると、ショーンは”It’s not your fault”(君は悪くない)と言いながらウィルが何かを言うたび、”君は悪くない”と言い続けウィルは”I know it”(ああ、わかっている)と言うウィルの目元は赤くにじんでいました。

後少しで彼は、自らの呪縛から開放されると悟ったショーンは、何度も”君は悪くない”を繰り返し、ウィルは逆上し、ついには泣き崩れ、ショーンはそんなウィルを優しく抱きしめ、ウィルの呪縛が解けていく。

抱きしめる

その腕の中で泣きながらウィルは「僕を許して」と何度も繰り返すのでした。

彼は、自分自身で作っていた、殻から抜け出したのです。
ウィルの誕生日、就職も決まり、ショーンもこのカウセリングを通して、もう一度人生を見直す旅に行こうと決意しました。

ウィルに連絡先を教え、互いの幸運を祈り彼を送り出しました。

ウィルに、もう一つ感動することが。チャッキー達がスクラップパーツ集めて作った車を誕生日プレゼントに贈ったのです。

ほんの少し前、チャッキー達は、いつもの通りウィルを迎えに来ましたが、ノックをしても出て来ません。

窓越しに部屋を見てもウィルは留守で、彼は、ウィルが巣立ったことを悟りました。

嬉しいような、少し寂しげな複雑な表情で、他の仲間がクラクションを鳴らすので、チャッキーはウィルは居ないとアピールしました。

「見かけは酷いが、中のエンジンは立派なんだ」友のくれた車に乗って、愛する恋人がいる新天地へと向かうのでした。

主要キャスト

ウィル・ハンティング・・・・マット・デイモン
ショーン・マグワイア・・・・ロビン・ウィリアムズ
チャッキー・サリヴァン・・・ベン・アフレック
ジェラルド・ランボー・・・・ステラン・スカルスガルド
スカイラー・・・・・・・・・ミニー・ドライヴァー
モーガンオマリ・・・・・・・ケイシー・アフレック
トム・・・・・・・・・・・・ジョン・マイトン

基本情報

1998年   アメリカ映画
上映時間  127分
原題    Good Will Hunting配給    松竹富士
監督    ガス・バン・サンド制作    ローレス・ベンダー
制作総指揮 ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン、スー・アームストロング
      ジョナサン・ゴートン
脚本    ベン・アフレック/マット・デイモン

受賞歴

第22回   日本アカデミー賞(1999年)
ノミネート 外国作品賞

第70回   アカデミー賞
受賞    助演男優賞 ロビン・ウィリアムズ
脚本賞   ベン・アフレック/マット・デイモン
ノミネート 作品賞
監督賞   ガス・バン・サント
主演男優賞 マット・デイモン
助演女優賞 ミニー・ドライバー
編集賞   ピエトロ・スカリラ
作曲賞   ダニー・エルフマン
主題歌賞

第55回   ゴールデングローブ賞(1998年)
受賞    最優秀脚本賞 ベン・アフレック/マット・デイモン
ノミネート 最優秀作品賞
最優秀男主演優賞 マット・デイモン
最優秀助演男優賞 ロビン・ウィリアムズ

感想

この作品は、誰だって人は弱い部分を持って生きているけれど、一つ勇気をだして一歩前に踏み出したら”自分”以外の周りが見えてきて、お互いが尊重しあい、信じ・愛することによって生きていることを、再度認識できる作品だと思います。

私が、初めてこの映画を見たときは、どちらかと言うとウィルの様に自分を理解してもらう事を放棄し、大人に対し攻撃的な時期だったと思います。

しかし、今、見返して見ると、ショーンの愛する人を失う恐怖や底知れない孤独の中で生きていく強さ、過去の栄光に縛られてしまい時を止めてしまったランボー教授のプライドなど、今の私には少しずつ理解できるように感じました。

きっと、子供の様に小さな世界から、親から離れ独り立ちするときに、私達は親がくれた無償の愛を感じるのだと実感しました。

とても素敵な映画ですので、是非一度、鑑賞してみてください。

見どころ・裏話

この映画の見どころは、なんと言ってもベン・アフレックとマット・デイモンの2人が脚本を手掛けたところです。

マット・デイモンが、アメリカのハーバード大学在学中に、授業で課題で戯曲を書いて提出したことが発端で、昔からの友人ベン・アフレックが、それを読み映画化しようとしたのがきっかけになったそうです。

マット・デイモンが、この映画を作る為にハーバード大学を辞めたのも有名な話ですよね。

また、ショーン(ロビン・ウィリアムズ)が亡き妻の思い出として語った、おならの話。

実は、あれアドリブなんだそうです。なのでウィル(マット・デイモン)が大笑いしているのは演技ではなく本当の笑いなんですね。

また、微妙~に、カメラも揺れていますよね 笑 カメラさんも笑いをこらえてたそうなんですが・・・実際に観てみてください。

しかも、高い評価を受けて、アカデミー賞脚本賞をとって、その収益を後輩たちが映画の勉強をできるように
寄付したところは、凄いと思いました。

ウィルの固まった心を時には、怒り・悟り・語りかけた、難しい役どころをしたショーン役を好演したロビン・ウィリアムズ。

子供から大人まで幅広く愛された俳優で、このグッドウィルハンティングの映画の中で、カウンセリング室から、公園のベンチに座って語るシーンがあります。

そのシーンが撮影されたボストン・パブリック・ガーデンにあるベンチには、2014年に63才の若さで亡くなったロビン・ウィリアムズ亡き後、ウィリアムズを追悼した花束や映画の台詞が書かれています。

そして、そのベンチの横にウィリアムズの銅像を設置することを求める署名活動が、現在も続けられています。