キャリアコンサルタント国家試験について

キャリアコンサルタント国家試験について

キャリアコンサルタント国家試験は学生、求職者、在職者を対象に職業選択や能力開発に関する相談や助言をする専門家として5年毎の更新による登録制による名称独占資格とされ、守秘義務や信用失墜行為の禁止義務が課されています。
キャリアカウンセラーやキャリアアドバイザーと名乗るものもいますね。

それらの主な業務は職業の選択や職業生活設計又は職業能力の開発や向上に関する相談を行うことです。
自身のキャリアや人生経験を活かすことができ、かつ一生続けられる仕事であることから別業界から転職する人が多いのが大きな特徴です。

難しく思われがちなキャリアコンサルタントですが、簡単にいえばキャリアプランを考えたり、必要なスキルなどのアドバイスをしたりと働く人をサポートするのが主な仕事です。
キャリアのコンサルティングを通じて自分の適性や能力、関心などに気づき、自己の理解を深めるとともに社会や企業内に仕事について理解することによりその中から自分に合った仕事を主体的に選択できるようになることが期待できます。

適用する仕事

適用する仕事の場面は複数あります。

一般企業の人事や相談室

企業におけるキャリアコンサルタントには、社員の相談を受けて能力やキャリア開発の支援を行なったり、社員のモチベーションアップに努めたりする役割があります。

人材ビジネス関連企業

人材ビジネスでは求職者の希望する職種や条件、適性に応じた就業先の紹介が主な役割です。
履歴書や面接のアドバイスや面接の日程の調整なども行います。

ハローワークなどの公共の就職支援機関

ハローワーク 職業安定所

ハローワークなどの場で希望の職や職種、キャリアアップに必要なことなどといった相談を受けたり適職探しなどを行います。
こういったところではメリットとデメリットがあります。

メリット
  • 仕事の種類が多い
  • 年齢が高くても採用されている
  • 基本的に残業がない
デメリット
  • 正規採用枠が少ない
  • 1年毎の更新制が多く契約が継続されない場合がある

学校・教育の場での就職相談窓口

履修分野などに基づいたカウンセリングや就職活動を進めるにあたって、必要な求人の紹介やエントリーシートや履歴書の添削といったサポートを行います。
ここでもメリットとデメリットがあります。

メリット
  • 初めての就職活動に立ちあうことができる
  • 人生のターニングポイントになるかもしれない瞬間を共に過ごせる
  • 感謝もされるのでやりがいにもつながりやすい
デメリット
  • 正規採用枠が少ない
  • 1年毎の更新が多く継続されない場合がある
  • 高い年齢の採用枠が少ない

おおよその年収とキャリアパス

サラリー 給料

キャリアコンサルタントは2016年に国家資格になりました。
ですので、今後もますます注目されていく資格ですが、市場価値は現在では決して高いとはいえません。

将来的にどういった評価がされるのかは資格取得者にかかっています。
評価が下されるのは5年、10年後ではないでしょうか。
ですので、収入においても稼ぐことができる人は稼げるし、稼げない人は稼げません。

大企業の人事担当者を除けば日本の平均年収以下であることが現実です。
年収200万未満が14.6%、300万~400万の年収が最も多く18.5%、200万~300万が次いで15.8%、400万~500万が15.8%

正社員は兼任となることが多く収入は安定していますが、キャリアコンサルタントとしての収入は多くありません。
年収700万以上の大企業内の人でも他の業務と兼業で収入を得ている場合がほとんどです。
キャリアコンサルタント業務だけで収入を得るよりは、兼業して収入を上げることがより多くの額を稼ぐ方法といえそうです。

認可団体

キャリアコンサルタントを主催している団体は「特定非営利活動法人 日本キャリア開発協会:Japan Career Development Association」です。

以下の活動を行なっています。

キャリアカウンセリングの啓発・普及

  1. キャリア開発に関するセミナー・講演会・交流会の開催
  2. 研究会・啓発交流会の推進
  3. 広報活動
  4. JCDAジャーナルの発行
  5. キャリア開発の奨励、強化のための他団体との協力

CDAの能力と倫理基準ガイドラインの設置と施行

  1. CDAカリキュラムの管理
  2. CDA倫理基準・ガイドラインの管理
  3. CDAインストラクター養成

キャリアカウンセラーとしての活動支援

  1. キャリアカウンセリング能力の向上訓練
  2. キャリアカウンセラーとしての実践の場の提供
  3. キャリア開発と実践に関する研究成果の翻訳・出版

受験条件

募集要項

  1. 厚生労働省が認定する講習の課程を修了した方が対象
  2. 労働者の職業選択、職業生活設計、職業開発及び向上のいずれかの相談に3年以上の経験を有する方、実務経験について受験資格として認められるかは個別判断となる。
  3. キャリアコンサルティング技能検定1級または2級の学科試験または実技試験に合格した方
  4. 以上の項目と同等の能力を有する方

合格率

キャリアコンサルタント国家資格を取得するためには国が認定する養成講習を修了し、国家試験に合格したうえで登録しなくてはなりません。
第16回試験での合格率は学科試験63.9%、実技試験63.6%でした。

1年当たりの試験実施回数

年3回(2021年は3月、6月、10月)

試験科目

筆記試験学科試験 筆記試験/100分
実技試験 論述試験/50分及び面接試験/20分

職業能力開発促進法及びその他関係法令に関する科目、キャリアコンサルティングの理論に関する科目、キャリアコンサルティングの実務に関する科目、キャリアコンサルティングの社会的意義に関する科目、キャリアコンサルティングの倫理と行動に関する科目

技能検定キャリアコンサルティング職種の1級又は2級の学科試験、実技試験にそれぞれ合格した者についてはキャリアコンサルタント試験の学科試験、実技試験にそれぞれ合格したものとみなします。

採点方式と合格基準

学科試験と実技試験があります。

学科試験

出題形式 四肢択一のマークシート方式による回答 50問
合格基準 100点満点中70点以上

実技試験

出題形式 論述試験(記述式)逐語記録を読み設問に回答する 1~2問
150点満点中90点以上の得点

ただし、論述試験の満点の40%以上かつ面接試験の評価区分「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のいずれにおいても満点の40%以上の得点が必要

取得に必要な勉強などの費用

勉強するにあたって、教材が販売されています。

国家資格キャリアコンサルタント試験~学科試験 精選問題解説集~発行元:特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会
商品名:国家資格キャリアコンサルタント試験~学科試験 精選問題解説集~
価格:¥3,190(税込)

こちらは第1回~第17回まで出題された問題の中から、キャリアコンサルタントとしてぜひ押さえておきたい内容の問題を精選し、1冊の解説集としてまとめてあります。
巻末には人名やキーワード索引を掲載しています。
試験直前の総復習に使えます。

あとは「キャリアコンサルタント試験」に役立つ資料やDVDも販売していますし、前半にお伝えした認可団体ではダウンロードできる過去問もご用意してあります。

また、「キャリアコンサルタント養成講座」というのもあります。
ハローワークで手続きすれば、講座修了時や資格取得・就職の際に多くの金額が支給されるようになります。
この制度を使わなければ入学金や受講費は約35万円も掛かってしまいます。

受験料

授業料

38,800円(学科試験料8,900円、実技試験料29,900円)

受験申込方法

受験申請にはWeb申請郵送での申請があります。
Webでの申請では受験料の支払いはクレジットカード(VisaかMaster cardのみ)になります。
最初の申請から3回までは申請内容が保持され、2回目以降の申請時には個人情報の入力等が省略することができます。

申請は申請期間初日の10:00から締め切り日の23:59までご利用できます。
郵送での申請は申請書類をWebからダウンロード、または請求し取り寄せ必要事項を記入して郵送することで申請できます。

受験料の支払いは銀行振り込みのみで、手数料は申請する側の負担となります。
受験申請受付期間内の消印のみ有効です。

応募

まとめ

最後にキャリアコンサルタントになるためには、キャリアコンサルタント名簿に登録することが必要となります。
登録事務は厚生労働大臣が登録機関として指定した「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」が行います。

先ほども申しましたが、受験の申請はWebと郵送での申し込み方法があり、受験料は学科試験、実技試験合わせて38,800円です。
そして、登録手数料8,000円となります。(別途、登録免許税9,000円が課税されます)
また、登録証の再交付又は訂正は2,000円掛かります。

キャリアコンサルタントは職業選択や能力開発の相談や助言をする専門家で、2016年に国家資格となりましたが、今のところ市場価値としては高いとはいえません。
キャリアコンサルタントの業務だけよりも、兼業して収入を上げることがより多くの額を稼ぐ方法といえそうです。

けれども、やりがいの仕事でもあります。
収入のためには兼業をおすすめしますが、新たな業務へチャレンジしたい方は受験してみてはいかがでしょうか。

キャリアコンサルタント まとめ

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