不動産は、何十年とローン契約をするのが一般的というほど高額です。
しかし、競売に出された不動産を落札すると、ずっと安く取得できることがあります。
競売不動産とは例を挙げると、住宅ローンを組んでマンションを購入したけれども、月々の支払いができなくなってお金を貸していた銀行の申立によって裁判所が売却する不動産のことです。
事業主が自宅を担保に融資を受けて、返済できなくなった場合も競売にかけられます。
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適用する仕事
競売不動産取扱主任者は、その名称が示す通り競売不動産についての知識があります。
競売物件は、どなたでも購入することができます。
そのため、競売物件の購入を考えている一般消費者へのアドバイスやサポートが中心の仕事内容になります。
競売物件は一般の不動産物件とは違います。
競売物件には、裁判所が関係してきます。
競売手続きの知識だけではなく、民法や民事手続法などの法律も知っている必要があります。
裁判所競売物件は、物件の購入では当然と思われている内覧ができません。
そのため、競売不動産取扱主任者の物件を見る力が大きく出ます。
さらに、競売物件購入者への助言や代行は、法律による制限がありません。
誰でも口出しができるので、トラブルも発生しやすいです。
そこで、競売不動産取扱主任者のような専門家が居ると、トラブルを未然に防いでサポートをお願いすることができます。
競売物件と一般物件の違いは次の通りです。
- 管轄裁判所が競売にかける
- そもそも仲介の立場ではない
- 不動産をお金に換える機能としての窓口のみ
- 民事執行法が適用される
- 物件調査自己責任
- 物件内覧ができない
- 瑕疵担保がない
- 全て訴訟で解決
- 引渡しは買受人で行う
※ここで瑕疵(かし)とは、欠陥のことです。
不動産の場合の瑕疵とは、通常有すべき性能が欠けていて、生活に支障があるような欠陥のことです。
瑕疵担保責任とは、引渡し後に分かった瑕疵に対し負うべき責任です。
- 宅建業者が仲介
- 仲介責任がある
- 宅建業法のもと消費者保護を第一に取引される
- 宅建業法が適用される
- 物件調査を宅建業者がやる
- 物件内覧ができる
- 瑕疵担保も条件交渉で可
- 消費者保護の観点(クーリングオフ等)
- 引渡し手続きは契約で規定
不動産には、一般的な売買と競売があります。
物件を購入したけれども、支払いができなくなり差し押さえた物件のことを競売物件といいます。
競売とは、例えば物件を購入したけれども、住宅ローンが払えなくなってしまった所有者が「任意売却に応じない」または「任意売却しようとしたけれども不調に終わってしまった」場合に、債権者から裁判所へ申し立て競売へ移行するケースなどです。
ちなみに、不動産の売買をする仲介業をするには、事業所に従事者が5人に対して1人の割合で宅地建物取引士:通称宅建士(国家資格)が必要です。
おおよその年収とキャリアパス
この資格で収入を得ている人は、ここでは競売物件や任意売却物件を扱う会社に勤務して収入を得ている場合で考えます。
おおよその年収は幅がありますが、300万円から800万円くらいです。
不動産業界で、資格を競売不動産取扱主任者だけにして仕事をしている人は、ほとんどいないと考えられます。
競売不動産取扱主任者の資格は、メインの資格にするよりは、不動産業界で働く人が、仕事の幅を広げる考えで取得することが多いです。
知識を増やしたいから取得するという人も居られるようです。
認可団体
競売不動産取扱主任者の資格は、不動産競売流通協会という団体が取り仕切る民間資格です。
不動産競売流通協会とは、不動産会社が加盟する不動産競売を扱う団体として、国内でただ一つの大きい教会です。
全国で結束して、不動産競売の流通を促進しています。
受験条件
特にありません。
学歴や、年齢にも関係なく誰でも受験できます。
申し込みが、定員になると締め切りになってしまいます。
申し込みはお早めに。
合格率
― | 受験人数 | 合格者数 | 合格率 |
2021年度 | 1452人 | 479人 | 33% |
2020年度 | 1513人 | 459人 | 30.3% |
2019年度 | 1755人 | 547人 | 31.2% |
2018年度 | 1958人 | 792人 | 40.4% |
2017年度 | 2201人 | 890人 | 40.4% |
3割から4割くらいの合格率となっています。
受験者は、近年減少傾向にあります。
1年当たりの試験実施回数
競売不動産取扱主任者試験は、年に1回実施されています。
毎年12月に実施されます。
試験科目
問題の形式は四肢択一です。
50問出題されます。
解答の方式はマークシートです。
試験の内容は次の通りです。
- 不動産競売実務
- 民事執行法
- 民事訴訟法
- 民法
- 宅地建物取引業法
- 都市計画法
- 建築基準法
- 税法
- 裁判所資料の正確な理解
- 競売不動産の出品から、落札、明渡迄とその付随する物の法律知識等
採点方式と合格基準
四肢択一の試験なので、採点方式は正誤判定と思われます。
合格者には、合格証明書と合わせて登録申請書類が送られます。
合格基準を示します。
2020年の合格基準は、50点満点中35点以上でした。
取得に必要な勉強などの費用
この資格試験の勉強用のテキストの価格を以下に示します。
公式テキスト
- 出版社名:住宅新報出版
- 商品名:競売不動産の基礎知識
- 価格:¥3,080(税込)
シンプルな図解と用語解説で早わかり
2020年4月1日施行の民事執行法等の法改正を踏まえ刷新されています。
本件の資格の公式テキストとして、試験範囲を全て取り扱った受験対策書です。
公式問題集
2022年試験対応【改定版】競売不動産取扱主任者演習問題集
¥3,080(税込)
こちらは演習問題集です。
各問題に公式テキストの参照ページを記載しているため、テキストと並行して取り組めます。
試験形式で150問収録してあります。
仕事をしながらの勉強で取得するのは、かなりの労力を要すると思います。
受験料
受験料は9,900円(税込)です。
別途、事務手数料350円がかかります。
受験申込方法
申し込み方法は郵送とインターネットの2通りです。
郵送で受験申し込みの場合
まず、受験願書申し込みフォームから受験案内の請求をします。
受験案内配布期間は2022年の場合、2022年8月1日(月)から2022年10月31日(月)です。
インターネットで受験申し込みの場合
インターネット出願のフォームにて、必要事項を入力します。
出願締切は2022年の場合、2022年10月31日(月)(消印有効)です。
入力終了後、確認メールが送られてきます。
携帯電話などで指定ドメインからの着信を拒否している方は、「@fkr.or.jp」を受信できるように設定する必要があります。
合格者には、合格証明書と合わせ登録申請書類が送られてきます。
まとめ
民間資格である競売不動産取扱主任者についてでした。
この資格は、受験条件が特にありません。
学歴や年齢に関係なく誰でも受験できます。
この資格が必要になっても、そこから必要なだけ勉強をして受験すれば取得することができます。
不動産の仕事をするのに、この仕事をメインにしてこの資格以外の資格を持たない人はほとんどいないと思われます。
不動産の売買をする仲介業には、事務所の従業員5人に対して1人、国家資格の宅地建物取引士を持っている人が必要です。
その他に取る資格としては、やはり競売不動産取扱主任者が仕事の幅を広げるために取得することが多い資格です。
合格率は3割から4割くらいですが、受験するのに特に条件がないので受験しやすい資格ではあります。
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