ライフスタイルプランナー…文字だけみると生涯学習や人生の生き方の相談役に見えますが、じつは住宅関連の資格なんです。
ライフスタイルプランナーというのは、輸入住宅の普及と振興を通じて欧米のライフスタイルを提案し、日本人の住文化の向上を目指すために作られた資格です。
輸入住宅という言葉は初めて聞く単語かもしれません。
輸入と国産の住宅に違いがあるのでしょうか。
そして、どんな資格なのでしょうか?
Contents
適用する仕事
ライフスタイルプランナーは、住居環境を整えることで快適で豊かな生活を提案するスペシャリストです。
主に海外のライフスタイルを取り入れたインテリアやガーデニングなどについて助言を行なって、購入者が理想に近づけるように住まいづくりの手助けをしていきます。
インテリア、エクステリア(外構)、ガーデニングから住宅販売にともなう法規制、税金、クレーム処理などに関する幅広い知識が必要になります。
活躍する場
ライフスタイルプランナーは次のようなところで活躍します。
- 輸入住宅メーカー
- 設計事務所
- 建設会社
- 不動産会社
- デザイン会社
- インテリアショップ
なぜ輸入住宅のスペシャリストが必要なのか
これまで日本は価格や画一的な居住空間を重視してきました。
しかし、今は個々のライフスタイルに合わせた住み方や生き方を改めて提唱しています。
このため各々が豊かで楽しい生活を送れるようにと、この資格が生まれました。
ちなみに、日本と欧米の住宅ではこんな差があります。
日本の住宅の特徴
- 玄関はドアが外開きか引き戸で土間がある
- 和室がある
- 浴室には深い浴槽と洗い場があり、トイレと分離しているのが一般的
- 夏の日差しや雨を防いでくれる深い軒がある
最近では洋風の間取りの住宅が増えていますが、日本は入浴の習慣があるので必ず浴槽を設置する構図となっています。
海外の住宅の特徴
- 日本よりも広々としたつくりが多い
- 建物の一部に組み込んだガレージ(ビルトインガレージ)が多い
- リフォームやメンテナンスをして住むことを前提とした部材でつくられている
- 長く住むことを前提に頑丈につくられている
- 気密断熱性能に優れている(北欧や北米は寒さが厳しいため)
これは日本の一般的な住宅が採用している基本寸法が約910mmに対して、欧米は1,200mmのためこのような造りとなっています。
つまり、この差があるため海外の住宅は広く造られているんです。
日本と海外とでこれだけ違いが出てきますので、海外のライフスタイルを取り入れようとしたときに、日本で住宅を建てる際には適切なアドバイザーが必要なのです。
おおよその年収とキャリアパス
一例になりますが、ある輸入住宅メーカーが募集しているアドバイザーの求人には450万~700万円の年収例が挙げられていました。
もちろん経験や能力によって差はあります。
収入のモデルケースとしては、経験5年(20代)で400万円前後、経験10年(30代)で500万円台、経験15年以上になると600~700万円台になるそうです。
ただし、勤めているのが個人経営の工務店などだともう少し収入は低くなるでしょう。
キャリアパスも所属している企業によってさまざまでしょう。
これも一例ですが、課長や部長などの管理職としてキャリアアップするルートや設計スキルを活かしてのジョブチェンジが考えられます。
または仕事の幅として店舗やクリニック、幼稚園など非住宅木造建築物の設計に携わることも可能です。
認可団体
ライフスタイルプランナーという資格を主催している団体は「一般社団法人 輸入住宅産業協会」(IMPORTED HOUSE INDUSTRIES ORGANIZATION・略称IHIO)というところです。
TEL:03-3980-7311
FAX:03-3980-7312
1995年4月設立
- 広報や普及活動
- 海外の供給者開拓、市場開拓活動
- 情報交換活動
- 品質向上や技術向上のための活動
- 調査研究の実施
- 政府などへの要望
また、輸入住宅産業発展のためにはいくつか課題を抱えています。
- 規制緩和
- コスト低減
- アフターメンテナンス
受験条件
ライフスタイルプランナーは略して“LSP”と呼ばれます。
LSP試験
受検年の4月現在で満18歳以上であること(性別・国籍は問わない)
LSP上級試験
- LSP試験に合格し、登録を済ませていること
- 住宅に関わる実務経験が2年以上あること。
または同等の資格があること(当協会の認定校でのカリキュラム修了)
合格率
合格率はLSP試験で約70%、LSP上級試験で約30%となっています。
1年当たりの試験実施回数
LSP試験もLSP上級試験も年1回です。
8月下旬に実施されます。
試験科目
LSP試験は120分の筆記試験です。
LSP試験
- ライフスタイルに関する知識
- インテリアに関する知識
- ガーデニングに関する知識
- 輸入住宅に関する知識
- コンサルティングに関する知識
LSP上級試験は180分で筆記試験と実技(作図)試験があります。
LSP上級試験
- 住宅販売に関する専門的知識
- 住宅空間計画と作図の技術
採点方式と合格基準
採点方式は不明で、合格基準は非公開でした。
取得に必要な勉強などの費用
勉強方法としては認可団体から書籍が販売されていますし、認可校もあります。
参考書籍
認可団体から「ライフスタイルプランナー・ハンドブック」という参考書が販売されています。
ライフスタイルプランナーを目指す人への必読本で、必要な知識を1冊に凝縮してあります。
352ページあり、定価8,000円(税込)です。
お求めは「一般社団法人 輸入住宅産業協会」まで直接ご注文ください。
あるいは、それより薄いサイズで275ページ版3,000円のテキストも販売しています。
また、過去問題集もご用意しています。
ダウンロードでしたら無料ですが、製本だと定価各3,500(税・送料込み)かかります。
これらはライフスタイルプランナーの公式サイトの【過去問題集・ハンドブック】の欄に載っています。
認定校では
インテリアコーディネーターも含みますが、ライフスタイルプランナー認定校(町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー)というものがあります。
- インテリアコーディネーターコース(全日制)1年間・153万円
- インテリアコーディネーターコース専門課 2年間・59万円
ともに一般教育給付金対象
受験料
LSP試験:10,000円
LSP上級試験:15,000円
2つとも合格者には別途登録料がかかります。
15,000円必要です。
受験申込方法
まずライフスタイルプランナーの公式サイトを検索しましょう。
ホームの左側に「LSP試験のご案内」の項目があります。
その下に受験要綱請求の欄があるのでそこから申し込みましょう。
まとめ
以上、ライフスタイルプランナーについての記事でした。
近年、輸入住宅メーカーの中には、従業員全員にライフスタイルプランナーの資格取得を推奨しているところもあります。
それだけ輸入住宅を扱うアドバイザーには需要があるようです。
しかし、1つ難点を言わせてもらうと、この資格は合格した後登録料というのが発生します。
そして、登録月から5年ごとに更新が必要なんです。
もちろん更新料(15,000円)もかかります。
そう考えるとめんどくさい資格にも見えます。
それでもそういった職種に携わっている方には、仕事に活かせる資格ではあります。
そうした難点も含めて関係の方には、この資格を勉強してもらいたいと思います。
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